TYPE-MOON展 奈須きのこ本棚にあった資料・種本48冊全部読む

 

 2019年末から2020年8月まで行われた「TYPE-MOONFate/stay night -15年の軌跡-」の展示企画の一つ、奈須きのこの仕事場にあるデスクやパソコン、本棚をイメージ再現した「Kinoko Nasu's WORK SPACE」から漫画と小説以外の本を抜き出して読んだもの。

 1冊目の『価値がわかる宝石図鑑』を読んだのが2021年3月7日、48冊目の『料理と帝国』を読んだのが2021年6月8日なので約3ヶ月かかった。

 本棚の中にはこの記事に載せたもの以外に書籍が漫画9冊と小説が150冊ほど。ゲームが3作と大量の音楽CDがある。

 『TYPE-MOON展図録』に棚の写真が載ってて、それを見れば収録本は大体わかる(一部角度的に背表紙が見えない本もある)のでみんなも買って読もう。

 

 本の並びはどの本がどの作品に使われた(可能性がある)のかわかりやすくするために出版年順。

 各作品の発表年代については 

 こちらの記事を参考にするとわかりやすいかと。

 僕もこの記事を書くにあたってかなり参考にして、「『失われた動物たち』と原作版『まほよ』書かれたのほぼ同時期だな……」とか「『428』と『未来福音』書かれたのほぼ同時期だな……」とかやっていました。(地産地消)。

 

 本棚にある小説と漫画については

 こちらをご参照ください(小説はまだ1/3くらいしか読んでないけど)。

 

 個人的にこの中で1番のオススメは『価値がわかる 宝石図鑑』。読んでいると合成の安物でいいからなんか手元に宝石が欲しくなってくる。元ネタ探し的な意味でも「あっもしかしてベリル・ガットの由来この本!?」ってサプライズ要素があるのも嬉しい。

 ある意味面白かったのは『型の完成にむかって』『決定版 毎日のおかず」『バッティングの正体』あたり。「中要秘刊集」「カニ風味かまぼこ五目」「シンクロステップ」みたいなかなり独特の用語が使われているおかげで読むと一発で『Fate/stay night』の弓道描写と料理描写、『DDD』の野球描写の種本であることがわかり、読み甲斐がある。

 

 

 


Truth In Fantasy 4 幻想世界の住人たちII 1989年5月

 奈須きのこ曰く「我々の心の故郷*1」というTruth In Fantasyシリーズの4冊目。著者は健部伸明と怪兵隊。

 ヨーロッパ・中近東・アジア・南北アメリカ・文学作品に登場する幻想生物と悪魔について解説した本。

 きのこ関係だとティアマトと11の怪物、キングー、マーラ、ソロモン72柱、イシュタル、エレシュキガル、ガルラ、アスタロス、ジャバウォックとバンダースナッチなんかの記載がある。

 この中では多分一番古い本の割に『FGO』で使われたような新しいネタが妙に多い。もしかして今でも現役で種本として使っているんだろうか、Truth In Fantasy……。


Truth In Fantasy 8 武勲の刃 1989年12月

 Truth In Fantasyシリーズの8冊目。著者は市川定春と怪兵隊。

 刀剣の歴史や刀剣の種類ごとの能力値(何それ?)について解説した本。

 きのこ関係だとエクスカリバー棍棒ヘラクレス)、ダーク、ハルパーが記載されている。

 エクスカリバーに関しては片刃説が取りあげられているけど別に『Fate/stay night』には採用されていない。

 この本読んで初めて知ったんだけど、ダーク、中東とか全然関係ないスコットランドの短剣じゃん! なんでハサン・サッバーハが使ってるの……? 名前が闇っぽいからなのか?

 あとこれもこの本読んで初めて知ったんだけど、ハルペー、剣じゃん! 『stay night』の解説文で「女怪殺しの神剣」って書いてあるのその名残だったのか。ランサーメドゥーサ見る限り今は完全に長物扱いっぽいけど。

 エクスカリバーもダークもハルペーも記述ほぼ無視してるし、ヘラクレスについても1~2行しか触れてないので何に使われたのか割と謎の本。

 元ネタを一切無視してるところに目を瞑れば少なくともダークの由来はこの本なんだろうなとは思うが……。


Truth In Fantasy 6 虚空の神々 1990年4月

 Truth In Fantasyシリーズ6冊目。著者は健部伸明と怪兵隊。

 タイトルや表紙からは読み取れないが、ケルト神話北欧神話の神々について説明した本。あくまで神々がメインなのでクー・フーリンやフィン・マックールに対しては断片的に触れる程度の内容。

 ルーの槍「ブリューナク」やヌァザの剣「クラウ・ソラス」の名称を創作したとして割と悪名高い本でもある。一応本文中に「不勉強で原語版に当たれていない資料も多いので間違っていたら訂正してください」とか「自分は学者じゃなくてライターなので独自解釈も書いてます」みたいなエクスキューズが書いてはあるんだけど、そういう問題でもない気はする。

 きのこ作品に関係する内容だと「フラガラッハ」「ブリューナク」「グングニル」「バロールの目」あたり。でもあまり参考にされている気配はない。

 例えば『Fate/stay night』ではブリューナクに「轟く五星」って日本語表記がついているけど、どうもこのブリューナク=5って発想はTruth In Fantasy30『聖剣伝説』が出典らしい(参考)。『聖剣伝説』由来っぽいものは他にも『stay night』の武器解説「ダインスレフはシグルドを殺した一族に伝わるファフニール竜の収集宝具」がある(参考)。

 当たり前だけどこの本棚に入っていない本の内容も作品内に反映されているという。

 こうして悪い影響与えた所だけ並べると『聖剣伝説』どうしようもない本だったように見えるけど、きのこが「マーリンがエクスカリバーより鞘の方が大事だってアーサーに説教した」ってエピソードを知ったのも多分この『聖剣伝説』なんだろうなとは思うので、功罪は両方ありそう。

 いやまぁどっちにしろ(『空の境界』『Fate/stay night』くらいの時にTruth In Fantasyを種本として使ってたのは時代的に仕方ないとしても)今でも読んでるんだとしたらそれはちょっと辞めた方がいいんじゃないかな……と思う気持ちはある。

 

女神転生Ⅱのすべて 1990年5月

 ファミコンRPG『デジタル・デビル物語 女神転生II』の攻略本。ゲームのあらすじ紹介や登場悪魔の解説と設定画、その他攻略情報等が掲載されている。著者は成沢大輔。

 登場悪魔の内きのこキャラを拾うとアサシン、アスタロート、アトラス、ガネーシャクーフーリン、ケツアルカトル、タマモノマエ、ティアマット、ティホン、フェンリル、ペガサス、メデューサ、レヴィアサンとか。きのこ以外も含めればヴァルキリー、ヴリトラ、キヨヒメ、タロス、ミノタウロスメフィストなんかもいる。

 とはいえ悪魔解説の内容自体は文字数が大体100文字くらいしかないのもあってかなり薄くて、さすがにこの本を資料として使って作品が書かれているとも思えない。

 じゃあなんのための本なのかを想像してみると、「私はこの本でクー・フーリンを知りました」アピールとかなんじゃないか? 「『メガテン』の台頭でクー・フーリンを知ってケルト神話に興味を持った*2」って発言もあるし、『旧Fate』書かれたのが1991年あたりなので時期も合う。

 

宇宙の起源 1995年7月

 「知の再発見」双書シリーズ49冊目。著者はチン・ズアン・トゥアン。

 古代エジプトや古代バビロニアから現代(1995年)まで宇宙観が天動説→地動説のようにドンドン移り変わっていく歴史や、宇宙・銀河・地球の成り立ち等について解説する入門書。

 きのこ作品で宇宙の起源に関するネタだと一番最初に思いつくのは根源(「 」)の設定そのものだけど、本棚にはもう一冊宇宙の起源に関する種本『宇宙のはじまりの星はどこにあるのか』があってそちらは2013年刊行。両方同じ時期に買ったと仮定するならもっと新しい設定に関わっている本なのかもしれない。

 というか、多分『月姫 - A piece of blue glass moon-』用の本だろう、この2冊。もともとシナリオが完成したのは2014年頃らしいのでちょうど時期も一致している。

 この本で言うと使われているのは「宇宙が生まれた時の大きさは10-34cm」(実際のリメイク版前編では10-35に訂正されている)、「天文学においてインフレーションと呼ばれる宇宙の始まりを示す現象」「夜が暗いのは宇宙には150億年分の情報しかないから」(実際のリメイク版前編では138億年に訂正されている)あたり。

 『FGO』で言うとソンブレロ銀河やマウナケア天文台の名前もこの本の中に載っているけど、まぁこれはあんまり関係ないか。 


アボリジニー神話 1996年3月

 アボリジニー神話の伝承50エピソードをまとめた本。著者はK・ラングロー・パーカー。

 こういう○○神話系の本って「この神様はこういう性格でこういうエピソードを持ってて~」みたいに解説する感じの内容だと思いこんでたので本当に伝説しか載ってなかったのがちょっとびっくり。オーストラリア版遠野物語みたいな感じだった。

 エミューには何故翼がないのかを説明した「エミューのディンナーワンとシチメンチョウのグーンブルガッボン」、ワライカセミは何故早朝に大声で鳴くのかを説明した「いかに太陽は造られたか」のような素朴な起源神話とかが色々書いてある。

 きのこ作品にアボリジニ神話の要素が出たこと今まで一度もないと思うので、多分これからアボリジニ出典のきのこ鯖がどこかで出るんだろう。バイアーメとかワーランナーとか? 個人的には「カラスのウィーリーヌン、ワーン」が理不尽すぎて好き。

 アボリジニ神話って日本だとほとんど知られていないと思う(少なくとも僕は今回これ読んで初めて知った)ので今のうちに読んでおくと実際に登場した時に「おっこれ『アボリジニー神話』で読んだ奴じゃん!」とか思えて楽しいかもしれない。

 一応きのこ作品に限定しなければ『Fate/Requiem』にアボリジニ風の服装をした少女がもう出てるけど、あっちはこの本に出典がなさそうなので関係ない。

 

Fate/Grand Order』2部7章「黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの」で言峰綺礼ラスプーチン)に混ざってる月のバーリー、「サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!」で水着ノクナレアが名乗っているヤラアーンドゥの種本だったことがわかった。

 両方ともメインキャラでも何でもないちょい役だったので普通に憶えてなくて、全然「おっこれ『アボリジニー神話』で読んだ奴じゃん!」って思えてない! ヤラアーンドゥーに至ってはこれは……キャラなのか? 地名とかじゃない?

 竹箒日記を見るに水着ノクナレアの設定考えたのは早くても2022年5月のようなので、2019年末にきのこ本棚が公開されて以降で初めて明確に種本として使われた例になるのはちょっと面白い。

 いやまあ、「言峰の複合神性は月のバーリー」ぐらいなら2019年時点(というか2017年末に初登場した時点)で既に考えてあってもおかしくないにしても、7章鯖用のマヤ・アステカ本なんかは7章プロット詰めたの2021年って話だし本棚公開後にも読まれているとは思うけど。

 

失われた動物たち―20世紀絶滅動物の記録 1996年12月

 絶滅動物約90種の生態や絶滅経緯について解説する本。

 これはまぁ、なんかもうタイトル見ればわかるわってって感じだけど『魔法使いの夜』のリョコウバトのエピソードの種本。

 『まほよ』で久万梨が語っていた内容、「その国最小の通貨一枚で売買される命」「まだ25万羽もいるじゃないか、千羽や二千羽ぐらいなら独り占めしても構わないだろう」みたいな久万梨個人の感想を除けば基本的に全部ここに書かれている。

 この本の出版日が1996年12月1日、原作版『魔法使いの夜』の表紙に書かれている日付が1996年12月18日なのでギリギリこちらの方が早いけど、久万梨金鹿は原作版にはいなかったキャラクター(参考)って話もあるし、そもそもあまりにギリギリすぎるのでリョコウバト云々ってゲーム版で追加された新規エピソードなんだろうなとは思う。

 ただ、この本は1995年~1996年に放送されたテレビ番組(ウェブ上で無償公開されている)が大本なので、きのこがこちらを先に見ていた可能性はある……というか、「1996年12月に書かれた小説を2012年にリメイクする時に入れた追加エピソードが、偶然にも1996年12月に出版された本から取られている」より「原作版を書いている時テレビで見たエピソードをそのまま使ったので必然的に同時期になった」の方が説得力あるような気もする。

 まぁどちらにしろリョコウバコのエピソードは『月の珊瑚』でも軽く触れられているので少なくともきのこが2010年以前に読んでいたことはわかる。

 

Truth In Fantasy 24 召喚師 1997年4月

 Truth In Fantasyシリーズ24冊目。著者は高平鳴海 他。

 ドルイドやカバリスト、錬金術師、陰陽師、ラビなど様々な召喚師について、特に高名な人物(パラケルスス安倍晴明)の紹介も交えながら紹介していく本。

 きのこ作品に関係する要素だとドルイド(マーリン)、ラビ(ソロモン王)。あとは数秘術やルーンにもちょっと触れられたりしている。

 今読むとめちゃくちゃ怪しい情報がさも確固たる事実かのごとく書かれているせいで読んでて「う、胡散臭ぇーっ!」みたいな気分になる。「魔術分野でのマーリンの功績にインスタント呪文を開発して魔術を万人が使えるようにしたことがある」とか。 

 ソロモン王は魔術師だったにも関わらず聖書にその事実が書いていないのを根拠にして「魔術の力を悪用されないように、ソロモンは死後、歴史の闇に身を隠したのかもしれない」としているのはちょっと型月解釈に近いかもしれない。


アーサー王伝説 1997年10月

「知の再発見」双書シリーズ71冊目。著者はアンヌ・ベルトゥロ。

 アーサー王伝説の成り立ちや発展の仕方を解説した本。

 『Fate』シリーズにおけるアーサー王伝説の種本……なんだとは思うんだけど、どこにこの本の内容が反映されているのかよくわからない。アーサー王のモデルになった人物の話とかもこの本と『Fate/stay night』で全然別のこと書いてあるし……。

 まぁこの本の内容をそのまま使ったらアーサー王って後世のノルマン人が権威付けのために宣伝したプロパガンダ伝説ってことになる上、伝説の存在を認めたとしてもアーサー王って基本的に前線に出たりしない王権の象徴ってことになるので、種本として使いようがないといえばない気もする。じゃあなんで本棚に置いてあるんだろう。

 まぁアーサー王伝説絡みはまだ『FGO』2部6章って大ネタが残ってるのでもしかしたらそこで使われているのかもしれないけど。 


Truth In Fantasy 33 守護聖人 1997年12月

 Truth In Fantasyシリーズの33冊目。著者は真野隆也。

 キリスト教の聖人約60人について解説する本。洗礼者ヨハネや聖ペテロなんかの紹介にはもちろんキリスト本人も登場している。

 マルタやゲオルギウス他色々載っているけど、きのこ関係だとマグダラのマリアと、後はせいぜい聖セバスティアヌスの解説の中でク・フリンに触れているぐらいしかネタがない。

 いまいち何に使われている本なのかよくわからないけど、キリスト教に関してはなんか未発表の設定がだいぶ量ありそうな気配がしてる(聖堂教会年表あったりとか)のでそのあたりに生かされてるのかもしれない。


大塚国際美術館 西洋絵画300選 1998年

 古代壁画から現代絵画までの西洋名画1000点の原寸大陶板を展示した「大塚国際美術館」の図録。2020年販売終了済み。

 構成としては「環境展示」「系統展示」「テーマ展示」の3章に分かれているけど、ページ数としては時代順・様式・流派に分けて系統的に並べた「系統展示」が全体の3/4を占めていて、いわば名画でたどる西洋絵画史とも言える本になっている。

 あくまで美術館の展示をまとめた本なので、単体で読むと絵が小さくて細部が見づらいのがちょっと気になる(「アレクサンドロス大王の戦い」とかもはや何がなんだか全然わからん)。これきのこは美術館行った上で読んだのかこの本だけ読んだのかどっちなんだろうか。

 画家鯖の中ではダ・ヴィンチゴッホの絵が収録されているけど、設定担当が前者は桜井光で後者は多分amphibianなのであまり関係ないのかな?(ロリンチの方はきのこ鯖なんじゃないかとも思うけど……)

 これからきのこ製の画家鯖が登場するのか、もしくは絵のモチーフの方を参考にしているんだろうか。

 前者については後述の『脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界』でタイトルに使われているピカソとモネ(特に1章丸々割かれているモネ)や比較的扱いが大きいモンドリアンとかがちょっと怪しいかもしれない。

 後者については中世西洋絵画の歴史はほぼキリスト教の歴史なので聖書のエピソードや教義についての解説もちょくちょく挿入されているし、他にも「マグダラのマリアは赤い服を着ている」がマグダラの聖骸布に反映されたりしているかもしれない。キリスト教以外なら歴史画でアレクサンドロス大王ギリシャ神話でペルセウスとかもある。 

 

Truth In Fantasy 37 イスラム幻想世界 1998年6月

 Truth In Fantasyシリーズ37冊目。

 イスラム文化圏が形成されるまでの経緯と、その文化圏内の怪物・英雄・魔術を解説した本。

 具体的な使われ方としては多分ハサン・サッバーハイスカンダルの種本。

 「ハサン・サッバーハ」「ザバーニーヤ」「シャイターン」と『stay night』時点での関連名詞が全部1冊の中に出てくる上に訳語も一緒だ。

 本のタイトルからすると結構意外なんだけど「イスカンダル -双角の征服王-」は何気に6ページも割かれている。

 きのこが征服王イスカンダルの名前をアレキサンダーでもアレクサンドロスでもなくイスカンダルにした理由、今までよくわかってなかったけどこの本が元ネタなのでは。というか征服王って二つ名自体がこれ由来だったりするのか?

 他にも「アズラーイール」や「アハリマン」「アヴェスター」「アジダハーカ」が出てくるけどこれはあんまり関係ないか。 

 アジダハーカなんて「苦痛。苦悩。死を表す悪竜」って情報すら書いてない。


最新 文学批評用語辞典 1998年8月

 1900年代後半から急激に複雑化していった文学批評の用語について網羅的かつ簡潔に解説した辞典。

 これは……なんだろうね。全然わからん。「音声中心主義」「自意識的語り手」「ニュー・アメリカニズム」「零度のエクリチュール」とかの文学批評用語に対する解説がどうきのこ作品に使われているのか?

 一応「起源」「テクスチャー」、あとは「投射(投影)」みたいなきのこ用語も項目が立てられてるけど流石に関係ないよなぁ。後はアリストテレスへの言及も多いけどこれもちょっと関係あるとは思えない……。

 この本がきのこ作品にどういう形でフィードバックされているのか、思いついた人がいたら誰か教えて下さい。 

 

心理学辞典 1999年1月

 4000項に渡り心理学の概念・理論・方法・技法・人名を解説した心理学辞典。

 心理学辞典という割に全然関係なさそうなランドルト環(視力検査のやつ)とかも項目が立てられているのがちょっと面白い(なんで……?)

 何気にこの本、明確にきのこ作品の記述を否定している部分があって、具体的に言うと『空の境界』や『月姫』における「記憶とは脳が行なう銘記、保存、再生、再認の四大のシステム」っていう記述が完全に間違っている(正しくは銘記、保存、再生の三段階)。

 なぜきのこがそんな間違いをしたかと言えばこれは明らかで、「島田荘司の『異邦の騎士』にそう書いてあったから」だろう。『異邦の騎士』も本棚に置いてあるし。

 この『心理学辞典』と『空の境界』と『異邦の騎士』を読み比べることで誰でも「小説を書く時の資料には他の小説ではなくちゃんとした物の本を使おう」という教訓が得られるぞ。

  

バッティングの正体 1999年5月

 著者の考える「正しいバッティングフォーム」を科学的に解説する本。著者は手塚一志

 『DDD』2巻「S.vs.S」の種本・バッター編。

 「S.vs.S-2」冒頭の「シンクロステップ、テイクバック。 ムーブ、トップ、インパクト。」って文章、さも一般的な用語かのごとくシンクロステップが使われているけど、実際はどうもこの本が作った独自用語っぽい。

 あとは「バッティング動作は人体に備わっている生物として自然な運動」とかにもこの本の影響を感じる。 

 後述の『野球の最新練習法』『ピッチング革命』と続く野球系種本3冊、なんかめちゃくちゃ露骨にこれらの本で調べた内容が作中に反映されているあたり、きのこマジで野球を一切知らないまま『DDD』2巻を書いたことが窺える。というか2004年の竹箒日記で野球を知らないってはっきり言ってるし…… (それでシンカーvsスラッガーが書けるの、天才じゃん)。

 

図説 大聖堂物語―ゴシックの建築と美術 2000年7月

 ゴシック建設と大聖堂の歴史やキリスト教にとっての位置づけ、ステンドグラスや彫像に描かれた聖書のエピソード読解等について解説する本。著者は佐藤達生、木俣元一

 きのこ作品で大聖堂って言うと聖堂教会とかメレムの四大の悪魔とかが思い浮かぶけど、多分そういうのとはあんまり関係なく『Fate/hollow ataraxia』のステンドグラスの種本。大聖堂の美しいバラ窓がカラー写真で紹介されているので。

 タイトル的にステンドグラスの写真が見たくて手に取る本だとも思えないので、聖堂について知りたくて買ったらノートルダムのバラ窓を気に入って天の逆月のビジュアルに採用……みたいな流れだったんだろうか。

 

脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界 2002年2月

  神経科学者である著者が当時最新の知見を元に脳が美術作品を鑑賞するためのシステムについて解説した本。著者はセミール・ゼキ。

 この「当時最新の知見」というのがクセモノで、原著が1988年刊ともう四半世紀近く前に書かれた本なので、「まだ詳しいことはわかっていないがいくつかの仮説は提唱されている。筆者の考えでは~」みたいな文章が出るたびに「これ、今はどうなってんの?」みたいな疑念が頭をよぎり話に入り込めない。

 きのこがいつ読んだのかはわからないけど、流石に2021年に読む本じゃないかなぁという感じはちょっとあった(いや神経科学のことなんて全く知らないので、もしかしたらこの本の時代から全く進歩なかったりするのかもしれないが……)。

 まぁそのあたりを気にしなければ多分面白い本ではある。読むのにめちゃくちゃ時間かかったけど。10日くらい。

 個人的にはどこに美術的価値があるのか全く理解できなかった抽象画を「脳の傾き選択性細胞だけを刺激する美術」で理解できるようになったのがよかった。

 タイトルこそ「脳は美をいかに感じるか」だけど、内容的には「脳は外界をいかに認識しているか」とかの方が多分近い。

 脳の視覚野は「色」「傾き」「動くもの」「人の顔」とか様々な認識モジュールに分かれていて、それは脳の一部に障害を負った人間が色盲や運動盲、相貌失認を起こすことで証明される……みたいな話がメインで、あまり美術関係の種本という雰囲気はない。

 そのあたりの脳の話って特にきのこ作品でフィーチャーされたことはない気がするけどこれから使われたりするんだろうか。

 強いて言うなら『空の境界 未来福音』の「"視覚で得たすべての情報"を拾うと脳に負担をかけてオーバーフロウしかねない」って記述なんかはこの本の内容に近いかもしれない。


決定版 毎日のおかず 2002年6月

 「新家庭おかず」「和風家庭おかず」「洋風家庭おかず」「中華風家庭おかず」「もう一品の簡単副菜」の5種類に分類されたメニューが掲載されたレシピ本。

 どうも『Fate/stay night』の料理メニューの種本らしくて「青椒牛肉絲」「かに玉」「鮭の照焼き」「いかのエスニック焼き」「チキンのクリーム煮」「えびの包み蒸し」「かに風味かまぼこ入り五目茶わん蒸し」とかこの本由来っぽいメニューはちょくちょく出てくる。

 いや最後の茶碗蒸しぐらい露骨な奴はともかく、かに玉や鮭の照焼きはあまりにも普通のメニューすぎてこの本が元ネタだとは言いづらいが……。

 というかこの茶碗蒸し、料理名をよく見れば分かる通り「かに風味かまぼこ」、要はカニカマ入り茶碗蒸しのことなんだけど、『Fate/stay night』の描写だと「藤ねえカニを買ってきたから茶碗蒸しを作ろう」「じゃあ作るのはカニ風味かまぼこ五目ですね」という流れなので、どう見ても本物のカニが入っている。

 奈須きのこ、もしかして……料理名と写真ぐらいしか見てない……!? 

 この本の出版日2002年6月はだいたい『stay night』の本編執筆開始タイミングと一致している(体験版シナリオ脱稿が2002年5月*3なので)っぽいあたり、直近で出てた家庭料理の本をとりあえず一冊買ってみたみたいな雰囲気を感じるし、「夕食のシーンを書くのは正直面倒くさかった*4」って発言もあるし、奈須きのこ、料理に興味一切なさそう。 

 

ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界 2002年7月

 共感覚者である著者が共感覚の医学的根拠や過去の作家たちが持っていた共感覚、そして自身の共感覚体験などについて語る本。著者はパトリシア・リン・ダフィー。

 『428 〜封鎖された渋谷で〜』ボーナスシナリオ カナン編(『CANAAN』)の主人公カナンが持つ能力・共感覚の種本その1。

 カナンの持つ共感覚、ほとんど超能力じみたアンサートーカー的な力として描かれているので実在の共感覚者を扱うちゃんとした資料にあたって書かれていたこと自体が意外。

 そもそも「カナンが強いのは共感覚のおかげ」っていう設定を考えたのはきのこではなく『428』ディレクターのイシイジロウらしい*5ので、資料の1冊や2冊読まないと書く取っ掛かりすらつかめなかったみたいな奴だろうか。

 内容的にもあまりカナンの設定に反映されているようには見えない……というか、なんなら『未来福音』の「本来、世界というのは五感全てを用いて、すべてが連結した〝統合(ひとつ)〟の象として捉えるのが正しい。(中略)五感をそれぞれ単一の機能として使い始めた」あたりの方に直接的な影響が出ていそう。

 この本の記述だと「乳児の未発達な脳は五感の刺激を区別せず一つの統合されたパターンとして受け止める(ほとんどの人は成長すると感覚分化する。しないと共感覚者になる)」って説明なのでニュアンスはちょっと違う気もするけど、『428』(2008年12月)と『未来福音』(2008年8月)は発表が同時期なので『428』ボーナスシナリオ書くために共感覚について調べて『未来福音』にフィードバック、みたいな流れがあったんだろうなとは思う。

 

野球の最新練習法―筋トレからメントレまで 2002年9月

 野球選手の行うべき筋力トレーニングやメンタルトレーニング、ストレッチについて解説する本。著者は高畑好秀。

 『DDD』2巻「S.vs.S」の種本・トレーニング編。

 いや、霧栖のバッティング描写のために『バッティングの正体』を読むのも、鋳車のピッチング描写のために『ピッチング革命』を読むのも理解できるんだけど、これは読む必要なくない……?

 と思いつつ、作中にはちゃんとシンカーVSスラッガーの「脳は助け合う器官」「左耳で音を聞いて映像を処理する右脳に伝える」とか明らかにこの本の内容が反映されている。

 


英語の感覚と表現―共感覚表現の魅力に迫る 2004年2月

 英文学の共感覚表現を中心に感覚・表現についての研究論文16篇をまとめた専門書。編著者は吉村耕治。

 『ねこは青、子ねこは黄緑』に続く共感覚の種本その2(なのか?)。

 一応はしがきに一般書としての利用も考慮されているとは書かれているが、基本的には専門書の類でそこらへんの県図書館・市図書館には置いてないような本なので「なんでこんなもん読んでんの?」というのが純粋な疑問。本棚の中だとこれと『女神転生2のすべて』が入手難トップ2だと思う(どっちも金額を気にしなければAmazonでプレミア付き7500円で買える)。

 というかこの本、まず根本的に共感覚の研究書でもなんでもなく英文学の研究書だし、タイトルにある「共感覚表現」っていうのも「甘い香り」「黄色い声」みたいな比喩的な表現を扱うのがメインなので、共感覚者の描写に参考になりそうな雰囲気は全くない。

 題材になってる作家もエミリー・ブロンテ、トーマス・ハーディ、D.H.ローレンス、スコット・フィッツジェラルドヘミングウェイ宮沢賢治吉本ばななとかできのこが読んでそうなイメージ一つもないし。

 マジでどういうきっかけでこの本を……。 

 

型の完成にむかって 2005年2月

 女性初の弓道十段(出版当時は八段)である著者が自身の型や射法八節に対する解釈、修練方法などを解説した本。著者は浦上博子。 

 内容的にはあくまで弓道経験者(著者によれば「中級くらいの方」)に向けて書かれた本なのでどう考えても僕みたいなド素人が読む本ではなかった。

 初版が出版されたのは1998年だが本棚に入っているのは2005年に出版された普及版の方……だと思うんだけど、それだと2004年の『Fate/stay night』に間に合わない。イメージ再現と言うことでそこまで細かい部分は再現していなかったのか、もしくは普及版だと思ってるのは僕の勘違いかもしれない。

 『Fate/stay night』以外の作品にこの本の影響は何も感じないけど、『Fate/stay night』には「中貫久」「中要秘刊集」「日に二百以上の矢数をかけよ、その他は弓放しにすぎぬ」「中ると中てる」とか色々あるので。

 特に作中で士郎や藤ねえが当たり前のように言及している中要秘刊集とか、ググっても全然詳細が出てこなくて結構なマイナー資料っぽいのでこれが種本と断じてもよさそう。なんだこれ、日置流の古文書とかなの?

 

ピッチング革命 2005年3月

 「捻り」を重視したピッチングフォームについて解説する本。著者は中村好治。

 『DDD』2巻「S.vs.S」の種本・ピッチャー編。

 シンカーvs有島将吾での「それは美しい連動だった」から始まるフォーム描写なんかはこの本が定義している「正しいピッチングフォーム」を見ながら書いたんじゃないかと思う。美しいフォームがどういうものなのかわからなければ美しいフォームは描写できないってことだろう。

 あと「オーバースロー=本格投法」って書いてあるのに「本格投法」で検索しても用例が全然出てこないとか、「アンダースローは怪我が多い」が割とウソっぽい……とかもこの本読んで書いたんだろうなぁって雰囲気がある。

 

図解雑学 グリム童話 2005年6月

 グリム童話について図解を交えながら解説していく本。著者は鈴木満。

 基本的にはグリム兄弟の人生や周辺人物、グリム童話にしばしば登場するキャラクター類型などグリム童話の包括的な解説がメイン。

 個別の童話に対する分量は少ないけど、KHM120「三人の職人」はあらすじ読んだだけでもう明らかに面白かった。なんで今マイナー童話に収まってるのか全然わからない。

 この本の用途は『魔法使いの夜』8.5章「カーネーギ事件」で有珠がグリム兄弟について解説する(なぜかブラザーグリム呼びする)ところ……なのか?

 「多少は詐欺師めいたところもあった」とか何を指して言っているのかこの本を読んでもよくわからないんだけど……。

 あとは一応アンデルセンの名前も出てくるけど、本当にささやかなないようなのであまり関係あるとは思えない。。

 

なるほど仏教400語 2005年7月

 日常語・日用語になっているような物も含めて主要な仏教用語400語を解説する事典。著者は宮元啓一

 きのこ関係ワードだけでも「阿頼耶識」「阿摩羅識(無垢識)」「五停心観」「四弘誓願衆生無辺誓願度、煩悩無量誓願断)」「神通(神足通、他心通、漏尽通)」「転輪聖王」「貧者の一灯」「末那識」「魔(魔羅)」「唯識」なんかがある。

 きのこ作品の中だと『FGO』1部6章「キャメロット」の三蔵ちゃんのセリフに仏教用語が頻出する(乾闥婆、真如、声聞、隻手の声とかとにかく色々)のでこのあたりも多分全部元ネタこの本。

 400語の解説を通じて仏教の教義を読者に伝える建て付けになっている本なので、そういった個別の項目だけじゃなく本全体で覚者を始めとする仏教鯖描写の元ネタになっている可能性とかもあるかもしれない。

 あとは「愛」の解説の中に人類愛ってワードが含まれてたり、愛の次のページに悪があったりするのもちょっと面白い。

 ただしこの本は2005年出版なので『EXTRA』『FGO』はともかく『空の境界』……というか「阿頼耶識」の項目は多分あまり関係ない(無垢識が出てきたのは2010年の『EXTRA』だし、末那識が出てきたのは2011年の『未来福音』、唯識は2016年の『FGO』が初出のはずなのでこの本の影響を受ける余地はある)。

 一応この本は1987年に出版された『仏教400語おもしろ辞典』の改題新装版らしいので、『空の境界』執筆当時は図書館で借りて済ませていた本の新装版が出たので買った、みたいな可能性もあるかもしれないけど。

 

Truth In Fantasy 69 マヤ・アステカの神々 2005年9月

 Truth In Fantasyシリーズの69冊目。マヤ・アステカの歴史やマヤ神話の神々、アステカ神話の神々がまとめられた本。著者は土方美雄。 

 マヤ・アステカ系サーヴァントの種本その1。  

 マヤ・アステカの種本はもう1冊『古代マヤ・アステカ不可思議大全』があって、マヤ・アステカについての予備知識がないなら向こうの方から先に読むのがおすすめ。あくまで神々の紹介に軸足を置いているこちらの本より、向こうの方が地理や各都市の歴史の紹介が多くてわかりやすいので。

 あえて分類するならこちらが神様系サーヴァントの種本、向こうが人間系サーヴァントの種本とかになるだろうか(濃淡があるだけでこちらも歴史紹介はあるし向こうも神様紹介はあるけど)。

 

 『FGO』2部7章のマヤ・アステカ要素の種本としてククルカン、テスカトリポカ、トラロック(ウィツィロポチトリ)あたりを始めに、テペウ、イシュキック、ワク・チャン・カウィール、テノチティトランとかまぁ色々使われていそうだけど、具体的にこの本が元ネタになっていそうなのは「イスカリは成長という意味」「一般的な表記はモクテスマだけど敢えてモテクソマを使う」あたり。

 イスカリは英語版Wikipediaを見たら成長じゃなくてRebirthになっていたので結構独創的な解釈だったりするのかもしれない? もしくはWikipediaの方が適当書いてるだけかもしれない。

 

 『マヤ・アステカの神々』でも『古代マヤ・アステカ不可思議大全』でもアステカ人がエルナン・コルテスケツァルコアトルの再来と勘違いして戦意がくじけたエピソードが「これ後世の捏造じゃないの?」くらいの扱いされてるので『FGO』に採用されてるのは結構不思議。 

 まぁ一般に普及してるけど真偽が怪しい説を伝奇ものの設定に採用するのが悪いことだとは全く思わないけど……でも1部7章でケツァル・コアトルを「南米の女神」扱いしていたのはいくらなんでも純粋にミスだと思う。2部7章だとさすがに中南米に改められていた。

 

南山堂医学大辞典 第19版 2006年3月

 40000語が収録された分厚い医学用語辞典。最新版は2016年に出た20版なのでその一つ前のバージョンになる。

 まぁさすがに全部読む気はないにしても、一応パラパラ読むくらいはしてみたんだけど、何に使われてるんだろこれ……。

 2006年以降に登場した病気キャラ、殺生院キアラとあとはせいぜいアムネジアシンドロームくらいしか思いつかない。怪我なら『DDD』の鋳車、あとは『まほよ』で青子や有珠や草十郎が作中で結構派手に傷ついてたりとか。

 そういう描写を書く時にこの本が役に立っている……のか? 2006年以降に限定しなければ藤乃の無痛症とかあるけど。

 

紅茶の事典 2007年1月

 紅茶の歴史や茶葉についての基礎知識、美味しい淹れ方等紅茶の知識をまとめた入門書。

 同じ出版社から出た同系列の書籍に『紅茶の事典』(1995年)、『おいしい紅茶の時点』(2002年)、『紅茶の大事典』(2013年)等があるが本棚に入っているのはこのバージョン。

 きのこ作品で紅茶淹れる描写は一応『stay night』や『hollow ataraxia』にもあるけど、この本は2007年発刊なのでそれ以降、つまり『魔法使いの夜』……というか有珠用に買った本っぽい。まぁ有珠の紅茶好き設定がストーリー内に組み込まれているのに比べると凛の紅茶好きなんかはせいぜいフレーバー程度の扱いなので当たり前といえば当たり前か。

 『まほよ』での具体的な用途としては「イギリス人の紅茶は1日7回」とか「イギリス人も最初はグリーンティーが主流だった」みたいな紅茶豆知識、あとは茶葉のブランドでフォートナム&メイソンやフォションの名前が出てきたりとかもする。 

 『月姫リメイク』前編でも「マリアージュはフランスの店で創業1850年頃」「ダージリンのファーストフラッシュとセカンドフラッシュ」みたいな紅茶ネタはあるのでこれもこの本が元ネタかもしれない(マリアージュの日本上陸は15年前とかはこの本には多分載ってない情報だけど)。


図説 武器術 2007年3月

 タイトルの通り、日本と中国の様々な武器を使用した武術の技を図に示しながら解説する本。著者は小佐野淳。

 槍・刀・薙刀のようなメジャー武器術から鎖鎌・独鈷・鉄扇のようなマイナー武器術まで(というか9割くらいイロモノ、名前すら知らない武器もちょくちょくある)色々解説しているけど、きのこ作品にそんな武芸百般をウリにした本部以蔵みたいなキャラいないと思うので何に使われているのかよくわからない。

 一応普通の刀使った剣術とかも載っているし、宮本武蔵の二刀流についても軽く触れているとはいえ、そういうのが知りたいならもっと専門の本でいい感じの奴があるんじゃないかと思うが……。

 無理やり想像するなら、馬鞭術とか斬馬刀術とか個別の武術のことが知りたかったわけじゃなくて、実在の武器術を学ぶことで戦闘描写の説得力を上げたかっただけ……とかそういう感じの奴だろうか。『FGO』や『EXTRA』シリーズだとゲームパートに代替されて文章による戦闘描写がほとんどないので、2007年以降にきのこが書いた戦闘シーンのテキストってかなり限られているような気がするんだけど。


生物と無生物のあいだ 2007年5月

 分子生物学の歴史や過去の偉大な生物学者たち、著者の個人的なエピソード等を交えながら生物の細胞が持つシステムについて解説する本。著者は福岡伸一

 単純に著者の文章が上手いので読んでいて楽しい。本筋には一切関係ないニューヨークの通奏低音の話とか。

 あと今読むとめちゃくちゃ耳馴染みのあるPCRとか相補性とかについても詳しく解説されているのがタイムリーな感じでちょっと面白い(いやエヴァの言う相補性が量子力学の奴なのか分子生物学の奴なのか、僕はいまいちよくわかってないんだけど)。

 きのこ作品への具体的な使われ方としては、『月の珊瑚』の「DNAは対構造になっていて片方が失われてももう片方が複製(ほけん)を担う」あたり。

 「『月の珊瑚』は遺伝子と恋の話」「遺伝子の紐はそれぞれ上下が逆で片方が登り片方が落ちる」って発言もある*6あたり、どうもこの本で得た知識が『月の珊瑚』全体のモチーフになっているっぽい。

 あとはもしかしたら『FGO』6章のビーストII・ティアマトが持つ能力「塩基契約(アミノギアス)」「細胞強制(アミノギアス)」とか、第五魔法の消費/消滅の理が云々って設定にエントロピー増大の法則に関する話(生物がエントロピー増大の法則に反する方法はパーツが壊れる前に分解再構成を繰り返すこと)が使われてたりとかも……?


魔獣大百科 2007年5月

 魔獣について解説した本。 

 いやこれを種本として使うの、流石にどうかと思うんだけど……。

 構成としては各魔獣を文章1ページ・イラスト1ページで紹介した前半パートと、「聖書の中の魔獣」「北欧神話」「インド神話」など体系ごとに魔獣の原典を解説する後半パートに分かれている。

 タイトルこそ『魔獣大百科』だけど、実際読んでみると後半の各神話大系解説の方が明らかに文章量が多くて存在感が強い。

 前半にイラスト付きで紹介されているものできのこキャラだとせいぜいリヴァイアサンとキュウビコくらいしかない。あとはフェンリルとか……。

 キュウビコの解説にある「この狐はインドでダーキニーと同一視され、日本では荼吉尼天と呼ばれて稲荷信仰と集合した」なんかは玉藻の前の設定の元ネタになっているかもしれない(『EXTRA』設定では荼吉尼天から更に天照までつながっていくけど)。

 非きのこキャラを含めればアキレウスヴリトラ、アルゴノーツ、パラケルスス、ヒッポグリフ、ミノタウロスとかまぁ色々出てくるし、モブ敵も含めればドラゴン、ワーウルフ、キマイラ、ケルベロス、ラミア、ケルピーなんかもか。

 

プログレッシブ・ロック入門 2007年8月

 プログレ5大バンド(ピンク・フロイドエマーソン・レイク&パーマー、イエスキング・クリムゾンジェネシス)の紹介を中心として、プログレッシブ・ロックとは何か、プログレッシブ・ロックはどう楽しむものかを伝える入門書。

 きのこ作品でロックというと「貴方、ロックスターみたい」が一番最初に出てくるけど、『hollow』より後に出た本なので特に関係はないらしい(そもそもプログレにロックスターっぽいイメージがない)。

 他だと青子(きのこキャラ以外含めればカドック)なんかもロック聞いてるけど、別にプログレの話はしてないのでなんのための本なのかよくわからない。

 一応『まほよ』の番外編「誰も寝たりしてはいいけど笑ってはならぬ」で「橙子はプログレ好きと他人には偽っているが実際は演歌が好き」ってシーンがあるけど、あんなギャグのためだけに読むのか? これ? というかその場合読まなきゃいけないのはプログレの入門書じゃなくて演歌の入門書では……!?

 

居合道名人伝 2007年10月~2009年3月

 1990年から1993年にかけて『剣道日本』で連載された記事(+書き下ろし1つ)、昭和の居合道名人17人の列伝と2人のインタビューをまとめた本。著者は池田清代。

 内容的にはあくまで元から居合道知識のある人間に向けて書かれた本って感じで、ぜんぜん知らない居合道名人の老人たちの名前がガンガン出てくるので読むのが結構辛い。

 全員活躍した時代が同じなので「中山博道に師事した」「敗戦で剣道教師の仕事をなくして苦労した」「全日本居合道連盟結成に関わった」「制定居合作成に関わった」とか似たようなエピソードが毎回のように出てくる。『型の完成にむかって』でも思ったけど、こういうのちゃんと読めてる奈須きのこ勉強家やね。

 きのこ作品で居合キャラといえば舌切雀の紅閻魔だけど、「閻雀裁縫(抜刀)術」なんて冗談みたいな設定のためにわざわざこの本読まなくない……? 『まほよ』の文柄詠梨のために読んだ本とでも言われたほうがまだしも納得できるんだけど(いや文柄詠梨のバトルスタイルが居合なのかどうかすら知らないが……)。

 まぁこの本を読んだ感じ、居合道って抜刀術そのものがどうとかよりも「竹刀を使う剣道と違って刀を使う武道」って側面の方が強そうなので、そういう意味では居合キャラに限定せず刀キャラ全般の種本と呼べるかもしれない。

 あとは二天一流八代宗家・青木規矩男の話とかもあるけど、特に二天一流の術理が解説されたりするわけでもなく武蔵ちゃん描写の参考になっているかどうか。


イギリスのティーハウス 2008年10月

 著者が訪れたことのあるイングランドティーハウスを紹介した本。著者は小関由美。

 これも多分『紅茶の辞典』と同じで有珠の種本なんだと思うけど、『まほよ』にティーハウスなんて出てこないのでなんでこの本を買ったのかよくわからない。

 紅茶を好きな人がいっぱい出てくる本を読んで紅茶が好きな人の気持を学ぼう、みたいな話だろうか……。

 

萌え萌え妖怪事典 零 2009年8月

 妖怪について解説した本。

 いやこれを種本として使うの、流石にどうかと思うんだけど……(その2)。

 北海道から九州まで各地の妖怪を(美少女化して)解説する妖怪事典で、妖怪伝説の作成経緯や有名な妖怪ハンター、中国妖怪などについての解説も付属している。

 型月作品に出てくるものは丑御前、鬼女紅葉、鈴鹿御前、鞍馬天狗清姫刑部姫と色々あるが、この内きのこ鯖なのは丑御前だけ(正確には丑御前(源頼光)が「設定作成:桜井光奈須きのこ」、鞍馬天狗(鬼一法眼)が設定担当未公開)。

 ただ『FGO』初出鯖の鬼一法眼、清姫刑部姫に関しては実際の設定作成以前、登場サーヴァント選定の段階できのこがこの本使っていた可能性はあるかもしれない。刑部姫はきのこ鯖武蔵ちゃんとの絡みもあるし、鬼一法眼は弟子の牛若丸が「設定作成:東出祐一郎奈須きのこ」だし。 

 あと項は立てられていないけど大百足の関連で俵藤太、妖狐の関連で玉藻の前(白面金毛九尾)にも触れられている(俵藤太は「設定作成:奈須きのこ東出祐一郎」)

 俵藤太の解説は大百足の方がメインなこともあって一般的なことしか書いてないけど、源頼光のほうは結構分量が多くて頼光四天王とかにも触れてるし、「源頼光の弟、または妹」「正体は武将説とスサノオ説があり、スサノオの場合は神仏習合で=牛頭大王になる」とかこの辺りの記述をこねくり回して丑御前の設定作ったのかなぁって見える部分がある。

 源頼光の女体化はきのこにしても相当無茶振りだったらしい(参考)ので、こういう萌え萌え本にネタ出しを頼りたくなる気持ちもわからなくはない(そうかな?)。

 

古代マヤ・アステカ不可思議大全 2010年5月

 マヤ・アステカの他、オルメカやテオティワカンなどメソアメリカに存在していた文明の歴史や文化を紹介する本。著者は芝崎みゆき。

 マヤ・アステカ系サーヴァントの種本その2。

 読み始めるとまず文字が全部手書きでイラストも頻繁に挿入される構成にちょっと面食らうけど慣れると意外と普通に読める。

 だいたい『マヤ・アステカの神々』の方でまとめて説明してしまったのであんまり言うこともないけど、『マヤ・アステカの神々』に書いていなくてこちらに書いてある要素だと「フラカンがハリケーンの語源になった」「クアウテモクの意味は急降下するワシ」「テスカトリポカには黒・白・赤・青の4種類いる」とか。

 

てにをは辞典 2010年8月

 文章で説明するより実際に中身を見たほうがわかりやすい、わりと最近Twitterでバズっていた本。

 これはまぁ、具体的にどこというわけでもなく作品全般の中で語彙を増やすために使われている本……なんだと思うんだけど、めちゃくちゃ取り出しづらそうな所に置いてあるのでちゃんと使っているのかは謎。

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 まぁあくまでイメージ再現ってことだし本の並びまで実際のきのこ室内を再現しているとは限らないので、本当はもっと取り出しやすいところに置いてあるんだろう、多分……。 

 

from everywhere. 2011年2月

 『空の境界』の両儀式や『428』(『CANAAN』)のアルファルド役、『FGO』の主題歌など様々にきのこ作品へ関わっている坂本真綾のヨーロッパ旅行記

 きのこが自作の主題歌に使って気に入った歌手枠の本・その1(多分)。

 両方とも坂本真綾が書いている以上当たり前といえば当たり前なんだけど、文章の中にサラッと坂本真綾作詞っぽいフレーズが入るのがちょっと面白い。

 将来水没すると言われるベネチアについて書いた「いつか消えてしまう運命と知っているからこそ、あんなにはしゃいでいるのだろうか」とかめちゃくちゃ『色彩』の「いつかは失うと知ってるから あたりまえの日々は何より美しい」の原型っぽい。 

 

ゲームシナリオのためのSF事典 2011年4月

 「科学技術」「巨大構造物」「生命」「世界・環境」「宇宙」「テーマ」の6章に別れた110項目のSF用語を解説する辞典。著者は森瀬繚 他。

 きのこ作品に関係するものだと「タイムトラベル」「AI」「電脳空間」「パラレルワールド」とかがあるけど、全項目2ページしか使われていないのもあってかなり初歩的な内容しか書いてないし、何に使われている本なのかよくわからない。

 ライターに森瀬繚桜井光東出祐一郎小太刀右京が関わっているのでその流れで置いてあるだけとかかもしれない。

 強いて言うならスターシードの項目にある宇宙から隕石に乗ってきたウイルスが人類を進化させたかも説がケツァル・コアトルと言うか型月世界のアステカ神設定に影響を与えていたりするかも。

 あとはダイソン球の項目とかもあるので、もしかしたら天球型時空要塞カオスの元ネタになっていたりするかも(カオスの設定作ったのが担当ライターじゃなくてきのこなら)。

 一応オールトの雲についても1行くらい触れているけどこれはまぁ関係ないだろう。もしもこの本できのこがオールトの雲の存在を初めて知ったなら、『Character material』(2006年)時点で「水星(?)のアルテミット・ワン」とか書いてたの一体何を想定してたんだって感じになる。

 というかきのこがオールトの雲を知ったの、『星界の紋章』なんじゃないかと思うんだよな。ちょうど本棚に置いてあるし。少なくとも2002年時点でもう読んでることがわかってる*7し。 

 

Kalafina Record 2011年9月

 『劇場版 空の境界』や『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のエンディングテーマを担当した音楽ユニット「Kalafina」の足跡を辿る本。

 メンバー3人とプロデューサー梶浦由記のインタビューや梶浦由記による全曲解説が収録されている。

 きのこが自作の主題歌に使って気に入った歌手枠の本・その2。

 前述の坂本真綾の本に比べてもマジで書くことがない。一応奈須きのこ本人への言及もあるけど、それも「『fairytale』の歌詞に忘却録音序文の引用を快諾してくれた」「『snow falling』の歌詞に終章のラスト(雪の日を唄いながら)の引用を快諾してくれた」くらいだし……。

 

メフィスト 2012 VOL.1 2012年4月

 講談社から発行されている文芸誌。

 その文芸誌の中でこの号だけが本棚に入っている理由は、多分掲載されている小説ではなく「講談社ノベルス創刊30周年記念企画 My Precious 講談社ノベルス」によるもの。

 作家44人がそれぞれ「自分が初めて○○した講談社ノベルス」というテーマでコラムを書いていて、その内の一人が奈須きのこ

 コラム自体はまぁ普通のきのこポエムという感じなので、多分好きな作家(綾辻行人とか殊能将之とか?)と名前が並んでて嬉しかった記念で本棚に置いてある奴では。

 ちなみにそのコラムはメフィスト公式サイトでも読める(内容は雑誌のものと微妙に違うけど、雑誌版はページに収める都合でカットされてるだけでWeb版の方が正式版に見える)のでこれ買った意味は特になかった。 


ゲームの流儀 ゲームクリエイターロングインタビュー集 2012年6月

 2001年6月から2007年12月までゲーム雑誌『コンティニュー』に掲載されたゲームクリエイターインタビュー16個をまとめた本。『ファイナルファンタジー』の坂口博信、『MOTHER』の糸井重里などの他、奈須きのこ本人のインタビューも収録されている。

 これもまぁ多分上述のメフィストと同じで、好きなゲームの製作者と同じ本に同じゲームクリエイターとして載れて嬉しかった記念の本とかなのでは。具体的にはギルガメッシュの金鎧の元ネタ『ドルアーガの塔』の製作者とか?

 ちなみにきのこインタビューは雑誌掲載時と内容が微妙に変わってて、きのこのTRPG時代が「18~22歳ぐらいのころ」から「16~24歳ぐらいのころ」に訂正されている。いやまぁ後者のほうが正しいんだろうとは思うけど、かなりどうでもいい変更では……(逆にわざわざここが訂正されているってことは他の部分には記憶違いとか誤記とかないと思っていいのか?)


宇宙のはじまりの星はどこにあるのか 2013年4月

 観測天文学者である著者が自身の研究テーマ「宇宙のはじまりの星」について解説する本。著者は谷口義明

 前述の『宇宙の起源』に続く宇宙系種本その2。

 帯にも引用されている「宇宙の膨張速度が光速を超えてしまった遠い未来では、たとえ新たに人類以外の知的生命体が生まれたとしてもその生命体が宇宙の全貌を知ることは不可能だ。我々はまだ宇宙の全貌を知ることができる立場にあるのだからそれを行うのは知的生命体としての使命だ」っていう理屈が好き。

 内容的には天文学者の宇宙観が技術の発展でどんどんアップデートされていく歴史や恒星・銀河の成り立ち、深宇宙の観測方法などについて書かれているんだけど、「10-34cm」「インフレーション」「夜が暗いのはなぜか」とか『宇宙の起源』とはかなり重複している。

 ただ赤方偏移についてふれているのはこちらだけのはず。まぁ『月姫リメイク』前編の「何よりも未しい、何よりも移ざかる、真紅の宙が放出される」が本当に赤方偏移のことを言っているのか、僕はいまいち自信がないんだけど……(■■■■■■って何?)。

 

怪物の本 普及版 2013年9月

 世界の民話館シリーズ第5巻。怪物をテーマにヨーロッパやアフリカなど世界各地から集められた民話12篇が収録されている。著者はルース・マニング=サンダーズ。

 元々は1981年に出版された本が2004年に復刊ドットコムから再出版されたもので、本棚にあるのはそこから更に2013年に再販された普及版(多分)。

 「人間と怪物の交友は、奈須きのこにとって常に魅力的なテーマ」とのことなのでその関係で置かれた本……なのか?

 交友という意味では怪物と擬似親子になる「銅のひたいを持つ怪物」、怪物と友人になる「金の谷」とかもあるけど、怪物と恋愛するのは「歌う木の葉」一作しかない。

 そしてこの「歌う木の葉」はディズニー版アニメ映画でも有名な『美女と野獣』の原作……の別地域(チロル)に伝わってる版民話。

 どうも地域差を抜きにしてもディズニー版ではいろいろアレンジが加わっているらしいけど、それでもディズニー映画版を見たことない僕ですら読んだ後「あっこれ『美女と野獣』の元ネタかな?」と思うくらいにはわかりやすく『美女と野獣』している。

 ここからはかなり大胆な想像になるけど、もし「歌う木の葉」が理由でこの本が本棚に入っているなら、きのこはこの本を読んだ時『美女と野獣』のことを全く知らなかった、つまりディズニー版『美女と野獣』公開(1991年)の前にこの本読んでいたことになるんじゃないか?

 もしかしてこの本、奈須きのこの怪物好きのオリジンだったりするのでは。

 きのこは1973年生まれらしいので、1981年版が出た当時8歳。小学生ぐらいの時に図書館・図書室でこの本を借りて読んだってのはちょうどありそうな年代ではある。 

 『月姫リメイク』前編に出てくる「志貴が幼年期に読んだ童話」(巨人の庭園において、迷い込んだ人間は例外なく無力であり、見つかったが最後、鼠のように潰されるだけ)もこの本かもしれない。

 そのものズバリって感じの童話はないけど(基本的に全部ハッピーエンドなので怪物は倒すなり和解するなりする)、一応「三人の若い羊飼いの話」「ペンタリーナ」あたりは人間が怪物に殺されるだけの弱者として描かれていてちょっと近いかも。


古代ギリシャのリアル 2015年1月

 後世の西洋人によって漂白された古代ギリシャ像ではなく、本来の「古代ギリシャのリアル」について解説する本。内容的にはオリュンポス十二神13体+ハデス・ペルセポネの紹介が大半を占めている。著者は藤村シンジ。

 『FGO』2部5章の種本……ではない。竹箒日記に「1~5章までの『異聞帯の世界設定』は担当ライターさんにお願いしたもの」(参考)って書いてあるので。

 ギリシャ系のきのこ鯖は『stay night』『hollow』からいるものを除くと疑似鯖カレンくらいしかいない(一応2部5章鯖はまだ設定担当不明……というかカレンもまだ不明だけど)し、この本にエロースの出番は少ないのでそっち方面で使われている感じでもない。

 ファミ通インタビューでは「2部全体の構想を考える時にギリシャについて調べた」(参考)とも書いているので、2部5章やサーヴァントの設定で使われた本ではなくて、各章の異聞帯をどこに置くか決める時に使われた本って感じだろうか。

 カオスの記述は「混沌と訳したのは古代ローマ以降、本来の意味はすきま(空隙)」くらいしかないけど、オリュンポスでの描写が「宇宙に於ける時空の空隙と一体となった超常の神」「空隙の果てに垣間見える巨瞳」で空隙を推している感じなので元ネタっぽくはある。

  

価値がわかる宝石図鑑 2016年1月

 163の宝石と82の鉱物種・有機物について、写真を掲載しながら品質の判断の仕方や一般的な価格帯を解説する宝石図鑑。著者は諏訪恭一。

 僕は宝石とか一切興味ないので本棚に入ってなかったら絶対に読まなかった本だけど、そんなド素人でもわかるように丁寧に説明してくれるし筆者の宝石に対する愛がガンガン読者にぶつけられてくるので結構楽しい。

 『FGO』のベリル・ガットの名前の元ネタは多分この本。

 「2部6章はモルガン・ル・フェをメインにしよう」→「そういえば宝石にモルガナイトってあったな」→「モルガナイトの鉱物名はベリルだからクリプターの名前はベリルにしよう」って流れじゃないかと。

 いやモルガナイトの名前の由来がモルガン・ル・フェでもなんでもなく銀行家ジョン・モルガンなのはもちろんこの本の中にも書いてあるんだけど……。

 どうでもいいけどこの本、内容的に宝石魔術の種本として読んだ奴(2016年11月初登場のイシュタルに備えてとか?)じゃないかと思うんだけど、この中の宝石知識が作品に反映されてる気配が特にない。そのうち回収されたりするんだろうか。 


料理と帝国――食文化の世界史 紀元前2万年から現代まで 2016年5月

 紀元前2万年の穀物料理から現代のハンバーガーまで、世界各地の食文化の歴史を包括的に描いた本。著者はレイチェル・ローダン。

 『ギルガメシュ叙事詩』や『イーリアス』みたいな文学作品から書かれた当時の食文化を読み取ったり、アレキサンダー大王や玄奘三蔵みたいな世界各国を渡った歴史上の人物から食文化の伝播を見たりするので『Fate』シリーズと関連する部分もあるといえばある。

 世界各地の各時代での食事の内容が書かれているので、種本としては特異点や異聞帯で現地人と食事する時、サーヴァントの過去回想で食事する時とか色々使えそうな本だけど、具体的に使われてるシーンあったかな?  2016年5月以降のきのこシナリオだから候補は『FGO』の1部6章キャメロット、7章バビロニアくらいだけど。

 強いて言うなら食文化と全然関係ない「ウルクには貨幣がなかった」とかはもしかしたらこの本由来かもしれない。この本だと「大麦が貨幣代わりだった」って書き方なので「緊急事態なので貨幣制度を導入した」ってバビロニアの描写とはニュアンス違う気もするけど。

 あとはヨーロッパへのジャガイモ食文化の導入とかも説明されているのでガウェインのマッシュポテトネタが完全否定されているのとかもちょっと面白い。まぁ一応あれ、明言されているのは「鯖ガウェインはポテト他をマッシュしただけの料理を作った」「生前ガウェインは野菜をマッシュしただけの料理を作ってた」だけで「生前ガウェインはポテトをマッシュした」とはギリギリ言われてなかったと思うけど……。

 

あとは多分『FGO』2部7章で、植物の持つ毒素を分解して栄養を確保する人間の消化機能をテペウがべた褒めするシーンの元ネタ……のような気はするんだけど、この本に書かれているのは「人間は料理のおかげで色々な植物を食べられるようになった」なので全然消化機能の話はしていない。

*1:Fate/Prototype Tribute Phantasm

*2:Fate/complete material II Character material

*3:Fate/side side materiale

*4:TYPE-MOONFate/stay night-15年の軌跡- 図録

*5:428 -封鎖された渋谷で- オフィシャルガイドブック

*6:GENESIS OF TYPE-MOON

*7:COCO 2002 SUMMER

TYPE-MOON展 奈須きのこ本棚レビュー 漫画編

 月姫リメイク発売に向けて最近異常に奈須きのこモチベーションが高まっているので、TYPE-MOON展で公開されたきのこ本棚の小説や漫画、資料本を読んで過ごしています。

 まぁこれ、残り200冊とかあるので多分全部読み切る前にどこかで飽きてやめると思うんだけど、とりあえず漫画だけは全部読んだ(はず)。

 きのこ自作品のコミカライズ系は割愛。具体的に言うと真月譚 月姫空の境界、月の珊瑚が置いてあるので、この3つはきのこも認めたコミカライズトップ3とでも言えるかもしれない。

 

 漫画以外の本については

 

 こちらの記事をご参照ください(小説はまだ1/3くらいしか読んでないけど)。

 

THE WORLD 第1巻~第4巻 獸木野生

 白い神ホワイトワイルド、黒い神ブラクワイルドの2匹の視点から人間たちを描くファンタジー漫画。

 バラバラの時代を舞台にして登場人物に緩い繋がりがあったりなかったりする中短編の連作形式になっていて、全9話の構想があるらしい。 

 個人的に一番好きなのは第3話「花の贈りもの」。戦争やっている中編(2話4話5話)よりも短編(1話3話6話)のほうが好き。

 2004年に第5巻(第6話)が出たきり未完の作品だけど、1巻がホワイトワイルドとブラックワイルドが別行動を始める所で終わって、5巻がホワイトワイルドとブラックワイルドが合流する所で終わるので、なんとなくこれでまとまっている感は出ている。

 既刊は5巻までなのになぜかきのこ本棚には4巻までしか置いてない。4巻と5巻同時刊行だし内容も直接つながってるしでマジで意味がわからないんだけど……。

 これはさすがになにかの間違いとしか思えない(靴ずれ戦線もEXTRA4コマも月の珊瑚も1巻足りてないし……)んだけど、無理やり理由を想像するなら4巻に好きなシーンが有るとか? 「作者の思うほど読み解かれた本はまだ存在しない」とか……。

 

2021/8/14追記

 『Fate/Grand Order』の光のコヤンスカヤの設定に出てくる「自然界の報復機構が擬神化したもの」「自然の因果応報のサイクル(本来はゆるやかな、数百年かけて行われるもの)を瞬間的に行使」あたりの元ネタ、多分この漫画に出てくる「報復能」の概念。

 作中では詳しい説明がないのでよくわからないが、「最も弱いものが常に勝るという宇宙の法則」のことらしい。

 

靴ずれ戦線 ペレストロイカ 第1巻 速水螺旋人

 2010年~2013年に連載された漫画『靴ずれ戦線 -魔女ワーシェンカの戦争-』の新装版。

 ルサールカ、キキーモラみたいな名前くらいは聞いたことある奴からチョールト、ポルードニツァみたいなマジで知らない奴まで色々出てくるロシアン妖怪漫画。

 全2巻だけどこれもきのこ本棚に置いてあるのはなぜか上記リンクの1巻目だけ。

 アナスタシアのヴィイとか、ニキチッチのズメイ・ゴルイニチとか、ロシア鯖に関連する名前は出てくるけど両方ともきのこ鯖ではない。

 どちらかといえば『MELTY BLOOD TYPE LUMINA』でヴローヴが2回くらい話題に出すジェド・マロースの種本だったりするのかもしれない。その話1巻に収録されてるし。

 

スペクトラルウィザード 全2巻 模造クリスタル

 Web漫画『金魚王国の崩壊』で有名な模造クリスタルの同人誌を単行本化したもの。

  知識探求の果てに世界を滅ぼせるようになった魔術師たちとそれに対抗する人間社会のイザコザみたいな話……か? なんか違うような気もする。

 きのこ本棚、わりと「奈須きのこ作品元ネタ披露コーナー」みたいな側面のある企画だと思うんだけど(「価値がわかる宝石図鑑」を読んで「ベリル・ガットの元ネタこれか!?」ってなったりとか)、これは純粋に「奈須きのこ最近読んだ好きな漫画コーナー」って感じ。

 というか、これの2巻目とかになると出たのが2019年10月なので(TYPE-MOON展の開始が2019年12月)そもそもきのこ作品の元ネタになれる余地がほとんどない。きのこが同人誌版から追っかけてたとしてもそっちも2019年5月完結だから大して変わらないし……。

 世界観とかは一応奈須きのこに通ずるものがあるような気もするけど。特に前団長の主張とかFateシリーズのラスボスが言ってそう。

 

 まぁそれはそうとしてきのこ本棚に置いてある小説・漫画を読んだ中では今の所これが一番おもしろかった。オススメです。

 

マジキュー4コマ Fate/EXTRA 第1巻~第2巻

 Fate/EXTRAのアンソロジー4コマ漫画。

 全3巻なのに2巻までしか置いてないが、これに関してはそもそもなんで本棚に置いてあるのかからしてよくわからない。

 もしかしてめちゃくちゃ面白い隠れた名作でも収録されてるんじゃないかと一応読んでみたけど、別にそんなことはなかったし……。

 無理やり理由をでっちあげるなら「Fate/EXTRAリメイクを書くにあたってEXTRA発売当時の気分に戻りたかった」とかか……?

 あとは単に「表紙のワダアルコ絵がたまたま好きだった」とかかもしれない

TYPE-MOON作品 世界線&時系列年表

TYPE-MOON作品 世界線&時系列表

 

 解説

 まず一番デカい分岐点っぽい「ガイアが出現する」「死徒二十七祖が存在する」「赤い月が現役」の月姫』世界と「アラヤが安定する」「英霊召喚が存在する」「赤い月が現役じゃない」のFate』世界の分岐から。

 具体的に言及はされていないけど、『事件簿』のズェピアの台詞「ブラックモアと同胞になる可能性は、私が生まれるより以前――いくつかありえた枝の最後でも、いまから千七百年近くも前に摘まれているがね」、事件簿material年表の「300年頃 夜の森の都、千年城の戦い。朱い月と魔道元帥ゼルレッチの激突があった……とされる」から朱い月とゼルレッチの戦い(で朱い月が完全敗北したこと?)がトリガーになっているっぽい。「いくつかある枝の最後」っていい方からすると一番遅い分岐タイミングがそこなだけでそれより以前に分岐する可能性もあったように見えるけど、ここでは一応300年分岐にしておく。

 『月姫R』では二十七祖システムの歴史が3000年弱とされているので、やはり分岐点は300年よりも前らしい。具体的にいつFate世界と分岐したかはよくわからない。

 『魔法使いの夜』は竹箒日記で『2015年の時計塔』が「月姫・まほよ寄りの世界」とされているので月姫世界側にあるらしい。でも「三咲町の丘の上にある洋館が久遠寺邸か遠野邸か」って違いがあるので同一世界ではない。

 『空の境界』は『月姫』と同一世界じゃないことが明言されてる程度でどのあたりの位置付けなのかよくわからないのでとりあえず真ん中においておく……というか、作中に死徒もサーヴァントも出て来る余地がない以上どこでも特に関係がない。

月姫』シリーズ(同人版)

 『Tale』は朱い月の地球侵略開始から始まり志貴と青子の出会いで終わる前日譚。後者の『月姫』から8年前(1991年)はともかく前者がいつ頃の話なのかはよくわからない。

 MELTY BLOOD Act Cadenza』は「月姫0.5にしてMELTY BLOOD1.5」ということで『月姫』前日譚っぽい話と『メルブラ』後日談っぽい話が両方あり、前日談パートでは志貴に殺される前のアルクェイドなんかが描かれているが本編とは普通に矛盾している(本編開始前に吸血鬼化してるさつきとか)。

 月姫本編の舞台が何年かはゲーム内では明言されていないはずだけど、ここでは『シエルさん、インドです。』の1999年説を取る(曜日も一致するし)。

 『げっちゃ』は「アルクグッドを基本にしつつ遠野家ルートも核心部分以外は経由したルート」の後日談という体裁。『月姫』の後日談は多分ほぼ全てがこの架空のルートを通っている(はず)。架空のルートの続編という概念は型月作品ではわりと頻出する。 

 『幻視同盟』は『月姫』本編から2ヶ月後の12月後半を舞台にした後日談。特にルートとかは明言されいないけど、志貴がホテルでネロに襲われているのでまぁアルクグッドかげっちゃルートだろう。

 歌月十夜は『月姫』から1年後の夏を舞台にした後日談。何ルート後なのかは多分明言されていないと思うけど、ネロ・ロアを倒した上で紅赤朱とか遠野槙久の話とかも出てくるので多分げっちゃルート。ついでに言うと『幻視同盟』も通過している。

 MELTY BLOODは没になった『月姫』さつきノーマルエンドの後日談。なのでこれだけ明確にげっちゃルートを通っていないし、舞台が1年後の夏でかぶっているので『歌月十夜』とは両立しない。

 talkは『月姫』から1年後を舞台にした後日談……ということに初出時はなっていたが、Character materialの解説では数年後が舞台ということになっている。多分1年後だと『歌月十夜』『メルブラ』とつながらなくなるからだろう。何ルート後かは明言されていないけど、アルクェイドの吸血衝動を抑えるために志貴が頑張ってる以上アルクグッド(げっちゃ)。

 MELTY BLOOD Re・ACTは『MELTY BLOOD』の後日談……と見せかけて実際は『月姫』でさつきが生き残ったifルートの可能性や『歌月十夜』も包括されたお祭りシナリオ。

 MELTY BLOOD Act Cadenza』の後日談パートも『Re・ACT』と同じ感じ。白レンがいるあたり『Re・ACT』の続編っぽくはなっている。

 MELTY BLOOD Actress Again』は『MELTY BLOOD』から1年後を舞台にした続編。でもこれにももちろんレンやさつきは出てくるので、別に『メルブラ』本編から直接つながっているわけではない。

 『路地裏ピラミッドナイト』『Ladies in the water』『路地裏ナイトメア』はリーズが路地裏同盟にいるので『メルブラAA』後なのはいいとしてそれ以外のことはまったくわからない。

 Prelude』は『月姫2』の前日談的な何か。『月姫』何ルート後の何年後なのかとかの説明は特にない。アルクグッド(げっちゃ)後なのは確かだろうけど『メルブラ』でタタリ倒したり『メルブラAA』でオシリスの砂倒したりもしてるんだろうか……。

 月蝕』は『月姫』のラストエピソードかつ『月姫2』本編終了翌日を舞台にしたエピローグ。 

月姫』シリーズ(リメイク版)

 月姫 - A piece of blue glass moon-』の舞台年は作中で直接明言されていないけど、2001年から13年後なので2014年になる。

 MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』は各キャラの個別シナリオに関しては本編が始まる10日ほど前を舞台にしたifストーリー、ボスラッシュモードに関しては「月姫Rの幸せなアフター」。

Fate』シリーズ

 『Fate』シリーズは『Fate/stay night』を起点に色々なルートへ分岐していく。

 Fate/stay nightの作中年代は昔は諸説あったが今は2004年で決着している(多分)。 

 Fate/Apocryphaは第三次聖杯戦争でアインツベルンがアヴェンジャーではなくルーラーを召喚したことで分岐した世界。詳しい年代設定は明かされていないと思うけど「大聖杯持ち去りがなければ10年前に第四次聖杯戦争が起こっていた」という記述はあるのでまぁ『stay night』と同年代で2004年と思っていいだろう。 

 お願い!アインツベルン相談室』は時系列的には第三次聖杯戦争直後だが、「大聖杯の中において時間軸はすべて等価」のため『Fate/Zero』で敗北した第四次聖杯戦争のサーヴァントが登場する。

 Fate/EXTRAシリーズは1970年代に「ある儀式」が起こったことで分岐した世界……ということになっているけど、実際は明らかに46億年前にムーンセルが設置されたかどうかでそれ以前に分岐している。『Fate』シリーズの中でこの作品だけ作中で英霊召喚が使われてないので、実はこれだけ『月姫世界線とかの可能性もまぁあるかもしれないけど、ここでは1970年代分岐とかブロッサム先生の「『月姫』における人類史とは地続きではない」って説明をとりあえず信じる。

 Fate/Zeroは「条件は同じだけど微妙に違う世界」を舞台に描かれた第四次聖杯戦争。具体的に何が違う扱いになってるのかはよくわからない。

 氷室の天地 Fate/school life』は第四次聖杯戦争後に言峰が行った遠坂家遺産処理で資産を処分しすぎたことで分岐した世界……ということになっているけど、実際は多分『Fate/Prototype』時空とつながるかどうかでそれ以前に分岐している。

 ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』は『Fate/stay night』と全くの同一世界。

 Fate/unlimited codesは第五次聖杯戦争のifストーリー。

 Fate/hollow ataraxiaは『Fate/stay night』の半年後を舞台にした後日談。「どのルート後かという設定はあるがプレイヤーの解釈に任せて明言はしない」というスタンスで作られているが、まぁ普通に読めばセイバールート後。

 某月某日。幸せな空の上で。』の時系列はよくわからないが、バゼットとカレンが居るので『hollow』後、かつライダーに魔眼殺しを作っているので桜ルート後か。

 ラストエピソード」はかなり時系列が曖昧だけど、士郎晩年の回想が含まれているので一応『stay night』本編から数十年後とか……のはず……?

 ロード・エルメロイⅡ世の冒険』も『事件簿』と同じく『Fate/stay night』と同一世界だけど、原作の特定のルートではなく「解体戦争につながる架空のルート」の3年強後が舞台。

 Fate/strange Fakeは「同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界」が舞台。この説明だけだとよくわからないが「月姫世界でもFate世界でもない『どっちもアリ』世界」でもあるらしい。あと『氷室の天地』と何か関係があるらしい。年代は第五次聖杯戦争が数年前、第四次聖杯戦争が15年近く前なのでだいたい2009年。

 Fate/Grand Orderは「月姫世界かFate世界かどっちとも言えない世界」らしい。分岐点はよくわからない。2004年に最初の聖杯戦争が起きたという記述はあるので少なくとも200年前(300年前?)には分岐しているらしくはある。

 Fate/Requiem』TYPE-MOON BOOKS materialによれば第五次聖杯戦争から分岐しているらしい。年代は明言されていないけど、「アームストロングの月面着陸から56年後」というセリフがあるので月面着陸の年を現実と同じ1969年で計算すると2025年になる。 

 Fate:Lost Einherjar 極光のアスラウグは聖杯大戦から10年後が舞台。文中では「西暦二○一✕年」としか書かれていないけど、作中描写(現実世界で2014年9月にリリースされた曲を2月に聞いている)からすると2015年2月あたりか。『Fate/Apocrypha』と完全に同一世界かどうかはよくわからない。

 Fate/Samurai Remnantの舞台は慶安四年なので1651年。一応Fate世界に置いておくけど、現実世界の1651年では小倉藩で家老やってて年齢も39歳のはずの宮本伊織が浪人の青年になっているあたり、ifの世界が舞台になっている気はする。

 

Fate/EXTRA』シリーズ

 Fate/EXTRA聖杯戦争開始年は諸説あるというか、『月姫』『Fate/stay night』が「作中で何年か明言されていない」なのと違って、こっちは「明言されている年が2030年と2032年両方ある」タイプ。ここではマテリアル等での2030年説を取る。

 Fate/EXTRA Last Encore』は2030年の聖杯戦争で岸浪白野がトワイスに敗北した世界の3020年が舞台……なんだけど、実際はそれ以前、一つ前の聖杯戦争に凛やラニのような原作マスターが参加するかどうかで明らかに世界線が既に違っていて、そちらに誤参加していた場合は岸浪白野の成長が足りずトワイスに敗北するという感じの流れになっている。

 Fate/EXTRA CCCは基本的には『EXTRA』の5回戦終了直後から(正確に言えば予選で主人公が桜を助けた所から)分岐したifストーリーだけど、『EXTRA』ではゲーム中に描写がなかっただけで実は裏で『CCC』の事件が起きていたことにできる余地はある曖昧なポジション。

 『Fate/EXTRA CCC FoxTail』は『CCC』の開始前、BBがアルターエゴを作る際にメルトリリス・パッションリップの2体にするかヴァイオレット・キングプロテア・カズラドロップを含めた5体にするかで『CCC』から分岐しているらしい。

 Fate/EXTELLAは2030年の聖杯戦争に女主人公&無銘やアトラム&玉藻の前が参戦しているifルート「EXTELLA/zero」の続編。

 『Fate/EXTELLA LINK』は『EXTELLA』とほぼ同内容の事件が起きている(アルテラがラーヴァ化していたりとか)ようだけど経緯は全然違う(主人公とアルキメデスが出会っていなかったりとか)らしい架空のルートの続編。

その他作品

 月の珊瑚』は「月姫3000」というコンセプトで作られたイフストーリー。「月姫の起きなかった世界」「どちらかといえば鋼の大地に近い」とされているがよくわからないのでとりあえずその他に置いておく。

 空の境界はまぁ見たまま。

 魔法使いの夜の舞台年は諸説あるというか多分「実際の歴史(ベルリンの壁崩壊とか)とリンクさせたくないので1980年代後半としか設定しない」が正確な表現なんだけど、ここでは「1986年から2年後」という描写を元に1988年説を取る。

 2015年の時計塔』は「月姫・まほよ寄りの世界」なので月姫世界側の2014年。この言い方的からすると別に『まほよ』から直接つながっている感じでもないらしい。

 鋼の大地』は分岐点も具体的な時代もよくわからないがORTの設定に「西暦より以前に南米に落ちた」「一足先(五千年ぐらい)に地球に到着」とあるので最大で見積もっても西暦5000年までには起きるらしい。 

 花札』『タイころ』『カプさば』『アーネンエルベ』あたりのクロスオーバーものとかはスルー。一応『花札』・『タイころ』が2004年頃、『カプさば』が2004年の7年前(1997年頃)、『アーネンエルベの一日』(のウェイバー視点)は『Fate/Zero』(1994年)から数年後ではある。

 まほうつかいの箱』は同じくクロスオーバーものなのでともかくスターリット・マーマレードは作品単体で成立しているので入れたかったが年代が全くわからなかった。

 衛宮さんちの今日のごはん』は……何だろうこれ……。

 Fate/Prototype』『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』はどこから分岐とかいうかそもそも完全に別宇宙……のはず。ただし『FGO』には異世界からの来訪者として普通にやってくる。 

 Fate/Labyrinthはちょっと複雑で、『蒼銀のフラグメンツ』終盤(1991年2月某日)の沙条愛歌が意識だけFate世界(というかApocrypha世界)に移動する物語。後者の時系列はTYPE-MOON BOOKS materialによれば2000年代前半らしい。

 プリズマ☆イリヤは「プリヤはあくまでスピンオフ!別の設定で成り立ってるの!」と明言されているので割愛。

 帝都聖杯奇譚』は「基本的に全部でたらめなので本気にしないよう」「「帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline」における設定は、既存のどのFate作品ともリンクしない帝都聖杯奇譚独自の設定」と明言されているので割愛。

チキチキ月姫リメイク死徒二十七祖リストラ予想猛レース

「リメイクの影響でリストラされたヤツもいるらしいよ」(TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm)

「例えば死徒二十七祖の設定や序列なども一新されています。当時は新しいと思ったんだけど、今となってはやり尽くされていてつまらないなと判断したものを削除して、代わりに今新しいと思えるものを入れてみたり。以前に比べて重要性が増したものにはさらに手を加えてみたり」(TYPE-MOONエースVol10)

   あたりの発言を参考にしながら、前者のリストラ発言が出た2012年以降、特に「Fate世界には二十七祖がいない」設定が表に出た2016年あたりから先に出てきた情報をチェックしてリストラ予想していく。

 つまり例えば2006年に書かれたCharacter materialにORT、アルトルージュ、アインナッシュ、ネロ、ヴァン=フェム、グランスルグ、トラフィム、エンハウンス、メレムとかの名前が出てくるからってだけでは生存判定はしないということ。

 

 

1/プライミッツ・マーダー

  • 二つ名:霊長の殺人者。白い獣。アルトルージュの魔犬(ガイアの怪物)。
  • 設定更改後の言及:FGO(「違う世界では霊長の殺人者(プライミッツ・マーダー)、とも呼ばれたね」) 
  • 生存度:9

 安泰ライン。超重要キャラだし「違う世界」「霊長の殺人者(プライミッツ・マーダー)」が明らかにFate世界と月姫世界の違いを念頭に置いたネタの振り方なのでさすがにここリストラされたらびっくりする。

 強いてマイナス要素をあげるとしたら「そもそも死徒でもなんでもない」とかか。

 

2/the dark six

  • 二つ名:最初の死徒。最初のシステム。闇色の六王権。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:4

 具体的な言及ではないけど、FGOの「夏への扉/dark mix」で微妙に目配せされている……かもしれない。サクラメイキュウ black mixとかもあるので何も関係ないかもしれない。

 死徒二十七祖って基本的に捨てキャラがいなくて、ある程度設定が明かされてるキャラはだいたい「おっこいつ面白そうだな」って感じの雰囲気があるので、誰ならリストラ出来るか考えると逆にここらへんのマジで何がなんだかよくわからない謎キャラ(そもそもキャラなのかこれ。最初のシステムとか書いてあるけど)が怪しいようにも見えてくる。

 

3/朱い月のブリュンスタッド 

  • 二つ名:アルティミット・ワン。
  • 設定更改後の言及:事件簿マテリアル年表
  • 生存度:4

 死徒二十七祖を作った朱い月が死徒二十七祖の3位にいるの、いつ見ても意味がわからない。せめて1位でしょ!

 もちろんそういう意味のわからなさで「えっつまりどういうこと?」ってフック作るのがこの設定の面白さなんだけど、そのあたりリメイクで整理される可能性はゼロではないような気もする。

 

4/ゼルレッチ

  • 二つ名:道元帥。宝石のゼルレッチ。万華鏡(カレイドスコープ)。
  • 設定更改後の言及:Fake、劇場版HF、事件簿マテリアル年表 等
  • 生存度:7

 今でもちょくちょく出てくる割に何気に死徒化が明言されたこと一度もない気がする。あったっけ?

 まぁ多分死徒なんだろうと思うけど、「こいつ死徒とか以前に魔法使いじゃん!」でリストラされてる可能性もある……か……?

 

5/ORT(オルト)

  • 二つ名:水星(?)のアルテミット・ワン。夕イプ・マアキュリー。
  • 設定更改後の言及:FGO(「オールトの雲より飛来した、極限の単独種(アルテミット・ワン)」)
  • 生存度:7

 FGO出演予定だしリストラされてるとは思えない(「U1な上に月姫世界では二十七祖5位のORTFGOに登場!」ならいいけど「U1な上に月姫では二十七祖だったけど月姫リメイクではリストラされたORTFGOに登場!」って言われたらちょっと反応に困る)んだけど、若干怪しいのはそもそもこいつが死徒二十七祖に入ってる理由が「遊び心で入れた」でしかないところ。

 設定整理でリストラされてる可能性もある……か……?

 

6/リィゾ=バール・シュトラウト

  • 二つ名:黒騎士シュトラウト。真性悪魔ニアダーク。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:

  FGOやFake、事件簿で言及されてる祖のほうがもう多数派なので、完全言及なしの祖はそれだけでだいぶリストラ候補として怪しく見えてくる。(「リメイクで存在消されたから出てない」じゃなくてFate世界では存在してないキャラだからFate関連作品には出てない」な可能性も全然ありえるけど)

 一応月姫2で殺人貴のライバルになるらしいけど、そもそも月姫2作る気あるのかって問題もあるからな……僕はFGO人魚姫2の「悪い。色々あって書けなかった」は月姫2のこと言ってると思ってるんだけど……。

 真性悪魔ニアダーク(魔剣ニアダーク)は「以前に比べて重要性が増したもの」候補として一番それっぽいような気もする。他だと魔法使いのゼルレッチ(とスタンローブ?)、薔薇の予言者っぽいロズィーアンとか?

 

7/アインナッシュ

 これもORTと同じような感じで、もしリストラされてたら「えっ!?事件簿に仔がゲスト出演したのってアレ月姫死徒二十七祖がサプライズ登場!』じゃなくて月姫では二十七祖だったけど月姫リメイクではただの上級死徒に格下げされた死徒がサプライズ登場!』だったの!?」ってめちゃくちゃびっくりする。

 まぁリストラされる可能性はほとんどゼロだろうけど、序列は7から下がってる気はする。初代アインナッシュって催眠固有結界を破られたあと普通にアルクェイドにやられて死んでるせいで2代目や下位のネロ、ワラキアに比べて特に強そうに見えないんだけどなんでこんな序列高かったんだろう。

 

8/フィナ=ヴラド・スヴェルテン

  • 二つ名:白騎士ヴラド。吸血伯爵。ストラトバリスの悪魔。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:4

 黒騎士と一蓮托生で、基本的には黒騎士消えるならこっちも消える、黒騎士残るならこっちも残るって感じの印象なんだけど、怪しいのがなんか「幽霊船団のキャプテン」って設定がFateの船召喚鯖とダダかぶりしてもう全然新規性がなくなってそうなところ。ドレイクの黄金鹿と嵐の夜とか「亡霊の群れ」って言われてるし……。

 もしかしたら黒騎士生存で白騎士リストラとかもあるかもしれない。

 もしも両方残ってた場合、黒騎士が真性悪魔ニアダーク絡みでだいぶ設定盛られると思うので多分こっちも一気に盛られる。

 

9/アルトルージュ・ブリュンスタッド

  • 二つ名:吸血姫。黒。血と契約の支配者。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:8

 月姫2の攻略ヒロインらしいし、未登場二十七祖の中では多分一番人気がある(外見年齢14歳で姉のお姫様って設定がかわいすぎるから……)のでリストラされないと思いたいけど、アルトルージュ派3人(+1匹)いて3人全員未言及で今まで来ていることに若干訝しさを感じないこともない。

 一応FGOの「デミ・サーヴァントなぞ、本来なら不可能な技術だ。吸血鬼たちに混血(ダンピール)が生まれないようにな」って台詞はアルトルージュのことほのめかしてるように見えるんだけど、これ読もうと思えば「本来不可能なデミ鯖が生まれたように本来不可能なアルトルージュも生まれる」とも「アルトルージュは本来生まれない、月姫世界だけの特殊な存在」とも「アルトルージュは没になりました」とも読めるんだよな……。

 

10/ネロ・カオス

 Fakeで言及済みとか、きのこ提供の教会年表に載ってるらしいとか以前に、月姫の中ボスが月姫リメイクでリストラされてたらめちゃくちゃびっくりする(いやリメイクでそういう意表の付き方してきそうなイメージはあるけど)。

 どうでもいいけどネロ・カオスって名前、Fateにネロもカオスも本物が出てきた今見るとわりとアレだよな……もしかしたらリストラされなくても名前変わったり増えたりはするかもしれない。

 白騎士ヴラドとかメレム・ソロモンも似たようなもんだけど、ヴラドは英語表記がなんかblood(ヴなのに?)だし、メレムは誰からもソロモン呼びされてないのでまぁ。

  

11/スタンローブ、カルハイン

  • 二つ名:捕食公爵。亡霊。街食うモノ。第一の亡霊(スタンティア)。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:6

 ここらへんのマジで何がなんだかわからない系の死徒、リストラされるかどうかとか予想のつけようがないんだけど、個人的にスタンローブのことは「第一魔法の使い手=久遠寺有珠の先祖」って設定のまほよ用キャラ(2015年の時計塔が「月姫、まほよ寄りの世界」って言われてるあたりまほよ世界にも二十七祖はありそう)なんじゃないかと考えてるので、リストラされないんじゃないかな(願望)。

 

13/?????

  • 二つ名:タタリ。ワラキアの夜。 
  • 設定更改後の言及:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、竹箒日記(二十七祖
  • 生存度:10

 竹箒日記にはっきり二十七祖と書いてあるし、事件簿でもズェピア本人がブラックモアと同胞になっていた可能性の話をしているので当確。

 全然関係ないんだけど、設定で触れられたことが一度もない死徒二十七祖第12位、他の封印中組が19位以下の下位陣しかいない中で一人だけそこそこ上位なのに封印されてるのが結構好きなので新設定でも残しておいて欲しい。

 

14/ヴァン=フェム

 「三十人弱ほど指定されている特殊な上級死徒」、これはさすがにもう死徒二十七祖って言っているようなもの。

 どうでもいいけど「Fake2巻で二十七祖って単語使用する」→「Fake4巻あたりの時期に設定変更でFate世界には二十七祖いないことになる」→「Fake世界は月姫世界とFate世界の中間だから二十七祖使ってもOKってフォロー入る」って流れだったのにここでは二十七祖って言葉使わないのなんでやねん感がある。

 多分「上級死徒」=「死徒二十七祖」じゃなくて「死徒」<「上級死徒」<「特殊な上級死徒」=「死徒二十七祖」だって説明なんだと思うけど……。

 

 15/リタ・ロズィーアン

  • 二つ名:自称、芸術家のお嬢様。 
  • 設定更改後の言及:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿(上級死徒
  • 生存度:9

 これもまぁアインナッシュと同じでリストラされてる可能性ほぼゼロ枠。

 

16/グランスルグ・ブラックモア

  • 二つ名:鹏。黒翼公。月飲み
  • 設定更改後の言及:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿(ズェピアと同胞になっていたかもしれない死徒
  • 生存度:9

 ズェピアの同胞なのでどっからどう見ても二十七祖なんだけど、穿った見方をすれば「同胞になる可能性があった」は「月姫世界で同胞だった」という意味で「月姫リメイク世界で同胞だった」とは言ってない……とか解釈できないこともないかもしれない(いや無理でしょ)。

 どうでもいいけどこいつの「朱い月存命時は二十七祖じゃなかったけど"二十七の一つ"と認められていた」って設定、いつ見てもよくわからない。じゃあ二十八では……?

 

17/トラフィム・オーテンロッゼ

  • 二つ名:白翼公。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:5

 言及なしとはいえ月姫2の舞台設定のトリガーになってる感じのキャラだし、(形式上)死徒の王とか、黒翼公と白翼公で対になってる二つ名とか生存できそうな要素も多いんだけど、死徒二十七祖ってだいたいみんな月姫2登場予定とか他のキャラとの因縁とか持ってるのでそんなこと言ってるとマジで誰もリストラできなくなってしまう。

 

18/エンハウンス

  • 二つ名:復讐騎。エンハンス・ソード(片刃)。
  • 設定更改後の言及:特になし 
  • 生存度:6

 これも月姫2の主人公なのでさすがに消えない……と思うんだけど、「当時は新しいと思ったんだけど、今となってはやり尽くされているもの」に一番当てはまる二十七祖ってエンハンスのような気がする。

 片手に魔剣、片手に聖葬砲典持って、魔剣を使うと人間部分に、聖葬砲典使うと死徒部分にダメージ受けるっていう光と闇が両方そなわり最強に見えるスタイルとか……というか、それ以前にダンテだし……。

 

20/メレム・ソロモン

  • 二つ名:フォーデーモン・ザ・グレートビースト。 王冠。
  • 設定更改後の言及:漫画版Fate/strange Fake 
  • 生存度:9

 個人的に漫画版Fakeでの右脚の出演描写、コミカライズ担当の勇み足なのではという疑念を持ってるんだけど、まぁさすがに監修ついてると信じるしかない。

 

21/スミレ

  • 二つ名:水魔スミレ。ウォーター・ボトル。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:4

 死徒だけど流水対応、死徒だけど空想具現化可能とかいうよくわからないキャラ。

 月姫2登場予定ありでリタ・ロズィーアンのライバルって設定持ち、かつリタが生存確定みたいな感じなので、スミレも……と思いつつ白翼公と同じ理由でリストラ候補に入れておく。

 

24/エル・ナハト

  • 二つ名:胃界教典。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:3

 未登場キャラというか未登場武器って感じの祖。

 「ドッペル心中アタックする吸血鬼を召喚できる胃」って設定はさすがに使い古されてはいないと思うけど、歌月十夜デイリーメッセージに収録忘れられるあたりに存在感の薄さを感じないこともない。

 あと条件を「設定変更後に未言及」「月姫2に登場予定なし」に絞るとリストラ候補がスタンローブとエル・ナハトだけになる(この条件に絞らなきゃいけない根拠は特にないが……)。

 埋葬機関の一位と二位が胃界教典装備すると「うわ、それ無敵じゃん!」になるっていうきのこコメントがあるので、もしもこれリストラされてたら埋葬機関のパワーバランス結構変わりそう。「胃界教典なくなって弱体化」じゃなくて「二十七祖の力借りなくてもよくなるくらい超強化」かもしれないけど。

 

27/コーバック・アル力トラス

Fate/strange Fakeに登場してゼルレッチと絡む……とか以前の問題で、ケータイさん今でも普通にコンプティークの4コマに登場してる現役キャラだよ。 

 

ex/ミハイル・ロア・バルダムヨォン

  • 二つ名:アカシャの蛇。転生無限者。
  • 設定更改後の言及:竹箒日記(「教会において二十七祖の一人と数えられたもの」「祖のひとり」) 
  • 生存度:10

 はっきり二十七祖と書いてあるのでまぁ当確。 

 番外位が「今となってはやり尽くされ」判定で正式ナンバリングに変わってる可能性とかも考えたけど、わざわざ「教会において」って前置きつけて二十七祖カウントするくらいだし番外のままか。

 

まとめ

二十七祖の枠に収まらなさそうな祖:プライミッツ・マーダーthe dark six、朱い月、ゼルレッチ、ORT

設定変更前含めて資料集以外で一度も言及されていない祖:the dark six、黒騎士シュトラウト、白騎士ヴラド、エル・ナハト

設定変更後に言及なしの祖:the dark six、黒騎士シュトラウト、白騎士ヴラド、アルトルージュ、スタンローブ、白翼公、エンハウンス、水魔スミレ、エル・ナハト

設定変更後に言及なしかつ月姫2登場予定なしの祖:スタンローブ、エル・ナハト 

奈須きのこ TYPE-MOON作品年表

奈須きのこ作品を発表順に並べた年表。

監修のみ作品にもセリフを書き加えたりしてるもの(FakeのゼルレッチとかFGOのきのこ鯖とか)がちょくちょくあるはずだけど大半は区別がつかないのでスルー。

逆にFGOのシナリオは他ライターから監修されているもの(キャメロット桜井光鯖とか)も多いはずだけどそれもスルー。

発表年月日 ジャンル 作品名
1987年頃*1 小説 ザ・スクリーマー
1987年~ 1992年頃 小説 百鬼夜行
1991年8月~
1992年春頃
小説 フェイト・スキッパー(旧Fate
1993年~
1995年頃
TRPG 鉄の紋章
1996年12月18日 小説 魔法使いの夜
1997年11月2日 小説 氷の花
1998年10月 小説 空の境界式 第1章 俯瞰風景
1998年11月 小説 空の境界式 第2章 殺人考察(前)
1998年12月 小説 空の境界式 第3章 痛覚残留
1998年12月 小説 空の境界式 第4章 伽藍の洞
1999年3月 小説 空の境界式 第5章 矛盾螺旋
1999年5月 小説 Notes.
1999年8月 小説 空の境界
2000年8月11日 ゲーム 月姫 半月版
2000年12月29日 ゲーム

月姫

追加シナリオ(秋葉・翡翠琥珀・月蝕)

2001年1月21日 ゲーム 幻視同盟
2001年1月21日 ゲーム げっちゃ
2001年4月 ゲーム きのこ名作実験場
2001年8月10日 ゲーム 歌月十夜
原案・シナリオ*2
2001年8月12日 小説 Talk.
2002年1月 小説 痛快短編小説 茸堂の憂鬱
2002年12月28日 ゲーム MELTY BLOOD
2003年4月29日 ゲーム げっちゃ2
2003年9月26日 小説 tale
2004年1月30日 ゲーム Fate/stay night
2004年1月30日 小説 茸堂の憂鬱
2004年2月 小説 残層電管三十六景
2004年5月30日 ゲーム MELTY BLOOD Re・ACT
2004年7月12日 小説 DDD JtheE.
2005年3月25日 ゲーム MELTY BLOOD Act Cadenza
2005年10月28日 ゲーム Fate/hollow ataraxia
原案・構成・メインシナリオ・シナリオ(共同)*3
2005年10月28日 作詞 アタラクシア
2005年10月28日 ゲーム トラぶる花札道中記
シナリオ(共同)*4
2005年10月28日 小説 茸堂の憂鬱 第三回
2005年11月29日 小説 DDD HandS.(R)
2005年12月23日 小説 DDD HandS.(L)
2006年8月10日 ゲーム PS2MELTY BLOOD Act Cadenza
追加シナリオ(ネコアルク・カオス)
2006年8月11日 小説 Prelude
2006年8月11日 ゲーム トラぶる花札道中記EX
追加シナリオ(臓硯、カレン、バゼットチーム
2006年12月23日 ゲーム MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B
追加シナリオ(白レン)
2007年1月10日 小説 DDD 第1巻
書き下ろし(formal hunt.)
2007年4月19日 ゲーム Fate/stay night [Réalta Nua]
追加シナリオ(ラストエピソード)
2007年4月19日 小説 きのこ堂の憂鬱 ~最終回~
2007年4月19日 ゲーム とびだせ!トラぶる花札道中記
追加シナリオ(穂群原にゃーにゃーズ)
2007年7月27日 ゲーム

PC版 MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B

追加シナリオ(ネコアルク・カオスB

2007年8月10日 小説 DDD 第2巻
2007年8月17日 ドラマCD ALL AROUND TYPE-MOON 〜アーネンエルベの一日〜
2007年9月13日 ゲーム フェイト/タイガーころしあむ
シナリオ監修、一部シナリオ(藤村大河*5
2008年6月11日 ゲーム Fate/unlimited codes
2008年8月16日 小説 空の境界 未来福音
2008年8月28日 ゲーム フェイト/タイガーころしあむ アッパー
シナリオ監修、一部シナリオ(マジカルカレン)*6 
2008年9月19日 ゲーム MELTY BLOOD Actress Again
2008年12月4日 ゲーム 428 〜封鎖された渋谷で〜
ボーナスシナリオ カナン編
2008年12月18日 ゲーム PS2Fate/unlimited codes
追加シナリオ(バゼット、セイバーオルタ、リーゼリット
2009年7月4日 アニメ CANAAN 放送開始
原案*7
2009年8月20日 ゲーム PS2MELTY BLOOD Actress Again
追加シナリオ(両儀式、制服秋葉、ネコアルクB、ネコアルク・カオス、ボスラッシュ)
2009年8月21日 小説 茸堂の復活
2009年9月26日 アニメ CANAAN 放送終了
2010年4月1日 Twitter Tmitter
中の人(共同)*8
2010年7月13日 小説 宙の外
2010年7月13日 小説 MAGNITUNING
ノベライズ*9
2010年7月22日 ゲーム Fate/EXTRA
シナリオ*10
2010年12月21日 小説 月の珊瑚
2010年12月24日 アニメ おしえて!! ブロッサム先生
2011年5月18日 ゲーム MELTY BLOOD Actress Again Current Code Ver.1.05
追加シナリオ(完全武装シエル)
2011年6月25日 小説 茸堂の復活/リバイブ
2011年8月12日 オーコメ 教えて!知得留先生
2011年10月14日 ゲーム MELTY BLOOD Actress Again Current Code Ver.1.07
追加シナリオ(真祖アルクェイド、リーズバイフェB、ネコ&メカヒスイ、琥珀&メカヒスイ)
2011年10月28日 脚本集 「教えて!知得留先生」脚本 完全版
2011年12月31日 アニメ Fate/Prototype
2011年12月31日 脚本集 Prototype/material
2012年1月31日 TRPG RPF レッドドラゴン 連載開始
プレイヤー*11
2012年3月7日 アニメ お願い!アインツベルン相談室 その1~その3
2012年4月12日 ゲーム 魔法使いの夜
2012年4月12日 小説 はちみつを巡る冒険
2012年9月19日 アニメ お願い!アインツベルン相談室 その4~その6
2012年11月29日 ゲーム とびたて!超時空トラぶる花札大作戦
一部シナリオ(バーサーカー陣営、EXTRA、プロト)*12
2013年3月28日 ゲーム Fate/EXTRA CCC
メインシナリオ・サブシナリオ*13
2013年4月1日 ゲーム 路地裏さつき ヒロイン十二宮編
シリーズ構成、監修、戦闘パート、一部脚本(6話、7話、13話)*14
2013年9月28日 小説 終末録音/the Garden of oblivion
2014年1月24日 ドラマCD Fate/EXTRA CCC ルナティックステーション2013
シナリオ(共同)*15
2014年4月28日 小説 2015年の時計塔
2014年5月29日 TRPG RPF レッドドラゴン 連載終了
2014年11月27日 ゲーム カプセルさーばんと
シナリオ原案・総監修・シナリオ(共同)*16
2015年3月25日 小説 Garden of Avalon
2015年4月1日 Twitter Tmitter2015
中の人(共同)*17
2015年7月30日 ゲーム Fate/Grand Order
全体構成・シナリオ(共同)・総監督*18
2015年7月30日 ゲーム Fate/Grand Order
第1部序章 炎上汚染都市冬木
2015年7月30日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第1章 邪竜百年戦争 オルレアン

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2015年7月30日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第2章 永続狂気帝国 セプテム

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2015年8月10日 ドラマCD Fate/Grand Order ドラマCD 序章
2015年9月25日 ゲーム Fate/Grand Order
月の女神はお団子の夢を見るか?
2015年10月7日 脚本集 Animation Elements
2015年11月5日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第3章 封鎖終局四海 オケアノス

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2015年12月16日 ゲーム Fate/Grand Order
ほぼ週間 サンタオルタさん
2015年12月28日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第4章 死界魔霧都市 ロンドン

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2016年1月20日 ゲーム Fate/Grand Order
セイバー ウォーズ ~リリィのコスモ武者修行~
2016年2月25日 ゲーム

Fate/Grand Order
空の境界/the Garden of Order

シナリオ*19

2016年3月30日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第5章  北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2016年7月25日 ゲーム Fate/Grand Order
第1部第6章 神聖円卓領域キャメロット
2016年11月11日 ゲーム Fate/EXTELLA
メインシナリオ*20
2016年12月7日 ゲーム Fate/Grand Order
第1部第7章 絶対魔獣戦線バビロニア
2016年12月22日 ゲーム

Fate/Grand Order
第1部終章 冠位時間神殿ソロモン

シナリオ(1~2節、7節~15節)*21

2017年1月1日 ゲーム Fate/Grand Order
宮本武蔵体験クエス
2017年4月1日 ゲーム Fate/Grand Order Gutentag Omen
2017年5月1日 ゲーム Fate/Grand Order
第1.5部 深海電脳楽土 SE.RA.PH
2017年12月15日 ゲーム Fate/Grand Order
冥界のメリークリスマス
2017年12月26日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部 序/2017年
2017年12月31日 アニメ Fate/Grand Order -MOONLIGHT/LOSTROOM-
2018年1月28日 アニメ Fate/EXTRA Last Encore 放送開始
シリーズ構成・脚本(共同)*22
2018年4月4日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第1章 永久凍土帝国 アナスタシア

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2018年7月18日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第2章 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2018年7月29日 アニメ Fate/EXTRA Last Encore 放送終了
シリーズ構成・脚本
2018年8月1日 ドラマCD Fate/EXTRA Last Encore ドラマCD あまり者の聖杯戦争
脚本(共同)*23
2018年8月9日 ゲーム

Fate/Grand Order
サーヴァント・サマー・フェスティバル!

一部シナリオ

2018年8月10日 脚本集 Fate/EXTRA Last Encore
原案シナリオ集「Last Encore Your Score」
2018年11月23日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第3章 Lostbelt No.3 - intro -
2018年11月27日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第3章 人智統合真国 シン

一部シナリオ(終了部)*24

2018年12月12日 ドラマCD Fate/EXTRA Last Encore ドラマCD 狐の語るおはなし
脚本(共同)*25
2019年1月1日 ゲーム Fate/Grand Order
雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~
2019年2月20日 ゲーム

Fate/Grand Order
堕天の檻

2019年3月15日 ゲーム

Fate/Grand Order
旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ

一部シナリオ(最終節 グッドナイト☆トーク

2019年4月1日 ゲーム

Fate/Grand Order Quest

2019年6月15日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第4章 創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ

一部シナリオ(イントロ)

2019年8月3日 アニメ

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-
Episode 0 Initium Iter

脚本原作*26

2019年8月14日 ゲーム

Fate/Grand Order
見参! ラスベガス御前試合 水着剣豪七色勝負!

一部シナリオ

2019年10月30日 ゲーム Fate/Grand Order
セイバーウォーズ2 ~始まりの宇宙へ~
2019年12月18日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第5章 神代巨神海洋 アトランティス

一部シナリオ(イントロ等)

2019年12月20日 脚本集 Fate/unpublished material
2020年4月1日 ゲーム

Fate/Grand Order MyCraft Lostbelt

2020年4月9日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第5章 星間都市山脈 オリュンポス

一部シナリオ(アウトロ等)

2020年8月11日 ゲーム Fate/Grand Order Waltz in the MOONLIGHT/LOSTROOM
2020年8月17日 ゲーム

Fate/Grand Order
サーヴァント・サマーキャンプ!~カルデア・スリラーナイト~

一部シナリオ

2020年12月4日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第5.5章 地獄界曼荼羅 平安京 轟雷一閃

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2020年12月5日 小説

イラスト&テキストカードVol.1「贋作」

2020年12月12日 小説

イラスト&テキストカードVol.2「兄と妹」

2020年12月19日 小説

イラスト&テキストカードVol.3「友」

2020年12月26日 小説

イラスト&テキストカードVol.4「主従」

2021年2月10日 小説

Fate/Grand Order

バレンタインミニシナリオ(ネモ他)

2021年6月5日 小説

イラスト&テキストカードVol.1「旅路」

2021年6月11日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第6章 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻 前編
2021年6月12日 小説

イラスト&テキストカードVol.2「騎士」

2021年6月19日 小説

イラスト&テキストカードVol.3「憧憬」

2021年6月26日 小説

イラスト&テキストカードVol.4「守り人」

2021年7月14日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第6章 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻 後編
2021年7月30日 アニメ Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-
脚本原作
2021年8月4日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第6章 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻 崩壊編
2021年8月26日 ゲーム 月姫 -A piece of blue glass moon-
2021年9月30日 ゲーム MELTY BLOOD: TYPE LUMINA
2021年12月22日 ゲーム

Fate/Grand Order

非霊長生存圏 ツングースカサンクチュアリ

一部シナリオ(イントロ)

2021年12月31日 ゲーム

Fate/Grand Orde

非霊長生存圏 ツングースカサンクチュアリ エピローグ

2022年1月13日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第1弾

追加シナリオ死徒ノエル、蒼崎青子

2022年1月19日 脚本集

Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-

ART BOOK & ORIGINAL SCREENPLAY

2022年2月9日 ゲーム

Fate/Grand Order

バレンタインミニシナリオ(モルガン、バーヴァン・シー、メリュジーヌ、バーゲスト、ハベトロット、光のコヤンスカヤ、闇のコヤンスカヤ、オベロン)

2022年4月14日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第2弾

追加シナリオ(マーリオゥ、完全武装シエル)

2022年6月15日 ゲーム

Fate/Grand Order

聖杯戦線 ~ムーンサルト・オペレーション~

2022年6月15日 ゲーム

Fate/Grand Order

第2部第6.5章 死想顕現界域 トラオム 或る幻想の生と死

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2022年8月14日 プロット

Avalon le Fae Synopsys

2022年8月19日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第3弾

追加シナリオ(ネコアルク、マシュ、マシュB、ボスラッシュ2)

2022年12月15日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第4弾

追加シナリオ(牛若丸、巌窟王、ボスラッシュ3、ボスラッシュ4)

2022年12月25日 ゲーム

Fate/Grand Order

第2部第7章 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの 前編

2023年1月31日 ゲーム

Fate/Grand Order

第2部第7章 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの 後編

2023年8月11日 ゲーム

Fate/Grand Order

サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!

2023年12月20日 ゲーム

Fate/Grand Order

雪原のメリー・クリスマス2023 ~7days / 8years Snow Carol~

2024年2月14日 ゲーム

Fate/Grand Order

バレンタインミニシナリオ(救世主トネリコ、水着アルトリア・キャスター、ノクナレア・ヤラアーンドゥ、水着メリュジーヌ、UDK-バーゲスト、ケット・クー・ミコケル、ネモ〔サンタ〕)

*1:きのこ中学2年生時

*2:原案・シナリオ:奈須きのこ
夢十夜シナリオ:amane、剣士"、マルキン
スペシャルシナリオ:健速

*3:原案・構成・メインシナリオ:奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこ・阿羅本景・森崎亮人(・星空めてお

*4:トラぶるモードシナリオ:奈須きのこ
のーまるモードシナリオ:奈須きのこ・森崎亮人

*5:シナリオ監修:奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこ磨伸映一郎・タスクオーナ・春野友矢・ハラオ・北側寒囲・佐野晋一郎

*6:シナリオ監修:奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこつくりものじ磨伸映一郎・タスクオーナ・春野友矢・ハラオ・ホネ・武梨えり(協力:一迅社

*7:原案:奈須きのこ
シリーズ構成・脚本:岡田麿里

*8:奈須きのこ:「士郎」(中盤除く)「バゼット」「琥珀」「アーチャー」「凛」担当
「セイバー」担当
「薪寺」担当
「慎二」担当
「シオン」「ライダー」担当

*9:原作:榎本俊二

*10:シナリオ:奈須きのこ・藤田基樹・田中国光

*11:フィクションマスター:三田誠
プレイヤー:虚淵玄奈須きのこ紅玉いづき・しまどりる・成田良悟

*12:シナリオ:奈須きのこ虚淵玄東出祐一郎ひろやまひろし

*13:メインシナリオ:奈須きのこ
サブシナリオ:奈須きのこ・石川夏子・熊衣べる・赤羽良保(・星空めてお

*14:シリーズ構成:監修:奈須きのこ
脚本:磨伸映一郎(1話2話10話)・経験値(3話12話)・ACPI(4話7話8話)・奈須きのこ(6話7話13話)・星空めてお(9話)・東出祐一郎(11話)
戦闘パート:奈須きのこ

*15:シナリオ:奈須きのこ・経験値

*16:シナリオ原案・総監修:奈須きのこ
シナリオ:経験値・OKSG・奈須きのこ

*17:奈須きのこTYPE-MOONスタッフ、東出祐一郎桜井光成田良悟三田誠虚淵玄、経験値

*18:全体構成・シナリオ・総監督:奈須きのこ
シナリオ:東出祐一郎桜井光水瀬葉月星空めてお
ゲストライター:虚淵玄・acpi・OKSG・経験値・小太刀右京三田誠橘公司成田良悟ひろやまひろし円居挽・リヨ

*19:ゲストシナリオ

六階 一号室:東出祐一郎

八階 一号室:経験値

*20:メインシナリオ:奈須きのこ
シナリオアシスタント:桜井光

*21:1~2節、7節~15節:奈須きのこ
3節5節:桜井光
4節6節:東出祐一郎

*22:シリーズ構成:奈須きのこ
脚本:奈須きのこ桜井光

*23:脚本:奈須きのこ桜井光

*24:シナリオ:虚淵玄

*25:脚本:奈須きのこ桜井光

*26:脚本原作:奈須きのこ
脚本:武井風太

2ヶ月でダンガンロンパ全部やる(ネタバレ感想)

 使用期間は1開始が5月24日でV3クリアが7月26日。

 使用金額はSteamセールで1と2が各641円、絶対絶望少女が1520円、V3が1257円、ゼロが中古で上下巻390円、3見るためのdアニメストア加入で400円のしめて4849円。

 

 

 

 

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

 事前情報は「霧切さんがメインヒロインで超高校級の探偵」「江ノ島はラスボス」くらいしか知らずにプレイした第1作目。
 マジでそれ以外の情報を知らなかったので最初の事件の被害者に素でびっくりできたりした(通信簿簡単に埋まったのそういうことかーい!みたいになった)までは良かったんだけど、前者はまだしも後者は終盤の面白さをスポイルしまくってきて最終的にはなんかあんま楽しめなかったなぁという印象が残ってる作品。なので個人的に評価がしづらい。
 2やV3に比べて1の出来が悪いかって言ったら多分全然そんなことはないんだけど、じゃあ2やV3と同じくらい楽しめたかって言われるとまぁアレという……。
 
 一番好きなキャラは霧切さん。美少女名探偵って時点でかなりツボなんだけど、特に1章で事件の解決と同等くらいの優先度を苗木自身に事件を解決させて苗木の心をフォローすることに置いている優しさが好き。
 ネタバレで終盤に気持ちが乗らなかったのも合わせて一番好きな章は1章だけど、半ばチュートリアルみたいな事件とはいえさすがに一瞬で犯人わかるダイイングメッセージのチョロさはどうかと思う。
 というか1章以外も不二咲の性別とか江ノ島の写真(これは元から知ってたわけだけど)とか露骨すぎてさすがにもうちょっとなんとかならないのかみたいな感じあったのでこのあたりは2以降から明確に改善されている部分かもしれない。
 いやでも2の大トリックとかもプロローグの時点で露骨だったし大して変わらないか……?
 
 

ダンガンロンパ/ゼロ

 メイントリックがバレバレの前日譚小説。

 マジでメイントリックがバレバレだしそもそも前日譚あんま好きじゃないしで割と読んでて苦痛だったくらい(他のゲームは長くて1週間とかでクリアしたのにこれ読むのは2週間かかった)なんだけど、江ノ島盾子が松田夜助のこと結局どう思ってたのかよくわからない感じはけっこう好き。

 江ノ島本人のセリフでも地の文でも松田のこと狂おしいほど愛してたとか言ってるけど、実際お前記憶取り戻したらドキドキしなくなってたやんけ、という。

 これ読んだ時点では「ダンガンロンパ、まぁこんなもんか……」くらいに思ってたので次の2が文句なく面白くてよかった。

 

 

スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園

 予備知識ほぼ0の状態でプレイできた2作目。

 ダンガンロンパ、メインキャラが誰なのか知らない状態でプレイできるだけで明らかに面白さが跳ね上がる。「なんかこの七海って子、妙に裁判で活躍するしメインヒロインか……? いやでもそう思わせて裏をかいてあっさり死んだりするのでは……?」とか思いながらプレイするの楽しすぎる。

 1の感想では「江ノ島はラスボス」に比べて「霧切さんはヒロイン」が大したことないネタバレのように書いちゃったけど、とんでもない重大ネタバレだったわ。

 特に面白かったのはまぁ5章。狛枝の狂った人格と才能を前提にした破滅的かつ電脳世界でしか成立しないトラップと「狛枝でもモノクマでもなく七海を信じる」って解決法まで完璧すぎる。

 クリアした後思い返して「よく考えたら全部狛枝の思い通りじゃねーか!」ってなる感じもいい。無敵キャラかよこいつ。狛枝がいる限り江ノ島が何しようが空から隕石が降ってこようが人類が滅ぶ可能性ないんじゃないかな……。

 好きなキャラは狛枝と七海で迷うけど七海。かわいいよね、「やっぱバーチャルに恋しちゃダメだよなあ、とみんな思いつつも、やっぱりバーチャルってのは恋する為に作られるんだ」、みたいな。

 なのでまぁ……3にはめちゃくちゃ思う所がある……。

 

 ところでFate/EXTELLAのセファール戦ってあれきのこが巨大江ノ島やりたかっただけですよね? 竹箒日記で「アニメ系3Dに特化した日本のゲームにしかできないインパクト」ってベタ褒めしてるし。

 

 

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode

 1では気を失ってる間になんか江ノ島倒してなんか外に脱出することになってた腐川をメインキャラにするってチョイスがいいスピンオフ。

 別につまらなかったわけではないんだけど、他のゲーム3作と比べて具体的に「ここが面白かった!」みたいな要素、特に思いつかない。

 ゼロと3もそうだけどやっぱ学級裁判やるかどうかで面白さがぜんぜん違うわ。

 希望の戦士後半の言子・新月くん・モナカは結構好き。逆に1章2章の大門大と煙蛇太郎に「虐待で気が狂った子供」以上のキャラ立てが存在しなくて心底どうでもいいのはこの作品の欠点だと思うけど……。

 

 

ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園- 未来編/絶望編 /希望編

 なんか評判悪かったからどんなもんかと思ってたらマジでつまらなかった3作目。

・「色々なドラマを経ながら江ノ島にねちねち精神攻撃されて絶望落ちしたのかと思っていたら単に洗脳ビデオ見せられただけだった絶望の残党」

・「2のラストで未来はどうなるかわからないから可能性が低くても頑張っていこうぜみたいな話してたのに実際はカムクライズルパワーで全部あっさり解決」

・「2のラストで七海はゲームの中にしかいないからみんなの記憶が消えたら七海の存在もなくなってしまう……とかやってたのに普通に実在していた七海」

・「人狼風デスゲームが全く面白くない」

 とか無限に文句が出てくる。

 いやまぁ3の存在が2のラストを台無しにしていることに関しては2の存在自体も1ラストの「外に出れても世界がどうなっているのかはわからない……もしかしたら大気汚染であっさり死ぬだけかも……」みたいな余韻を同じように台無しにはしてるし、洗脳ビデオで江ノ島の格が死んだことに関してはよく考えると1の5章で事件捏造してた時点でだいぶカリスマ性怪しいし、デスゲームのつまらなさに関しては宗方の「現実はゲームじゃないからルールなんてない!」みたいなセリフで何がやりたいのかは理解できたんだけど。

 でも純粋につまらないのだけはちょっとどうにもならないかな……。

 

 

ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期

 なんか賛否両論みたいな話だったからどんなもんかと思ってたら今度は面白かった4作目……4作目でいいのか?

 これもまぁ事前情報ほとんどない状態でプレイできたので1章の叙述トリックから6章の超展開まで100%楽しめて良かった。

 

 特に好きなのは1章と4章で、1章はもう言わずもがなって感じだよな……。「最原くんが犯人じゃないことは私が誰よりもわかってる」(2回目)くらいまで完全に赤松さんが主人公だと信じ切って「やっぱ自由行動は男主人公で女の子と会ったほうが楽しいよな……まぁいいけど……」とか思ってた。

 1章クリアした時はしょっぱなからこの面白さなのにこっから何すれば賛否両論になれるの!?ってめちゃくちゃびっくりしたよ。(実際クリアしたらまぁ賛否両論なのに納得はした)

 

 4章はメイントリックがあまりにもバレバレでナメてたら実はゴン太にプログラム世界の記憶がないって第2トリックが仕込まれてたのに完全にやられた。笑わない数学者トリックだ。

 それまでにあった「ゴン太は本当にバカだなー」「裁判も後半戦なのにまだ理解しとらんのか?」みたいなセリフが一気に反転するのエグすぎる。ゴン太はちゃんとぷろぐらむ世界がなんなのか理解しようと頑張ってたのに……。

 

 6章はまぁキレる人がいるのも理解できるけど僕は全然ありだったね。多分後追いで一気にプレイしたのもよかった。ダンガンロンパ楽しむ気持ちとかバッサリ斬ってくるので、そりゃまぁ発売前からダンガンロンパの新作を指折り数えて待った上でV3をプレイした人とかキレてもおかしくはない……。

 いやそれにしたってなんかよくわからないキレ方してる人もいっぱいいるっぽいけど。

 ダンガンロンパV3の作中でダンガンロンパ1~3をフィクション扱いしたからダンガンロンパ1~3が台無しになったと思う人、ティガ&ダイナ&ガイア、超ウルトラ8兄弟、平成ジェネレーションズFOREVERとか見た時も出演してるウルトラマン仮面ライダーのシリーズが台無しになってると思うのか……?

 

 模倣犯発言的にダンガンロンパ世界実在説もありなように書かれてるわけだけど、個人的には探偵部屋の事件ファイルがイラストから写真へ途中で変化した件があるのでフィクションなのはマジだったんだろうと捉えている……でもオーディション映像やプロローグ映像わざわざ捏造するような奴らだし探偵ファイルのイラスト捏造くらいは普通にする気もするな……どうだろ……。

 もしダンガンロンパ4出てたら多分普通に実在説取ってると思うんだけど(フィクション説取った上でV4出すと最原の説得が完全に無駄だったことになるので)(前作でプレイヤーの想像に任せたラストを次回作で答え明言するのがこのシリーズの作風なので)、なんかスタッフ独立別会社設立しててもうダンガンロンパ続編出ないっぽいんだよな。

 

 好きなキャラは特にいない……というか、ダンガンロンパって1の霧切さんと2の七海でメインヒロインがめちゃくちゃ魅力的なゲームだったので、V3の赤松さんが必然的にどうしようもなく影が薄いのは不満といえば不満。

TYPE-MOON設定資料 最強リセマラランキング 

A++  人権資料

A+  特筆して優秀な資料

A  ある程度役割を持てる資料

B  平均的な水準の資料

C  やや力不足を感じる資料

D  役割を持ちづらい資料

E  買うメリットが極端に少ない資料

EX  上記のどこにも属さない資料

 

値段はAmazonとか駿河屋とかの通販価格見てつけてるけど参考程度にしてください。この記事半年くらい掛けて書いてたせいで執筆中にドンドン変わっていってしまったので……。

 

 

魔法使いの夜

魔法使いの夜(原作版) EX 1996年12月18日

 奈須きのこが20代前半に執筆した生まれてはじめての完結長編小説。未発表(というか身内相手にのみ発表した)作品。

 ゲーム版との違いは「文章が拙い」「舞台が1980年」「草十郎のデザインがワイルド系の青年」「5章の舞台が遊園地ではなく夜の校舎」「青子人形の倒し方は屋上から落とすだけ」「フラットスナーク戦がなくて青子がビームを撃たない(そもそも撃てない)」「ロビンがいない」「金鹿がいない」「有珠にマインスターの魔女設定がない」とかで基本的な話の流れはそのままらしい。

 昔(1997年頃)書かれたあらすじだと有珠が「もう一人の魔法使いの少女」とか書かれてたり、『キャラマテ』で「魔法使いの女の子×2」とか書かれてたりするの、これ原作書いた時はまだ魔法使いと魔術師は違うって設定なかったのか、あったけど有珠も魔法使いだったのか、説明を省略してるだけなのかちょっとわからない。章題で橙子が「みかん色の魔法使い」になってるの考えると魔法と魔術の設定作ったの『らっきょ』からなんじゃないかという気もする。

 4GamerインタビューのTYPE-MOON伝奇における魔術と魔法に関するルールだと,どうしてもメルヘン寄りだったり,童話チックだったりする魔術が扱えなくなってしまうんですけど,それがちょっと悔しかった。なのでひとり例外を残しておこう,という立ち位置が有珠」なんかもわりとそれっぽい。魔術と魔法の設定が原作からあるなら「残しておく」じゃなくて「出しておく」辺りになるんじゃないかとか。

 TMA7の「『月姫』『Fate』を経て伝奇観が広がったので新規ギミックとして有珠にマインスターの魔女設定を追加した」なんかも原作に魔法の設定ないならそりゃ有珠に第一魔法関係者っぽい設定がないのも当然だし。

 ちなみにこの「『まほよ』原作には魔法と魔術の区別なかった」説には反証として「「魔法」や「魔術」といったTYPE-MOON伝奇世界観の基礎となる部分を固めたのもこの作品でした」ってきのこコメントがあります。(この文章書く意味あった?)

 

魔法使いの夜 A++ 2012年4月12日 4000円

 上記の未発表小説をゲームとしてリメイクしたもの。シナリオはもちろん奈須きのこ

 1980年代後半を舞台に魔法使い・蒼崎青子を主人公(の1人)にして描かれるジュブナイル

 個人的には「『Fate』シリーズって色々あるけど何から入ればいいの?」みたいなこと聞かれたらこの『まほよ』を推しますね。武内社長曰く「本来であればこの『魔法使いの夜』から入って『月姫』『Fate』と進んでいくのが順当」とのことなので、もしにわかファンみたいな扱いされてマウント取られても「は? 俺はお前と違って『まほよ』から型月世界に入る正規ルートを通った読者なのだが?」でマウント取り返せるから……。

 内容的には第五魔法「魔法・青」の詳細がついに明かされる……と見せかけて別に明かされない。

 『hollow』の「死者の蘇生には時間旅行、並行世界の運営、無の否定、いずれかの魔法が絡む」、『EXTRA』の「なんかきな臭い未来があったから、おかしな事にならないように見に来た」、『メルブラAA』の「終末に立ち会う事のない放浪者」「ここには、貴様の改竄対象になる誤差はない」「現在(いま)ではなく過去(かつて)の私と立ち会うというのなら―――」あたりのセリフでこれほとんど言ってるのと同じでしょレベルで前振りされてた「時間旅行」ではないということだけがわかった。

 結局のところ第五魔法がなんなのかについては多分『まほよ』本編よりも後述の4gamerのインタビュー2つの方が詳しい。

 

 第五魔法のことはよくわからないままだけど魔法全体への解像度はちょっと上がる。

 「はじめの一つは全てを変えた。つぎの二つは多くを認めた。受けて三つは未来を示した。繋ぐ四つは姿を隠した。そして終わりの五つ目は、とっくに意義(せき)を失っていた」で魔法の概略がわかったりとか(関係ないけど「第六魔法=みんなを幸せにする」って「並行世界の運営」「魂の物質化」みたいな具体的な効果名じゃなくてこの概略なんだろうなと思ってる。「そして終わりの六つ目はみんなを幸せにした」みたいな)。

 「第一魔法と第五魔法は根元に到達した結果生まれたもの、第二第三第四の魔法は根元に到達するための手段として生まれたもの」とか。

 いずれ第一魔法と第五魔法は同族嫌悪で食い合うって言われてるけどどういう理屈でそうなるのかまったくわからない。

 「第一(はじまり)より別たれた、この世でもっとも大きな虚構」(あと「魔法以上に魔法に近い、久遠寺有珠の魔術である」「私たちは最後の魔法使いになるかも知れない」あたりも?)的に有珠というかマインスターの魔女って『コンマテ3』に書かれてた「第一魔法の使い手の直系(かろうじて存命中)」っぽいとか。

 「魔法は天の外の神の摂理。人にも星にも含まれない業」ってこれ『メルブラAA』で根源に繋がってる式が宙の理っぽく扱われてたのと同じこと言ってるのかなとか。

 「根源=宙の理=天の外の神」で根源から得られる魔法が「魔法とは、人類の敵そのもの」なら根源自体も人類の外側にある人類の敵ってことでいいのか。人類の大元なのに……と思ったけど人類以外の大元でもあるからそうなるのかな。

魔法使いの基礎音律 B 2012年4月12日

 『魔法使いの夜』初回版に付属する特典。

 内容的にはいつものマテリアル系の奴という感じで、キャラのプロフィール(きのこ・こやまコメント付き)や絵素材が収録されているが用語集がない分ちょっと寂しい。

 代わりというわけでもないだろうが小説「はちみつを巡る冒険」も載っている。

 設定的な見所は青子・有珠・橙子・リデルあたりの魔術系統と魔術回路の性能、「有珠は魔法と魔術の関係とかぶちこわしレベルの最後の魔女でワールドメイキング可能」とか。スーパー青子の「私はあと2回の変身を残している」はちょっとまじめに受け取っていい奴なのかよくわからないけど……。

はちみつを巡る冒険 D 2012年4月12日

 魔法使いの基礎音律に収録されている短編小説。作者は奈須きのこ

 青子の初恋についての話で、これを読まないと『まほよ』本編に仕込まれていたトリックが消化されないのでこれを読んで初めて『まほよ』は完結すると言えなくもない。

 どうでもいいけどタイトルについては「初恋を巡る冒険」の誤植説がある。

 本編内に「はちみつを巡る冒険」って全く同タイトルの章がある上に本文中に「初恋を巡る冒険」ってフレーズが出てくるからだけど、まぁ本編の奴も橙子さんの初恋についての話なのであえて同じタイトルを付けてるとも取れはする。

魔法使いの夜 公式通販パンフレット D 2012年4月12日 1000円

 『魔法使いの夜』公式通販特典。

 ゲーム『魔法使いの夜』のパンフレットというか、架空の映画『魔法使いの夜』のパンフレットという体裁で作られた本。なのでまぁ設定を云々するようなもんでもないんだけど「原作にはロビンはいなかった」ってエピソードは信じてもいいだろう。

 ちなみに公式でpdfが配布されてるので買う必要はあんまりない。

 

TYPE-MOONエース B 2008年4月21日~ 5冊1500円

 Vol.1(2008年4月21日)武内社長インタビューに「奈須世界の土台のような作品。本来であればこの『魔法使いの夜』から入って『月姫』『Fate』と進んでいくのが順当。順序が逆になってしまうと今までの作品の要素を色濃く感じて新鮮味が薄れるかもしれない」というコメント。

 Vol.2(2009年2月21日)きのこインタビューに「原作の舞台設定は1980年だった(PC版は1989年)」「舞台は『月姫』と同じ三咲町だが遠野邸があるところに久遠寺邸がある」とか。ちなみにPC版の舞台設定はこのあと1987年→1980年代後半に変化してるっぽい。

 Vol.4(2009年12月24日)『まほよ』特集記事で「『魔法使いの夜』について一言で語ってください」っていう質問に「蒼崎から始まって蒼崎で終わる話だ。でも、個人的には有珠で終わってもいいとは思う」って答える草十郎。有珠エンドありそう。

 Vol.7(2011年12月15日)きのこインタビューで「純潔の魔女(マインスター)あたりの設定は新しく追加したもの。『月姫』『Fate』経て自分の伝記観が広がったので追加したギミック」。あと「青子はもともとエレキギターが大好きで久遠寺邸にも持ってきてたけど有珠に怒られてギター禁止になった」って話も他では見たことない。

 Vol.8(2012年12月15日)きのこ・こやまの『まほよ』誌上コメンタリーで「原作の5章は夜の学校が舞台で自動人形を屋上から落として終わりでフラットスナーク戦はなし、原作青子はこの時点ではあんな派手なビームは撃てない」とか。あと効果音の音量は20%下げてプレイするのがおすすめらしい。

 

魔法使いの夜 Artistic Booklet D 2010年6月21日 300円

 テックジャイアン2010年8月号に付属した小冊子。

 きのこ・こやまインタビューが収録されている。

 内容的には『まほよ』がどういう作品なのかの事前説明がメインであんまり設定面には触れてないんだけど一応「青子は『月姫』と完全に同一人物」「1作品にひとつは魔法を明かしていくっていう隠れたテーマがあるので当然魔法は出てくる」とかはある。

 『月姫』世界と『まほよ』世界は別物のはずなので青子も厳密には別人なんじゃないかという気もするけど、逆にマジで『まほよ』世界の青子が並行世界への移動したのが『月姫』世界の青子で2人は完全同一人物とかの可能性もあるのか……?

 1作品に魔法一つはこれ以前にも『月姫』や『Fate』の発売後インタビューでちょくちょく触れてるんだけど、多分最新発言は10年前のこれのはず。『まほよ』以降1作も非『Fate』の完全新作を発表していないからな……。 

 

るりひめ D 2012年7月31日 300円

 こやまひろかずのフルカラー漫画やロングインタビュー、TYPE-MOON主要スタッフの紹介とか色々載ってる雑誌。

 個人的な見所は『魔法使いの夜』原本の写真。漢話月姫のインタビューとかでちょくちょく原本の写真は出てたんだけど各話サブタイトルとかがちゃんと確認できるのはこれだけのはず。

 サブタイは5.5章が6章に変更された分1章増えたり(前編)(後編)がついてるくらいでほぼそのまま。最終章のタイトルだけ「手を伸ばすには遠すぎて」から「ほしのはなし」に変わっているけどタイトルを見る限り特に中身が変わってそうに見えないのでここだけ変えられた理由が謎。

 表紙の作者表記が奈須■■になってて名前隠されてるのが逆説的にきのこはともかく奈須って実名だったのかってなってちょっと面白い。

 あとは『アインツベルン相談室』のぜっちゃん・アイリ社長ラフ絵とかもあるけどこれはTMA8に再録されているので別に要らない。

 

TYPE-MOONの原点を辿る「魔法使いの夜」インタビュー A+ 2012年5月19日

TYPE-MOONの原点を辿る「魔法使いの夜」インタビュー。奈須きのこ&こやまひろかず&つくりものじ氏の3名に聞く,ノベルゲームの未来と可能性 - 4Gamer.net

4Gamerのインタビュー。

 金鹿が製作中に追加されたキャラとかつくりものじの演出の凄さとか、面白い話は色々あるんだけど、何よりもまず見所は第五魔法。

 「(青子が魔法使いの後継者に選ばれた理由は)青子の魔術回路の構造がヒントです。橙子の魔術回路は業界屈指のものだけど,蒼崎の第五魔法にはそんなもの必要なかった。むしろ青子の単純さこそもっとも適している」「有珠は中世の文明の代表で,青子は消費文明の代表です。青子がどうして“最新の”魔法使いなのか,その答えも第五の中にあります」とか。

 

 しかし発売から8年後に読むこのインタビュー、なんとも言えない気持ちになるんだよな……。

 

Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形 B 2017年3月11日

「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは - 4Gamer.net

 4Gamerの『FGO』インタビュー。

 ゲーティアの大偉業の名称が「逆行運河/創世光年」だった絡みで『まほよ』というか第五魔法の話題がちょっと出ている。

 「「ゼロに戻ってから良い前提を作り直す」というゲーティアの選択は,ある意味,魔法に近しい行為」「ゲーティアを知ることで青子の痕跡や第五魔法の一端が知れるという,逆の伏線」らしい。

 

魔法使いの夜 オリジナルサウンドトラック E 2012年5月9日 2000円

 『まほよ』のサウンドトラック。ブックレットにはきのこと作曲者2人の対談が収録。

 曲名と曲順を全てきのこが決めて一つの作品としてコントロールしてるのでちょっとしたコンセプトアルバムとも呼べるかもしれない。

 曲名はかなり素直につけられてる感じで他のきのこ命名サントラ(『CCC』『月姫リメイク』と多分『EXTRA』、あとは極一部の『FGO』曲くらいしかないけど)に比べて特にタイトルが面白い曲はない。Fiveが第五魔法の曲なこととか別に曲名がFiveじゃなくてもわかるし……。強いて言うなら「extra magic number?」はちょっと意味あり気(番外魔法?)に見えなくもないけど……。

 まぁ普通に考えてサントラに曲名の面白さを求める方がおかしいので、単純にサントラとして聞く分には良盤。主題歌「星が瞬くこんな夜に」がフルサイズで収録されている(シングル版とはバージョン違いなので)のもお得感があって嬉しい。

 

魔法使いの夜 Original Soundtrack Repetition D 2013年12月29日 1000円

 「原作のストーリーの追体験」をコンセプトに作成されたアレンジアルバム。

 最後に収録されている10曲目「Blueray starbow」はきのこが作曲者に「実はこの時物語の裏側ではこういうことがあって……」という設定を開示した結果できあがった曲で、きのこ曰くある意味物語設定のネタバレになっているらしい。

 いやこの曲聞いてその設定を想像するのは普通に不可能だと思うんだけど……(8曲目「stars」もその設定の絡みで作られた新曲なんだけどそっちも聞いたところで何もわからない)。

 まぁ聞いておけばもしかしたらいつか『まほよ』の続編が出て設定開示されたときに「なるほどこの曲はあの設定を表現していたのか!」とかなれて楽しいかもしれない。多分無理だと思うんだけど……。

 

 

空の境界

空の境界 the Garden of sinners A+ 1998年10月~1999年8月 3冊300円

 奈須きのこの実質的なデビュー作。直死の魔眼を持つ少女・両儀式を主役にした伝奇ポエム。

 

 根源や起源、抑止力なんかのいまだに頻出する設定、多分今でもこれが一番詳しく説明されているのでは。

 「ジャンヌ・ダルクは抑止力の後押しを受けていた」「抑止力が自然現象を装ってどこぞの大陸を沈めた」とかこの時点では多分雰囲気でなんとなく書いたくらいの設定だと思うんだけど、今見ると結構面白い。

 アトランティスの方はちょっとよくわからないけど、少なくともジャンヌの方は今でも生きてる設定な気がする。

 『GoA』に「抑止力を主の声だと感じる者もいれば世界の声と感じる者もいる」って話が出てくるの、これ要はジャンヌの啓示は神の声じゃなくて抑止力の声聞いてたってことだろう(でも東出がインタビューで「ジャンヌに掲示を与えた神について触れづらくて『Apocrypha』書くとき困った」とか言ってるの見るとこれからも明言されることはなさそう)。

 「どこぞの大陸」は『FGO』を見る限りやっぱりアトランティスのことらしいんだけど、セファールに神全滅させられたアトランティスがなんで抑止力が洪水起こして沈めたのかはいまいちよくわからない。

 

 日付は一応初出のウェブ連載版(正確には98年10月から5章まで『空の境界式』というタイトルでウェブ連載した後99年夏コミに6章~終章コピー紙を出して完結という流れ)にしてるけど、それ読んでる人間10人~20人(もしくは30人)(どっち?)くらいしかいないので実質的には同人書籍版が出た2001年12月30日が世間に広く発表された日みたいなもんだろう。

 現在入手可能なのは同人書籍版、講談社ノベルス版(2004年6月8日)、講談社文庫版(2007年11月15日~2008年1月16日)があるがまぁ文章が修正されているだけでストーリーに大差はないので別にどれ買ってもいい。

 一番オリジナルに近い同人版、熱と若さを残すために文章自体は変えないようにしつつもプロの校正が入ったノベルス版、きのこ曰く「あえて文字にしたくないと思っていた箇所に一語入れた」って比較的わかりやすい文庫版でそれなりに差別化はできている(気がする)。

 同人版は今見ると「予備の体は作ってはおらぬ。再会があるとすれば、次世紀か」「そのころには魔術師なんてモノはいないよ。再会はないだろ」が『FGO』の「 西暦2015年。魔術がまだ成立していた最後の時代 」を思い起こさせてちょっと面白いけど、これノベルス版以降は次世代に変わってるから没設定みたいなもんだろうし。(というかこの台詞、どういう理屈で荒耶がそのうち復活してくることになってるのかいまだによくわからないんだけど……)

 

空の境界 限定愛蔵版 E 2004年4月1日 5000円

 装丁が銀ピカになった限定愛蔵版。

 本体は本当に講談社ノベルス版の装丁が銀色になっただけだからどうでもいいんだけど(本の表紙や小口が銀色に光ってなんか読者に嬉しい要素あります?)、付属する小冊子「Special Pamphlet」は用語辞典が収録された重要アイテム。

空の境界 Special Pamphlet A++ 2004年4月1日

 奈須きのこによるあとがきと用語辞典が収録された小冊子。作者は奈須きのこ

 細かいところだと奉納殿六十四層なんかの初出が多分これなんだけど、何よりもまず魔法。

 具体的に言うとよく魔法絡みの話題で出てくるエーテル塊はそも第一魔法の――――」「まだ実現できていない魔法を黒桐幹也はさらっと言い当てていたりする」の出典はこれ。

 なのでこれ買えばこの本持ってないくせにそのあたりの文章引用してる全ての月厨にマウントとれるぞ!(そうかな?)

 いやでも実際資料ちゃんと買うのは大事ですよ。世の中には『FGO』考察ブログ書いてるのに『FGOマテ』すら買ってないせいで「ホームズの陣地作成EXの由来がわからないので考察……ホームズは世界を自らが活躍するミステリーの舞台に変える現実改変能力持ちだからなのでは……!?」とか言い始める四季◯色みたいなすごい人もいるから……(正解は「脳内に記憶の図書館を作ってるから」です)。 

 

空の境界 未来福音 C 2008年8月16日 100円

 『空の境界』本編で存在だけ示唆されていたサブエピソード「未来福音」と本編本編終了から11年後を描いた続編「未来福音・序」のカップリング。

 設定面では「人間の機能のみに寄った未来視は測定・予測の2種類に分けられる」「それとは別枠で魔術でいうところの予見、神託でいうところの預言もある」とかが出てくる。

 まぁこれ、千里眼との関係がまったくわからないんだけど……『事件簿』読むと時間だけじゃなくて空間も超越できるのが千里眼っぽいけど「高ランクの千里眼は未来視もできる」ってstay nihgtのころからある設定となんかニュアンスが違うような……。

 

 ちなみにこれも文庫版が星海社から出ていてそちらでは文章がわかりやすくなっている。「ミツルさんのいいところは、どっちもチンピラなところよね」ってセリフが「ミツルさんのいいところは台詞も仕草もチンピラなところよね」に修正されたりとか。(これマジで文庫版読んで「え!? そういう意味だったの!?」ってなった。ミツルとクラミツの両方とかかと思ってた)

 

終末録音/the Garden of oblivion D 2013年9月28日 100円

 『空の境界』本編終了後を描いた後日談的な番外編(なのか?)。作者は奈須きのこ

 面白さはさておき資料的価値があるかどうかで言ったら多分0。

 容量が足りなくて消滅させられる世界とか、「世界の終わりはいつも人間とは関係がない。どんなに内枠が平和であろうと、慎ましやかに暮らしていても、外枠の都合で無慈悲に終わってしまう」ってワールドエンド論とか、今読むと剪定事象化のことを言っているように見えてちょっと面白いけど。

 

劇場版 空の境界 E 2007年12月1日~2010年12月18日 全7巻5000円

 『空の境界』劇場版アニメ。

 まぁアニメ本編に関しては映像化のためににシナリオや設定がアレンジされることはあっても特に原作に反映されるような追加設定はないはず。

 DVDの完全生産限定盤には特典としてオリジナル特製小冊子とパンフレットの縮小版が付属する。

オリジナル特製小冊子 B 2008年5月21日~2009年12月9日

 アニメ『空の境界』の完全生産限定版DVDに付属する小冊子。「きのことたかしの一問一答」等が収録。

 基本的にアニメ円盤入りの一問一答はだいたい全部面白いんだけど、一問一答目当てにアニメ円盤買うのはちょっとコスパ悪すぎるという問題があり、その点この『らっきょ』DVDは1枚1000円以下とかで買えるので安心。

 

 本編中では触れられない裏設定やサブエピソードとかとにかく盛りだくさんなんだけど、設定的に面白いのは「直死の魔眼はスペック上は言葉も殺せる(式は言葉は朽ちず忘れられるものだと思ってるから無理だけど「」式なら殺せる)」とか?

 あと今見るとかなり露骨に『まほよ』への前フリしてる(橙子さんの好きな人とか得意技が生体改造とかアルバの好物はピザ煎餅とか)のがちょっと楽しい。時期的に『まほよ』シナリオ執筆中くらいに書かれてるからかな。

劇場版 空の境界 パンフレット B 2007年12月1日~2010年12月18日 全7冊2000円

 アニメ『空の境界』のパンフレット。DVD完全生産限定版に縮小版が付属する。

 収録内容はきのこのインタビューと社長の描き下ろし絵+メッセージ、あとはスタッフインタビューとか色々。

 きのこインタビューは「生きているのなら神様だって殺してみせるって式は言ってるけど実際は神様は生きても死んでもいないので殺せない」がちょっと衝撃的。決め台詞の内容が完全に"無"。

 あとは「式の直死は事象の視覚化特化、志貴の直死は生物殺し特化」とか「歪曲の魔眼は藤乃が曲がらないと思ったものは曲げられない」とか。

 設定面以外だときのこインタビューで『空の境界』執筆当時のエピソードが聞けるのがちょっと嬉しい。社長インタビューにある「『the Garden of sinners』ってサブタイは元々タイトルを『魔法使いの庭』にしようとしていた名残」とかも。

 

劇場版 空の境界 未来福音 D 2013年9月28日

 『空の境界 未来福音』の劇場版アニメ。

 アニメオリジナル要素として水原真鮎を匂わせるシーンが微妙に追加されている。

 これも同じくBDの完全生産限定版には縮小版パンフレットと特製ブックレット(「きのことたかしの一問一答」等収録)付属。

オリジナル特製小冊子 C 2014年2月19日 4000円

 劇場版『未来福音』の完全生産限定版BDに付属する小冊子。「きのことたかしの一問一答」等が収録。

 原作キャラの10年後の姿とか作中で語られなかったというか語りようもなかったエピソードがいろいろ明かされていて楽しい。

 個人的に好きなのは「未那と光溜の関係は進展しますか?」の答えが「あの二人は互いを求愛対象とは認識していないけど、万が一、光溜さんの方が気付いちゃったら〜」なところ。気付いちゃったらて。

劇場版 空の境界 未来福音 パンフレット C 2013年9月28日 300円

 劇場版『未来福音』のパンフレット。BDに縮小版が収録されているので特に買う意味はない。

 これもまぁ同じようにきのこインタビュー他色々収録。

 設定的には「観布子の母の預言は聖人レベルの異能」とかがあるけど、どちらかといえばきのこインタビューが『未来福音』のあとがき的な内容になってる方が見所かも知れない。

 

ドラマCD 空の境界 俯瞰風景 E 2002年8月9日 500円

 ライナーノーツにきのこ・虚淵対談収録。

 「ドラマCD版『空の境界』」という媒体とは一切関係ない話題できのこと虚淵16ページ延々対談し続ける謎の商品。ドラマCD自体は脚本の改変にきのこノータッチだしアニメ化もしてる今だと聞いてもしょうがない気がするが対談目当てで買えないこともない。

 「『月姫』の次回作って『月姫2』?」「『月姫2』は技術が溜まったら作る。次回作はバトルロイヤルものなんだけど先に龍騎が始まっちゃってショック」なんかは今見ると時間の流れを感じてちょっと楽しい。あとはこの時は「1人の作家が出せるヒット作は5個までだと思う」って言ってたのが2007年のインタビューでは「1人の作家が撃てる弾は6発までだと思い込んでたけど今は弾が尽きたら銃を投げつければいいと思い直した」に意見が変わってたりとか。

 

空の境界 the Garden of sinners(漫画版) D 2010年9月15日~ 既刊9巻900円

 『空の境界』コミカライズ。既刊9巻で矛盾螺旋まで終了している。

 カバーには奈須きのこポエムがついてるがこれはまぁ特に面白い要素ないからどうでもいいな。

 抑止力のデザインが『まほよ』に出てくる赤い影とほぼ同じなのはちょっと面白い。

 あの赤い影、もっと特別な存在だと思ってた(というかプレイ中はプロローグの青子(あの子の影)とかかと思ってた)けど根源の周りウロウロしてる人間は全部あの赤い影が対応してるってことだろうか。

 

空の境界 the Garden of sinners 全画集+未来福音extra chorus C 2013年10月24日 2000円

 『空の境界』のイラストを全て掲載した画集。武内社長の漫画『未来福音extra chorus』も収録されている。

 見所はきのこ・社長対談と社長・こやま対談で、特にきのこ・社長対談には「主人公とヒロインの間に出来た子供、実際に登場したのは未那が初めてだけど設定上は山程いる」という衝撃発言。

 山程っていうくらいだし正史ルートで生まれたカップルの子供の設定決めてるとかじゃなくてアルクと志貴の子供はこう、シエルと志貴の子供はこう、秋葉と志貴の子供はこうとか細かく決めてたりすんのかな?

 

浅上藤乃調査書 D 2008年8月15日 10000円

 限定600部とかいう激レアアイテム。

 藤乃の両親+義父の名前や通ってた小学校中学校の名前とかが載ってる。持ってないんだよなこれ……。

 ちょっと前駿河屋に入ったらしくてその時の価格は9700円だったんだけど、入荷通知メールに気づいた時(メール来てから20分後くらい)にはすでに売り切れていた。

 これできれば買いたくないのでずっと売り切れていて欲しい。サブキャラの親の名前や通ってた学校の名前なんてわかってもだから何って感じだし……。

 

TYPE-MOONエース E 2009年8月21日 300円

 Vol.3にきのこ・鈴村健一坂本真綾の対談が収録。

 矛盾螺旋がプロット時点では「全話中一番短い話。他の話が一時間なら、これは三十分のアニメのノリで」ってコンセプトだったのに実際はめちゃくちゃ長くなってた理由、愛蔵版の用語集では「当時、何があったのかは気になるところではある」とボカされてたがこちらでは「当時個人的にショックな出来事があったのを反映したかったから」ともうちょっと詳しく説明されている。5年越し。

 どうでもいいけど、TYPE-MOON展で見た矛盾螺旋のプロットには「一時間アニメのノリで行く」みたいな感じに書いてあったと思うんだけど……。

 

Seaventh heaven E 2009年3月4日 800円

 ライナーノーツに解説文という名の奈須きのこポエムつき。

 『空の境界』の主題歌音源が欲しくて奈須きのこポエムが読みたい人にはオススメ。

 

アレルヤ D 2013年10月2日 500円

 ライナーノーツに解説文という名の奈須きのこポエムつき。

 『未来福音』のストーリーを「この道の先にあるものは報いに足るものなのか。これまで失ってきたものと同じ、これから失っていくものと同じだけの、暖かな光があるのか」という問いに足を止めた少年と少女の物語って表現してて、これそんなトワイスが言ってたみたいな話だったのかってちょっとびっくりする。

 というかこれ『Fate』 の「頑張ったヤツが報われないのはイヤなんだ」あたりから始まって再三似たような内容が語られてる気がするしトワイスというよりきのこ作品の根底に通じてるテーマなのかもしれない。

 

竹箒日記 D 2008年9月15日~2013年9月28日

 竹箒日記 : 2008/09

 『未来福音』の解説。

 「倉密メルカって名前が出てくるのは「相手を自分の脳に閉じこめる」能力の比較として出しただけで別に『DDD』と世界がつながっているわけではない」という話。

 竹箒日記 : 2009/01

 アニメ『空の境界』5巻の一問一答ボツネタ。

 竹箒日記 : 2013/09

 終末録音の解説。

 最後あたりのページをメモ帳にしたかっていうボツネタ。

 

鋼の大地

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鋼の大地(over count 1999) EX 未発表

 人類滅亡後の新人類と星の戦いを描いた未発表作品。

 作品化されているのは天使にまつわるエピソードを切り取った短編小説『Notes.』のみで後は『キャラマテ』で一部設定やアルテミット・ワンとの戦争の大まか流れが明かされている程度。

 「notes.の原案になった作品にロアって名前のキャラがいた」とかもあるけどこの原案って『鋼の大地』のことでいいのかな。

 

Angel voice D 1999年5月4日 10000円

 『Notes.』(タイトルはエンジェルノーツとも)の初出同人誌。

 『Notes.』は『月姫読本』(青本)に再録されているので青本持ってれば別にこれは要らないんだけど、何気に青本版では「『鋼の大地』から一部エピソードを切り取った作品」って情報が抜け落ちてるっぽいし青本は全体的に『月姫読本+P』の下位互換的な内容なので実は『月姫読本』&『月姫読本+P』買うよりこれ&『月姫読本+P』買ったほうがいいかもしれない。(いやまぁ『鋼の大地』の話は『キャラマテ』にも書いてあるから別にどっちでもいいと思うけど)

Notes. A++ 1999年5月4日

 銃神ゴドーとタイプ・ヴィーナスの端末との交流を描いた短編。

 まさか『Notes.』読んだことないのに空想樹=タイプ・ヴィーナス説とか言ってる人間いるわけねぇよなぁ!? というのは置いておいても普通に面白い上に『鋼の大地』周りの設定は最近(でもないけど)『CCC』や『EXTELLA』、ラスアン、『FGO』とひたすら事あるごとに言及されている感じなので読んでおくのをオススメ。

 オーバーカウント1999に始まりアルテミット・ワンやアトラス院の七大兵器、真エーテル/エーテルに魔法使いとかいまだに現役バリバリって感じの設定がゴロゴロ出てくる(『Notes.』本編読んだだけではよくわからない、『キャラマテ』の解説で初めて明かされる設定もあるけど)

 

 

月姫

月姫 C 2000年12月29日 5000円

 『月姫』シリーズ第1作で奈須きのこ出世作直死の魔眼を持つ少年・遠野志貴を主人公にした伝奇サスペンス。

 改めて考えると設定上の面白みとか全然ないなこれ……。強いて言うならネロの混沌が今見るとティアマトのケイオスタイドっぽいとか、青子の作った魔眼殺しアルクェイドでも破壊できないとか、アルクェイドが耐性を持っていない魔術「この国の古神道と南米の秘宝」のうち前者が『冒険』2巻に出てきた「神體を使って神の破片に接続する神代と同次元の魔術」っぽいとか。

 あとは『月姫2』直後を描いたエピローグ月蝕はちょっと面白い。「青子の体は人並みのものじゃない」「アルズベリの儀式が起きた原因は青子」あたり既存情報にはそれらしいネタが一切なくて何を指してるのか全くの謎だったりとかする。

 

 5000円って価格は再販版のもので、他にもなんか10万くらいする半月版とか2万くらいする初版とかプレミアついてるやつもあるけどどちらも基本的には下位互換で買う必要はあまりないコレクションアイテム。

 世界に10枚しか存在しないというテストプレイバージョンでは秋葉のエンディングが違って本編で明かされてない設定が出てくるらしいんだけどよく知らない。

 

 ちなみに『まほよ』世界とは三咲町の丘の上に立っているのが遠野邸か久遠寺邸か、『らっきょ』世界とは巫条家が超能力者か魔術師か、『Fate』系列世界とは人理を否定するか肯定するかとかで排他しているパラレルワールドらしい。(『らっきょ』世界と『月姫』世界の違いはソースが同人時代の公式掲示板に2001年12月頃書かれた文章らしくて確認できてないんだけど、月姫研究室にも書いてあるし……)

 まぁ『らっきょ』世界でも『月姫』世界でも『Fate』世界でも『まほよ』と似たような話はやってるはずなので多分『月姫』世界/『Fate』世界以外の区別はそんなに意味ない。

 

月姫PLUS-DISC C 2001年1月21日 1000円

 「幻視同盟」「げっちゃ」収録の追加ディスク。シナリオは両方とも奈須きのこ

 幻視同盟は『空の境界』で没になった『未来福音』のプロットを流用して作られた短編。

 まぁ元々存在していたプロットは「幹也と瀬尾が喫茶店で1時間くらい会話して別れる話」とかだったらしいのであまり原型は留めていない気もする(この辺りの話はアニメ「忘却録音」と『未来福音』のパンフレットに詳しい)

 げっちゃは遠野家ルートを軽く経由しつつアルクグッドエンドへ進んだ架空のルートを舞台にした後日談……という体裁の茶番。

 『月姫』内の疑問に登場人物が答えたりキャラごとのテーマ曲が発表されたりする。

 「アーネンエルベは本来『月姫』世界にあってはいけないというか境界線みたいな場所。『月姫』と『らっきょ』どちらかの世界に深く関わっている存在は入れない。志貴と藤乃なら問題ないけど志貴と式、アルクェイドと橙子とかが出会うと矛盾が生じる」とか。「アーネンエルベ=ゼルレッチの作った魔法使いの匣」って設定がこの時点からあったのかどうかちょっと気になる。

 「”月姫”の正規ルートアルクルートだけど”遠野志貴を主人公にした遠野志貴の物語”なら秋葉ルート寄り」とかもちょっと面白い。 

 

きのこ名作実験場 EX 2001年4月上旬

 個人サイトで行われていた『月姫』二次創作コンペの入賞特典として配布された短編。シナリオは奈須きのこ

 2001年4月28日に同サイトで一般公開された後『歌月十夜』『月姫PLUS+DISC』などにも再録された。

 内容的にはまぁ夢オチのギャグ短編という感じで特に言うこともないんだけど、一応夢オチなこと自体が『歌月十夜』の予告編になっている。 

 

歌月十夜 A 2001年8月10日 1500円

 『月姫』から1年後の夏を舞台にしたファンディスク。シナリオはもちろん奈須きのこだけど一部読者投稿シナリオも収録されている。

 同じ1年後の夏を舞台にした『メルブラ』とは両立しない……という話だったけど向こうがレン出した上にさらに1年後の続編とか作ってるせいで完全に存在を飲み込まれている気がする。

 設定上の見所はランダムメッセージの二十七祖編と『月姫2』嘘予告、ミニシナリオ「朱い月」あたり。

 ランダムメッセージは『月姫読本』の用語辞典と被ってる部分もあるけどいまだにこれにしか書いて内容がちょくちょく。まぁリメイク版にどこまで反映されているのかはよくわからないが……。

 『月姫2』嘘予告は普通にワクワクする。「これは、まんまと嵌められたようですね」って呟いてる神父服の男性ってミスター・ダウンとかだったりするのかな。

 「朱い月」は今見るとテクスチャの設定この頃から考えてたのかなぁとかびっくりする。「人類の世界像は星の世界像より強靭」なんかはテクスチャとはニュアンス違う感じもあるけど。でも世界像って単語自体は『FGOマテ』のアビゲイルの設定に出てきたりして今でも現役らしい……?

 

月箱 E 2003年4月2日 18000円

 『月姫』と『歌月十夜』に加えて、『月姫PLUS-DISC』に追加コンテンツを入れた『月姫PLUS+DISC』の3枚を収録したボックス。

 単純に『月姫』『歌月十夜』『月姫PLUS-DISC』(「幻視同盟」)をやるだけなら単品買ったほうが安くつくんだけど、まぁどっちにしろ高い買い物になるので基本的にはこっちをオススメしたい。

 『月姫PLUS+DISC』だけでなく『月姫』と『歌月十夜』にもBGMがアレンジ版に変わったっていう変更点がある。まぁ人によって好みはあるだろうけど基本的にはこちらの方が完全版という扱いのはず。

月姫PLUS+DISC D 2003年4月2日

 『月姫PLUS-DISC』に「げっちゃ2」「きのこ名作劇場」を追加したもの。

 げっちゃ2はさっちんルートの概略を説明しつつ『メルブラ』メイキング的な内容もある小話。

 見所は「ワラキアは『月姫』で使う予定のキャラじゃなかった(格ゲー化に都合よかったので使用)」「人間が吸血鬼になると美形になる」「さっちんが吸血鬼として覚醒するとそのありあまる×××が×××で、×××がなったときに××××が――」とか。

 書いてて思ったけどげっちゃ2、これ単品で買った時との差額1万円分の価値は明らかにないわ。単品で買った方がいいのでは……?

 

宵明星 E 2001年8月12日 2000円

 『Talk』(とカリー・ド・マルシェ)の初出同人誌。

 両方とも『月姫読本+P』に再録されているので買う意味はあまりない。

Talk. B 2001年8月12日

 『月姫』から1年後(もしくは数年後)を舞台にした短編小説。作者は奈須きのこ

 腑海林アインナッシュを相手にシエルとメレム(と志貴)が戦う話。

 作中ではロア消滅から1年後が舞台とはっきり語られてるんだけど、『キャラマテ』ではなぜか「『月姫』から数年後のちょっとしたエピソード」扱いされてるので設定変わってるのかもしれない。

 まぁ1年後だと『歌月十夜』とも『メルブラ』ともつながらなくなるからな……(『月姫』本編が10月末あたりで『歌月十夜』『メルブラ』は1年後の夏だから一応『Talk』まで3ヶ月くらい猶予はあるけど)。

 埋葬機関は遠からず消えて無くなるとかいう怪情報が唐突に開示されるのもちょっと面白い。『Prelude』でメレムが死にそうなのと合わせて埋葬機関って『月姫2』で壊滅するのかなとか……いや参戦メンバーが5位~7位+もう1人(ナルバレック以外)じゃ全滅しても埋葬機関消えないかな。まぁ色々あって途中から全員参戦シエル以外全員死亡みたいな可能性もあるが……。

シエルさん、インドです。 E 2001年8月12日

 シエルをカレー好きにさせた死徒カリー・ド・マルシェ(空柩のキルシュタイン)が登場する漫画。作者は武内崇。作品自体は非公式だがきのこ監修は受けているらしい。

 カリー・ド・マルシェ、「そんな死徒いねえよ」のせいで公式設定なのかどうかめちゃくちゃ微妙なキャラなんだけど、一応『メルブラX』で名前が出てきたりはするので公式……のはず……?

 それ以外だと『Fake』が小ネタとしてそれらしい死徒に言及してるけど、本当に「それらしい」でしかなくてマルシェの設定が非公式でも問題ないように書かれてるからどうかな……。

 

真月譚 月姫 Prologue E 2003年9月26日 300円

 『Tale』の初出DVD。

 『Tale』は『月姫読本+P』に再録されているのでこれはマジで買う必要ない。

Tale. A 2003年9月26日

 アルクェイドの幼少期?を描いた絵本。作者は奈須きのこ

 設定的には朱い月や地球の意志(こいつが登場人物として出てくるの未だにこれだけなのでは)が登場したり真祖が生み出された理由を説明したりする重要エピソードなんだけど、それとは全然関係なくゼルレッチのセリフ好き。

 

Prelude B 2006年8月11日 1500円

 『キャラマテ』に収録された短編小説。『月姫』というか『月姫2』の前日譚的な内容。

 二十七祖十位襲名を狙う死徒ルヴァレを倒しにバルトメロイとエンハウンスとDEATH(志貴)がやってくる「Prelude I」、アルズベリに埋葬機関のミスター・ダウンとその相棒(どう見てもカレン)とシエルがやってくる「Prelude II」、メレムのもとにグランスルグ・ブラックモアが現れてアルズベリの状況について話し合う「Prelude III」の全3編。

 見所は「アルズベリの概略(人間の手で作られてるせいで儀式が実際に始まるまで教会も協会も手を出せなかったとかヴァン=フェムの出資で白翼公が作ったとか色々)」「二十七祖には祖に死の予告(薔薇の予言)を与えて後継者を作らせる祖がいる」「アルズベリにはシエル、ダウン&カレン、メレムの他に埋葬機関がもう1人やってくる(ナルバレック以外)」「メレムは『月姫2』でブラックモアに殺されるっぽい」とか。

 

真月譚 月姫(漫画版) E 2003年8月21日~2010年7月27日 全10巻500円

 『月姫』のコミカライズ。

 評価はかなり高くて『月姫』のこと知りたいならとりあえずこれ読んどけみたいな雰囲気がある。

 まぁこの記事の評価に面白さは特に関係ないので、特に新規設定とか出てこないこの漫画もアレなんだけど、強いていうなら10巻帯文の「オーバー・ザ・ムーン/ムーンライト」は元々は『月姫リメイク』のアルクエピローグのために考えられたものらしい。

 

月姫設定集(黒本) E 2000年8月12日 50000円

月姫資料集(白本) E 2000年8月12日 10000円

 『月姫』の設定集と資料集。黒本がラフ絵とか、白本が用語辞典とか収録。

 でも僕は持ってない。青本に再録されているから……。

 ラフ絵についてるコメントがなくなってたりとか青本再録時に多少削られてる要素もあるらしいんだけど、まぁ大して変わらないんじゃないかな……。白本は手を出せなくはないけど黒本は高すぎるしそもそも売ってすらいない。

 

月姫読本(青本) 2001年5月13日 A++ 15000円

 『月姫設定集』(黒本)と『月姫資料集』(白本)の合本版。

 内容的にはほぼ『月姫読本+P』の下位互換(一応用語集の未完成版『月姫』についてとか『月姫読本+P』で削られてる部分はあるけど)で見所は『Notes.』しかない。なので『Angel Voice』持ってるなら別にこれ買う必要はないんだけど、『Angel Voice』が値段どうこう以前にそもそも入手困難なのでまぁ大抵の人間はこっちを買うことになるだろう。

 ちょっと前まで5000円くらいで買えたんだけど、『FGO』2部5章オリュンポス以降なんか3倍くらいに値上がりした。ORTのせいなのかブラックバレルのせいなのか……。

 ちなみに初回版と改訂版の違いはフローチャートにミスがあるかどうからしい。

 

月姫読本PlusPeriod A++ 2004年10月22日 800円

 『月姫読本』のアップグレード版(ただし『Notes.』は未収録)。

 内容はキャラ紹介をはじめ本当に色々あるんだけど、メインコンテンツは『漢話月姫』『fragments』『Talk』『Tale』と用語辞典、あたり。

 『Talk』と『Tale』は前述。

 用語辞典はまぁ普通に必読って感じなんだけど、リメイク版にどこまで反映されているのかはちょっと謎。

 『漢話月姫』はまんだらけ公式サイトで公開されていたインタビューの再録。「アルクェイドは最強の真祖を作ろうというコンセプトで本当に必要なく作られた真祖」「『月姫』世界において鬼種は2種類いる」「魔法は作品ごとのコアになっていて『まほよ』で1つ、アレで1つ、あれで1つ……」とか。

 あとこれで語られている死徒二十七祖は元々10人くらいしか考えていなかった。用語辞典のために全部作ることになって没キャラ入れたり遊び心でタイプ・マアキュリー入れたりした」もちょっと面白い。ORTがタイプ・マアキュリーじゃなくなったのとかそれが理由なのでは。

 『fragments』はC61で挨拶用に関係者に配られた同人誌。内容的には『Fate』の予告やさっちんルートのサブタイトル、『月姫2』の内容(ザッピングシステム、青子が敵、月蝕は『月姫2』終了翌日とか)、『月姫』の没ルート(秋葉ルートで有彦を殺してしまうルート)とか。

 

 1個でも入ってたらマストバイって感じのコンテンツが5つも!しかも1000円以下で買える!安い!

 それ以外にも軋間紅摩はもともと別作品が出典で月姫蒼香と絡んでたとか面白い話はちょくちょくある。

 

ネコアルク -THE MOVIE- B 2005年8月12日 1500円

 ネコアルクを題材にした架空の映画のパンフレット。

 いやまぁこの映画自体はどうでも良くて見所はきのこ執筆の用語辞典「猫大百科」。

 大半はイヌシエルだの古代ネコ言語だの口から出まかせ書かれてるだけなんだけど、「ネコアルク=ネコ精霊=第五架空要素で形をなす生き物=悪魔」って記述は面白い。

 「悪魔と呼ばれる第六架空要素の実体化には“人々が創造したカタチ”が必要」って設定がこの時点でもう『stay night』に出てるので、普通に読むと「第五架空要素が実体化した状態=第六架空要素=悪魔」ってことになると思うんだけど、単に第五と第六間違えた誤植とかいう可能性もなくはない。

 

CP読本 B 20011年10月28日 500円

 カーニバル・ファンタズム第2巻の特典小冊子。きのこ作のオーディオコメンタリーシナリオが収録されている。

 一番の見所は「月落としで落ちてくるのは虚像なので食らっても壊れるのは魂だけ」っていう唐突に明らかになる月落としの設定。

 「ネコアルクは時間を1年くらい巻き戻せる(が前回の自分と違う行動を取るっていう発想がないので毎回同じバッドエンドを迎える)」はマジに受け取っていいのかちょっと困るけど、時間遡行は人間にとっては不可能な魔法だけど人外の神秘なら普通に可能って設定あるからマジでも特に問題はないんだよなこれ……『タイころ』でも時間遡行というか並行世界への移動やってるし……。

 あとは「シエルと言峰には面識がない」も初出かと思ったらテックジャイアン2005年2月号でもう出てた。ちなみに「『月姫リメイク』ではシエル先輩の武装が増えている」という前フリもある。

 

月姫スタッフ座談会 A

http://www.typemoon.org/etc/zadan/zadan1.html

http://www.typemoon.org/etc/zadan/zadan2.html

 『月姫』のスタッフ座談会。第一夜(2001年1月27日収録)と第二夜(2001年3月4日収録)。いつアップされたものなのかは僕は知らない。

 『月姫』製作中の様子に未発表作品「氷の花」の話とか色々あるが、設定的にもアルクェイドやシエルの具体的な強さ、第七聖典の設定に幻想種のランクとかわりと充実の内容。

 

 幻想種ランク、この『月姫』時点では「野獣<魔獣<幻獣<聖獣」だったのに『Fate』以降は「魔獣<幻獣<神獣」かつ「魔獣・聖獣<幻獣・神獣」に変わったの、ただの設定変更だと思ってたけど『月姫』世界と『Fate』世界がはっきり別れた今だと鬼種が2種類か3種類かみたいな世界線の違いを表す設定のようにも見える。

 『まほよ』でベオが「魔でもなく幻でもなく、聖なるものにも留まらない」とか言われててどうも『月姫』版設定が採用されてるっぽかったのも『2015年の時計塔』の解説にあった「『月姫』『まほよ』よりの世界」とうまく噛み合うし……。

 いやまぁベオは聖獣の上位種(神獣?)っぽいのでやっぱ『月姫』版とも違う設定なのかもしれないけど。でも精霊だから幻想種ランク外でやっぱ『月姫』版と同じ設定って可能性もあるかな。

 あとマジでわからないのはなんで『月姫』版では最高位だった聖獣が『Fate』版では幻獣以下になってるのかと、なんで「魔獣<幻獣<神獣」のランク表記から外されてるのかなんだけど……。というか『Fate』版での聖獣のポジションって「魔獣<聖獣<幻獣<神獣」ってことでいいの? それとも「魔」獣と「聖」獣で対になってる同格だからランク表記では省略されてるみたいなことが言いたかったりするのか……?

 ちなみに野獣の方は幻獣と違って完全に死んでる設定だと思うんだけどなぜか豊臣秀吉の騎乗スキルにだけ名前が出てくる(なんで?)。まぁ経験値鯖だしさすがにこれは無視してもいいと思うけど……。

 

輝け!第1回【月姫キャラ人気投票】 C 2001年2月26日

 http://www.typemoon.org/etc/rank/rank1/rank.html

 『月姫』人気投票の第1回。

 青子が「三原色の魔法使い」と呼ばれている。

 この原色称号っで『空の境界』でアルバが言ってた「最高位の術者には色を冠した称号が与えられる。中でも原色である三色はその時代最高の証」のことだと思うんだけど、燈子がもらってるあたり冠位用の称号っぽいのに青子も持ってるのちょっと不思議。魔法使いは無条件に冠位扱いになるシステムでもあるんですかね。

 

飛び出せ!第2回【月姫キャラ人気投票】 C 2001年5月26日

 http://www.typemoon.org/etc/rank/rank2/rank2.html

 『月姫』人気投票の第2回。

 「固有結界・枯渇庭園」「固有結界・獣王の巣」「固有結界・オーバーロード(過負荷)」って名称の初出(多分)。用語辞典で「ネロは自らの肉体の内部を固有結界にして世界からの修正から逃れていた」って設定があった獣王の巣はまだしも残り2つはこの時点では名前以外何もわからないけど。

 青子の天敵が「蒼崎燈子以下、月姫で登場しないのが3人ほど」になってるけどこれ燈子、有珠、草十郎の3人でいいのかな。

 

お待たせ!第3回【月姫キャラ人気投票】 E 2001年11月14日

 http://www.typemoon.org/etc/rank/rank3/index.html

 『月姫』人気投票の第3回。

 特に設定的に面白いところはないけど各キャラの詳細な恋愛観がわかるのはちょっと楽しい。

 青子の「男に首輪を付けて飼っていた」が草十郎のことなのはまぁわかるけど「姉の方も美少年を囲っていた」ってこれベオのことでいいのかな。

 

第4回TYPE-MOON キャラクター投票 D 2003年3月4日

 第4回キャラクター人気投票・結果発表

 『月姫』キャラの他に『空の境界』キャラも正式にエントリーされた人気投票第4回。

 結果発表にはきのこコメントついてないので格ゲーのコマンド表風に書かれた投票キャラクター紹介が見どころ。

 アルクは正ヒロイン、シエルと秋葉は準ヒロイン、翡翠琥珀とさつきはサブヒロイン、レンとシオンはゲストヒロインっていうヒロイン格付け他では見たことない気がする。

 

 

 

MELTY BLOOD

MELTY BLOOD B 2002年12月30日 300円

 『月姫』から1年後の夏を舞台にした格ゲー。『メルブラ』シリーズ第1作。シナリオは奈須きのこ

 設定的にはアトラス院と第六法あたりがメイン……なんだけど、アトラス院はともかく第六魔法やthe dark sixに関してはこれやったところで別に何かわかるわけではない。

 

 どちらかといえば『月姫』世界だと発狂してるズェピアが『Fate』世界では正気を保ったまま現代まで生きてる差で『月姫』世界の救いの無さがわかったりとかの方が大きいかもしれない。

 『Fate』世界でも滅亡対抗でアトラス院の七大兵器は作られてるっぽいからやばさの度合いが違うだけで『Fate』世界も別に安泰ってわけじゃないんだろうけど。

MELTY BLOOD Re・ACT A++ 2003年12月30日 300円

 『メルブラ』にアーケードモードを追加するためのディスク。シナリオは奈須きのこ

 プレイアブルキャラクターはシオン、吸血鬼シオン、アルクェイド、暴走アルクェイド、秋葉、紅赤朱秋葉、琥珀翡翠翡翠琥珀、シエル、遠野志貴七夜志貴、メカヒスイ、都古、ネロ・カオスワラキアの夜、さつき、レンの全18人。

 

 ネロシナリオラストの「この世の果て、秩序が第六に破れるその日まで、秩序の裏で生き続けよう」、ネロの青子勝利セリフ「アレ(青子)は秩序を破壊するもの」、ワルクの青子勝利セリフ「忌まわしい秩序の飼い犬……! 第六法を待つまでもないわ、おまえたちは私の手で一人残らず消し去ってやる……!」、ワラキアシナリオの「(魔法使いは)秩序と対峙する域」とか今見ても重要そうな内容がちょくちょくある。

 1作の中で「秩序を破壊するもの」「秩序の飼い犬」とか真っ向から矛盾しそうな呼び方されてる魔法使いなんなんですかね。不思議。

 あとは青子の「あ、やめてよね、他の化け物と一緒にするの。生き物やめちゃってるのは他の四人で、わたしはれっきとした人間よ」ってセリフで明示される第三魔法と第四魔法の使い手も生き物やめてる設定。

 第三魔法の使い手の方はこの作品の1ヶ月後に発売される『stay night』で大聖杯化したユスティーツァとしていきなり回収される(多分)。第四魔法の使い手はこれがほとんど唯一の公開情報だけど生き物やめてるのと魔法の内容って関係あるのかな。

 シエルシナリオの魔法使いかどうかは魔術に敏感な人間なら見るだけでわかるっぽい描写とか他で見たことない。

 

 ちなみに攻略本買えばシナリオとか勝利セリフあらかた読めるのでゲーム本体は買わなくてもいいっちゃいい(『メルブラAC』と『メルブラAA』は追加シナリオが収録されてないので攻略本だけで済ますのは無理)。

 

MELTY BLOOD Act Cadenza EX 2005年3月25日

 『月姫』0.5かつ『メルブラ』1.5的なアーケードゲーム。シナリオは奈須きのこ

 プレイアブルキャラクターはは『メルブラRe・ACT』の18人に蒼崎青子軋間紅摩、ネコアルクを加えた全21人。

 ゲーム自体の内容はそこそこ薄くて新規情報と言えるのは「青子のラストアークが逆行運河・創世光年」「逆行運河・創世光年の詠唱がセイン・タイムレス・ワーズ」「軋間にはいつかふさわしい師匠がつく」くらいしかない。

PS2MELTY BLOOD Act Cadenza E 2006年8月10日 800円

 『メルブラAC』のPS2移植版。

 プレイアブルキャラクターはアーケード版の21人にネコアルク・カオスを加えた全22人。

 ネコアルクシナリオ・カオス自体はまぁどうでもいいけど付属する説明書の用語辞典が充実の内容。

 『月姫読本』系列の用語辞典とは文章が結構変わってて、その中でもぶっちぎり一番の見所は死徒二十七祖の項目でスタンローブ、カルハインの二つ名に「第一の亡霊(スタンティア)」が追加されてること。

 ここでこの単語を先に出しておいて2年後に『メルブラAA』の青子シナリオで回収されるという流れ……なんだけど、『メルブラAA』でも「大きな魔術式に引き寄せられてくる何か」以上のことは青子のセリフから読み取れないので結局なんなのかはよくわからない。

 「第一魔法の使い手はすでに死亡しているがその痕跡が生きているので存命中とカウントされることもある」「スタンローブ・カルハインは教会によって討たれているがその怨念が残留して周囲のモノ全てを破壊するだけの力の渦になっている。存在濃度がゼロになるまであと二百年ほどかかる」っていう設定を組み合わせて「第一(魔法の使い手)の亡霊」って解釈するのが主流だと思うけど違う可能性もまぁなくはない。

 それ以外にも『メルブラ』の技名関係とかこっち独自の項目も多いし面白い記述も多い(青子の魔術の詳細とか神代同盟とか)んだけど、PC版Ver.Bが完全に上位互換なのでどうせならそっち買ったほうがいい。

MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B EX 2006年12月23日

 PS2版『メルブラAC』の逆移植版的な内容のアーケードゲーム

 プレイアブルキャラクターは当初はアーケード版『メルブラAC』の21人に白レンを加えた22人、2007年3月20日リリースのVer.B修正版(Ver.B2)以降は更にネコアルク・カオスを加えた23人になる。

 白レンシナリオは一応アルクェイドを夢結界に閉じ込めて地球からのバックアップを封じる展開とかが設定面に触れてはいるんだけど、TYPE-MOON Fes.パンフレットの一問一答で「実際は本気出してバックアップ量増やしたら消し飛ばせた。白レンはピエロ」って言われてるのでまぁ……。

PC版 MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B A++ 2007年7月27日 1500円 

 『メルブラAC』Ver.B2のPC移植版。

 プレイアブルキャラクターはアーケード版と同じ全23人だけどネコアルク・カオスのシナリオが2つに増えている他、おまけ要素としてタッグバトル・チームバトルが追加されている。

 『メルブラAC』はとりあえずこれ1本だけ買っておけばOK。

 説明書の用語辞典読むだけならPS2版買うだけでいいんだけど、白レンシナリオとネコアルク・カオス新ナリオは攻略本にも収録されてなくてこっちでしか読めない(いやまぁどっちにしろネット探せばシナリオあげてるサイトとかあるけども……)

 

MELTY BLOOD Actress Again EX 2008年9月19日

 『メルブラ』1.5でシオン編の完結編となるアーケードゲーム(『メルブラAC』も1.5だって言ってたのに)。

 プレイアブルキャラクターは『メルブラAC』Ver.Bからネコアルク・カオスを除いた22人にロアとリーズバイフェを加えた全24人。

 

 設定的な見所はマジでいくらでもあるんだけど、とりあえず軽いところから行くと「二十七祖はそれぞれ独自の手段で不老不死を体現する」って設定とか、祖の間には約定が結ばれることがあってそれは代替わりしても引き継がれるらしいとか。

 

 重めのところだと魔法について色々触れたりする。『まほよ』の項にも書いた「終末に立ち会う事のない放浪者」「ここには、貴様の改竄対象になる誤差はない」「現在ではなく過去の私と立ち会うというのなら―――」で第五魔法で時間旅行可能なことをほとんど明言したりとか(今見るとこのやりとり、ちゃんとこの後の「私、そんな大それた事は一度もしてないんだけど?」「可能である、という時点で十分に脅威だ」で時間旅行(からの過去改竄)は第五魔法の応用でそれもできるってだけで本質は別に存在することがちゃんと読み取れる気がする)

 あと「青子は霊長の守護を語っていてその手段はおぞましい際限のない生存」とか、「第五魔法は星の命に何の利益も齎さない力」とかも。

 

 「魔法使い相手に”初めまして”なんて、あの爺さんあたりが聞いたら爆笑する」ってセリフ、単に魔法の特殊性の話をしてる(魔法使いの中には青子やゼルレッチみたいに時間軸を超越できる奴もいる)ようにも見えるけど、魔法使い全員が時間軸を超越しているようにも読めるな。『アインツベルン相談室』の「大聖杯の中身は時間軸がすべて等価になってる」って設定の理由が今までよくわかってなかったけど「魔法使いは時間軸を超越してるからユスティーツァから作られた大聖杯も時間軸を超越してる」みたいな意味だったり……?

 

 個人的にはアルクェイドオシリスの砂を指して言った「そなたの理念は千年遅い」「古い“一”の考え」=ビーストI説をTwitterで呟いたらバズったのも印象深い(もっと言うと書いてる自分自身ですら半信半疑というか疑よりの妄想説だったのに型月wikiにもっともらしく転載されてやっぱこのサイト何の役にもたたねぇなってなったのが印象深い。)

PS2MELTY BLOOD Actress Again D 2009年8月20日 3000円

 『メルブラAA』のPS2移植版。

 プレイアブルキャラクターはアーケード版の24人に両儀式、制服秋葉、ネコアルク・カオス、ネコ&メカヒスイ、琥珀&メカヒスイ、姫アルクを加えた30人だけどこの内メカヒスイ2つと姫アルクにはまだシナリオがついていない。

 

 追加シナリオの中では式シナリオが見所多い。「宙の理」「星の理」の存在に触れて、今は同じ道を行ってるけどいずれ相入れなくなるとかなんとか。

 どうも「宙の理」が式側、「星の理」が姫アルク側っぽいので多分「宙の理」=根源、「星の理」=ガイアとかだと思うんだけど、「宙の理の相は全てを含む秩序で一枚岩ではない」とか何を言ってるのかわかるようでわからない。

 あとは姫アルクアーキタイプ・アースの初出とかもこれのはず。

 

 まぁこれもPC板がほぼ上位互換なのでこちらを買う必要はあまりないんだけど、『メルブラAC』と違ってPC版に収録されていない独自要素(ボスラッシュモード)があるので別に買ってもいい。まぁメタいギャグシナリオだし公式コンプリートガイド買えば読めるので別に要らないっちゃいらないけど。

MELTY BLOOD Actress Again Current Code EX 2010年7月29日

 PS2番『メルブラAA』の再移植版的な内容のアーケードゲーム

 プレイアブルキャラクターは当初はPS2版『メルブラAA』から姫アルクを除いた29人だったが、2011年5月18日のVer.1.05で完全武装シエル、2011年10月14日のVer.1.07で姫アルクが追加され全31人になった。

 Ver.1.07以降はネコ&メカヒスイと琥珀&メカヒスイにもシナリオが実装、リーズバイフェに新シナリオが追加されている。

 

 姫アルクと完全武装シエルのシナリオは受肉した魔による既死宣言(メメント・モリ)」「疑似霊子理論(ムーンセル)による演算器」「埋葬機関のシエル以外のメンバーは火薬庫みたいな面子で戦うと三咲町は間違いなく火の海になる」「エーテルが安定している。この領域は新世界として万全に保たれている」「姫アルクは普段は星の内海にいる」「姫アルクは不死の呪いをかけることができるが姿形は犬になる」「第五の魔法使いが現れるまでは彼の人が描いた未来図通り。だが結末には少々の余白がある」「宙を目指すのは百年早い」「ワラキアとネロは粗悪な祖」「純血なき祖に用はない。妄念の海に沈み、千年の罪を償うがよい」「U1の戦いは元素を生成し、配合し、支配し合う」「姫アルクは本来なら埋葬機関全員でかかる相手」とかなんとなくわかるものから全くわからないものまでマジで色々出てくる。

 

 「エーテルが安定している=新世界」ってセリフ、この時点では雰囲気だけって感じだったけど『事件簿マテ』の年表に「第五架空要素(エーテル)の証明。新世界、開始」ってあったおかげでなんとなくわかってきた。(どうでもいいけどこのセリフ、「エーテルが安定しているのは教会の中だから」って解釈をよく見るけど「貴様の仕事か、魔術師?」って続いてるんだから「エーテルが安定しているのはシエルの魔術師としての能力が高いから」って解釈するのが普通だと思うんだけど……)

 姫アルクの他のセリフに「父もほぞを噛もうというもの。どうも、我らは彼の人の思惑通りにはいかぬようだ」っていうのがあるので、多分魔法の未来図を描いた彼の人=父=朱い月じゃないかと思うんだけど、魔法の勉強不足で殺されたはずの朱い月が魔法について未来図描いてるのはちょっと不思議。もしかしたら別人なのかもしれない。

 「姫アルクは本来なら埋葬機関全員でかかる相手」、プライミッツマーダーを御する七騎の守護者(ビーストと冠位鯖七騎)みたいな何かの由来があるのか、単に全戦力つぎ込まなきゃ無理みたいな話なのか謎。カレンとダウンが姫アルク戦で役に立つとも思えないので前者かなとも思うけどこの時まだメンバーにカレンとダウンいない可能性もあるかな。

PC版 MELTY BLOOD Actress Again Current Code A++ 2011年12月31日 2500円

 『メルブラAACC』のPC移植版。

 特に追加要素とかはないけど、『メルブラAACC』の追加シナリオは攻略本にも未掲載なので読むためにはこれを買うしかない。いやどうせネット上にはシナリオなり動画なりアップされてるんだけど。あとまだアーケードに筐体置いてある所探してそこでプレイするって手もなくはないけど。

 もともとはカーニバル・ファンタズム3巻と抱き合わせ販売された商品だけどSteamでは単体で売っていてセール時は最安372円になるので『Prototype』アニメに興味がなければSteam版を買うのをおすすめ。

 

MELTY BLOOD(漫画版) C 2005年3月26日~2010年6月26日 全9巻400円

 無印『メルブラ』のコミカライズ。

 第1巻(2006年4月7日)巻末にはきのこ応援文が収録。

 「『メルブラ』のキャラは『月姫』よりキャラクター性が誇張ないし限定されているので本来切札的な運用しか出来ない志貴(例えるならハートの3)がスタンダードに戦える(例えるならスペードのJ)ようになってる」って設定がある。

 

MELTY BLOOD 路地裏ピラミッドナイト E 2009年8月21日 300円

 TMA3に付属したドラマCD。脚本:ACPIで監修:奈須きのこ

 『メルブラAA』の後日談的な内容でシオンがオシリスの砂をモデルに開発したロボット・オシリス改が出てくる。

 まぁそこ以外どうでもいいんだけどこれ……。

 

MELTY BLOOD Ladies in the water E 2009年8月26日 300円

 コンプエース2009年10月号に付属したドラマCD。脚本:ACPIで監修:奈須きのこ

 路地裏同盟がなんとか日光を克服して海に遊びに行こうとするストーリー。

 『路地裏ピラミッドナイト』の方はまだオシリス改の存在にきのこ監修ならではの要素を感じなくもないけど、こっちはマジでどこにきのこが監修しなきゃいけない部分があるのかよくわからない。

 強いて言うなら「オシリスの砂の必殺技エンドロールの後ろについている(アーミラリ)(ゲオメトリア)は星の観測法にちなんでいる」って小ネタとか……?

 

MELTY BLOOD X E 2010年8月26日~2011年9月26日 2冊200円

 『路地裏ピラミッドナイト』のコミカライズ。

 基本的には原作通りのストーリーだけど一部アレンジも入っていて、そこでキルシュタイン(カリー・ド・マルシェ)が間接的に登場。

 カリー・ド・マルシェ、めちゃくちゃ実在の怪しいキャラなのでこんなのでも一応貴重な出番ではある。

 

MELTY BLOOD 路地裏ナイトメア A+ 2015年12月26日~2016年10月26日 全2巻500円

 『メルブラ』の……外伝? 『FGO』とのクロスオーバーものみたいな?

 作者は桐嶋たけるで監修:奈須きのこ、脚本協力:ACPI。何がどういう役職なのかよくわからない。

 話も何がなんだかよくわからない。冒頭のエピソードは『Ladies in the water』を原作にしているが作品全体としてはほぼ関係はない。

 

 設定的には「ズェピアは『Fate』世界では第六法ではなく第三魔法を目指している」の初出がこれ。

 『事件簿』でも第三魔法を目指しているので別に『路地裏ナイトメア』世界や『FGO』世界限定なわけでもなく『Fate』世界全体のルールとしてそうなっているらしい。

 「『Fate』世界には第六魔法存在しないから第三魔法目指してる」「『月姫』世界では第三魔法再現できない理由があって仕方なく第六魔法目指してる」「『Fate』世界なら第三魔法で救えるけど『月姫』世界は第六魔法じゃなきゃ無理」とか色々パターンは考えられるけど謎。

 姫アルクが「世界は計算量の負担で壊れたりしない」って剪定事象の設定をバッサリ否定してくるのもまったくわからない。どういうことなの……。世界は人理に従わないとも言ってるから爆発するのは人理だけで世界自体はなんともないみたいな話してるのか……?。

 

 1巻(2016年7月22日)巻末には用語辞典が収録。

 基本的には何かどうでもいい感じの解説が1~2行ついてるだけとかで情報量少ないんだけど、なんか死徒の項目にだけ『Fate』世界に二十七祖は存在しないとかいう重要設定が紛れ込んでいて物議を醸した。

 あと1巻帯文がきのこで特異点X-2だの量子終末予測アトラスだのなんか作中に一言も出てこない意味ありげなワードが書かれてるので買えるなら帯ありで買うのをオススメ。

 

月の彼方、永遠の眼鏡 D 2006年3月25日 200円

 きのこによる作品解説を収録した磨伸映一郎メルブラ』アンソロ集。

 正直漫画の内容自体に特に興味はないんだけど、

 「『メルブラ』本編はさつきノーマルエンド後。正史足り得るストーリーだけど『歌月十夜』とは時系列が重複してるので両立しない。隠しコンセプトはアルクェイドの道程をシオンが踏襲すること(そして志貴は秋葉に小言を言われる無限循環)」

 「リアクトで本来両立しないレンやさっちんが登場して『メルブラ』はなんでもありになった」

 「『メルブラAC』は”各キャラクターのメインドラマが始まる前”を題材にした『月姫』0.5にして『メルブラ』1.5」

 とか『メルブラ』各作品の位置づけをやたら詳細に解説してくる。

 「件はタタリの元ネタ」が全く意味がわからないんだけどなんか被ってる部分あります……? 「口に出した言葉が本当になる」とかか……?

 

竹箒日記 B 2008年10月7日

 竹箒日記 : 2007/08

 PC版『メルブラAC』Ver.Bの裏話。

 「ちょっとした今後の伏線」っていうのはVシオンとワラキアのタッグチーム名「冥界の砂、虚言の王」のこと。

 竹箒日記 : 2008/10

 『メルブラAA』の解説。

 「入れ忘れてゲーム内ではカットされた序文」「霊子演算器ヘルメス=事象書き換えの為のスパコン」とシオン、Vシオン、オシリスの砂の違い解説とか。

 「PC版のver.Bでチラッと出てたラスボスの名前」は前述の「冥界の砂、虚言の王」のことなんだけど、いやこれ、名前出てないのでは……?

 

TYPE-MOONエース Vol.2 D 2009年2月21日 300円

 きのこ・我上院の『メルブラ』対談が掲載。

 我上院が「『月姫リメイク』をプレイしたあとで『メルブラ』を遊んでもらうと今まで見えなかったところが見えてくることもあるかもしれません」って言ってるんだけど、これ、いまだにどういう意味の発言だったのかわからない。10年以上経っているのに……。

 

 

Fate/stay night

Fate/stay night A++ 2004年1月30日 4000円

 『Fate』シリーズ第一作。シナリオは言うまでもなく奈須きのこ

 さすがにこれはもう説明不要だと思うんだけど、強いて説明するなら第三魔法を中核にした作品。

 第二魔法の扱いもそこそこ大きい気がするけど、『月姫』後のきのこの次回作選定方針に「次に作るゲームは一つずつ魔法について描いていこう」があった上で『Fate』が「サーヴァントの設定に第三魔法が関わってるから」って理由で選ばれたらしいので、第二魔法は多分『Fate』のメインではないっていう扱いのはず。

 実際この時点で出てくる第二魔法の要素ってせいぜい「並行世界の観測」「並行世界への移動」くらいで「並行世界の運営」要素がないので第二魔法の全貌は全く語られてないと言っていい。この時点ですでに編纂事象や剪定事象の設定存在したって言われても僕は驚かないですね(『FGO』や『EXTELLA』作る時考えた後付設定だって言われても驚かないけど)。

 それはそうとしてこの類の話見るたびに「『Fate』ばっか出してないで『まほよ』続編や第一魔法・第二魔法・第四魔法メイン編もとっとと作ってくれないかな……」って感じになる。

 

 魔法絡みで言うと「空間転移。純粋な転移(それ)は現代においても魔法とされる」ってはっきり言い切ってるのがちょっと解釈に困るんだけど、まぁ『空の境界』の「もっとも高等なのは空間遮断になるんだが、そこまでいくと魔術師ではなく魔法使いの業になる」「この建物は一つの魔法だったな」くらいのニュアンスで捉えるべきか。

 多分「死者蘇生は無の否定、平行世界の運営、時間旅行で可能」「時間旅行は平行世界の運営、第五魔法で可能」みたいなノリで空間遮断や空間転移はこの魔法とこの魔法でのみ可能みたいな奴があるんじゃないか、とか……。

Fate/side material B 2004年1月30日

 『stay night』初回版に同梱された設定資料集。

 ラフ絵や武器設定画、用語辞典を収録したマテリアル。

 用語辞典だけなら公式で無料配布してるけど、まぁそれ以外にもラフに入ったきのこ・社長コメントとか見所はあるので買ったほうがいい。

 

 用語辞典で今見ても設定的に重要そうなのは「虹の魔眼=月の王さまの証」「エクスカリバーは最強の幻想、もともとは星の触覚である精霊に管理されていた」とか。

 どうでもいいけどこの用語辞典、「凛ルートラストで士郎の呪文詠唱を守ったアイアスはアーチャーが投影したもの」って記述が明らかに間違っていて、いや間違えるのは別にいいんだけど『コンマテ3』で正しい設定(「助かったというのなら何か助かる理由があったのだ」の所で密かに使われていたのがアーチャーのアイアス)に訂正した時に「これ、勘違いされがちなのですが~」って言ってるのはさすがにひどくない……? 勘違いしてたのはきのこ本人なんだけど……!

Fate/side side materiale E 2004年1月30日 3500円

 『stay night』公式予約特典。スタッフコメントとかが載った小冊子。

 内容的にはTYPE-MOON年表がちょっと面白いがネットで公式から配布されてるしアレ本に再録されているのでいまさら買う意味は特にない。

Fate/stay night [Réalta Nua] C 2007年4月19日 500円

 『stay night』の全年齢移植版。

 ボイスやCG、BGM、ラストエピソードを追加、エロシーンを外して代替シーンに書き直したアップデート版。

 エロシーン周りの変更はそれなりに話に影響が大きくて、桜ルートの「わたし、処女じゃないんですよ?」あたりは言うまでもなくセイバールートでも士郎がセイバーに魔術回路を移植したせいで永遠に魔術師として完成できなくなったりする。これどっちが正史とか内部では決まってたりするのかちょっと気になる。

 可能ならPC版と『レアルタ』両方プレイしたほうがいいと思うけど、あえて一周だけするなら『レアルタ』でセイバールート→凛ルートやってPC版で桜ルートやって最後に『レアルタ』のラスエピやるとかでも面白いかもしれない。

Fate/side side materiale 3 E 2007年4月19日 1000円

 『レアルタ』の公式予約特典。

 スタッフコメントとかが載った小冊子。

 内容的には「没プロットでは桜が〇の杯の中で融合七英雄化してた」なんかがちょっと面白いがこれも買う意味は特にない。

Fate/stay night [Réalta Nua](Vita版) E 2012年11月29日 1500円

 『レアルタ』のVita移植版。

 追加要素にはufotable製のOPやBGMの新録があるけど、最大の売りは完全新作ゲーム『とびたて!超時空トラぶる花札大作戦』のDLコードが付属したこと。

 なのでまぁ今となっては買う意味はあまりない。一応DLコードの登録期限は2022年らしいので新品探せられれば『花札大作戦』をプレイできるけど、そんなことしなくてもVita版『hollow』のDL版買えば安く済むし……。

 

Fate/hollow ataraxia B 2005年10月28日 1500円

 『stay night』のファンディスク。メインシナリオは奈須きのこだがサブライターとして阿羅本景と森崎亮人も参加している……ということになっているが実際は星空めておも参加している。(めてお、『hollow』に『CCC』に初期の『FGO』とノンクレ仕事ばっかやらされてるのなんなんだろう。嫌われてるのでは……?)

 多分セイバールート後を舞台にしているんだけど、明言されていないと言うかプレイヤーの想像に任せる形になっているのでまぁ好きに解釈してもいい。

 

 設定的にはバゼット「死者の蘇生には時間旅行、並行世界の運営、無の否定、いずれかの魔法が絡む」とか第一魔法予想なんかでよく引用されるけど、第五魔法の本質が時間旅行じゃなかったせいで今となっては「第一魔法の名前は無の否定」説の信憑性もそこそこ微妙な気もする。

 エロシーンのオミットを除けばVita版のDL版がほぼ上位互換と言ってもいいんだけど、その「ほぼ」っていうのが曲者で『花札EX』の追加シナリオ3本はこちらを買わないと読めない。まぁPC版にはエロシーンもあるし両方買えばいいと思う。

Fate/side side materiale 2 E 2005年10月28日 1000円

 『hollow』の公式予約特典。

 スタッフコメントとかが載った小冊子。

 「カレンは元々『月姫2』のキャラだった」とかがちょっと面白いがこれもネットで配布されてるしアレ本に再録されているのでこれもどうしてもコレクションしたいとかでなければ買う意味はない。

Fate/hollow ataraxia(Vita版) E 2014年11月27日 3500円

 『hollow』のコンシューマ移植版。ライターはPC版から桜井光がシナリオ補佐として追加されている。

 本編に関してはボイスを追加してエロシーンをオミットしてミニゲームを『花札道中記』から『カプさば』に変えたくらいでほぼベタ移植のはずなのでなんで桜井光がいるのかよくわからない。

 

 DL版(2017年4月27日)には『とびだせ!トラぶる花札道中記』『とびたて!超時空トラぶる花札大作戦』をダウンロードする権利も付属。特に後者は今となってはほとんどこれしか入手手段がないので買うならこちらをおすすめ。

 

Fate/stay night(アニメ版) E 2006年1月6日~2006年6月16日 全8巻5000円

 『stay night』のアニメ化1作目。シリーズ構成原案として奈須きのこが関わっている。

 追加・改変はあるものの大筋ではセイバールートのアニメ版。

 独自要素としてモードレッドの設定が起こされていたりはするが、『キャラマテ』読まないとほぼわからないしそもそも『Apocrypha』で既に設定上書きされてるのであまり意味はない。

Complimentary Booklet E 2006年11月2日

 DVD8巻の初回限定版に付属する設定資料集。

 一応きのこ参加の脚本家対談とかも含まれてるが特に面白い内容はないので買わなくていい。

 

Fate/unpublished material D 2019年12月20日 2300円

 TYPE-MOON展の入場特典として配布された小冊子。

 アニメ版『stay night』第1作の没プロットが収録されている。テキストは奈須きのこ

 まぁあくまで没設定でしかなくてギャラハッド絡みは全部『FGO』に上書きされてるはずなので設定資料としての価値はあまりない。強いて言うならアルトリア・キャスターの宝具「アラウンド・カリバーン」「ラウンド・オブ・アヴァロン」の元ネタはこれなんじゃないかという気はするけど。

 あと城を呼び出す大技ロード・キャメロットじゃなくて盾そのものにも宝具名がついてる要素なんかは結構好きなので『FGO』にも残してほしいとか思わなくもない。今ってマシュの盾のこと「マシュの盾」としか呼びようがないから……。 

 

 シールダーの名前がタチエで『月姫』製作時の志貴の没ネームだったり、逆にこのプロットのラストシーンが『ラスアン』の第3階層ありす編に流用されてるっぽかったりするのはちょっと面白い。

 

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 1stシーズン C 2014年10月5日~2014年12月28日 15000円

 『stay night』の第2ルート「Unlimited Blade Works」のTVアニメ化1クール目。

 アニメ版の追加要素としてはイリヤの魔術「エンゲルリート」「シュトルヒリッター」の設定追加と鏡界汚染世界(何それ?)を作るキャスターあたり。

 

 Blu-ray Disc Boxには小冊子『Animation material』と小説『Garden of Avalon』が付属する。

Animation material A+ 2015年3月25日

 きのこインタビューやきのこと崇の一問一答等が収録された小冊子。

 一問一答は面白いのが色々あって充実の内容。

 見所は「イリヤは冬木ではトップクラスの魔術師だけど時臣やケイネスのような一流の魔術師なら撃破可能。凛だとちょっと厳しい」「十二の試練の耐性効果は完全無効化じゃなくて防御力アップ」「十二の試練の耐性効果に死ぬ必要はない」「-パラメータの効果」「伝承防御=ある決まりに添った攻撃でなければ通らない防御」「対粛清防御に関してはいずれ語られる時が来る」とか。

 時臣の魔術師としての能力、天才とか秀才とか色々言われていまいちよくわからないけど「才能自体は秀才レベル、実力は努力で一流、外部からの評価だと天才扱い」みたいな感じでいいのかな。

 -パラメータ、なんでこんな基本的な設定が10年もの長きに渡って明らかになってなかったんだろう……。

 あと「千子村正、因果すら断つ」、今見ると『FGO』の千子村正の前フリっぽく見えるけど実際は朧村正ネタらしい。

Garden of Avalon A++ 2015年3月25日

 生前のセイバー(アルトリア)とマーリン、円卓の騎士たちを主役に西暦500年頃のブリテンを舞台にした前日譚。作者は奈須きのこ

 『stay night』と『FGO』、両方の前日譚として優秀な上に初出設定も大量にあり、単純に話として面白い。

 個人的には『stay night』って凛ルートが一番好きなんだけど、これ読むと正規ルートとして位置付けられてるのはやっぱセイバールートなんだろうなぁって感じになる(なんでそんなもんアニメ版『[UBW]』の特典につけたの?)

 設定的には「世界を見通す眼(千里眼)は最高位の魔術師の証、この眼を持たない魔術師は最高位の座に呼ばれることはない」「神代→妖精の時代→人間の時代までは星を回す事業、それ以降は肉体を捨てて意思の時代へ移行して宙を回す事業を行う」「エクスカリバーは星を滅ぼす外敵を想定して作られた世界を守護する剣」「ロンゴミニアドは人間の世界というテクスチャーを地表に張り付ける星の錨」「魔術の王ソロモンが没してから神秘の減少は加速し五百年前に神代は完全に終了した」「ブリテンは地球の臍、もし地球をもう一度エーテルで満たそうと考えるものが出てきたら間違いなく工房はブリテンに作られる」あたりの世界観の中核にありそうなネタの初出が全部これ。

 

 それはそうとして100ページくらいしかない小説を読むために定価4万のBDBOXを買わなきゃいけないという型月作品のなかでもぶっちぎりでどうかと思う売り方をしている商品でもある。

 内容が面白いおかげで辛うじて許されているが特に許されていないという説もある。

 月厨なら必読といっていいと思うが中古でも2万弱出さないと読めない。一応ドラマCD買えば2000円とかで話の筋だけなら追えるけど、話の筋以外全カットみたいな感じだし……。

 

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 2ndシーズン B 2015年4月5日~2015年6月28日 15000円

 『stay night』の第2ルート「Unlimited Blade Works」のTVアニメ化2クール目。

 アニメ版の追加要素は1クール目より豊富で、キャスターのマスター(アトラム)の登場、アインツベルンの裏話、バーサーカーを結構リスペクトしてるギルガメッシュ、聖杯の泥を「人類悪」と呼ぶギルガメッシュ、エピローグのロンドン編とか色々。

 人類悪発言、いまだによくわかってないんだけどこれは聖杯の泥=ケイオスタイド使うティアマトで回収されてる扱いなのか、それとも黒桜の疑似鯖カーマ(マーラ)のことだったりするのか、あるいはまだ回収されてないのか……。

 

 Blu-ray Disc Boxには小冊子『Animation material』と『Animation Elements』、ドラマCD『Curtain Call ~LET US DRIVE TOGETHER~』付属する。

Animation Material A+ 2015年10月7日

 きのこインタビューやきのこと崇の一問一答等収録の小冊子。

 一問一答でエミヤ生前聖杯戦争の質問してるgrogは僕です。嬉しい。まぁ……「その時召喚されていたアーチャーもエミヤでしたか?」って質問にはほぼ答えてもらってないも同然なんだけど……。

 それ以外だと「神代の魔術師は根源が身近すぎて根源に到達するという目的意識が持てないので魔法使いにはなれない」「魔術師レベルはケイネスが100+α、アルバが100、アトラムが20、凛が20~30、士郎が10~20」とか。

 一問一答はもちろんだけどきのこインタビューの方も「アーチャーを倒した時の士郎はがむしゃらに戦ってるだけに見えてその裏に未来への不安がある」「ギル戦は衛宮士郎が人生で最も輝いている時」「ギルにとって大事なのは自分の命ではなく自分の伝説。エアを使いたがらないのも格下にエアを使っては今までエアに破れた勇者に顔向けできないからなのでエアで士郎を殺していた場合それは死よりも重い敗北だった」とか充実した内容。

 「『Zero』言峰は人生で一番輝いていた瞬間だからシエルにも勝てる」って話、仮定の話でしかないせいでいまいちイメージしづらかったけど士郎がギルガメッシュに勝つ時並みの補正がかかるんだと思うとわかりやすいな。

Animation Elements A++ 2015年10月7日

 アニメの脚本に対してきのこが加筆修正した部分を抜粋した脚本集。

 ギルガメッシュの人類悪発言とかは抜けてるので別にこの冊子に載ってないからきのこの手が入ってないという意味ではなさそうだけど。

 一番の売りは間違いなくアインツベルンと第三魔法周りの設定公開。

 アインツベルンはもともと第三魔法の使い手の弟子が起こした工房をホムンクルスが受け継いだものとか、ユーブスタクハイトはただの人型端末で人格は存在しないとか1ミリも知らない設定がドカドカ出てくる。

 このあたり一応イリヤルートでやる予定だったネタの蔵出しってことになってるんだけど、ユスティーツァの用途が『サイマテ』では大聖杯作るためだったのがこの本だと第三魔法を再現するためになってたりして『stay night』時点では絶対この設定なかったでしょみたいな感じがある。

 あと何気に「エミヤは召喚→座に戻るを繰り返すたびにUBWの登録武器が増える」って明言されてる所初めて見た気がする。

Curtain Call ~LET US DRIVE TOGETHER~ D 2015年10月7日

 士郎、凛、エルメロイII世が車に乗って出かけるロンドン編後日談。脚本:ACPI(監修:奈須きのこ)。

 まぁ内容的にはあまり言えることがないんだけど強いて言うならなぜか幽霊になってるケイ兄さんが出てくるのはちょっと面白い。

 

劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] I.presage flower D 2017年10月14日 4500円

 『Fate/stay night』の第3ルート「Heaven's Feel」の劇場版アニメ第1部。

 追加要素はともかく追加設定は多分特にない。

 BD完全生産限定版には『Animation material』が付属する。

Animation material A 2018年5月9日

 きのこと崇の一問一答等収録の小冊子。7周目来場者特典スペシャルコメンタリーブックの内容も一部再録されている。

 見所は「小次郎は柳洞寺とはまったく縁がない、縁があったのは山の方」「全盛期臓硯の実力はサーヴァントを相手にしても善戦、状況さえ良ければ一騎ぐらいは勝てるLv70典位」「生前エミヤがセイバーとどのように出会いどう関わったかは『stay night』の物語とは全く違うもの」とか。

 いや、小次郎、今まで十数年ずっと柳洞寺との縁で召喚された扱いでやってきたんだけど……。まぁ大半は「生前は柳洞寺に縁のある剣士だったと考えられる」(『コンマテ2』)、「アサシンは生前、柳洞寺に縁のある武芸者だったと思われる」(『コンマテ3』)みたいな推測だと思うので矛盾とも言えないっちゃ言えないんだが、『アンコ』の「……見覚えのある石段だ。ここは……柳洞寺?」あたりは流石に厳しいのでは。

 Lv70典位でも状況次第で鯖倒せるならロードや冠位クラスなら素で鯖倒せて聖杯戦争の前提が根底から覆る気がするんだけど……まぁ実際は冠位の燈子さんがフェイカーに普通に負けてるから別にそういうもんでもないのかな。

 アーチャー生前の第五次、アニメ版『[UBW]』一問一答では「同じ物語を繰り返すというゲームならでは設定が根幹にある」って言ってた(社長がだけど)のでてっきりスタート時点では『stay night』と同じだったのに選んだ選択肢で分岐したみたいな奴かと思ってたんだけど、どうも最初から全然違ったらしい。

 

劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] II.lost butterfly D 2019年1月12日 6000円

 『stay night』の第3ルート「Heaven's Feel」の劇場版アニメ第2部。

 BD完全生産限定版には『Animation material』付属。

Animation material 2019年8月21日

 きのこと崇の一問一答等が収録された小冊子。

 見所は「ギルガメッシュとセイバーオルタが戦ったら勝敗はマスター次第」「桜ルート後以外だと桜死んでそう」「黒化=闇落ち。オルタ=その英霊を別側面・別解釈で召喚したもの。アルターエゴ=その英霊のペルソナの1つが別個体として独立したもの」とか。

 オルタ定義は『FGO』でこの直前の2019年6月に実装されたエミヤオルタ幕間でも説明されていて、そちらでは英霊の別側面の他に「何かの拍子に霊基を汚染された者」っていうのもあった。まぁあっちは「人理崩壊の危機だから使えるものは全部オルタ枠に放り込んでる」って説明だったので『FGO』世界限定ルール、こっちのほうが本来のルールみたいな感じなのかもしれない。

  

劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] III.spring song C 2020年8月15日

 『stay night』の第3ルート「Heaven's Feel」の劇場版アニメ第3部。

 原作に比べて大聖杯建造時のゼルレッチ、ユスティーツァ、臓硯、永人の描写が詳しくなっている他、なぜか御三家結成が既存設定の200年前から300年前に変更されている(なんで……?)

 聖杯戦争開催周期が60年ごとから100年ごとくらいに伸びたのか、『コンマテ3』だと10年だった大聖杯建造期間が100年に伸びたのか、大聖杯建造から聖杯戦争開始までの間に100年インターバルが入ったのかもよくわからない。

 考えてみれば聖杯戦争開始のためには霊脈から60年間魔力を集める必要があるのに大聖杯建造してすぐに第一次聖杯戦争始められたらおかしい気がするので建造から第一次までに100年入るのが一番納得できるかな……?

 あとは大聖杯建造時に令呪のシステムがあるのも既存設定からの変更点だけど、なんかこれ設定が変更されたというか『コンマテ3』に書いてある内容が間違ってたタイプなんじゃないかと思わなくもない。 

 BD完全生産限定版には『Animation material』が付属する。 

Animation material 2021年3月31日

 きのこと崇の一問一答等が収録された小冊子。

 見所は「アンリマユと桜が一体化したらビーストになったかもしれない。あえて言うなら報復の人類悪」「ゼルレッチは昔魔術世界を束ねて戦ったことがある」「時計塔に入ると否応なくゼルレッチの名前は聞く、開位あたりになるともう一人の魔法使いユミナの名前も聞く」「『Fate』世界のゼルレッチは吸血種じゃない」「第三魔法の使い手は西暦前夜にこの世を去った」「第三魔法は神代の終わりとともに使用不可になった」

「第一魔法が第一なのはその特性も関与している」「桜ルート後も聖杯解体(聖杯撤去)は起きる」とか色々。

 人類悪はこれ「七つの人類悪」とか言ってる割に七つ以上普通に存在するってことだろうか。まぁビーストVIとかビーストVIIが報復なのかもしれないけど。

 ゼルレッチ、魔術世界を束ねた話は朱い月戦のことだろうけど、吸血種じゃなくなってるのはマジで何。『月姫』世界と『Fate』世界の分岐点、案外ここで朱い月がゼルレッチを二十七祖にできたかどうかで決まってたりする可能性もあるかもしれない。

 ユミナは植物科の創始者久遠寺有珠の魔術系統。「第一より分かたれた、この世で最も大きな虚構」の通りやっぱり有珠は第一魔法の家系(辛うじて存命中の直系)ってことだろう。早く『まほよ』第三部で第五魔法と第一魔法がいずれ食い合って青子vs有珠で戦うところが見たい。

 魔法のナンバリングが西暦以後につけられたのは思ってたとおりだけど、なんか第三魔法の使い手が死ぬトリガーが西暦突入っぽい書き方なのはちょっと不思議。真エーテルがないと生きられないみたいな奴だったんだろうか。

  

漫画版 Fate/stay night Heaven's Feel E 2015年5月2日~ 既刊8巻1500円

 「Heaven's Feel」のコミカライズ。

 遠坂永人のビジュアルが初登場。多分社長デザインだと思うんだけどよくわからない。

 

Fate/stay night プレミアムファンブック B 2003年12月1日 300円

 『stay night』発売前に出版されたムック。

 きのこ社長インタビューやきのこによる設定解説が収録されている。

 「サーヴァントの攻撃能力は戦闘機1機分」「サーヴァントの強さはアルクェイドの4分の1」あたりの設定が特に有名。

 インタビューだと『stay night』のプロット組んでる時「尼さんヒロイン出そう!十年先を見せてやる!」とか言ってた話、今見るとマジで10年後に殺生院キアラ出てるのがちょっと面白い(あいつヒロインか?)。

 

Fate/side material±α E 2005年7月21日 300円

 テックジャイアン2005年9月号に付属した『サイマテ』の再編集版。

 本当に再編集版でしかなくて特に新規設定みたいなものはない(というかむしろ情報量削られてる)ので買う意味はない。

 

Fate/complete material I Art material E 2008年7月2日 500円

 記念すべき『Fate/complete material』シリーズ第一弾。

 まぁ『stay night』のCGをシナリオの流れに合わせて並べてるだけでたまに劇中の台詞出てくるくらいしか文字書かれてないのでマジでただの画集。

 2345買って1だけ買わないのは座りが悪いとか123+アレ本を収納ボックスに収めたいとかそういう理由がなければ買う必要なんもないんだよなこれ……。

 収納ボックスにはドイツ語版サーヴァント召喚呪文書いてあったりするけど、それも『hollow』の特典タロットの箱とか他に書いてる奴あるし。

 

Fate/complete material II Character material A+ 2010年6月30日 500円

 『Fate/complete material』第2弾。

 『stay night』の立ち絵や武器イラスト、ラフ絵が収録されている。

 タイトルが『Character material』と無意味に紛らわしいのでこの記事ではこちらを『コンマテ2』、あちらを『キャラマテ』と区別したい。

 

 見所はキャラごとにつけられているきのこ・社長コメント。

 「シエルと言峰だとシエルの方が強いが『Zero』言峰は人生で一番輝いてた時期だからシエルにも勝てる」とか遠坂家、間桐家の財政状況みたいな設定面での話から「冒頭のギルガメッシュは桜に今の内に死ぬほうが楽だと忠告していた」「セイバールートのランサーはギルガメッシュ相手に半日粘った」みたいな裏話、「ギルガメッシュのクラスは最初(ゲート)キーパーだった」って没設定まで色々。

 

Fate/complete material III World material A++ 2010年10月29日 1000円

 『Fate/complete material』第3弾。ご存知焚書

 今見るとはっきりおかしい部分もあるけど、基本的にはこの本の記述は(多少無理やり辻褄合わせてでも)現行設定にしてるっぽいのでいまだに重要設定の塊ではある。

 完全に消えてる設定も案外少なくて二十七祖と「Ⅱ世の弟子は全員王冠」以外だと「遠坂永人はゼルレッチの弟子になっても生き延びた稀有な人材」「アサシンは生前柳洞寺にゆかりのある武芸者だったと思われる」くらいしかないはず。

 

 魔術師の属性設定、詳しく説明されるのはほぼこれが初めてなんだけど、五大元素(地水火風エーテル)と架空元素(虚数と無)に別れてるのはまぁいいとして同時にエーテル=第五架空要素でもあるのがめちゃくちゃわかりづらい。

 というか要素について包括的に説明されたことが一度もないせいで要素のことが何もわからない。第一要素(肉体)、第二要素(魂)、第三要素(魂)、第五架空要素(エーテル)、第五真説要素(真エーテル)、第六架空要素(悪魔)でなんで第四要素が出てきてないのかも、なんで肉体を構成する三要素とエーテルや悪魔が同列扱いされているのかも……。

 そもそも要素のことがよくわからないんだから要素と元素の関係なんてわかるはずもない。

 

 魔術協会の設定もまとまった形で公開されるのは初めて。ちょっと今見ると怪しい設定もあるけど……。

 具体的に言うと「彷徨海の研究内容は主に肉体(人体)改造であるようだが詳細は不明」、神代至高組織だってわかった今見るとネロが彷徨海出身だからって理由で適当なこと言ってるようにしか見えない。まぁ別に神代設定と矛盾してるわけでもないのでこれで合ってるのかもしれないけど。

 「魔術協会には貴族(ロード)と呼ばれる家系が君臨していて内訳は大貴族が三家、その親族が20家ほど」は学部長(ロード)設定と矛盾しているような気がしてたけど『事件簿マテ』で「ロードには貴族と学部長って2つの意味がある」って設定が出て両立していたことがわかった。

 「時計塔は西暦元年に設立した組織」、『2015年の時計塔』で「魔術協会の始まりは二世紀頃」ってあったので設定変更されたのかと思ったけどどうも西暦元年に時計塔が設立してから三部門の交友関係が魔術協会に発展したのが二世紀みたいな話っぽい? なぜか年表にそのあたり書いてないんだけど……。

 

 未登場魔術師の設定公開だと「封印指定総与のミリョネカリオン」「彷徨海に所属する稀代の魔術師宝石殺し」「アトラス院のヘルメス・シリス・アトラシア」「時計塔の創立以来2000年同一人物の院長」「時計塔の地下に幽閉されている悪霊ガザミィ」とか。

 封印指定は『まほよ』で拾う予定のネタらしいので2部3部さえ出ればミリョネカリオンについてもわかると思うんだけどいつ出るのか……あと『事件簿マテ』では封印指定の総領(トップ)の名前がミリューネカリオンになってるんだけどこれは設定変更なのかそれとも別人なのか……。

 宝石殺しはマジで「彷徨海に所属する稀代の魔術師」「特性は停止」以外何も書いてない完全に謎の設定。なんか凛の天敵用に作られたみたいな二つ名だしロンドン編か聖杯戦争解体編かに出てくるんじゃないかと勝手に思ってるけど凛じゃなくてゼルレッチと絡ませるためのキャラって可能性もあるか。

 ヘルメス・シリス・アトラシアも「アトラス院に所属する魔術師」「特性は未来」以外何も書いてないがこっちはアトラシアって名前でアトラス院院長なことはわかるのでちょっとマシ。現役院長の枠はシオン(とズェピア)で埋まってるので、ヘルメスって名前もあって初代院長とかが怪しい気はするんだけどマジで名前くらいしかわからないキャラだからもしかしたら全然違うかもしれない。

 悪霊ガザミィ、「そのうちスポットライトが当たるでしょう」って書いてあるのに10年弱立ってもまったく出てくる気配がない。『冒険』とかで拾いそうな気もするけど。

 

 あとは魔法。

 「第一魔法の内容は一部特権階級の魔術師たちにとっては常識」、『事件簿マテ』の年表とかの後に見るとそりゃそうだろうっていうか逆に一般魔術師は自分たちがなんで魔術使えるのかすら理解してないんだなぁっていう情報格差を感じる。

 「第一魔法の使い手はすでにこの世を去っているが、その直系たる人物はかろうじて存命中」、『FGO』2部6章を見るにまぁ久遠寺有珠のことだろう。

 「第四魔法は内容わからないし使い手の名前もわからないけど魔法使いたちは異口同音に「確かにそれはある」と実在を認めている」、ほとんど何も言ってないような気もするけどこんなのでも結構貴重な情報。他にわかっている事が『まほよ』の「繋ぐ四つは姿を隠した」「三つ目で終わっていれば良かったのに、と誰かが言った」「根源の渦に行くための手段として作られたもの」と『メルブラ』の「第四魔法の使い手は生き物やめてる」、あとは直接明言されてないけど「第三魔法の証明が900年で第五魔法出来たのが1970年とかだから第四魔法できたのその間っぽい」くらいしかないから……。 

 「使い手の青子が破壊特化だから第五魔法も破壊に関する魔法ではないかと噂されている」、適当言ってるだけなのかマジ設定なのか微妙すぎる。破壊と消費文明って十分つながるワードなので『まほよ』に先駆けて出た大ヒントにも見える。

 

 一問一答もあるけど意外と面白いやつ少ない。

 ヘラクレスの最強クラスはアーチャー。アーチャーはレンジャーでもあるので数々の試練を知恵と機転で乗り越えたヘラクレスと相性がいいため」は今見ると逆説的に超人オリオンの弓の腕前ギリシャ一設定やグランドアーチャー設定の根拠になってる気がしてちょっと面白い。

 「魔術って何?」って質問への答えが「架空要素に基づいた、実践可能域になった神秘学」なの、今見ると「架空要素に基づいた」「実践可能域になった」「神秘学」が全部かなり核心的な答えでさすがにこのあたりは最初から全部考えてあるんだなぁってなる。

 神獣の代表例で出てくるモビー・ディック、なんで神獣なのか全然わからない。

 

Fate/complete material IV Extra material D 2011年7月7日 1000円

 『Fate/complete material』第4弾。

 『アンコ』『タイころ』『EXTRA』『Zero』の絵素材集+『Apocrypha』のサーヴァント設定蔵出し。

 タイトルが『Fate/EXTRA material』と無意味に紛らわしいのでこの記事ではこちらを『コンマテ4』、あちらを『エクマテ』と区別したい。

 『Apocrypha』を除けばあまり読みどころはないけど、一応虚淵コメントで『Zero』各陣営の着想の由来(「魔術師が魔術師らしくサーヴァントをただの道具として運用するチームを出したい→ケイネス」とか)が書かれたりするし、あと昔ちょくちょく話題になってた「第四次アサシンは反則ギリギリ」「マスターにやる気と権謀術数があればかなり有望な優勝候補になっていた」の出典はこれ。

 それ以外だと『アンコ』『タイころ』各シナリオのあらすじがあるのもまぁ嬉しいといえば嬉しい。

アレ本 Fate/side side materiale complete D 2011年7月7日 2000円

 『コンマテ4』に付属した初版特典。

 『Fate/side side materiale』1~3の再録+書き下ろし『Fate/side side materiale4』の合本。

 書き下ろし部分の見所は「某月某日。幸せな空の上で。」とキャスター・リリィとかか。

某月某日。幸せな空の上で。 D 2011年7月7日

 アレ本まとめに掲載された短編小説。作者は星空めてお

 凛とカレン、モブの宝石研磨職人が飛行機に取り付いた悪霊を退治しようとする短編。機内にはバゼットも乗っていたようだが1人だけ何もせずに寝ている。

 『hollow』終了後のカレンが出てきて他の『stay night』キャラとどんな関係を築いているのかわかるのがちょっと貴重。いやまぁ『タイころ』にも出てくるけど、さすがにあれを参考にするのは……。 

 

Fate/complete material V Hollow material B 2012年2月25日 1500円

 『Fate/complete material』第5弾。

 立ち絵やCGから始まり、背景や花札、ラフ絵等『hollow』関連のグラフィックがあらかた収録されている。

 

 見所は各キャラの絵につけられてるきのこ・社長コメントで、特にカレンの「『hollow』後は終生暗黒の聖者を追いかけ最期の悪魔祓いが成った時望みが叶った」バゼット「元は『月姫2』のキャラ、『月姫2』では鮮烈な登場シーンが用意されている」とか。

 「暗黒の聖者」.、初出は『コンマテ2』で言峰に使われた表現だと思うんだけど、その後TMA9のインタビューや『FGOマテ』、『FGO』2017クリスマスイベではアンリに使われていてどちらを指しているのかよくわからない。

 多分アンリなんだと思うんだけど、なんでカレンがアンリのこと覚えてるのかまったくわからないのでもしかしたら言峰かもしれないし……。

 

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] アニメビジュアルガイド C 2015年10月23日 1000円

 アニメ版『[UBW]』のムック。きのこのTwitter実況やキャスト・スタッフインタビューが収録されている。

 Twitter実況は境界汚染世界についての設定とかちょっと面白い話もあるけどtogetterとかで読めるので特にこれ目当てに買う意味はない。

 インタビューは三浦監督の奴が一番面白い。きのこから聞いた話として「アーチャーとギルガメッシュはセリフ上で士郎を認める発言をすることはあっても本心では絶対に認めない」「アーチャー、ギルガメッシュ、士郎は未来永劫交わることのない存在」「士郎vsギルガメッシュギルガメッシュはCランク宝具しか使っていない」とかが出てくる。

 あとはきのこインタビューの所に中学生凛の制服ラフ絵とかが掲載されているのもちょっと嬉しい。

 

劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel] I.presage flower パンフレット C 2017年10月14日 1000円

 きのこインタビュー等収録のパンフレット。豪華版にはドラマCDが付属する。

 見所は「誤解してる人が多いが言峰は他人が堕落したり足を踏み外したりするところを見たいと思っているわけではなくて、それでしか生の実感ができない。真人間のフォーマットに致命的なエラーがあるだけで基本的に聖人で真人間」「魃さんはきのこ内ではかつて言峰とともに戦っていた仲のロリ店長」とか。 

First Interlude E 2017年10月14日

 聖杯戦争開始以前の士郎と桜を描くドラマCD。脚本はアニメスタッフの桧山彬。監修がTYPE-MOON

 監修TYPE-MOONってなんだろう……。 

  

スペシャルコメンタリーブック D 2017年11月25日 1000円

 きのこ・須藤監督・近藤Pの鼎談等収録の劇場版「[HF]」1章7周目来場者特典。

 再編集版がBD特典冊子にも収録されているが基本的にはこちらの方が分量はかなり多くて完全版的な内容。BD特典のみに載っている内容もあるけどごくごく一部。

 BD特典にない部分での見所は「セイバーオルタは徹底的に目的の完遂を目指すようになっただけのアルトリアで別側面とかではない」「慎二は魔術回路に頼らない錬成や薬品の配合はできる」とか。

  

NewtypeSpecial 劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」 I.presage flower C 2018年5月9日 500円

 劇場版「[HF]」第1章を振り返るムック。きのこ・武内インタビューを始めとしたスタッフキャストインタビューときのこ一問一答が収録されている。

 見所は「ライダーの鎖付き短剣の由来は『自分が暴走しないように使っていた鎖』『初期プロットではペルセウスだった名残でアンドロメダを縛っていた鎖のオマージュ』」「真アサシンが不正な召喚で損なわれた知性を鯖食いで補えたのは自己改造のおかげ」とか。

 

劇場版 Fate/stay night[Heaven’s Feel] II.lost butterfly パンフレット D 2019年1月12日 1000円

 きのこインタビュー等収録のパンフレット。豪華版にはドラマCDが付属する。

 きのこインタビューで「セイバールートでボーイミーツガールを、凛ルートで気持ちのいいエンタメを、桜ルートで現実と戦う話を描き、イリヤルートで世界の構造や聖杯戦争の始まりを描いて『stay night』の物語を終える予定だった」とか。

 いや、ビジュアルノベルの星霜圏インタビューでは「本来は桜ルートの前にイリヤルートが入り、もっと緩やかに変化するはずだった」って言ってるんだけど……!?

 きのこの記憶違いなのかインタビュアーがなんか誤読してるのかそれともプロット時点では両案あったのか、まぁ3つ目ならともかく1つ目2つ目なら正しいのはイリヤ第3ルート説の方じゃないかとは思う。

インタビュー 未推敲 掲載予定無し D 2019年1月12日

 慎二が幼い頃から現在までの心中を語るドラマCD。脚本は桧山彬。監修はTYPE-MOON。監修協力はタスクオーナ。

 いや監修協力って何……? というかタスクオーナって監修される側じゃなくて監修する側なの……?

 「マキリの魔術特性の吸収は個人の才能に左右されるので魔術回路のない人間にはとことん向かない」とかは一応設定面に触れてる。

 逆に魔術回路ない人間に向いてる魔術なんてあるのかよと思ったけど魔術回路のない鮮花の評価が「才能はある」「あと二年もすれば引く手数多」だから特性と本人の才能次第ではなんとかなるのかな。  

  

黒パンフレット E 2019年2月16日 4000円

 杉山紀彰下屋則子のコメンタリートーク等収録の劇場版「[HF]」2章6周目来場者特典。

 内容的には一応奈須きのこ寄稿、須藤監督コメンタリートークもあるけどそちらは全てBD2巻に再録されているので声優のファンでなければ特に買う必要はない。

 

劇場版 Fate/stay night[Heaven’s Feel] III.spring song パンフレット D 2020年8月15日 3000円

 きのこインタビュー等収録のパンフレット。豪華版にはドラマCDが付属する。

 内容的には「御三家掘り下げはきのこオーダー」「御三家は武内社長ラフデザイン」「BBとサクラファイブは桜のかわいさをわかりやすく六等分したもの」とか。

遠坂凛聖杯戦争、その後 C 2020年8月15日

 劇場版ではカットされたエピローグを補完するドラマCD。脚本は桧山彬。監修はTYPE-MOON。監修協力はタスクオーナ。 

 基本的には魔術協会での弾劾裁判や聖杯戦争語の桜の描写とか原作のエピソードがそのままなぞられているだけだけど、ゼルレッチがグランドマスターって初耳の名前で呼ばれているのはちょっと面白い。グランドでもエルダーでも魔道元帥でもなくグランドマスター、何。

 あとゼルレッチの「まだ角も生えてない少女~」って言い回し、初めて聞いたんだけど存在する言葉なの……? まさかビーストに角生えてるのとは関係ないと思うけど……。

  

桜パンフレット D 2020年9月26日 3000円

 きのこ・武内社長・須藤監督の鼎談等収録の劇場版「[HF]」3章7周目来場者特典。

 再編集版がBD特典冊子にも収録されているが基本的にはこちらの方が分量はかなり多くて完全版的な内容。BD特典のみに載っている内容もあるけどごくごく一部。

 内容的には「ところで大空洞に溶岩が流れてるって知ってました?」「セイバーオルタはキャラクター性をなくした状態、『FGO』オルタと『stay night』オルタは別人」「ゾォルケンはユスティーツァにマジ惚れ」「凛はここ一番では人間の情を取ってしまうけど最終的には人間の情を取った上で勝つ人になる」とか。

 

コンプティーク A+ 39冊12000円

 Q&Aコーナーとして2004年10月号~2005年11月号に無限の解析、2005年12月号~2007年12月号にFate道場掲載。

 設定上特に重要そうなのは「プライミッツマーダーを御するには七騎の守護者が必要で聖杯戦争の七騎のサーヴァントはこれになぞらえている」「きのこ作品最強キャラトップ3(サーヴァント除く)は1位アルクェイド、2位"両儀式"、3位原初の悪魔」とか。

 このランキング、なんでサーヴァントを除いてるのかも、サーヴァントを入れた場合はどうなるのかも、これ以前のQ&Aで「両儀式」は鯖防戦級だって言われてたのになぜ鯖ガチンコ級の軋間や青子より"両儀式"の方が格上になってるのかも、そもそも3位の原初の悪魔ってなんなのかも、何もかもよくわからない。

 式に関しては多分刀持って普通に戦った時の戦闘力が鯖防戦レベル、現実改変能力使った時の戦闘力が2位レベルなんだろうとなぁと思うんだけど。『アーネンエルベ』の「自分の改変能力なんてかわいいもの。アルクの空想具現化は制限なしだから」ってセリフとも1位2位の格付けがうまくつながるし。

 原初の悪魔はまぁ十中八九『DDD』のキャラだと思うんだけどカイエなのかそれともラスボスの未登場キャラとかなのか……。どちらにしろ地球最強のカナタより強いキャラがあの世界にいるらしいことはわかるけど。

 ちなみに一番どうでもいいのは鴉(きのこと社長が推してるOVA)の感想だと思う。

 あと2004年10月号~2005年7月号のQ&Aは『Fate/secret book』に、2006年3月号6月号11月号のQ&Aは『コンプセレクションズVol2』に再録されてるのでマジで買う必要がない。2006年5月号と2007年9月号もQ&Aないから別にいらない。

Fate/secret book C 2005年7月10日

 コンプティーク2005年8月号の特別付録。

 きのこ・社長インタビューや2004年10月号~2005年8月号の無限の解析Q&Aコーナーの再録が掲載されている。

 インタビューの見所は「次にゲームを作る時は一つずつ魔法について描いていこうと決めていた所に武内社長からセイバー女体化した上での『Fate』のゲーム化を推されて、ちょうどサーヴァントの存在に第三魔法が絡むから『stay night』を作ることにした」「セイバールートと凛ルートで『Fate/stay night』、イリヤルートと桜ルートで『Fate/other night』の2作を出す案もあった」とか。

 

コンプセレクションズVol.2 C 2007年4月19日 500円

 きのこ・社長インタビューやFate道場のよりぬきQ&Aが収録。

 きのこインタビューは「各ルートのテーマは「Fate」が理想、「UBW」が理想と現実、「HF」が厳しい現実の克服」とか。

 Fate道場書き下ろしも入っていて、特に面白いのは「近代兵器は鍛えれば誰でも使えるものなので使い手は英雄になりづらい。むしろその時代でもっとも優れた兵器そのものが英霊になるかもしれない」とか。近代兵器英霊いまだに出てきてないけど強いて言うならボイジャーが近いような気もする。

 

GAME JAPAN B 2冊1000円

 2007年2月号に「凛は長ずれば魔術協会で歴代100位以内、士郎は魔術使いの中ではスペシャリストの1人で全盛期切嗣と同じくらいの評価、数値化するとシエル:100、凛:70~100、士郎:10(限定条件下で40)」、2009年2月号に「フラガラックには5つのギミックがあって『アンコ』に採用されているのは2つ」とか。

 なぜこの雑誌でそんなレア設定を……?

 特に凛の協会で100位以内は今見るとマジですごそうというか『事件簿』に出てくるロードあたりなら普通に超えてるレベルな気がする。王冠ロアの魔術知識持ったシエルが100なあたり最大値は冠位クラスってことなのかな。Fate道場の「教授にはなれる、でも名誉教授にはなれない」と同じニュアンスに見えるようなそうでもないような……。

 

テックジャイアン C 2冊1000円

 2004年2月号に英霊ごとの個体能力値が加算される前のクラス別基本能力値とか、宝具以外のステータスにABCDEが1つずつ振り分けられ原則的には重複しない(例外あり)って設定とかが載ってる。

 これ正直没設定としか思えないんだけど、少なくとも後者の方は4Gamersの『FGO』インタビューできのこが触れてるので今でも普通に生きてるっぽいんだよな……いやこの基準に沿ったステータスの鯖、1作に1人いるかどうかくらいなんだけど……。

 あと2005年2月号には言峰とシエルに面識ないって設定が載ってるけど、『CP読本』にも同じこと書いてああるので買う必要は特にない。

 

電撃姫 C 7冊2100円

 2005年6月号~8月号と2006年2月号の付録「TYPE-MOON DOUBLE MANIAX」、2006年5月号~8月号10月号11月号に誌上対決『Fate』 Dream Battle収録。

 Dream Battleは「どちらに軍配が上がるかはマスターの機転によるのではないでしょうか」「防ぎきれるかどうかが勝敗の分かれ目か……!?」みたいな曖昧な記述が多くていまいち参考にならないんだけど、まぁ逆に言うとバーサーカー以外の五次鯖同士って相性で有利不利があるくらいで極端な実力差はないんだろうなみたいな感じはある。

 「カレンVS臓硯は臓硯が日光っていう教会が熟知した弱点持ちなのでカレンの完全勝利がありえる」は今見ると……というか当時基準で見ても全然信じられなくてちょっと面白い。教会の吸血鬼ハンター技術そんなにすごいのか……?

 

 あとこれの2006年2月号と3月号がどうもバゼットとカレンのプロフィール(好きなもの苦手なもの天敵とかのいつものやつ)の唯一の出典っぽい。

 いや雑誌記事とかはちゃんと把握してないからわからないけど、少なくとも資料集的なやつには載ってるの1個もないんだよなこれ……マジかよって感じなんだけど。なんで『コンマテ5』に載せなかったんだよって感じなんだけど。

 だからまぁ電撃姫2006年3月号買っておけばこれ持ってないくせにカレンとバゼットのスリーサイズの話してるやつとか見かけた時マウント取れるかも(そんな機会あります?)

 

TYPE-MOONエース D 3冊900円

 Vol.8(2012年12月15日)巻末の質問コーナーのきのこ発言が「言峰の奥さんの名前はクラウディア」の初出……だと思うんだけど、きのこ本人が「前に答えた気がする」って言ってるのでもしかしたら他のインタビューとかで言ってるのかもしれない。

 Vol.10(2015年7月1日)きのこのアニメ版『[UBW]』インタビューで「士郎とエルメロイII世は本来なら一生関わらない、たまたますれ違って会話したあと二度と会うことはないだろうくらいの距離感」「『Fate』は『月姫』でやらなかった要素(自分との対決と被害者側の話)をやった」。三田誠の『事件簿』インタビューで「ルヴィアのキャラが今までコメディ寄りのキャラになってたのは「『レンタルマギカ』のアディリシアと被ってたから」「『hollow』では出番が少ないから」「『アンコ』ではマスターのシナリオはコメディチックにする方針だったから」とか色んな事情があってああなっていただけでルヴィアの本来のキャラ付けは『事件簿』のもの」。

 Vol.12(2017年8月30日)巻末のufotableコラムで「劇場版「[HF]」のサブタイはきのこ作」。

 

Fate/hollow ataraxia ORIGINAL SOUND TRACK E 2005年11月23日 500円

 作詞:奈須きのこのOP曲「アタラクシア」収録。

 きのこ作詞は地味にめっちゃ珍しいというか、もう1つだけあるfairytail(正確には「作詞:梶浦由記奈須きのこ」)はどうも歌詞に忘却録音序文が引用されてるからクレジットされてるだけっぽいので実質これだけ。

 内容に関しては歌詞の8~9割くらいが「〇〇した〇〇」「〇〇する〇〇」とかの体言止めのセンテンスを羅列しただけで構成されていて文章になってないのが「え!? なんで作詞初挑戦のはずなのにそんなチャレンジブルなことを!?」って感じになる。

 

TYPE-MOON スタッフ日記 C 2005年7月8日~2005年10月19日

 TYPE-MOON スタッフ日記 : 2005/07

 『サイマテ』や『コンプティーク』連載コーナー「Fate道場』の誤植・ミス訂正。

 TYPE-MOON スタッフ日記 : 2005/08

 凛の「心の~」についての解説。通常の無駄は「心の贅肉」、最上級の無駄は「心の税金」らしい。

 TYPE-MOON スタッフ日記 : 2005/10

 「聖杯戦争の英語表記はヘブンズフィール。アインツベルンは第一次聖杯戦争をヘブンズフィール1、第二次聖杯戦争をヘブンズフィール2とか呼んでいる。そしてどのルート後もヘブンズフィール6は開催されない」という設定。

 いや、そんな呼び方してる所一度も見たことない気がするんだけど……。

 ちなみに第六次が起こらない理由についてはアニメ版『[UBW]』一問一答で「最高傑作のイリヤが敗北した時点でアインツベルンが第三魔法を諦めるから」だと明かされている。

 

竹箒日記 C 2005年11月7日~2015年6月27日

 竹箒日記 : 2005/11

 『hollow』の裏話。

 「後日談はあくまで番外編」「『stay night』のプロローグはアーチャー視点」「ウィンチェスター事件の概略」「どうしてセイバーとランサーでフラガラックを受けた後の傷跡が違うのか」とか色々。

 『hollow』裏話は2006年10月にもあったはずなんだけど消されていて読めない。

 竹箒日記 : 2014/11

 Vita版『hollow』の解説。

 『hollow』のテーマは「ハッピーエンドのその後を望むことはどういうことなのか」とか。

 竹箒日記 : 2015/04

 アニメ版『[UBW]』14話15話の解説。

 どうでもいいけどキャスターのマスターの原作での描写は「年の頃は三十代で、中肉中背で、あまり特徴のない男」なので「ゲーム版では中肉中背の中年とか書かれていた?」は割と嘘。

 竹箒日記 : 2015/06

 アニメ版『[UBW]』最終話の解説。

 短縮されたセリフのフルサイズとかラストシーンの意味の説明とか。

 

第1回「Fate/stay night」キャラクター人気投票 D 2004年5月26日

 第1回「Fate/stay night」キャラクター人気投票

 『stay night』の人気投票第1回。

 内容的には「アーチャーと衛宮士郎は別人。世界に二羽しかいない、種は同じでも違ってしまった存在」とか「士郎、お嫁にもらってくれるー?」「いいよー、オッケー」の3秒で終わる藤ねえルートとか。

 『旧Fate』では、セイバーを失った主人公の為、セイバーが戻るまで、という理由で仮契約をしたりしたらしい。セイバーとランサーのコンビでいけすかねえアーチャー(中の人は金の王様です)と戦ったり。

 

第2回「Fate/stay night」キャラクター人気投票 B 2006年3月10日

 https://www.typemoon.com/users/vote/fate2nd.html

  『stay night』の人気投票第2回。

 設定的には結構充実していて、ハサン・サッバーハについての「アサシンのサーヴァントの宝具名はすべて『ザバーニーヤ』」「アサシン頭目の候補は十九人いる」「他の十八人を蹴落とす為、奥の手は隠している」あたりの設定の初出がこれ。

 本編では「何十人といる党首のうちの誰かが、ハサンとして現代に召喚されている」っていう書き方だったんだけど、さすがに19人は何十人じゃないのでは……?

 他には「フラガラックの補充の仕方(鉱石にバゼットの血をたらして秘密の技法で一ヶ月地下室に置いておくとできる。作れて一年に十本ぐらい)」「“伝承保菌者(ゴッズホルダー)”とはその名の通り、神代の頃の神秘(ウイルス)をまだ残しているという意味」とか、「アンリの全身の紋様は“この世全ての悪”を現す呪い。時代・時間によって変動していくもの」とか「カレンは体にガタがきていて右目の視力はほとんどなく味覚も薄れている彼女にとって“味のするもの”とは、地獄のように辛いか天国のように甘い食べ物だけ」とか色々。

  

 

DDD

DDD E 2004年7月12日~ 2冊200円

 奈須きのこの小説。

 他の作品とは設定のつながらない単独作品だけど、「プロット製作が同じ時期だったから『hollow』とリンクさせようと企んだがすぐやめた」って話があるせいかなんとなく悪魔の設定は近いように見えるし「神様は全知全能だが悪魔は人知無能」ってフレーズなんかはそのまま流用されている。

 あと倉密メルカやドクター・ロマン、ハートレスの名前が他作品に引用されたりとかもある(『事件簿』のハートレスは「『DDD』から名前を引用した」っていうより「『DDD』から名前を引用するってネタを『未来福音』や『FGO』から引用した」みたいな感じもするけど)。 

 

宙の外 C 2010年7月13日 500円

 奈須きのこ榎本俊二のコラボ作品として発表された小説。

 石杖カナタvs大熊猫目々の戦いが描かれる。

 まず目を引くのはタイトルの『宙の外』。『FGO』でも同じ言葉が時間神殿ソロモンやルルハワに使われていて、そちらによれば「時間と隔絶した虚数空間」「通常空間から切り離された空間」みたいな意味らしい。

 ちょっと面白いのは「カナタの病気は””比較”」かつ「カナタの病魔は”その星で最強である”こと」とされていること。

 これ要はカナタはビーストIVと同じ比較の理を持ってるってことで、そのカナタの能力が「その星で最強になること」ならプライミッツ・マーダーも地球で最強のはずで、それってつまりガイアの怪物プライミッツ・マーダーは地球のアルティミット・ワンってことなのでは……。

 まぁ『DDD』の設定そのまま当てはめるのもどうかとは思うけど、少なくともプライミッツ・マーダー用に作られていた比較設定を『DDD』でカナタに流用したのか、その逆に『DDD』でカナタのために作った比較設定を『FGO』でビーストIVに流用したのか、そのどちらかだとは思う。 

 

 

トラぶる花札道中記

トラぶる花札道中記 B 2005年10月28日

 PC版『hollow』内のミニゲームシナリオライターはメインのトラぶるモードが奈須きのこ、のーまるモードの各キャラごとのシナリオが奈須きのこ・森崎亮人。

 

 トラぶるモードは「黒桜はイリヤに触ってもノーダメだけどイリヤは黒桜に触ると汚れるからイリヤにとって桜は天敵」って設定とか、「呪層界」ってワードの初出(この時点では意味のない単語だったけど『EXTRA』で「負の念によって反転した特定の人間を呪い殺すための世界」って解説される)だったりとか。

 あとこれのイリヤというかロリブルマの「自分の世界から追い出されて他の世界に迷い込んだ部外者」っていう設定、今見ると完全にあれだな……武蔵ちゃん。武蔵ちゃんはロリブルマだった……?

 

 のーまるモードの参加チームは士郎&セイバー、凛&アーチャー、桜&ライダー、イリヤバーサーカー、言峰&ランサー&ギルガメッシュ、葛木&キャスター&アサシン、セラ&リーゼリット、慎二の8つ。

 言峰チームのシナリオには「固有結界は継承可能」とかいう謎の設定が出てくる。 

トラぶる花札道中記EX D 2006年8月11日

 『トラぶる花札道中記』に追加パッチを当てた状態のタイトル。

 追加チームはカレン&ランサー&子ギル、バゼット&アンリ、臓硯&ハサンの3つ。追加シナリオの担当は全て奈須きのこ

 

 『FGO』で子ギルと術ギルが持ってる宝具「全知なるや全能の星」の初出はここなんだけど、逆に正式な設定化した今となってはあまり意味がないような気もする。

 まぁでもバゼットチームのブラックサンタネタとかは『FGO』の冥界のクリスマスでなんか拾われたりしてるし、真アサシン(呪腕のハサン)のキャラ付けとか半分以上これ出典と言っていいと思うのでそれなりにやる価値はある。

とびだせ!トラぶる花札道中記 E 2007年4月19日

 『レアルタ』の限定版に付属するゲーム。

 『トラぶる花札道中記』に穂群原にゃーにゃーズを追加した移植版(『EX』の追加シナリオ3本はなし)。シナリオは奈須きのこ

 穂群原にゃーにゃーズシナリオはきのこ曰くこの年のベストシナリオらしいのでまぁやってもいいと思うんだけど、なんでそんなにきのこ内評価が高いのかはプレイしてもよくわからない。

 一応これをやっておかないと『アーネンエルベ』によくわからないシーンが出てきたりはするけど。

 

とびたて!超時空トラぶる花札大作戦 A+ 2012年11月29日

 Vita版『レアルタ』にDLコードが付属していたPSP用ゲーム。実ソフトは存在しない。今からやるならVita版ホロゥをDL版で買う必要がある。

 シナリオライター奈須きのこバーサーカー陣営、『EXTRA』『Prototype』)虚淵玄(セイバー陣営、アーチャー陣営)東出祐一郎(ライダー陣営、キャスター陣営)ひろやまひろし(プリヤ)

 

 収録内容が『Zero』の6陣営+『EXTRA』『Prototype』『プリヤ』の追加シナリオなので基本的には『Zero』メインのゲームだけど、設定的に重要なのは『Prototype』シナリオと『EXTRA』シナリオの方。

 具体的には『EXTRA』シナリオでキャス狐が愛歌を指して言う「生粋の人類悪」とか『FGO』以降に見るとめちゃくちゃ露骨発言。プロトビーストとセット扱いなんだとか「」式の単独顕現と合わせて根源接続者にはビースト適性があるんだとか考え方は色々。

 愛歌ビースト、『蒼銀』でバビロンの妖婦扱いされてるの見るとマザーハーロットかなと思うんだけどマザーハーロットは丹下桜キャラのはずなのでいまいちどうつながるのかよくわからない。

 あときのこ愛歌はこの作品がほぼ唯一の出番なのでそういう意味でもちょっと面白い。セイバーと愛歌は2人も天然ボケなので意外と相性がいいらしい。

 

 『Zero』に関してもアーチャー陣営シナリオで出てくる「ギルガメッシュが言峰を名字で呼ぶようになったのは底が見えたから」って『Zero』→『stay night』で綺礼→言峰って呼び方変わる問題へのフォローがあったり(いやこれ信じてもいいのか?)、あとはこれのライダー陣営シナリオ(東出作)でウェイバーがイスカンダルから赤いマント使うの許されてるのが『FGO』のエルメロイII世(東出鯖)が第三再臨で赤マントつけるようになるのの元ネタなんじゃないか、みたいな奴はある。

 セイバー陣営シナリオでセイバーが「我が師が囚われているという妖精境もこのような場所なのでしょう」って言うのも今見るとちょっと面白い。

 あとはかなり独特のキャラクターに変化しているきのこ版ロリ桜。『FGO』のカーマってあんまり黒桜要素を感じないと思ってるんだけど、これのロリ桜を見ておくと「なるほどこれか」って感じになる。

 

Hanafuda material E 2014年11月27日 300円

 Vita版『hollow』の特典。

 『とびたて!超時空トラぶる花札大作戦』のイラスト素材を収録したマテリアル。

 文芸設定とか特にないので買わなくていい。

 

竹箒日記 E 2007年4月19日~2017年5月11日

 竹箒日記 : 2007/04

 竹箒日記 : 2007/05

 とびだせ!裏話。「ギルガメッシュが我をワレって読むのは仕様」「穂群原にゃーにゃーズはEXの追加シナリオと同時に書いたものなのでうっかり時系列が『hollow』版になってる」とか。

 

 

Character material

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Character material A++ 2006年8月11日 1000円

 未発表作品やネタキャラの設定を発表した同人誌。平たく言えばFSSのキャラクターズ(デザインズ)みたいなやつ。

 初版版と再販版があって再販版での誤植の修正や文章の変更が結構多いので特にこだわりがなければ再販版を買うのがおすすめ。

 

 『魔法使いの夜』からは青子、有珠、橙子が収録。

 現行設定では変更されている部分もある(青子と橙子の年齢差とか)が、一応『まほよ』1部では触れられなかったエピソードも書かれているので参考くらいにはなるかもしれない。

 

 『鋼の大地』からは天使、ゴドー、魔剣・斬撃皇帝あたりが収録。

 ブラックバレルが第五架空要素を自壊させる第五真説要素によって作られてるとか、六人姉妹はそれぞれ”本当の魔法使い”だったとかは『Notes.』からは読み取れないこれの独自情報。

 

 『月姫2』(the dark six(仮名))からはバルトメロイ、ミスター・ダウン、ブラックモア、メレムと四大悪魔の他、短編小説『Prelude』が収録されている。

 バルトメロイ、この時点では「時計塔創設時に現れた」っていう設定だったけど『事件簿マテ』では西暦1000年頃現れたことに変更されている。魔術協会の基礎設立が西暦元年で時計塔の設立が西暦500年なので言い訳のしようもない。

 どうでもいいけど「自分たちと対等と見る魔術師は第一魔法の具現者のみ」っていう設定、第一魔法のことがわかってきた今見るといやこれいくらなんでも自意識過剰すぎではみたいな感じになる。

 ダウンの「成体となった悪魔憑き」(=真性悪魔?)を祓った設定、なんかすごそうなこと言ってる雰囲気はわかるんだけど真性悪魔ってキアラしか実際に登場してない上にそのキアラの強さが真性悪魔よりむしろムーンセル由来なせいでいまいちよくわからない。

 

 アニメ版『stay night』からはモードレッドや干将莫耶オーバーエッジの設定が収録されている他、おまけとして子供時代の士郎・桜やベディヴィエール等のラフ絵もある。

 モードレッドの設定は現行の『Apocrypha』版とは別物で、完全に没設定と化しているので今となっては特に読む意味ないんだけど個人的には『Apocrypha』版よりこっちのほうが好き。

 

 『Zero』?からはロード・エルメロイⅡ世が収録……というかⅡ世はこれが初登場なんだけど、このあたりの流れ、後追いだとめちゃくちゃわかりづらい。

『キャラマテ』でII世初登場、おおまかな設定と冬木の聖杯戦争を解体したことが語られる

『Zero』1巻~3巻でウェイバー登場

『アーネンエルベ』で『Zero』から数年後のウェイバー登場、「日本で若き日の未熟さを晴らすのはもう少し後の話」とか聖杯戦争解体の前振り

『Zero』4巻でイスカンダルの残したTVゲームをするウェイバー

『Fake/states night』で大事に仕舞ってある朽ち果てた布を眺めるII世(いや『Fake』この時点ではまだ非公式作品だけど)

『ゼロマテ』でようやくウェイバー=エルメロイⅡ世と明言する。

 みたいな感じでめちゃくちゃ錯綜してる。

 設定がはっきり焚書と明言されているのは「彼の生徒になって王冠(グランド)の階位を得なかった魔術師はいない」だけだけど、「本人は大魔術師と宣言してはばからないが、魔術師としてはどうしようもないほど平均」あたりの設定もどう見ても変わってる。今のII世って大魔術師を自称するような性格じゃないし、明らかに平均以下だし。

 それに伴って階位のニュアンスも「平均的な魔術師だから階位も普通の四階級」から「魔術師としては雑魚だけど特殊技能がすごいから特殊な階位の祭位持ち」に変わった……というかなんとかギリギリ矛盾しないよう辻褄を合わせた感じがある。

 

 『旧Fate』からは旧セイバーと綾香が収録。

 冒頭のあらすじやバーサーカー戦で一度セイバーが黒化したエピソード、一部キャラの造形とかについて書かれている。

 なぜかライダーの真名がペルセウスじゃなくてテセウスになってたりするが、これはどうも『キャラマテ』の誤植とかでもなくマジで『旧Fate』の設定がそうだったっぽい。

 というか『stay night』のプロットですらテセウスのままなので製作中にテセウスペルセウスを間違えていたことに気づいた節がある。

 

 「出典/???」からはORTも収録。

 『キャラマテ』で出典が???になってるのはII世とORTだけ(正確にはII世が「???(未発表)」でORTが「???」)なんだけど、II世の出典がまぁ言わずもがななのに対してこっちは何を指していたのかちょっと謎。まさか『FGO』だったわけでもないだろうし……。単に『鋼の大地』用のキャラじゃないよって意味だけだろうか。

 「水星(?)のアルテミット・ワン」「地球の発したSOSサインを受け取る最強種ではない」は今見るとオールトの雲から来た彗星のアルテミット・ワンみたいなことが言いたかったんだろうとわかる。

 

竹箒日記 E 2006年8月4日~2006年8月20日

 竹箒日記 : 2006/08

 右腕の悪魔→右足の悪魔の誤字訂正とかパンダ師匠のミニエピソードとか。

 

 

氷室の天地 Fate/school life

氷室の天地 Fate/school life D 2006年11月25日~ 既刊13巻3000円

 『stay night』のサブキャラ、氷室鐘を主人公にしたパロディギャグマンガ。作者は磨伸映一郎

 『stay night』と同じ世界と見せかけて実際は「言峰が遠坂家の財産整理でstay nightよりも売りすぎた世界」……と見せかけて『Prototype』キャラがいたり明らかにそれ以前から分岐している。どうも『Fake』と同一世界っぽいが特に明言されていないのでよくわからない。

 『stay night』では明かされなかった裏設定的なものも出てきたりするが基本的にはどうでもいい設定(氷室の婚約者とか)なのでまぁ別に……。

植物魔術のひみつ D 2014年4月22日 1000円

 『氷室の天地』7巻のメロンブックス限定特典。

 ヴォイニッチ手稿の簡単な概要とその内容をフラットが解読した(らしい)こと、そこに描かれている植物を綾香が繁殖させていることが語られている。

 いやこの設定、マジで「だから何」としか言いようがないんだけど……。だから何?

 フラットがヴォイニッチ手稿解読した話は『Fake』にも出てくるので特にこれ買う意味はない。

Himuten material D 2017年3月2日 1000円

 『氷室の天地』10巻の限定版に付属した特典。用語辞典文章は磨伸映一郎、用語辞典監修は奈須きのこ三田誠

 でも基本的に『氷室の天地』世界と『stay night』世界で何がズレてるかの説明しかしないので面白みは特にない。

 玄木坂の赤ずきんなんかは『Fake』で回収されそうな気もするけど。 

Himuten material Ⅱ E 2020年8月24日 1000円

 『氷室の天地』13巻の限定版に付属した特典。用語辞典執筆は磨伸映一郎、氷室の天地最強偉人bot

 内容的には「『Fate』関連作品に登場するサーヴァントに影響を及ぼすものではない」と注意書きに明言されているので特に読む意味はないけど一応TYPE-MOON監修自体はかかっているらしい。

 

 Fate/Grand Order × 氷室の天地 〜7人の最強偉人篇〜 E 2017年12月31日

 2017年の末特番で放送された『FGO』とのコラボアニメ。

 氷室(ブルーマー)・蒔寺(石川啄木)・三枝の疑似サーヴァントが登場する。いやさすがにこれの設定はちょっと信じられないんだけど……。

 あとは黎利を始めとする「7人の最強偉人」も登場するけど、こちらは作中作みたいなものなのでまぁ普通に無視してもいいだろう。

 

 

Fate/Zero

Fate/Zero C 2006年12月29日~2007年12月29日 全4巻300円

 『Fate/stay night』の前日談。作者は虚淵玄

 前日譚と言ったが厳密にはパラレル(「『stay night』と条件は同じだけど微妙に違う世界」)らしい。

 具体的に何が違う扱いなのかはよくわからない。多分『stay night』との矛盾を解消するためのパラレル扱いなんだと思うんだけど、基本的に型月作品って各作品がリンクしてるように見えて全部厳密にはパラレルって感じなので考えるだけ無駄かもしれない。

 

 パラレル云々は抜きにしても、話はともかく設定上の面白みは特にない。きのこしか知らない裏設定が整理されて外伝作家に共有されてからは非きのこ外伝にも後々使いそうなネタ小出しにしていく楽しさが出てくるんだけど、この時点ではまだそういうの全然ないからな……。

 

 強いて言うならTYPE-MOON世界にクトゥルフ神話が初めて導入されたのがこの作品ではある。

 いやまぁこの作品の螺湮城教本や大海魔が現行のクトゥルフ神話設定とどうつながってるかってまったくわからないんだけど。

 きのこ虚淵対談で虚淵が「タコっぽい怪物ってだけで、別にクトゥルーとは言ってないしね」って言ってるから少なくともこの時点では大海魔=クトゥルーって想定で書かれてたと思うんだけど、今はそんなことないだろうし……。かといってジルがクトゥルフと関係ない扱いなのかって言ったら明らかにあるように描かれてる……。

material/Zero D 2006年12月29日 500円

 『Zero』1巻とセット販売された小冊子。

 『ゼロマテ』のプレ版的な内容で1巻登場キャラのラフ絵ときのこ・虚淵・社長コメントが収録されている。

 ラフだけなら『ゼロマテ』の下位互換だけどコメント部分は別物(そもそも『ゼロマテ』のコメントにきのこいないし)なので買ってもいい。

 一応きのこの「ユスティーツァ後期型のホムンクルスはアイリの状態から色々手を加えられてリズみたいなL型とセラみたいなS型に別れている(と夢があっていい)」なんかは独自設定と言えなくもない。

ALL OVER/Zero D 2007年12月29日 2000円

 『Zero』4巻とセット販売された公式同人誌。

 「うろぶち、きのこのFate/Zero一問一答」が収録……されてるんだけど、ほぼメタ視点での話に終始して劇中の裏話や裏設定とかの話全然しないのでアニメ円盤なんかの一問一答に比べるとあんま面白くない。

 強いて言うなら騎士は徒手にて死せずの武器認定はランスロットの認識依存とかそんくらいかな……。

 どうでもいいけど奈良原一鉄のコラム(魔剣エクスカリバー)は好き。

 

Fate/Zero 1stシーズン D 2011年10月1日~2011年12月24日 6000円

 『Zero』のアニメ1クール目。

 原作からの改変シーンはそれなりにあるはずだけど基本的に小説からアニメに媒体を変えるための変更がメインなので設定的に面白いシーンとかは特にない。

 一応回想にフィン・マックールやグラニアとか出てくるけどこのデザインってまだ生きてるのかな……。『FGO』版フィンと違いすぎてなかったことになってる気しかしないんだけど。

 

 BD BOXの特典には小冊子(虚淵インタビュー等収録)とドラマCD(タイトルなし)、『お願い!アインツベルン相談室』その1〜3が付属。

 虚淵インタビューは「登場人物の名前は全てきのこに決めてもらいたかったので1巻執筆中はキャラ名の代わりに@4とかの記号入れて書いてた」ってエピソードが意味わかんなくてちょっと面白い。

Fate/Zero ドラマCD I D 2012年3月7日

 アニメ版『Zero』のBD Box Iに付属する特典ドラマCD。脚本は虚淵玄

 切嗣とアイリが出会ってから子供作るまでを描いた過去編。

 ユーブスタクハイトがめっちゃ喋ってお前そんなキャラだったんかって感じになる。

 あとこれ、単純に話として面白いんだよな……強いて言うなら『stay night』本編にイリヤルート存在した上でこの話があってくれたら完璧だったのになぁとは思うんだけど。

お願い!アインツベルン相談室 その1~その3 C 2012年3月7日

 アニメ版『Zero』のBD Box Iに付属する特典アニメ。脚本は奈須きのこ

 『Zero』からのファンに向けて作られた虚淵ドラマCDとは違って『stay night』からのファン向けに作られた作品で、アイリと弟子ゼロ号(ぜっちゃん)が聖杯戦争の基本設定を解説をしつつ脱落したサーヴァントの相談を聞いて昇天させる内容。

 その1~その3だと聖杯戦争の成り立ち、魔術とは何か、聖杯とは何かっていう解説とザイード(百の貌のハサン)の昇天とか。

 「簡単に言って大昔から伝わっている学問で、物質的、消費的な文明とは真逆の技術系統」っていう魔術の説明、今見るとたしかに魔術とは何かが簡潔にまとまっているように見える。

 あとザイードになんか暗殺王が云々とか変なキャラが付いてるけどこれ以降拾われてるところを見た覚えがないというか、そもそもザイード出てこない。

 

Fate/Zero 2ndシーズン E 2012年4月7日~2012年6月23日 6000円

 『Zero』のアニメ2クール目。

 こっちもまぁアニメ自体には特に設定的な見所はない。

 BD BOXの特典には1巻と同じく小冊子(虚淵インタビュー等収録)とドラマCD(タイトルなし)、『お願い!アインツベルン相談室』その4〜6が付属する。

Fate/Zero ドラマCD II D 2012年9月19日

 アニメ版『Zero』のBD Box IIに付属する特典ドラマCD。脚本は虚淵玄

 「切嗣ってなんであんなデタラメ魔術修練法を士郎に教えてたの?」に対するアンサー編的な後日談。

 士郎の「トーレス・オン」って詠唱の由来や大河が教員免許取った理由にも触れてるし『Zero』の後日譚というか『stay night』の前日譚な気もする。

 話が『stay night』の方に食い込みすぎてるせいで聞いてて「これ、公式設定なのか……? きのこがここらへんの話やりたくなった時になかったことになったりしない……?」みたいな気分にならなくもない。

お願い!アインツベルン相談室 その4~その6 C 2012年9月19日

 アニメ版『Zero』のBD Box IIに付属する特典アニメ。脚本は奈須きのこ

 きのこ曰く「自分なりに『Zero』と『stay night』をつなげてみた」という話で、タイガー道場のオリジンストーリーになっている。

 内容的には宝具のランクと種別、クラススキルと固有スキルの解説にジル、ディルムッド、ランスロットの昇天とか。

 セイバーの甲冑が魔力で編まれてるって話は本編にもちょくちょく出てくるけど、魔力放出の効果って説明はこれくらいでしか見たことない。多分V-MAXに鎧を纏わせた描写の辻褄合わせるために作った追加設定とかだと思うんだけど。

 

TYPE-MOON PHANTASM 2008 D 2008年2月9日 300円

 コンプティーク2008年3月号付属の小冊子。20000文字超えのきのこ・虚淵対談が収録。

 内容的には「(セイバーがイリヤを忘れていた辻褄合わせとして)セイバーはカムランの丘に戻った時多少記憶を取りこぼしているのかもしれない」「Ⅱ世の自分自身は一流にはなれないけど他人を超一流に育てる才能はあるという設定は虚淵からもらったアイディア」「モータード・キュイラッシェは虚淵自身強引な解釈の極みだと思ってたしきのこも最初は渋ってたけど読んでみたら全く自然流れだったから通した」「『stay night』時に考えていた第四次聖杯戦争では未遠川でエクスカリバーを食らった鯖はドラゴンライダーイスカンダルはエクストラクラスの予定だった」「クトゥルー神話に通じる穴を開けちゃうと途端にきのこワールドが崩れかねないからクトゥルーを出すかは迷った」とか色々。

 「虚淵からアイディアをもらった」って言い方になるあたりエルメロイⅡ世ってあくまできのこの持ちキャラって分類らしくて不思議なポジション。

 クトゥルー神話に通じる穴、今じゃもう完全に開ききってるわけだけど、10年くらいの時間差とか『FGO』設定と『Zero』設定のつながらなさとか考えると『Zero』がきっかけで開いてるかどうかは微妙。

 

Fate/Zero material C 2008年8月8日 500円

 『Zero』の設定資料集。テキスト・監修は虚淵玄奈須きのこ

 虚淵・社長コメント付きのキャラシートにサーヴァントのステータス、ラフ絵等各種イラスト、用語辞典なんかが収録されたスタンダードなマテリアル本。

 あくまで個人的な感覚なんだけど、『ゼロマテ』『アポマテ』あたりって書いてある内容がその作品固有の設定だけって感じで他作品への前振りとかがないのが読んでてつまんないんだよな。まぁ仕方ないんだけども……。

 他作品に関連する設定だときのこ虚淵対談に「円卓にはカリバー抜きだとアルトリアより強い騎士が結構いる」「ペルセウスは『hollow』後にはちゃんと人間的に成長してる」とかがある。

 

Fate/Zero アニメビジュアルガイド I A 2012年3月26日 500円

 アニメ版『Zero』の1クール目の内容を収録したムック。

 誌上コメンタリー(1~6話は虚淵玄鋼屋ジン東出祐一郎。7話~13話は鋼屋ジン東出祐一郎、きのこ、三田誠成田良悟)と虚淵あおきえい対談あたりがメインコンテンツ。

 わりとどうでもいい本だと思ってたけど改めて読むと「アルトリアとディルムッドの緒戦ではアルトリア有利」「時臣ならケイネスに太刀打ちできる」「ケイネスのMPを3000とするとウェイバーはMP5」「イスカンダルの軍勢は武力的にはイスカンダルより強いやつがちょくちょくいる」「第四次凛の「理解度」は第五次士郎と同じくらい」とか結構なボリューム感がある。

 

Fate/Zero アニメビジュアルガイド II B 2012年11月6日 1000円

 アニメ版『Zero』の2クール目の内容を収録したムック。

 誌上コメンタリー前半(きのこ、東出祐一郎三田誠星空めてお)が見所。

 内容的には「風王結界カリバーの威力を80~90とすると黄金カリバーは1000」「衛宮矩賢の設定はきのこ完全ノータッチ」「令呪と魔術回路がいっぱい合ってマルチタスク向けの精神構造の持ち主なら鯖3体くらい同時契約できる」「『Zero』は『まほよ』と同時代くらいでこの頃のアルバと橙子は面識1回ぐらい」とか?

 あとなんか魔術刻印持ちの時臣や矩賢があっさりやられることに対する言い訳をめっちゃしている。「時臣と違って青子がめちゃくちゃタフだったのは青子が天才だから」はなんか「天才のように思われているがあんまり使い勝手の良くないチャンネルが1つあるだけでその他は平均的な魔術師」設定と矛盾してるような気もするが……。

 後半は虚淵もきのこも消えて設定の答え合わせできる人間がいなくなった結果なんか普通に感想言ってるだけになるのでつまらない。強いて言うなら「臓硯が町内会長やってる設定は磨伸映一郎が出したアイディアがいつのまにか公式設定になってたもの」くらいか。

 

Fate/stay night[Realta Nua]ORIGINAL SOUNDTRACK E 2007年4月25日 1000円

 『Zero』4巻の発売に先駆けジャケット絵にランスロットの素顔が登場。(ただし鼻から下のみ)

 まぁそれだけなんだけど……。

 強いて他に言うなら『コンマテ3』とかに載ってるフルサイズ版ではアルトリアの背後にいるなんか前髪をセンターで分けてる円卓の顔が見れる。

 こいつ多分もう二度と出てこないと思うんだけど、万が一これから実際に登場したときに「あ!こいつは『レアルタ』のサントラでアルトリアの背後にいた前髪センター分けの円卓!」とかなれたらちょっと楽しいと思うので顔見ておくのもいいかも知れない。

 

竹箒日記 D 2011年11月11日~2012年10月3日

 竹箒日記 : 2011/11

 アニメ版『Zero』の解説。

 「ジャンヌには異端裁判から処刑までの間あらゆる陵辱が行われ、彼女から尊厳も奇跡を奪いつくしたと言われている」って話が出てくるんだけど、これ史実ではそうらしいよって話をしてるだけなのか、型月世界でもそうだよって話をしてるのか、あるいは当時はそのつもりだったけど今はなかったことになったりしてるのかよくわからない。

 というかこれが今後解説されることはないような気もする。

 竹箒日記 : 2012/10

 『お願い!アインツベルン相談室』の裏話。

 「自分なりに『Zero』を『stay night』に繋げてみた」「大聖杯の中において時間軸はすべて等価なので作中は第三次聖杯戦争直後」とランスロットについての解説とか。

 

 

ALL AROUND TYPE-MOON -アーネンエルベの一日-

ドラマCD ALL AROUND TYPE-MOON -アーネンエルベの一日- B 2007年8月31日 300円

 TYPE-MOON初の(まっとうな)クロスオーバーものかつTYPE-MOON初のドラマCD。脚本は奈須きのこ

 喫茶店アーネンエルベで式、アルクェイド、セイバーが会話する内容。

 「ぶっちゃけ神様」扱いされた式が「オレのなんてかわいいもん、アルクェイドの空想具現化は制限なしだから」って返すセリフがあって、どうも根源接続者の改変能力には制限があるらしい。

 あと冠位鯖が出てから話題に出るようになった「死徒二十七祖は吸血鬼の冠位(タイトル)」って設定も多分初出はこれのブックレットのはず。翌年稼働の『メルブラAA』ワラキアシナリオでも出てくるけど。(二十七祖を「冠位(グランド)」って書いてる設定は見たことないので型月wikiに「吸血鬼における冠位(グランド)」って書いてあるのは飛ばしな気がする)

 ネコ二十七キャットもこれが初登場だと思うけどさすがにこれはどうでもいいな……。

 

竹箒日記 E 2007年9月1日

 竹箒日記 : 2007/09

 『アーネンエルベ』の裏話が収録された日記。

 当時のきのこには「主人公はプレイヤーの分身なので内容に干渉できないドラマCDに出すべきではない」っていう信念があったらしい。

 

 

フェイト/タイガーころしあむ

フェイト/タイガーころしあむ D 2007年9月13日 1000円

 『stay night』の番外編的アクションゲーム。

 シナリオライター奈須きのこ磨伸映一郎、タスクオーナ、春野友矢、ハラオ、北側寒囲、佐野晋一郎の7人で奈須きのこがシナリオ監修兼任……とスタッフロールには書いてあるんだけど、なんか北側寒囲と佐野晋一郎がいないことになっているような……。

 まぁどっちにしろライターの過半数が同人漫画家なのは確かなのでゲーム全体のノリは「なぜかゲーム化された公式アンソロ集」みたいな印象が強い。

 プレイアブルキャラクターは大河、セイバー、セイバーオルタ、凛、桜、黒桜、イリヤ、ライダー、キャスター、バゼット、カレン、士郎、アーチャー、ランサー、ギルガメッシュ、アサシン、言峰、バーサーカー、慎二、葛木、真アサシンの全21人で、その内きのこ担当は大河シナリオ。

 ギャグシナリオなんだけど「宇宙の収縮は誰にも止められない。秩序は新たな秩序によってではなく、秩序内に組み込まれた要素によって壊乱する。それがおまえたち人類だ」なんかは今見ると意味ありげに見えなくもない……ような……。

タイガーころしあむ 設定資料集 E 2007年9月13日

 タイガーころしあむの限定版に付属する設定資料集。

 キャラや背景の設定資料の他、開発プロデューサーと武内社長の一問一答が収録されているけど特に面白い話とかはない。

 

フェイト/タイガーころしあむ アッパー B 2008年8月28日 1000円

 フェイト/タイガーころしあむの続編。

 シナリオライター奈須きのこつくりものじ磨伸映一郎、タスクオーナ、春野友矢、ハラオ、ホネ、武梨えり(協力:一迅社)の8人で奈須きのこはシナリオ監修兼任。

 プレイアブルキャラクターは前作の登場キャラから真アサシンを除いた20名に新キャラ8名を加えた全28名だけど、ストーリーモードがあるのはセイバーライオン、凛、桜、イリヤ、アヴェンジャー、切嗣、アイリ、ネコアルクカレイドルビー、ファンタズムーン、マジカルアンバー、マジカルカレン、大河の13名のみ。その内きのこ担当はマジカルカレンシナリオ。

 

 マジカルカレンシナリオは「貴方も時間を跳躍してきた、という事?」「どっちかっつーと並行世界? ま、どっちも空間操作には変わんないし」ってやりとりが今読むと『まほよ』の「時間旅行の概念は既に第二魔法に含まれている」と同じことを言っているように見える。

 いや『まほよ』発売以前にこのセリフを根拠として第五魔法は時間旅行じゃない説を主張してる人がいたら相当おかしな人に見えると思うけど……。

 あとそこそこ貴重なきのこ版四次切嗣も登場する。なんかアメリカンな軽口叩きながら戦う感じのスタイルで虚淵切嗣とは結構別キャラに見える(単純に作品のノリが違うっていうのはあるだろうけど)。

 ちょっと変わった所だとこれのカレイドルビーの喋り方(なのだわ口調)がエレシュキガルの元ネタなのとかもある。”凛がおかしくなった時の部分”がエレシュキガルには反映されているということらしい。

タイガーころしあむ 設定資料集 D 2008年8月28日

 タイガーころしあむアッパーの限定版に付属する設定資料集。

 キャラや背景の設定資料の他、開発プロデューサー2人とヒライユキオの対談やTYPE-MOONスタッフのコメントが収録されている。

 まぁこれもわりとどうでもいいんだけど、強いて言うなら「『タイころアッパー』のシナリオ構成やキャラ解放順はきのこが決めている」「ネコアルクのサイズはきのこに確認した上で決めた公式設定」とか。

 

フェイト/タイころころしあむ E 2007年12月31日 200円

 『タイころ』無印のライター4人が発行した合同誌。

 ライターの担当キャラが少し明かされていて、春野友矢がキャスターとカレン他5キャラ、タスクオーナが桜とアーチャーとハサンと黒桜と言峰の5キャラ、磨伸映一郎が凛とライダー+α? ちなみにハラオの担当は本人のブログによるとセイバーオルタと士郎の2人らしい。

 これのシナリオ会議レポ漫画を見ても北側寒囲と佐野晋一郎が参加してる気配がないんだけど、いないのか……? わからん……。

 

竹箒日記 D 2008年9月1日

 竹箒日記 : 2008/09

 『タイころ』裏話。

 「きのこ担当シナリオは無印もアッパーも話のタイトルを(基本)SF小説の題名からいただいたヤツ」ということで、つまり無印は大河シナリオ、アッパーはマジカルカレンシナリオらしい。

 

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ EX 2007年9月26日~ 既刊17巻4000円

 魔法少女プリズマイリヤを主人公にしたスピンオフ。作者はひろやまひろし

 うーん……いやなんだろうこれ……。

 漫画としての出来はともかくとして「『プリヤ』の設定が原作に反映されることはあり得ない」と作者から明言されているので資料的な価値はゼロ。

 

 ……だと昔は言い切れたんだけど、『FGO』に『プリヤ』キャラが出たりセイレムに置換魔術って単語が出たりしてる今はどうだろう……よくわからない。

『Fake』で成田きのこ間に「『プリヤ』の設定って使っていいの?」「あれには手を出すな」ってってやりとりがあったとか、『事件簿』で『プリヤ』設定紛れ込まないようにきっちり洗い直したって話はあったので少なくとも『FGO』以前はここらへんかなりきっちり分けられてたはずなんだけど……。

 

 『FGO』でのイベント種別がコラボイベントになってたあたりいまだに他の『Fate』とは扱いが別になっている……ように見えなくもない。

 『FGO』のクロスオーバーイベントはどうも『Fate/◯◯』が「スペシャルイベント」、『空の境界』みたいな非『Fate』が「コラボイベント」と区別されているっぽいので、その上でコラボイベント扱いされてるということは『Fate』シリーズ外の扱いなんだろうという。

 いやまぁこれ明らかに『Fate』系列作品として作られてる『事件簿』がタイトルに『Fate』ってついてないだけでコラボ扱いされてるくらいの適当な基準なんだけど、逆にタイトルに『Fate』ついてる『プリヤ』がそれくらい適当な基準ですらコラボ扱いされることに意味が見出せなくもない。

 なので個人的には「『プリヤ』に出てくる設定≠公式設定」「『プリヤ』から『FGO』に輸入された設定=公式設定」で「『FGO』のプリヤはグラブルでいうアイマスキャラみたいな所謂ソシャゲのコラボキャラ」って考えなんだけど、こういうの人によって感覚が違って「『プリヤ』コラボやったから『プリヤ』に出てくる設定は全部公式」「置換魔術出てきたから『プリヤ』に出てくる設定は全部公式」みたいな人もいるだろうし。

 よくわからないのでこのあたり今どうなってるのかきちんとどこかで教えてほしい。

 まぁ仮に公式作品化してたとしても妙に凛と距離が近いゼルレッチとか何故かゼルレッチの配下AみたいになってるエルメロイII世とかはパージされると思うので、「非公式作品の中に公式設定も混ざってる」が「公式作品の中に非公式設定も混ざってる」になるだけであまり変わらないような気もするけど……。

 

 

Fate/strange Fake

Fake/states night EX 2008年4月1日

 成田良悟のホームページで発表されたエイプリルフール企画。

 本編は公開終了しているがシステム説明は今でも読める。

 

 主人公の契約可能サーヴァントの名前とか出てるが、『hollow』ですでに登場していたペルセウス、イアソン、スカサハはともかくヒュドラ、スキュレー、董白はどうだろう。公式化後に一度も触れられてないし没設定みたいなもんだとは思うけど。

 

Fate/strange fake D 2009年2月21日 100円

 TYPE-MOONエースVol.2の付録。

 『Fake/states night』を公式小説化したもの。

 内容的には99%くらい電撃文庫版に再録されてるので今となっては別に買わなくていいっちゃいいんだけど、個人的にはプロローグとしてのワクワク感はアヤカが主人公の電撃文庫版よりプレイヤーが主人公のこっちの方が上だと思う。

 あとは成田良悟のあとがきがついていて今後の構想として「全マスター生存ルート」「アサシン子ルート」「ギルガメッシュVSエルキドゥ決戦ルート」などがあるとか。なんとなく『Fake』の3人の主人公、アヤカとシグマとティーネにそれぞれ対応しているように見えなくもない。(マスター1人死んだ時点で完全に崩壊する予想だ。6巻時点ではまだギリギリセーフかな……?)

 

Fate/strange Fake A 2015年1月10日~ 既刊6巻2000円

 『stay night』から数年後を舞台にした作品。

 正確には「『stay night』と同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界」。『月姫』世界と『Fate』世界両方の要素を持っていて『Fate』世界なのになんか死徒二十七祖がいる世界。あとなんか『氷室の天地』と同じっぽい世界。

 TMA版(エイプリルフール版)との違いは主人公の設定で、「セイバーの役割を補完する存在。5つの令呪を持ち1画消費するごとに複数の英霊から1体使い捨てで召喚できる。詳しい設定はプレイヤーがキャラメイクで決める」だったのがアヤカ・サジョウという個人に変更されて元はいなかったセイバーも追加されている。

 

 設定的には2巻が「英霊は人類史を肯定するもの、死徒は人類史を否定するもの」の初出。

 この後『Labyrinth』で「人理が脈動して英霊召喚可能な『Fate』世界では死徒は力を失う」って設定が出て、『路地裏ナイトメア』の用語辞典で『Fate』世界では二十七祖がいないことが明かされ、竹箒の巌窟王ドラマCD解説で『Fate』世界と『月姫』世界の違いが明言されるという流れでめちゃくちゃ小出しにされてる。

 ここではっきり「死徒は人類史を否定するもの」って言ってるのに竹箒で「『月姫』世界の下地は『人類史を■■するもの』」って言い方してるのはちょっと不思議なんだけど、本当は否定じゃない別の単語が入るのかそれともなんの意味もなく伏せられてるだけなのかわからない。

 『FGO』のオリュンポスで出てきた「ORTはアラヤが安定した世界では眠りにつきガイアが出現する世界では蠢動する」って話もこれ系列だと思うけど、人理が脈動=アラヤ安定はともかくなんで人理が弱まるとガイアが出現するのかはよくわからない。

 

 セリフきのこ完全監修でゼルレッチやヴァン=フェムが登場するのも嬉しい。

 あとは聖典トライテンは「世界の縮図」でそれを手に入れると世界を暴けるらしい、とかも初出。これ世界のテクスチャ剥がす機能があるってことかな。

 

Fate/strange Fake(漫画版) C 2015年1月10日~ 既刊4巻1500円

 『Fake』のコミカライズ版。

 内容的には特に改変とかなく原作にそのまま絵をつけてる感じなんだけど、十字軍で2回目にやってきた死徒がメレム(右足の悪魔)だったりウォッチャーのビジュアルがめちゃくちゃデカい白い鯨だったりとか初出情報もある。

 いや前者は正直公式設定なのか若干疑問なんだけど……成田インタビューで「ネロ・カオスが十字軍と遭遇していたというのはきのこから送られてきた教会年表から持ってきたネタ」としか言ってないのにメレムも十字軍に行ってたらおかしくない……? 「ネロとメレムが十字軍と~」って言えよって感じがある。

 あとはウォッチャーの影法師鯖で色んな英霊のビジュアルとかも出てるけど、これは本来の英霊としての姿とは別って設定(だからアスクレピオスの見た目とか別物)らしいのであんま気にしなくてもいい。

 

TYPE-MOONエース A 2009年8月21日~2017年8月30日 5冊1500円

 Vol.3(2009年8月21日)成田良悟のコラムで『Fake』のアサシンの身体能力はPrototype(『Fate/Prototype』ではなく洋ゲー)の主人公・アレックスくらいというきのこ公認設定(ただしきのこは具体的にどういうイメージなのかちゃんと把握してない)。

 Vol.4(2009年12月24日)成田良悟コラムで「『Fake』はプロローグ登場鯖の他にあと6人出る予定」って言っててあれ別に文庫版作るにあたって追加した後付じゃなかったんだなぁってなる。

 Vol.9(2014年1月30日)成田・東出・桜井対談で「ジャックはバーサーカーで召喚すると『Fake』版、アサシンで召喚すると『Apocrypha』版が出てくる」、きのこが表に出してない設定で「第一魔法と第四魔法はもう考えてある」「■■■■■が今どうしてるかっていうと■■■■■■」「魔術師たちの根源はやっぱり■■■■■」「■っていうのは■■■■」「■■■■の扱いは■■■■■■」とか。今見ても察しがつくの「魔術師たちの根源はやっぱりソロモン王」くらいしかないな……。

 Vol.10(2015年7月1日)成田良悟インタビューで「ネロが十字軍と遭遇した話はきのこからもらった協会年表・魔術協会設定資料が元ネタ」「ジェスターに人間の宝具は効かない、ギルガメッシュ死徒をよく知らないとかはきのこ設定」「きのこに同じ聖杯戦争で同じ宝具を使うのはあり?って確認したらOKだった」「ゼルレッチのセリフはきのこ監修」、あと巻末の成田コラムに「アルケイデスやペイルライダーもチートに見えるが五次某鯖や某鯖と戦うと相性で手も足も出ずにやられる」とか色々。

 Vol.11(2016年4月19日)成田良悟インタビューで「ウォッチャーの真名は●●●・●●●●」「型月世界におけるエーゲ文明には秘密がある」とか。エーゲ文明の秘密が「オリュンポス十二神はロボ」なの、まぁ言われなければ絶対にわからない。

 Vol.12(2017年8月30日)成田良悟インタビューで「『Fake』は長くても10巻あれば収まる(多分)」「イアソンのセリフの所有物ってワードは監修の東出が追加したもの」「真アーチャーは最初ヘラクレス予定だったがアルケイデスに変えたのはファンがきのこヘラクレスに期待しているだろうから」「シグマの登場シーンが幕間なのには理由があるがネタバレ」とか。

 

竹箒日記 C 2017年4月15日

 竹箒日記 : 2017/04

 『Fake』の世界線解説がある日記。

 英霊が主役の『Fate』世界、死徒が主題の『月姫』世界に対して『Fake』世界は「どっちもあり」「どっちとも言えない「『FGO』みたいな世界」」であるらしい。

 

 

Fate/unlimited codes

Fate/unlimited codes EX 2008年6月11日

 『stay night』の格ゲー。シナリオは奈須きのこ

 プレイアブルキャラクターは初期が士郎、凛、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーギルガメッシュの全10人。その後隠しキャラクターとして言峰、桜、ルヴィアが段階的に追加され全13人になった。

 シナリオは基本的には選択したキャラクターが聖杯戦争で勝利するまでを描く内容なんだけど、まぁ話はあくまで格ゲーの添え物って感じで結構どうでもいい。

 ライダーが自己封印・暗黒神殿と他者封印・鮮血神殿を使って敗北したサーヴァントの魂を溜め込んで桜の聖杯化を防いだり、ランサーがルルブレで言峰との契約を解除して言峰を殺したりするギミックは面白いけど。

 Fate/unlimited codesPS2版) C 2008年12月18日 1500円

 『アンコ』のPS2移植版。

 プレイアブルキャラクターはアーケード版の13人にバゼット、セイバーオルタ、リーゼリット、『Zero』ランサー(ディルムッド)が追加され全17人になっているがこの内ディルムッドにはシナリオがない。

 こっちの追加シナリオもまぁ内容はわりとどうでもいい感じなんだけど、技名に関しては「卑王鉄槌」「約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)」の初出だったりフラガラックの第2機能っぽい「斬り抉る戦神の大剣(トゥール・フラガラック)」があったりするのがちょっと面白い。

 

TYPE-MOONエース Vol.2 E 2009年2月21日 300円

 『アンコ』制作秘話対談でアーチャーエンドの大人遠坂凛と天の杯イリヤの背面設定画が掲載されている。

 

 

まほうつかいの箱

まほうつかいの箱 EX 2009年4月20日~2014年4月30日

 TYPE-MOONガラケー専用情報サイト。今はもうない。

 これ、一度も見たことないので内容が全くわからない。一応ここで発表された小説や4コマ漫画は書籍に収録されてるおかげで今でも読めるし、シリアス設定に触れてる部分はドラマCD聞くだけで回収できるから別にいいんだけど。

 

まほうつかいの箱 〜狙われたアーネンエルベ〜 B 2010年12月29日 300円

 『まほ箱』初のドラマCD。脚本:OKSG、監修:奈須きのこ

 設定的な見所はきのこ完全監修で書かれたボーナストラック収録のケータイさん(コーバック・アルカトラス)とアルクェイドの会話。

 なんか思わせぶりすぎて意味がよくわからないんだけど、コーバックがアルクェイドに恨まれるようなことをしたとかなんとか。

 コーバック、『月姫』用語辞典だと「迷宮作ったら閉じ込められて出られなくなった」みたいな雰囲気だったけど、実際は本人が出る必要ないと思ってる上にもしも出たらアルクェイドに殺される感じらしい。

 確かに『歌月十夜』デイリーメッセージや用語辞典見ても「出れなくなった」「脱出できなくなった」って書いてあるだけで「閉じ込められた」とは書いてない。

 

まほうつかいの箱 スターリット・マーマレード B 2012年9月26日〜2013年6月26日 2巻2000円

 『まほ箱』のシリアス展開を担当するドラマCD。脚本:OKSG、監修:奈須きのこ

 ひびきと千鍵の出会いのエピソードが「狙われたアーネンエルベ」に出てきたものと少し変わってたり、スナオに転校生設定が追加されてたり、キャラデザの頭身が上がってたりしててリブートみたいな感じもある。

 設定的な見所はコーバック・アルトラカスというか聖典トライテンの設定が深掘りされているあたりなんだけど、2巻までだと魔術と神への信仰を融合させたもので唯一の成功例みたいな奴ってことくらいしかわからない。

 これからだんだん明かされていくはずだったんだろうと思うけど、もう6年以上放置されてるので続きが出るかどうか……。

 止まっている理由が『月姫リメイク』との連携の都合だったりするならリメイクさえ出ればワンチャンあるかもしれない。逆にリメイク関係ないならもう無理でしょこれ……。

Trail of the Starlit Marmalade D 2012年9月26日~2013年6月26日 2巻15000円

 『スタママ』初回特典として付属した小冊子。

 内容的には武内社長の設定画に社長と脚本のOKSGがちょっとしたコメントをつけてるいつものマテリアル系アイテムって感じ。

 Vol1についてはまぁそれでいいんだけど、Vol2がなんかめちゃくちゃ高くて15000円くらいする。いやマジでなんか意味分かんないくらい高いんだよな……マジでなんでこんなに高いんだろうこれ。別にそんな大した内容書いてないと思うんだけど……。

 あとこれの問題はやたら高い割に『スタママ』が完結してマテリアル系の本が出た時に多分内容再録されるだろうなぁって所にもあるんだけど、まぁこれは完結する予兆が一切ない今考えてもな……。

 

まほうつかいの箱アラカルト C 2013年12月29日 500円

 『まほ箱』の短編3つが収録されたドラマCD。

 重要そうなのは『スタママ』の外伝「花咲く乙女よ穴を掘れ」。

 ひびきのお祖父ちゃんがゼルレッチっぽいことがわかる(前からアルクェイドの「爺さん元気?」とかで前振りされてたしこの作品でもまだ明言はされてないけど)。

 

ひびちか完全攻略本 C 2010年8月13日 300円

 『まほ箱』の小事典を収録した小冊子。テキストはOKSG。

 ゼルレッチが世界に3つ作った特異点「魔法使いの匣」やら神の教えと魔術を融合させようとしていた組織「パララララ機関」やらについての前振りとか。

 魔法使いの匣の設定は「狙われたアーネンエルベ」でも触れてたけど世界に3ヶ所って設定は多分これだけ。

 

Tmitter

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Tmitter B 2010年4月1日

 TYPE-MOONキャラクターがTwitterで呟くエイプリールフール企画。

 きのこ担当は「士郎」「バゼット」「琥珀」「アーチャー」「凛」の5キャラ(士郎のみ中盤他のスタッフに委譲)で、他に「セイバー」担当、「薪寺」担当、「慎二」担当、「シオン」「ライダー」担当の4人いたらしい。 

 10th Anniversary Phantasmに収録されている。

 

 バゼットが『hollow』後に協会から足を洗っているっていう設定ここでしか出てない気がするけど、それだと『月姫2』につながらないのでなんだかんだで復帰する……のか? 『月姫』世界と『Fate』世界が分離した今となっては別に『hollow』と『月姫2』つながらなくても別に困らないといえば困らないけど……。

 あとバゼットが「ミリョーネカリオン」って名前出してるけどこれ『コンマテ3』の「ミリョネカリオン」とも『事件簿マテ』の「ミリューネカリオン」とも表記が違って何が正しいのか全くわからない。

 

Tmitter2015 EX 2015年4月1日

 エイプリルフール企画のTmitter第2弾。

 中の人はきのこを始めとするTYPE-MOONスタッフの他に東出祐一郎桜井光成田良悟三田誠虚淵玄、経験値の外部作家が参加している。

 内容的にはネロの「ライバルはやはりキアラと○○○○か……」「ん、○○○○って誰? かだと? ふふふ……それは一年ぐらい待つがよい」ってセリフで『EXTELLA』とアルテラに触れたり清姫のデザインが『FGO』に先駆けて出てきたりする後の展開への前フリ、アストルフォが「本来魔獣しか扱えないスキル『怪力』を『理性蒸発』の影響でリミッター外して発動させているから、本人にもダメージ受けちゃうんだよね」ってセリフで設定の矛盾にフォローとか色々。

 

 10th Anniversary Phantasmに載っている2010年版と違ってこちらは特にムックへの収録とかされていないけどまぁTogetterとか残っているので読めるといえば読める。

 一応この記事は現状入手不可の奴はランクEXみたいなルールで書いてるつもりなのでランクEXにしてるけど、ちゃんとランクを付けるなら……Cとか……?(A++とかEならともかくC~Aあたり自分でつけててすらランクの基準がよくわからない。そもそもこれ、「最強リセマラランキング」って言いたかっただけでランキングでもなんでもないし……)

 

 

Fate/EXTRA

Fate/EXTRA A 2010年7月22日 1000円

 1970年に起きたある儀式によって『stay night』から分岐した世界で2030年を舞台にしたRPG。70年代から分岐したって説明はされているんだけどどう考えてもそのずっと前のムーンセル設置時点で分岐しているとしか思えない。

 

 シナリオは奈須きのこ、藤田基樹、田中国光……ということにスタッフロールではなっているけど、きのこによって書き直されているせいできのこ以外の執筆分が残っているのかどうか。

 基本的にはきのこシナリオのゲームとされていて、まぁそれ自体は正しいと思うんだけど、「月で発見された太陽系最古の物体ムーンセル」とか電脳世界を舞台にするとかの基幹のアイディアは新納一哉の物、プロットもきのこ製じゃない(元々のきのこの役割はサーヴァント設定の制作とサーヴァントの最期のシーン執筆)、サーヴァントとして誰を起用するかとかも新納一哉が決めてるし、きのこがシナリオとして参加した後の仕事内容もきのこ曰く「すでにできてる映像に合わせてセリフを作るような感じ」だったらしいので、実質的にはテキストライター。きのこ作品というよりは新納一哉作品という感じがある。

 

 なので設定的にもちょっとアレな感じがするというか、例えば「ムーンセル」「朱い月」「朱い月に該当する星の頭脳体」「持ち主のいないタイプ・ムーン」「アルクェイド」「『EXTRA』世界では『月姫』の物語は成立しない」「アルクェイドの登場はただのファンサービス」あたりの関係のなんかよくわからない感じとか、なんかこう、開示されてない裏設定があってそれさえわかればすべてうまく説明がつく……ってより、単に新納一也の考えたネタをきのこが自分の世界に取り込む時にいまいち整合性つけられなくてぶん投げただけなんじゃないのか、みたいな疑念があるんだよな……。

 まぁこれ今となってはどうでもいいというか考えても仕方ないんだけど。

 

 それはそうとして他作品にリンクするような面白い設定はあんまない。強いて言うならきな臭い未来があったから見にきた青子とか、両儀式=阿摩羅の体現とか。

 阿摩羅って無垢式・空の境界とかあまらかわいいとか「」式のまわりでちょくちょく使われてて、多分根源のことだと思うんだけど詳しく説明されたことは一度もない。

 というか今気づいたけど両儀末那って名前、もしかしてこれ荒耶宗蓮に対して末那だったわけじゃなくて阿摩羅式(根源)→阿頼耶識(アラヤ)→末那識の流れで末那だったのか。末那が何を指しているのかはよくわからないけど。

 

 どうでもいいけどきのこ、『レアルタ』発売時のインタビューで魔術師にウィザードってルビつけるのをめちゃくちゃバカにしてる(いやフォローはしてるけど、「ナイスボケありがとう」ってフォローになってなくない?)ので多分ここも新納一也が考えてると思う。

Fate/the Fact D 2010年7月22日

 『EXTRA』予約特典として付属した小冊子。

 作中世界に存在する雑誌「Fate/the Fact」の2032年12月号という体裁で世界情勢やムーンセル、サイバーゴースト、アトラス院とかを解説する内容。

 あくまで作中のジャーナリストの視点で書かれているので「アトラス院…彼らの教義によれば、世の中には「マナ」と呼ばれる自然や空間に存在する「魔力」を操る「魔術」が存在し、かつては多くの魔術師(メイガス)が存在したという。しかし世界中から「マナ」が枯渇し、魔術に通じる知識と技術を保有しているのがアトラス院のみと主張する」みたいなネタが出てくるのは結構楽しい。

 あとは『CCC』で殺生院キアラ出す伏線として「シンゴンタチカワ教」「最悪の殺人者」ってワードが出てきたりとかもある。

Fate/EXTRA リミテッドサウンドトラック E 2010年7月22日

 『EXTRA』限定版に付属するサウンドトラック(収録曲は10曲だけ)。

 『CCC』のサントラに「今回も」曲名はきのこがつけてるって書いてあるし曲名が妙に凝ってるので多分きのこ命名だと思う。

 

Fate/EXTRA CCC A++ 2013年3月28日 4000円

 『EXTRA』の裏側で起きた外伝。

 『EXTRA』とはパラレルっぽく見える要素(ランルーくんのサーヴァントがヴラドじゃなくエリザベート)とかもあるんだけど、これが最初からパラレルだったということなのか、同じ世界だけど『CCC』が起きたことでエリザベートの存在が消えるように改変されたのかはボカされている。

 

 シナリオはメインシナリオが奈須きのこ。サブシナリオが奈須きのこ、石川夏子、熊衣べる、赤羽良保……ということにスタッフロールではなっているが、実際はジナコのSG1とSG2がきのこプロット→星空めてお執筆→きのこリライト、5章エリザのSG1とSG2がきのこプロット→石川夏子執筆→きのこリライトなのを除けばモブのセリフとかまで含めて全てきのこが書いている「もう98%ぐらいきのこ」らしい。『EXTRA』と違ってプロットにも草案の時点からきのこが携わってるのでこちらはきのこ作品と言い切っていいだろう。

 

 シナリオのレベルは『EXTRA』よりも明らかに高いし設定的にも今に繋がる要素が色々あって面白い。

 なんでもないセリフだと思って流してた「金面白毛は神霊でも英霊でもない大化生、純粋に人間に仇なすもの。ただそこにあるだけの人類悪」「BBは人類史すべてを否定する憎悪、人間的でありながら人間としての情を持たない排斥の宇宙(ソラ)、この世全ての悪を上回るまったく新しい"人類悪"」「殺生院キアラは宇宙を満たすほどの愛が故に人類を滅ぼす」あたりが今見ると露骨なくらいビースト描写だったりとか。

 ギルガメッシュの「もとよりこの眼は未来を見通す」ってセリフが比喩でもなんでもなくマジで未来を見通してる千里眼EX持ちって意味だったりとか。

 

Fate/EXTRA CCC FoxTail C 2013年10月26日~ 既刊8巻2000円

 『CCC』製作初期の没プロットと没キャラを使用して作られた外伝。作者はたけのこ星人

 1巻にはキングプロテアとヴァイオレットのステータスが収録されている。

 連載当初は没要素のサルベージにも価値があったんだけど、なんか『FGO』できのこが自分でその没要素使い始めてしまった今となっては正直……。

 ヴァージンレイザー・パラディオンとかこんなファンサービスの小ネタ感覚で適当な消化されるくらいなら『FGO』が初出の方が良かったなぁって感じだし。

 キングプロテアのキャラ付けが『FoxTail』版と『FGO』版で全然違うの、設定上の理由はついてるけどこれ単に『FoxTail』のキャラが自分の想定してた奴と違ったからきのこが修正しただけじゃないのとか思わなくもないし。

 何よりこの没プロット周りの資料、多分今度『CCC』シナリオ集の最終巻として発売するし。

 いやまぁ『CCC』没ネタサルベージ企画としての価値はなくなったかなと思うだけで単なる『Fate』外伝漫画として見たときの評判は普通に高い方だと思うけど。

 将来どうなるかはともかく今はヴァイオレットや『FGO』版じゃないキングプロテアのちゃんとしたステータス読めるのこれしかないし……。

 

Fate/EXTRA Last Encore D 2018年1月28日~7月29日 全6巻15000円

 『EXTRA』のアニメ化作品。スタッフはシリーズ構成:奈須きのこ、脚本:奈須きのこ桜井光

 単にアニメ化しただけと見せかけて実際は『EXTRA』のラスボス戦で負けたバッドエンドから990年後を舞台にした続編的な作品で話は原作とだいぶ違う。

 正確に言えば『EXTRA』から直接つながっているわけでもなくて、凛やラニ(というか原作のマスターのほぼ全員)が原作から1個前の聖杯戦争に参加してしまった世界が舞台。

 『ラスアン』白野がトワイスに勝てなかった理由、後述のインタビューでは「本来トワイスは無敵、本編で勝てたのはそれまでの奇跡のような積み重ねがあったから。もしその奇跡が一枚でも欠けていたら……?」と説明されているんだけど、どう見ても一枚どころじゃなく欠けている(いや別にシンジやありす、凛やラニ以外が相手でも7回殺し合ってる間に同じくらいの成長はできて、でもトワイスに勝てるほど奇跡的なものではなかったみたいなニュアンスなんだろうとは思うけど)。

 設定的にはあまり面白いところないけど、強いて言うならマシュ以外のデミ・サーヴァント成功例が出てくるとか……。

 DVD/BD1巻と5巻の完全生産限定盤にはドラマCD、6巻にきのこインタビュー収録の小冊子が付属する。

あまり者の聖杯戦争 D 2018年8月1日

 『ラスアン』DVD/BDの1巻に付属するドラマCD。脚本は桜井光奈須きのこ

 原作から追加された新キャラにも関わらず特に何もせずになんかフェードアウトしてたよくわからないキャラクター、尼里ミサオとはなんだったのかを説明する話。

 ストーリーラインとしては別にそんないらないような気もするがこれ聞かないと「尼里ミサオ、いったいなんだったの?」がマジでまったく1ミリもわからないのでまぁこれ聞かないとストーリーが完成しないと言えなくもない(シナリオ集に内容だいたい書いてあるけど)。

狐の語るおはなし D 2018年12月12日

 『ラスアン』DVD/BDの5巻に付属するドラマCD。脚本は桜井光奈須きのこ

 4階層のサーヴァントだったキャス狐が990年間の6階層(凛とラニ)、7階層(ガウェイン)、5階層(ユリウスと李書文)の様子を観察する内容。

 これ、キャス狐がなぜか時間軸を超越したりしてて設定がよくわからないんだけど実は一尾じゃなかったりするのかな……?

ブックレット D 2019年1月9日

 『ラスアン』DVD/BDの6巻に付属するブックレット。奈須きのこのインタビューが収録されている。

 内容的にはニュータイプ2018年9月号のインタビューと重複している部分が多いけど、1層~6層の振り返り(『ラスアン』版シンジは「もし1回戦で主人公と戦っていなかったら?というシミュレーションから逆算して作ったもの」とか)みたいなこちらにしかない要素も多い。逆にニュータイプ版にしかない文章(新房と組んだ感想、「『ラスアン』のバトルは思想の戦いなのでハクノvsトワイスはハクノがデッド・フェイスに答えを出した時点で勝負が決まった」とか)もあるけど。

 

Fate/EXTRA(漫画版) D 2011年4月9日~2014年11月10日

 『EXTRA』のコミカライズ。

 大筋では原作と同じなんだけど漫画なりにアレンジされているところもある普通のコミカライズ。

 最大の特徴はセイバーの生前の回想が原作より増えていてアグリッピナとセネカに台詞やビジュアルがあるところだと思うけど、これが公式設定なのかは疑問。

 少なくともキャラデザインは漫画版作者のものっぽいし回想自体も漫画版作者の独自描写じゃないかな……。

 

Sound Drama Fate/EXTRA D 2013年1月25日~2016年10月28日

 『EXTRA』のドラマCD。

 基本的には原作に忠実なドラマCD化(設定を延々長台詞で喋り続けるチュートリアル部分とかトリガー探索、タイガークエストみたいなゲーム部分の要素まで全部再現しようとするのはどうかとも思うが……)。

 オリジナル要素に対しても購入特典の『帰ってきた!ブロッサム先生』で「これはドラマCD用の演出」「これは原作にも共通する公式設定」とか振り分けてくれるのが嬉しい。

帰ってきた!ブロッサム先生! A+ 2013年1月25日~2016年10月28日

 『EXTRA』ドラマCDの購入特典ボイスドラマ。

 ドラマCD本編の疑問に答えるQ&Aコーナーが収録されている。

 「これ魔術回路と魔術刻印取り違えてない?」みたいな設定もあってちょっと信頼度がアレになったりもするけど、「志貴がサーヴァントになったら自分の死の運命を察知できる能力を持つ」「顔のない王は伝承防御持ち」とかなんかよくわからん設定がいっぱい出てきて楽しい。

 設定的に重要そうなのは「月にムーンセルがあるのは『EXTRA』世界だけ。ムーンセルがあると『月姫』の物語が成立しない(『EXTRA』にアルクェイドが出るのはただのファンサービス)」「『EXTRA』のサーヴァントはムーンセルが再現したコピーだけどムーンセルの記録した人類史と英霊の座が全く同じもので多元的に重なり合っているので一概にコピーとは言えない」とか。

 それ以外にも世界情勢の解説や圏境と无二打の効果説明(「致命傷くらいでやりすごせる」ってフレーズおかしくない?)、皇帝特権の効果説明やらトワイス・H・ピースマンのHがハーウェイやらとにかく色々出てくる充実の内容。

 個人的に一番びっくりしたのは「三度、落陽を迎えても」の読み方が「みたび」だったこと。完全に「さんど」だと思ってた……『FGO』だと幕間「幾たび、終幕を迎えても」クリアが取得条件になってるのでわかりやすい。

 「『EXTRA』世界でマスターを失ったサーヴァントが再契約することはない」って設定は「EXTELLA/zero」見る限りなかったことになってる……と思ったけど別に令呪で再契約したとは書いてないからセーフかな。微妙。

 「『EXTRA』のボツアイディアに助けたヒロインを擬似サーヴァントとして契約して戦わせるものがあった。ランサールックの凛とかが出てきたかもしれない」は今見ると『ラスアン』のクーフー凛の元ネタこれだったのかってなって面白い。そもそも「擬似サーヴァント」の初出って『FGO』じゃなくてこれだったのかという。(『ラスアン』ではデミ鯖ってことになってるけど)

 あと「キャス狐はネロが黒化するとマザーハーロット的な666の獣になると思っている」っていうセリフ、今見ると意味ありげ……というかこの頃だともう『FGO』の企画始まってるはずなので普通に伏線として書かれてるんじゃないか。

 

Fate/EXTRA CCC ルナティックステーション2013 E 2014年1月24日

 50分超のドラマCDとキャラソン6曲が収録されたバラエティドラマCD。シナリオは奈須きのこ、経験値。

 経験値との連名とはいえきのこが監修じゃなくて脚本にクレジットされてるドラマCDは結構珍しい。

 これ以外だと『アーネンエルベ』と『FGO』序章ドラマCD、『ラスアン』ドラマCD(桜井光連名)くらいじゃない?

 まぁ内容自体はギャグシナリオなんで特に言うことないんだけど、サクラメイキュウ BLACK MIXは聞いてみたかった。

 

Fate/EXTRA MOON LOG:TYPEWRITER D 2015年12月29日 全2巻600円

 『EXTRA』のシナリオ集。

 これを読めば原作ゲームやらなくても別にいいっちゃいいんだけど、ボイスやCGモデルの演技、モブのセリフなんかがシナリオ本には収録されていないっていう問題があるのでシナリオ本読む前に1周くらいはゲームやったほうがいいと思う。さすがに各鯖ごとで3周しろとは思えないが……。

 レオルートや6回戦の対戦相手救出ルートとかのゲーム本編には実装されなかった没シナリオも収録されているのもささやかだけどちょっとうれしい。

 

Fate/EXTRA CCC VOID LOG:BLOOM ECHO C 2017年5月17日~2019年8月9日 全4巻4500円

 『CCC』のシナリオ集。

 これもまぁ読むなら原作1周くらいしてからの方がいいと思う。多分「カルナァァァァァ!」とかボイス付いてるかどうかで全然違うし。

 何気にBBちゃんの宝具ランク:EXはゲーム内にも『エクマテ』にも書いてなくてこれにしか載ってない情報。型月wikiとかpixiv百科辞典だとなぜか情報がアップデートされてない(多分編集者が誰一人この本買ってない)のでこの設定知らない人も多いじゃないかな。

 いやまぁ筋力★耐久★敏捷★魔力★幸運★宝具EXってステータス、正直おかしい気がするんだけど。なんで宝具★じゃないんだろ……。

 設定面以外だと「4章SG1SG2はきのこプロット→めてお執筆→きのこリライト、5章SG1SG2はきのこプロット→石川夏子執筆→きのこリライト」も多分これしか書いてないと思う。

 

Fate/EXTRA Last Encore 原案シナリオ集「Last Encore Your Score」 B 2018年8月10日 600円

 『ラスアン』の脚本集。

 まぁ別に映像で何かを表現するみたいなアニメでもないのでこれを読めばアニメ見る必要ないといえばないんだけど、ちょくちょく「このシーンは後で回収される伏線で~」とか解説文がネタバレしてくるせいでさすがにアニメ見ずにこれから読むのどうかなぁみたいな感じもある。

 設定的には「『EXTRA』世界を停滞させた(オーバーカウント1999を起こした)元凶の名前は■■■■■■」とか「トワイス=『人類の悪』」とかが見所。■■■■■■はなんだろ。闇色の六王権かな。

 あとこれを読まないとレオとユリウス以外の原作マスターが白野参加回の聖杯戦争にエントリーしてないこととか、4階層のサーヴァントがキャス狐ゆかりの存在だったこととかが全然わからない。(前者はまだしも990年前と999年前の差から読み取れなくはないかもしれないが、後者で「ネロが気安く悪口を言っている=玉藻」ってわかるのはエスパーだけでしょ……)

 

Fate/EXTRA ビジュアルファンブック C 2011年2月25日

 『EXTRA』のイラスト素材やきのこ・社長・新納一哉・ワダアルコのインタビューが収録されたVFB。

 イラスト素材はほぼ『エクマテ』に再録されてるが一応武内社長のサーヴァント没デザイン(老書文含む)が独自要素として存在している。(ラフの大半はコンプティーク2010年10月号付録のOrigin of TYPE-MOONにも載ってるけど内容的にはこちらが上位互換)

 インタビュー内容だと「キャス狐は元々他ライター担当だったがキャラが弱かったので一から作り直した」「『EXTRA』凛の魂のパーソナリティはsn凛とまったく同じ」「最後の敵はセイバーのもじりでセイヴァーなのは『旧Fate』のオマージュ」とか。

 あとモブマスター+無銘を主役にした小説も載ってるけど、これを公式扱いしていいのか謎。多分TMAに載ってるアンソロ漫画くらいのポジションの非公式作品だと思うんだけど。

 

Fate/EXTRA material A+ 2013年8月16日 1000円

 『EXTRA』と『CCC』の設定資料集。テキスト・監修は奈須きのこ

 キャラ設定やイラスト素材、用語辞典が収録されていてまぁいつもの内容って感じで普通に重要度が高い。

 『EXTRA』シリーズ外に関わってくる設定だと「アルクの原初の一は月だと使用時間制限がかかって上回れない相手も出てくる」とか「真性悪魔の設定(クトゥルー神話の邪神のあり方に近いやらなんやら)」とか「『まほよ』で青子がフラットスナークに撃った魔弾(大月蝕(ブラックライト) 収斂投射(スターボゥ))はいずれ決着術式に含まれる」「オーバーカウント1999はイギリスのある地方都市で起きた儀式が原因」「アトラス院以外の魔術師は生命体として高次の段階への進化を目的としている」とか。

 特に最後の魔術師の目的、完全に初出の設定なのにめちゃくちゃさりげなく出てきてびっくりする。魔術師の目的といえば根源のはずなので根源に至る=高次生命へ進化するってこと……なの……? わからん……。

 アルクェイドは地球産の相手と地球上で戦えば必ず相手を上回れるらしいのもわりと初耳。プライミッツ・マーダーとかも地球産判定になってるのかなこれ。

 

Fate/EXTRA CCC Original Soundtrack D 2013年3月30日 3000円

 『CCC』のサウンドトラック。

 初回限定版に付属する小冊子「エクストラガーデン」には用語辞典が収録されている……んだけど、『エクマテ』に内容が大幅に増補されて再録されてるので読む価値はゼロ。

 どちらかといえば重要なのはサントラ本体に書いてある曲名がきのこ命名って記述の方かもしれない。これが『FGO』のボトム・ブラック・リターンズと合わせて「BB=Bottom Blackの略」説の根拠になっている。


TYPE-MOONエース B 2009年12月24日~2017年8月30日 3冊900円

 Vol.4(2009年12月24日)きのこ・新納一哉・門脇宗悦の『EXTRA』対談で初期設定……というか新納一哉の出した企画書時点ではムーンセルの名前がタイプムーンだったけど内輪ネタにしか見えなさそうできのこストップがかかったって話が記載。これ自体は没設定なんだろうけど、『エクマテ』では「後に持ち主のいないタイプ・ムーンと呼ばれた」に形を変えて転生している。そもそもムーンセルとか電脳世界あたりの設定が全部きのこじゃなくて新納一哉発っていうのもあるな。

 Vol.6(2010年12月24日)きのこインタビューに『EXTRA』におけるきのこの役割(もともとは設定制作とサーヴァントの最期のシーンだけ任される予定だったけど役職がシナリオ監修に変更されてシナリオ全体をきのこ風味に修正したとか)の説明。

 Vol.8(2012年12月15日)きのこの『CCC』インタビューで「『EXTRA』はすでに出来ている映像に合わせてセリフを入れれうテキストライターみたいな仕事だったが『CCC』は一から全部作って総シナリオ量は3メガ(当初は1メガ予定)」とか。あと「カルナはギルガメッシュと同格の英雄」とかも初出は多分これ。

おしえて!! ブロッサム先生 C 2010年12月24日

 TYPE-MOONエース Vol.6付録のきのこ脚本アニメDVD。

 『EXTRA』のゲーム内容を紹介する第1話「おしえて!!ブロッサム先生 紹介編」、Q&Aコーナーがあってトワイスのスペルは平和男じゃなくて欠片男だとかいろいろ解説する第2話「きかせて!!ブロッサム先生 メリクリ編」、『CCC』への前振りする第3話「たたかえ!!ブロッサム先生 コスト編」の3話構成。 

 

竹箒日記 B 2016年11月9日~2016年11月24日

 竹箒日記 : 2020/07

 リメイク版『Fate/EXTRA Record』についての解説。

 きのこの担当は「リメイクにあたって細かく追加されるテキスト監修」って話だけど、『ラスアン』が普通のアニメ化と見せかけて別物だった前科があるせいで微妙に信用しづらい。

 

 

月の珊瑚

月の珊瑚 C 2010年12月21日 1000円

 西暦3000年ごろを舞台にしたSFラブストーリー。裏コンセプトは「月姫3000」で『月姫』リメイクのためのリハビリとして書かれた作品。作者は奈須きのこ

 他作品との位置づけは「『月姫』が起きなかった世界」「『EXTRA』と違って魔術が残ったけど退廃的な世界」「どちらかというと『鋼の大地』寄り」らしい。

 今見ると剪定事象の話に見えなくもないけど、人類滅び掛けとはいえ世界が存続してる時点で剪定されてないのかな。それとも剪定事象になったから滅びかけてるのか……いやまぁ答えは「この頃まだ剪定事象の設定なかった」じゃないかとも思うんだけど……。

 

春と月と空と C 2012年5月5日 3000円

 『京都、春。』『空の境界』『月の珊瑚』のラフ絵を収録した同人誌。

 『月の珊瑚』についてるきのこ・社長コメントで「お姫さんは無性生殖してるクローン人間」とか「小人の正体は地球の男のクローンとか」本編で語られなかった裏設定が色々明かされている。

 まぁ書いてある内容はだいたい全部Wikipediaに引用されているんだけど……。

 

 

コハエース

コハエース E 2011年5月10日~ 既刊8巻1800円

 経験値鯖のステータス収録。

 『コハエースEX』に沖田総司織田信長、『コハエースこれくしょん』に豊臣秀吉、『コハエースGO』に李書文、岡田以蔵森長可坂本龍馬、マックスウェル。

 まぁ個人的には経験値鯖も『マンガでわかるFGO』のリヨ鯖と同じで『コハエース』時点では非公式、『FGO』実装とかされてきのこ監修がかかった時に公式設定化するって感覚でいるのでこの時点の設定はどうでもいいんだけど。

 というか『FGO』以前の『コハエースこれくしょん』の「全部でたらめ」「きのこの見解は限りなくアウトに近い黙認」はまだしも『FGO』後の『コハエースGO』ですら用語辞典に「『Fate』本編とは何の関連性もない『コハエース』だけで通用する独自設定」って書いてあるし……。

 

帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline E 2019年12月20日

 『コハエースGO 帝都聖杯奇譚』のリメイク版。

 主な変更点はマスターが既存作品キャラからオリジナルキャラに変わっていることなんだけど、どちらにしろこの作品の設定も「既存のどの『Fate』作品ともリンクしない『帝都聖杯奇譚』独自の設定」と明言されているので読む価値は特にない。

 どうでもいいけど現代人の主人公が祖母の遺品の魔術礼装で昭和20年にタイムスリップするところから物語が始まるので読んでて「時間遡行は基本的に魔法使いって呼ばれる特殊な存在しか出来ないって設定が型月世界にはあるんですけど、ご存知でらっしゃいます……?」みたいな気分になる(いやさすがになんかギミックとか用意されてるんだとは思うが……実は時間遡行じゃなくてラノベの中に入り込んだだけとか……)

 

 

Fate/Apocrypha

ゲーム版 Fate/Apocrypha EX 未発表

 2007年頃もしくは2009年頃に企画されていたオンラインゲーム。

 諸々の事情で没になったがサーヴァントの設定やデザインのみ『コンマテ4』で公開された。

 

 ユーザーがマスターになり自分だけのサーヴァントを召喚してネット上で聖杯戦争に参戦、マスターのランキングを競う……というゲームシステムだったらしい。

 ストーリーは聖杯戦争という枠組みを悪用しようとする黒幕とその抑止力として枠組みを守ろうとするジャンヌ・ダルクが戦い、途中に多少分岐が入りつつ最後はジャンヌが特攻宝具を使って終わりだったとかなんとか。

 ただ「ジャンヌはループする聖杯戦争の記憶をすべて持っているキャラだった」って話もあるのでもしかしたらこのあらすじって1ループごとのものでそれとは別に進行するメインシナリオとかもあったのかもしれない。

 あとは「近代の英霊出していいかは迷ったけどシェイクスピアの存在は物語のテーマに関わるからアリにした」って話もあるけどこれ何を指しているのかよくわからない。

 

Fate/Apocrypha ACT1 unbirth E 2011年12月15日 300円

 TMA7に掲載された短編小説。作者は東出祐一郎

 元々はオンラインゲームの企画を他社に持ち込むための営業用に作られた小説で、本来ならここから各サーヴァントごとの導入編を続けていく予定だったが東出の希望で小説企画へ変更されたらしい。(社長によれば)

 あるいはオンラインゲーム企画をやめて小説化するにあたって作家を選んでいる時、きのこは東出を推していたが社長が東出のゲームをプレイしてなかったので実力を知るために試しで書かせてみた小説がこれらしい。(きのこによれば)

 同じ雑誌に書いてある執筆経緯がなんでこんなにバラバラになれるのか全く理解不能なんだけど……。

 

 内容は聖杯大戦に召喚されたジャックが玲霞をマスターに選ぶまでの話。『Apocrypha』本編でも同じような話が起きたことになっているので前日譚みたいなものではある。

 ただ第四次聖杯戦争の名前が出たり設定は本編と違うしBD特典小説でリライトされているので今更読む意味はあまりない。

 どうでもいいけど暗黒霧都、『コンマテ4』には「魔力で発生させた霧そのものが宝具」って書いてあったのになぜかこの短編では霧を出すランタンが宝具なことに変更されている。書籍版では「霧そのものが宝具」に戻ってるので何がしたかったのか謎。(なんか型月wikiとかではランタン設定生きてることにしてるけどランタンこの短編以外に出てきたことあったっけ……?)

 

Fate/Apocrypha C 2012年12月31日~2014年12月30日 全5巻1200円

 オンラインゲーム版から『Apocrypha』からサーヴァント設定を流用して作られた小説。作者は東出祐一郎

 『stay night』との関係は「途中までは同じだけど今は完全に別の世界」で、具体的に言うと第三次聖杯戦争でアインツベルンがアヴェンジャーを召喚するかルーラーを召喚するかで分岐している。

 

 この作品、設定が他の世界にフィードバックされる要素がなさすぎて正直……。

 「召喚科学部長ロッコ・ベルフェバン→は?12学部にそんなもんないが」「冠位魔術師ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア→は?この程度で冠位なわけないが」とか後々の設定整理の犠牲になりまくってる上に最後の大オチですらなんか『GoA』で出た竜種は世界の裏側行く時肉体捨てたって記述と矛盾している気がする。

 設定面以外だとカムランの戦いが起こった経緯が『GoA』と完全に矛盾してるとかもあったけど、これはまぁ『Zero』もエルキドゥの死に方が『CCC』で上書きされたりしてるし仕方ないかもしれない。

 あと1巻のカルナさんの性格が同時期に出た『CCC』と余りにも別人(というか『コンマテ4』のキャラ説明だけからカルナさん想像したら多分こうなるだろうなっていう性格してる)っていうのもある。カルナさんはきのこ鯖なので当然東出よりもきのこのキャラ解釈の方が正しく2巻からキャラ変されてきのこ風に寄せられたんだけど、なんで1巻書いてる時の東出に『CCC』のシナリオ見せてあげなかったの……?

 

Fate/Apocrypha ツークツワンク E 2015年7月1日 300円

 TMA10に掲載された短編小説。作者は東出裕一郎。

 unbirthの続編的なストーリーで玲霞とジャックが魔術師集団ツークツワンクと戦ってルーマニアを目指し始めるまでを描いている。

 アニメ版円盤特典のアンボーンと内容が微妙に重複していて、相良豹馬の死に方の描写とかが別なので多分これも正史扱いじゃなくなっているのでは。

 

Fate/Apocrypha(漫画版) D 2016年06月25日 既刊8巻2000円

 『Apocrypha』の漫画版。コミカライズ担当は石田あきら

 原作からの追加シーンがちょくちょくある上に追加設定には原作者の東出も関わっていて、例えばペンテル兄弟のフルネームや赤のサーヴァントをどのマスターが召喚したかの設定は東出によるものらしい。

 コミックスには1巻の東出・石田対談を始めとした関係者の対談が収録されていて、前述の赤のマスターの設定の他、「ジーン・ラムはシェイクスピア本人ではなくマクベスなどの登場人物の召喚を狙っていた(かもしれない)」「ジーン・ラムは本人が武闘派なので通常の聖杯戦争シェイクスピアを召喚しても結構戦える」「アニメ版ハーゲンのキャラデザは近衛乙嗣」とかが出てくる。

 

Fate/Apocrypha(アニメ版) D 2017年7月2日~2017年12月31日 全2巻35000円

 『Apocrypha』のアニメ版。シリーズ構成として東出祐一郎が参加している。

 アニメオリジナル要素は……第三次聖杯大戦でダーニックの召喚鯖がフィン・マックールとか? なんか今後のメディア展開次第では普通に切り捨てられそうな要素だ。

 あとは各サーヴァントの生前関係者(モルガンとかメフメト二世とかハーゲンとか)にキャラデザやボイスがついたりユスティーツァにボイスがついたりとかも。

 ラフデザインが武内社長のモルガンや近衛デザインのハーゲンはともかくモブ感がすごいメフメト2世あたりはもし本格登場することになったらアニメデザインなかったことになる気しかしないんだけど。

Blank space C 2017年12月27日

 BD BOX第1巻に付属する特典小説。

 第1章「望まれない(アンボーン)」、第2章「予備部品(バックアップ)」、第3章「魔術使い(マーシナリー)」の3本立て。

 「望まれない(アンボーン)」はunbirthとツークツワンクのリメイク版的な内容でジャックと玲霞の出会いが描く話。六導玲霞の生まれが変わったり相良豹馬がユグドミレニア所属になったりする設定アップデートはともかく、話としては何もできない無力感に包まれながらジャックに殺されるアンボーン豹馬より、玲霞って怪物を世に出せたことで奇妙に満足しながら死んでいくツークツワンク豹馬の方が好き。

 「予備部品(バックアップ)」カウレスがマスターになるまでを描く話。「大聖杯に選ばれなかった人間が無理やり令呪を奪ってマスターになると因果線がつながらず召喚に失敗し続ける可能性がある」とかちょっと初耳。

 「魔術使い(マーシーナリー)」は獅子劫と疾風車輪ジーン・ラムのコンビが聖杯大戦開始直前に受けた依頼を描く話。プロメテウスの火とか土着神・蛟の分霊とか色出てくる。

Animation Material Ⅰ D 2017年12月27日

 BD BOX第1巻に付属する特典小冊子。

 東出インタビューや各話に対するコメント、スタッフインタビュー等が収録されている。

 東出インタビューは毎回なんか違う『Apocrypha』執筆経緯「編集者からの呼びかけでunbirthを書いた。好評だったら他の鯖も書く予定だったけどきのこにジークフリートのアイデアを話したら長編で書いたほうがいいんじゃないかと言われた」とか、『Apocrypha』は「Fateオンライン」という企画の仮タイトルだったとか、第三次聖杯戦争みたいなアニオリシーンは東出ノータッチとか、ジャンヌは常に啓示に従うわけでもないとか。

Side of Survivor C 2018年3月28日

 BD BOX第2巻に付属する特典小説。

 聖杯大戦後のアストルフォがフィオレ、カレウス、トゥールと聖杯大戦の生き残りに会いに行く話で天草過去編みたいなこともやっている。

 設定的にちょっと面白いのはアストルフォが自分の生前の記憶の認識について語っていること。記憶には確かに伝説のエピソードが残っているものの頼りなさもあって自分は夢物語の存在なんじゃないかと疑っているらしい。この辺りは3ヶ月後に発売される東出シナリオの『EXTELLA LINK』でもう少し深く掘り下げられている。

 あとはカウレスが結構野心的だったりとかゴルドルフ新所長に軽く触れられたりとか。作中ではなんの意味もない慰め扱いされている「いつか魔術師の友人もできるし、いつかお前を慕う部下もできるだろう」、メタ的には『FGO』2部のことを言っているんだと思うけど部下はともかく魔術師の友人はいまだにできていない気がするが……。

Animation Material Ⅱ D 2018年3月28日

 BD BOX第2巻に付属する特典小冊子。

 東出・浅井監督のインタビューや各話に対するコメント、スタッフインタビュー等が収録されている。

 「アニメ版のモルガンのデザインは武内社長ラフをアニメスタッフが近衛風にアレンジしたもの」って話とかが載っている。

 あとは東出の「あと1本だけ作れるとしたら誰のエピソードを作ってみたい?」「アヴィケブロン。原作でも深く掘り下げられなかったなという反省がある」とかもちょっと面白い。実際にアヴィケブロン掘り下げられたが『FGO』2部1章が2018年4月4日開始なのでたった1週間しか意味のない謎の匂わせ。 

 

Fate/complete material IV Extra material D 2011年7月7日 1000円

 『complete material』第4弾。

 オンラインゲーム企画版『Apocrypha』のサーヴァント設定が収録。

 まぁ小説版『Apocrypha』と『FGO』で設定が整理された今となってはただのボツ設定の集まりでしかないので読む意味はあまりない。

 作中ではカルナが普通に使ってるのになぜかステータスには載っていない「梵天よ、地を覆え」の設定(種別が対軍、対国宝具とか実力が上の相手には使用できないとか)は一応これでしか読めないと思うけど、他の鯖みたいに設定変更されてない保証なんてどこにもないので鵜呑みにするのもどうかとは思う。

 どちらかといえばきのこ・社長対談で『Apocrypha』の企画経緯や各サーヴァントの設定やデザインへのコメントが書かれてることの方が見所かもしれない。

 

Apocrypha material (C86 ver.) E 2014年8月15日 1500円

 C86で配布された『アポマテ』のプレ版。

 主要キャラのラフ絵に東出・近衛コメントがついている。

 コメントは一応『アポマテ』と文章が別だけど特に見所もないし公式でpdfが配布されているので買う意味はない。

 

Fate/Apocrypha material C 2015年8月14日 500円

 『Apocrypha』の設定資料集。テキスト・監修は東出祐一郎

 キャラ設定やラフ絵、用語辞典が収録されているいつものやつ。

 まぁマテリアルなので必読……と思ったけど正直内容的にはどうでもいいんだよな……きのこが書いてない用語集ってどうしてもその作品個別の裏話解説するだけになって後々の作品のための前振り要素とか他作品に横断的な話題がないのであんま楽しくない(意見には個人差があります)。

 『ゼロマテ』の方はきのこ込みの対談が入ってるおかげでまだマシだったんだけど。

 数少ないそういう要素な「円卓の欠片で召喚できるのはアルトリアとギャラハッドを除いた11人」なんかは円卓の騎士には代替わりある設定が出てきたせいでもはや崩壊してるようにしか見えないし……。

 あとはアダムの説明で「全長は生誕時点で15mだが最終的には1000mを超える」「15m級の巨人ならCランク鯖1騎で容易に倒せるが1000mとなると一流の鯖が揃っていなければ対抗できない」「15m程度の巨人にジャンヌたちがあれほど焦っていたのはもう少しで30mに成長するところだったから」という本編でかなり苦労して倒したはずのアダムをCランク鯖以下扱いする怪設定が出てきてめちゃくちゃ困惑させられるけど、東出本人の解説によればこれは中段だけアダムではなく「平均的な巨人」の話をしているということらしい。(この解説以前に正しい意味読み取れていた人間って存在するのかな……?)

 

Fate/Apocrypha アニメビジュアルガイド E 2018年4月2日 1000円

 アニメ版『Apocrypha』のムック。

 スタッフキャストインタビューとかが収録されているが特に面白い話とかはない。

 東出インタビューも世界三大聖旗の話とか小説版執筆経緯の話とか他のインタビューで話してる内容ばっかりだし。

 

TYPE-MOONエース D 2012年12月15日~2015年7月1日 3冊900円

 Vol.8(2012年12月15日)武内社長インタビューに『Apocrypha』執筆経緯。「もともと2009年頃にオンラインゲーム用の企画として考えた板がうまくいかず、秀逸だったキャラデザや設定を活かすために他社に持ち込んだりもしたがキャラクターしかない状態じゃ難しいと言われ各キャラの導入部分を作ろうと東出にunbirthを依頼した。しばらくその形で続けようとしたら不意に東出の方から一本のしっかりした話を作りたいと言われ小説化することになった」。きのこ東出対談にも『Apocrypha』執筆経緯。「オンラインゲームは流れたけど魅力的な企画だったので誰か力のあるライターに作品化してほしかった。自分は東出が適任だと思っていたが武内は東出作品を1つも知らなかったのでまずはunbirthを書かせ、そこからは話があれよあれよと進んだ」。驚くほど別物。

 Vol.9(2014年1月30日)成田・東出・桜井対談で『Apocrypha』執筆経緯「unbirthを書く時に話したジークフリートは胸にカラータイマー付いてるから3分変身するようにするのはどうかってアイディアがきのこのツボにはまって小説化しようって話になった」。なんかきのこ説とも微妙に言ってることが違うんだけど……。

 Vol.10(2015年7月1日)東出の完結記念インタビュー。「ゴルドは1巻ラストでジークフリートに殴り殺される予定だったがあまりにジークフリートがひどすぎるので没になった」「天草は元々黒髪に白い肌だったが中東に居た頃白髪と褐色の肌に変わった」「アキレウスは伝承を真面目に拾うと宝具が多くなりすぎるので宝具候補リストを作ってきのこに3つ選ぶための相談したらいっそ5つくらい持たせようということになった(でも黄金聖衣はボツ)」「『FGO』制作で設定が全体的にアップデートされたので『Apocrypha』1巻2巻あたりには現状の最新設定が反映されてない部分がある」とか色々。

 

TYPE-MOONエース Special E 2013年7月10日 300円

 コンプティーク2013年8月号に付属した小冊子。

 東出の『Apocrypha』インタビューに「アヴィケブロンは企画版『Apocrypha』の没鯖で設定担当は三輪清宗だった」ってあるの、『アポマテ』も触れてなかったし書いてあるの多分これだけのはず。『FGOマテ』だと「設定作成:東出祐一郎/設定考証:三輪清宗」表記だから別に没版の設定そのまま使ってるわけじゃないのかもしれないけど。

 あとは「オンラインゲーム版『Apocrypha』でのルーラーはループする聖杯戦争の記憶をすべて持っているというサーヴァントだった」って話も出典はこれ。

 

 

Fate/Prototype

Fate/Prototype C 2011年12月31日 2000円

 カーニバル・ファンタズム3巻に付属するアニメ作品。

 きのこが高校時代に書いた(けど途中でエタった)初のオリジナル小説、いわゆる『原作版Fate』『旧Fate』をリメイクしてダイジェストのアニメ化したもの。

 『旧Fate』はまだ世界観が完成してなかったり聖杯戦争って名称がなかったりラスボスがビーストじゃなくてセイヴァーだったりライダーのマスターが少年じゃなくて少女だったりして設定はそこそこ変えられている。

 

 他作品とのつながりはいまいちよくわからない。

 『Fake』1巻のあとがきでは「宇宙が違う」って言われてて、実際『FGO』でもアーサーは明らかに1人だけ別宇宙から来た特殊な存在みたいな感じになってるんだけど、その割にはアーサー以外の『Prototype』鯖『蒼銀』鯖は普通に地続きの存在として出てくるし……。

 多分『stay night』や『FGO』とは別の編纂事象とかなんだと思うんだけど。

 

 ちなみに『Fate/Prototype Animation material』読めば内容は大体わかるのでこのアニメは見なくても困らないっちゃ困らない。

 カニファン3巻には『メルブラAACC』もついてるけどそれはsteamでも買えるし……。

Prototype material E 2011年12月31日

 アニメ本編と同じくカニファン3巻に付属する設定資料集。

 内容的にはキャラ設定とアニメのシノプシスが収録。

 キャラ設定は「魔術系統、魔術回路・質、魔術回路・量、魔術回路・編成」の初出なのが見所。

 この時点だと綾香・愛歌・美沙夜・サンクレイドしかいないせいでいまいち基準がわからなかったんだけど、この後『まほよ』『蒼銀』『事件簿』と段々数が揃っていく。

 今見ると美沙夜の質A量Bがロードや有珠はもちろんルヴィアやスヴィンあたりと比べても格下で意外と大したことないとか、愛歌の魔術回路:質EXが燈子さんにオルガマリーにフラット(これは例外だけど)となんか1作に毎回1人はいるせいで全くスペシャル感を感じられなくなってきたのとかが気になる。

 ちなみにこれ、『Fate/Prototype Animation material』がほぼ上位互換になってる(一応独自性としてきのこ・社長のあとがき的なコメントはあるけど)ので別に要らないんだけど、でも『Prototype』アニメ見ようと思ったら基本的には勝手に手に入っちゃうんだよな。

 

Fate/Prototype Tribute Phantasm C 2012年8月10日

 『Prototype』のアニメキャラ設定にきのこ・社長インタビューやアンソロジー漫画を収録したもの。

 何気に「円卓の騎士ごとに個別の条件があって半分以上可決されると拘束が解ける」って具体的な設定の初出とかこれのはず(「聖剣の円卓拘束」「キャメロットの13拘束」とか曖昧な単語だけは『プロトマテ』の時点で出てたけど)。

 あとこれで言っている「『旧Fate』でのライダーは設定喋ったあとすぐカリバーで殺される一番最初の犠牲者だった」って話、『蒼銀』現代編がライダー倒す→キャスター倒す→バーサーカーにやられるって流れになってるの見ると『Prototype』でもそのままっぽい。

 

 ちなみに『旧Fate』の本来のタイトルは「『Fate』の後ろには『stay night』じゃなくて恥ずかしいタイトルがつく」「(社長曰く)今だったら逆にかっこいい」「悲劇的な運命を回避するための物語という意味」みたいな感じらしい。

 これ見て『Fate捨てないと』説を唱えてたんだけど、他のインタビューに「区切りには/じゃなくて・を使ってた」があったから違いそう……いや『Fate・捨てないと』ならあるいは……。

 

Fate/Prototype Animation material C 2013年3月30日

 『プロトマテ』に『Prototype』アニメの絵コンテを追加した本。

 アニメ化でカットされたシーンがちょくちょくあったりして基本的に情報量はアニメ本編よりこれの絵コンテの方が上なのでこれ買えば『Prototype』アニメ見る必要ないっちゃない。

 

Fate/stay night プレミアムファンブック D 2003年12月1日 300円

 「鯖のクラス名はサンダーフォース3が元ネタで始めはアーチャーがハンターだった」って話が出てくる。

 『旧Fate』ではギルガメッシュのクラスがハンターだったって話なのかそれとも実際書き始める前の没設定みたいな話なのかこれだけだとよくわからない。TYPE-MOON展でもセイバー・ランサー・アサシンの設定がはあったのにギルガメッシュはなかったし……。他のきのこ発言だと「『旧Fate』ではギルガメッシュが最初からアーチャーとして登場している」とか言ってるから『旧Fate』の時点でクラス名アーチャーだったっぽく見えるんだけど。

 

Fate/complete material II Character material C 2010年6月30日 500円

 きのこ・社長のキャラクター別対談で『stay night』と『旧Fate』との差異、そのまま使われてる部分について色々触れられている。

 具体的にはバーサーカーの宝具効果が「11回分の戦闘まで絶対負けない」だったとか旧ライダーは宝具が剣と見せかけて実は手綱の出落ちキャラだったとかギルガメッシュはそこまで強力な鯖じゃなかったとか。

 あと『旧Fate』には「仲間が次々と敵に回っていく。事態がドンドン悪いほうへ悪いほうへ転がっていく」って展開があったらしいんだけど、これセイバーの黒化以外に何を指しているのかよくわからない。旧ライダーの鯖バレと美沙夜の堕天とか神父の正体バレとかでいいのか? 仲間ってほど仲間じゃなくない?

 

コンプセレクションズVol.2 A+ 2007年4月19日 500円

 『旧Fate』では綾香がセイバー・アーチャー・ランサーの三騎士を従える設定だったって話多分これにしか載ってないはず。

 『路地裏さつき』でも触れているので『Prototype』になっても普通に生きてる設定らしい。

 

TYPE-MOONエース D 2009年12月24日~2014年1月30日 2冊600円

 Vol.4(2009年12月24日)武内社長インタビューに「『旧Fate』には聖杯戦争って名称はなかった」。

 Vol.9(2014年1月30日)きのこインタビューに「『旧Fate』のサブタイへのつなぎは/じゃなくて・だった」とか。 

 

第1回「Fate/stay night」キャラクター人気投票 C 2004年5月26日

 『Fate』の人気投票第1回。

 ランサーのきのこコメントに「セイバーを失った綾香の為、セイバーが戻るまでという理由でランサーが仮契約した」「セイバー復帰後はセイバーとランサーのコンビでアーチャーと戦った」って話が出てくる。

 前者はまだしも後者は『Prototype』アニメでセイバーとアーチャーがタイマンしてたのとどうつながるのかよくわからないので没になったりしてるかもしれない。

 

レッドドラゴン

レッドドラゴン E 2012年1月31日~2014年5月29日 全7巻1500円

 奈須きのこが参加したTRPGリプレイ。GM三田誠、プレイヤーをきのこ、虚淵紅玉いづき、しまどりる、成田良悟が務めた。
 登場人物の1人スァロゥ・クラツヴァーリをきのこが演じているだけで世界観や設定はもちろん関係ないんだけど、そのスアローが消費の呪いを受けていたり、リメイク版志貴と同じような価値観を持っていたりと同時期にきのこが制作していた『まほよ』『月姫R』の影響が明らかに出ているのはちょっと面白い。
 特に消費文明については『まほよ』でテーマっぽく触れられてる割に詳しくは語られていないのでこれを読んでおくとなんとなく理解度が上がる気がする。

 

レッドドラゴン オリジナルサウンドトラック&キャラクターブック E 2012年10月15日 300円

 『レッドドラゴン』のセッション開始前、キャラクター作成時のエピソードをファンブック。
 設定的にはまぁどうでもいいんだけど本編中きのこがスアローの過去エピソードとしてもっともらしく語ってる話がダイスで決めたものだったりするのがわかるのでどうせなら読んでおくとちょっと楽しい。


RED DRAGON backyard notes D 2014年5月4日

 2014年のマチアソビで配布された同人誌。現在は竹箒日記でpdfが配布されている。
 内容的にはスアローとメリルの設定がにきのこ・しまどりるコメントがついていたりするマテリアル系の奴で、本編には出てこなかったスアローとメリルのバックグラウンドが色々語られている。
 『FGOマテ』のマシュやソロモン、『事件簿マテ』のマグダネルの設定で使われている「秩序・善。内向的、弱気、能動的。」みたいな性格表記って初めて出てきたはこれのはず? ここで使って気に入って自作品にも取り入れたりしたのか、前からTRPGとかではよく使ってたのかはわからないけど。
 あとは「『月姫R』の志貴は死を視覚できるため死を特別視することがなくなり根本的に冷めきった人間になっている。死にやすい世界を嫌いながらも愛している」とか、本編では使われなかった没展開の「――いやぁ、楽しい」「人生というものは楽しいね、メリル」が『ラスアン』の(ああ、それにしても―――)(生きるのは、とても楽しい)に流用されてる気がするとか色々。
 全体的にきのこ濃度が濃いので『レッドドラゴン』読んでるけどこれ読んでない人にはオススメ。 

 

TYPE-MOON Fes.

TYPE-MOON Fes. -10th ANNIVERSARY EVENT- EX 2012年7月7日~2012年7月8日

 TYPE-MOON10周年記念として開催されたイベント。

 ライブやトークショー等が行われた。

 BDには特製ブックレットやドラマCD「スターダストオペレッタ」が付属している。

TYPE-MOON Fes. -10th anniversary drama CD~スターダストオペレッタ~ C 2013年1月16日

 TYPE-MOON Fes.のBDに付属したドラマCD。監修:奈須きのこ

 鮮花を主人公にTYPE-MOON Fesの裏側で起きていた事件について語られる。

 見所は青子のビームを見た時臣が言う「まさか魔法の一端をこの目で見ることになろうとは」もっとも単純な魔術回路でのみ可能とされる第五架空要素を熱量として撃ち出す魔弾」ってセリフとか。

 これが魔法の片鱗に見えるあたり第五魔法が時間旅行じゃないことまで知ってそうなのちょっと不思議な気がするけど蒼崎と遠坂で日本最大の霊地オーナー同士の繋がりでもあるのかな。

 どうでもいいけどこのドラマCD、スタッフ表記がいきなり「監修:奈須きのこ」から始まって脚本表記はないのちょっとびっくりするよな……。

 

パンフレット TYPE-MOON Fes. OFFICIAL PAMPHLET A+ 2012年7月7日 1500円

 TYPE-MOON Fes.のパンフレット。内容は作品紹介とか色々あるけど最大の売りは約50問あるタイプムーン10周年記念一問一答。

 「型月世界で一番料理がうまいのはフリーの魔術師」「言峰の詳しい経歴」「二十七祖にはリストラされたやつもいる」「『月の珊瑚』は『月姫』の起きなかった世界でどちらかといえば『鋼の大地』系」「有珠のプロイは先代たちから受け継いだのが20個、有珠が自分で作るものが10個ほど」「『EXTRA』世界でマナが枯渇した原因はある儀式」「朱い月vsゼルレッチは鏡像化した月を落とす朱い月と型月世界でゼルレッチにのみ可能な特殊な魔法陣展開で放たれる無尽エーテル砲の対決」「ムーンセルが存在するのは『EXTRA』世界で世界だけ」「『EXTRA』世界で世界に赤い月はいないが朱い月に該当する頭脳体はいる」「鮮花と燈子の出会いの物語には鳶丸も出る」「神代回帰の詳細と姫アルクの神代回帰ステ」「トーコトラベル」「宇宙人が固有結界を貼ればアルクェイドへの供給を断てるかも」「藤乃は魔術知識を教えてくれる優秀な先生がいれば大化けする」「ゼルレッチは魔法使いの弟子を取ると廃人にするけど魔術師の弟子ならOK、遠坂永人はただの門下生で魔術師の弟子ですらない」「退魔四家の現代までの歴史」「魔眼は人体改造的な遺伝、浄眼は宿命的な遺伝で直死はそのハイブリッド」とかとにかく色々ある充実の内容。

 

 一番重要度高そうなのは神代回帰の詳細かな。

 この神代回帰、『まほよ』本編には一切出てこないくせに魔法使いの基礎音律のキャラ設定にはなんの説明もなく当たり前のように出てきたってワードで、ここで3ヶ月越しに初めて意味を解説されるとかいうわりとすごい使われ方をしている。もうこれで意味解説してるんだからいいだろみたいな感覚なのか『FGO』とかにもノー説明で当たり前のように出てくるし。

 

TYPE-MOON 10th Anniversary Phantasm B 2012年8月10日

 TYPE-MOON10周年記念に発売されたムック。よく考えたらTYPE-MON Fes.とはあんま関係ないなこれ……。

 収録内容はTYPE-MOON作品紹介やスタッフ座談会に年表、TMAのインタビュー・対談の再録やきのこ・社長の『Prototype』誌上コメンタリー、2012年までのエイプリルフール企画まとめとか色々。

 スタッフ座談会は「めておの『hollow』担当パート」「『レアルタ』のボイス収録はすべてきのこが立ち会ってる」あたりが初めて見る

 TYPE-MOON年表は「『月の珊瑚』と『メルブラAACC』追加シナリオは両方とも『月姫リメイク』のリハビリで続けて書いたから親和性がある」とかが見所。

 『Prototype』誌上コメンタリーは「綾香は根が陰湿で恨みパワーの素質がハンパないからウィッチクラフトに徹すればけっこうイケるクラスの達人まで育つ」とか言ってるんだけどじゃあウィッチクラフトより適正あるはずのフォーマルクラフトだともっとやばいところまで行けるってことだろうか。

 きのこ・虚淵・社長対談はTMA7の再録と見せかけて量が2~3倍くらいになってて割と別物。「『旧Fate』はきのこ初のオリジナル作品」とかこれくらいでしか見たことないような。TYPE-MOONの軌跡だと小説1作目が二次創作の『ザ・スクリーマー』、2作目が『百鬼夜行』、3作目が『旧Fate』で百鬼夜行もオリジナル小説だったって書き方なんだけど、まぁここはこちらのきのこ発言の方を優先したい。

 

TYPE-MOON10周年記念オールキャラクター人気投票 E 2012年8月11日

 TYPE-MOON10周年記念オールキャラクター人気投票結果発表

  TYPE-MOON10周年記念の人気投票。

 上位20位にはきのこコメントがついているけど面白い要素はあまりない。

 強いて言うなら「『旧Fate』と『stay night』で基本コンセプトが変わらないのはランサーだけ」「『タイころアッパー』のマジカルカレンシナリオはきのこのカレン愛が暴走して一時間以上のストーリーモードになった」とか。

 

 

路地裏さつき

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路地裏さつき EX 2013年4月1日

 さつき・シオン・リーズ・シエル・ヒロインXの一行が十二宮のゴールドヒロインを倒していくエイプリルフール企画。

 シリーズ構成・監修と戦闘テキストを奈須きのこが担当し、各話を磨伸映一郎(子の綾香、牛のライダー、酉の桜)、経験値(寅の赤セイバー、亥の秋葉)、ACPI(卯の式、午の青子、未のアルクェイド奈須きのこ(辰のエリザ、巳のカナタ、最終話の月姫さつき)星空めてお(申のほむら)東出祐一郎(戌のジャンヌ)の各ライターが執筆している

 

 一応謎のヒロインXの初出作品ではあるけどこの時点では特にユニヴァース設定とかないアルトリア本人だし『FGO』ヒロインXとはほぼ別人のような気もする。

 内容には「綾香は最終的に美男3人を手駒にする」って話が出てきたりジャンヌの宝具初披露(真名は隠されてるけど)だったりとか。(一番設定の開示度が高いのは『DDD』のカナタについてなんだけどこのブログの趣旨と一切関係ないから書かない)

 ちゃんとしたランクをつけるなら……Dとか……?

 ちなみに桜のシナリオで桜が「『CCC』に至ってはあの始末!」ってなぜかキレてるのはライターの磨伸映一郎がまだ『CCC』をプレイしていなかったせいらしい。いやこれ、このセリフ書いた磨伸映一郎は論外としても監修通したきのこもだいぶどうかと思うんだけど……。

  

 

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ A+ 2013年7月10日~2016年9月10日 全5巻3000円

 『Prototype』から8年前の聖杯戦争を描く前日譚。作者は桜井光

 セイバーの性格が明らかに別人とか、サーヴァント階位が英霊の性能じゃなくてクラス依存になったせいで『Prototype』でギルガメッシュがキレてた意味がわからなくなってるとか、パッションリップの宝具は改造されてオリジナルとは名前が変わってる設定なんで消えてるのとか、言いたいことはなくもないけど、まぁそこらへんは『Zero』も大して変わらないからな……。

 設定的にはまぁプロトビースト(ビーストVI)周りは当然として、エクスカリバーが代々聖剣使いに受け継がれているって話とかも見所。

 この時点ではまだ「湖の乙女に返還された聖剣はまた別の英雄に受け継がれるらしい」くらいの描写だったけど、直後の『EXTELLA』に紀元前12000年の聖剣使いが登場してマジでめちゃくちゃスケールのでかい武器だったことがわかった。(12500年前から受け継がれてる聖剣に自分ルールの封印を勝手につけてしかもそれを自分たちが死んだ後まで永遠に残してる円卓、迷惑すぎない? セファールとかビーストとかそのせいで倒せなかったらどうすんの?)(というか『蒼銀』でビースト倒しきれなかったの円卓拘束つけちゃったせいじゃない?)(あと鯖として現代にやってきたアーサーが「当代の聖剣使い」扱いされてるのいくらなんでもおかしくない……?)

 

 ちょっと変わったところだと愛歌の「人理定礎はSF風に言うなら時空の連続体」ってなんてことのないセリフが『まほよ』で有珠にやられた雑魚敵の「第五仮説要素───異常/異常/異常/アリ。周囲ノ時空連続体ニ齟齬ヲ確認」ってセリフと組み合わせるだけでなんかヤバそうな設定になるのが楽しい。いや具体的な意味はちょっとよくわからないんだけど…….

 

Fate/Labyrinth C 2015年4月10日~2016年1月9日 300円

 『蒼銀』の外伝小説。作者は桜井光

 『蒼銀』と『FGO』の間には

『蒼銀』に真名も見た目も不明で「東方の大英雄」としか明かされていないアーチャーを出す

                ↓

FGO』の事前発表で「戦いのなかで数千人にも及ぶ人民の命を救うという偉業を成し遂げた」設定のアーチャーをビジュアル付きで出す

                 ↓

FGO』サービス開始でこの鯖の真名がアーラシュであることを明かしつつ『蒼銀』アーチャーとの関係を匂わせる

                 ↓

最後にようやく『蒼銀』第4部でアーチャー=アーラシュであることを明かす

 というギミックが仕込まれていたんだけど、『FGO』延期したせいでこの連携やるために『蒼銀』第4部の開始を遅らせる必要が出てしまい仕方なく連載の穴埋めに生まれたのがこの作品。

 これ本当に面白くない(意見には個人差があります)んだけど、まぁそういう事情で急造されたものだと思えばつまらなくても多少は仕方ないと思えるよな……(そうかな……?)。

 設定的には「人理が脈動して英霊召喚可能な『Fate』世界では死徒は力を失う」の初出作品ではある。

 

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツDrama CD&Original Soundtrack A+ 2017年10月25日~2019年11月27日 全5巻10000円

 『蒼銀』のドラマCD。

 脚本は1巻のみ桜井光がクレジットされていたが2巻以降は脚本表記自体なし。

 時系列シャッフルされている原作(正直意味が未だにわからない。この時系列シャッフルが面白さに寄与してる要素、何かある?)と違って普通に時間通り進行していくのでわかりやすい。

 追加シーンも豊富で、例えばセイバー召喚シーンが追加されて触媒が聖剣の鞘だったことが明言されたりする(この鞘、多分綾香の胸に埋まってる聖遺物だと思うんだけど、このあたり『蒼銀』ではなぜかろくに触れないまま終わったからな……)。

 それ以外にも教会の監督役やプロト弓マスターの部下が地味に暗躍してたり、エルザがビースト倒すためのアシストしたことになってたり、沙条父や巽やナイジェルの出番が増えてたり、全体的にボリュームアップしていて完全版と言っていい内容なので値段気にしなければ原作読むよりこのドラマCD聞く方がオススメ。

 

 あと「オジマンディアスは本来魂2騎分持ちだけどステラ+エクスカリバーで半分吹き飛ばされたから聖杯が確保した魂は1騎分」っていう原作では影も形もなかった設定、オジマン格上げのための無理やり後付け感があまりにもあからさまでちょっと笑う。(魂って宝具で吹き飛ばせるようなもんだったの? 鯖の魂7騎分集めて目的を達成するって聖杯戦争の設定が根幹から崩れるのでは……)。

 言われてみると確かにギルガメッシュが3騎相当でブリュンヒルデが2騎相当なのにオジマンが1騎分しか持ってないのめちゃくちゃしょぼく感じてくるけども。言われるまでそんなこと別に思ってなかったよ。(逆にギル3騎オジマン2騎ブリュ2騎だとヘラクレス1騎がしょぼい気がしてくる。剣槍術+ギル2騎ヘラ2騎で満タンだったりしたんじゃないかとか思わなくもない)

 あと「黒化鯖は欠けた霊基をビーストの泥で補完してるがその中でもオジマンはほとんど泥製になってる」って設定とかもプロトギルガメッシュに撃破されることへの言い訳っぽい雰囲気を感じる。逆に静謐なんかは『蒼銀』時より強化されてるらしいけど。

 

 ルキウスが魔剣フロレント使う時の魔剣限定解除のルビっぽいセリフがついてるのもちょっと嬉しいけど、「聖剣拘束開放(シールサーティーン)!」「魔剣限定解除(リベラティオ・アンゲルス)!」って言いながら宝具を打ち合うせいのはどうかと思う。「シールサーティーン!」だけ言ってカリバー撃つシーンを作中2回もやってるの、最後のビーストに使うカリバーまでフル詠唱を貯めるためだとはわかるけど普通に意味わからないんだよな……いきなり封印13!とか言われても……。

 

 各巻のブックレットには桜井光書き下ろしの特典小説「Fragments」も掲載されている。

コンビニエンス・ストア E 2017年10月25日

 ドラマCD1巻の特典小説。作者は桜井光

 巽とジキルがコンビニで会話するだけの話。特に書けることがない。

鎧纏わぬ私に E 2017年10月25日

 ドラマCD1巻の特典小説。作者は桜井光

 ブリュンヒルデ生前の過去編。シグルドと出会ってから破滅するまでの間の幸せな日々。

 話としては割と好きなんだけどこれもまぁどうでもいいな。というかこの特典小説ほぼ全部どうでもいいんだけど。

まるで  のようね E 2018年1月24日

 ドラマCD2巻の特典小説。作者は桜井光

 聖杯戦争6日目、ホテル内で子供の夢を見るエルザとそれ気遣うアーラシュ。ちょっと好き。

まるで  のように E 2018年1月24日

 ドラマCD2巻の特典小説。作者は桜井光

 聖杯戦争6日目、ファミレスで知り合いとデス・メアリーの噂話をする巽とそれを盗みぎく静謐のハサン。

厨房にて E 2018年9月26日

 ドラマCD3巻の特典小説。作者は桜井光

 聖杯戦争7日目、ホムンクルスとの会話で王の資質を示したり料理の手伝いをしたりする美沙夜。

工房にて D 2018年9月26日

 ドラマCD3巻の特典小説。作者は桜井光

 生前、在野の魔術師の子女を弟子にしていた頃を回想をするパラケルスス

 何気にパラケルススのフルネーム(テオフラストス・フィリップス・アウレオールス・ボンバストス・フォン・ホーエンハイム)ってここにしか出てきてないような……他にあったっけ?

 型月wikiではなんか「テオフラストス・フィリップス・アウレオールス・ボンバストス・フォン・ホーエンハイム」とか書いてあるんだけど、これちゃんと出典のある記述なのか編集者が何も考えずにWikipediaあたりからパクってきてるだけなのかよくわからない。

築きあげるもの E 2019年2月27日

 ドラマCD4巻の特典小説。作者は桜井光

 聖杯戦争中、大神殿の建立場所を検討しながら生前のネフェルタリとの会話を回想するオジマンディアス。

抗いつづけるもの B 2019年2月27日

 ドラマCD4巻の特典小説。作者は桜井光

 生前のアーサーvs唸る獣の戦いを描く過去編。マーリンやパロミデスも登場する。

 「愛憎の果てによって生まれた獣」「本来は倒す倒さないの存在じゃない、だってあれはヒトの……」ってこれもしかして『蒼銀』本編でアーサーがハイド見て唸る獣連想してたのは人類悪つながりだったみたいな話してます……?

此処でなく、現在でなく B 2019年11月27日

 ドラマCD5巻の特典小説。作者は桜井光

 聖杯戦争終了後、マーリンの見せる夢の中で他の『蒼銀』鯖や巽と酒を飲み交わすアーサー。

 黒化『蒼銀』鯖は別に『蒼銀』鯖そのものではなくて魂の一部と霊基の残骸が囚われているだけらしい。

 あとはジキルが蜘蛛(正確に言うと蜘蛛の巣)を苦手にしてる描写とかもあるけどこれ真に受けていいのかちょっと謎。

――そして西暦一九九九年、二月某日 E 2019年11月27日

 ドラマCD5巻の特典小説。作者は桜井光

 『Prototype』本編の時間軸で綾香といっしょにグラタンを作るアーサー。

 

TYPE-MOONエース D 2017年8月30日 300円

 Vol.12の桜井光・中原対談で「執筆時にきのこから提示されたテーマは『愛歌がどのような存在であるかを明らかにする』だった」とか。

 

 

2015年の時計塔

2015年の時計塔 A 2014年4月29日

 『まほ箱』サービス終了記念に公開された作品。

 『月姫』『まほよ』寄りの世界を舞台に、この世界で人理焼却が起きなかった理由を描く短編小説。作者は奈須きのこ

 無駄にややこしいけど「この世界で人理焼却が起きなかった理由」が描かれているのであって別に『FGO』世界への分岐点がここなわけではない(レフがカルデアに赴任したの10年以上前からだから)はず。

 『FGO』のプロローグ的な内容になっていて、過去と未来云々の話なんかは2部のストーリーにも関わってきそうにも見える。

 

 新規設定は色々あるが、一番デカいのは多分『FGO』のタイトルにもなっている冠位指定(グランドオーダー)。

 というか『FGO』のタイトルがなんで冠位指定なのかっていまだにまったくわからないんだけど……。「西暦以前から続く魔術師の家系が持つ始まりの命令、絶対厳守の誇り」って『FGO』の内容に特にカスってないよな……。

 それ以外にも魔術協会について色々新規情報が出てくる。

 十二のロードと十二学部の設定なんかはここが初出。「バルトメロイの担当学部は個体基礎」は現在では設定変更されているけど、そこ以外は「魔術協会の始まりは2世紀頃」「ロクスロートの街ができたのは12世紀頃」とかちゃんと時計塔年表と辻褄合っているように見える。

 あとは「彷徨海は神代の魔術を至高とする組織」とかも初出はこれ。

 魔術師設定のアップデートだと「高位の魔術師が電子機器を軽視するのはスマホ程度の機能なら魔術回路で代用できるから」も結構大きい気がする。

 『Zero』の魔術ファックスあたりの描写を完全否定しているような気もするが、時計塔でそれなりに才能を評価されていた時臣はまだしもモブスパイの回路にはそんな演算能力はなかったと考えれば矛盾ってほどでもないか。

 

竹箒日記 C 2015年8月14日

 竹箒日記 : 2015/08

 『2015年の時計塔』の解説。

 「個体基礎学科はバルトメロイじゃなくて中立主義のソロネア家」「舞台になっているのは『月姫』『まほよ』よりの世界」「フラウロスが自殺したのでこの世界では『FGO』は起きない」とか。

 

 

カプセルさーばんと

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カプセルさーばんと D 2014年11月27日

 Vita版『hollow』内のミニゲームスマホにも移植)。

 さーばんと同士をを戦わせる遊びが流行っているホビー漫画的世界を舞台にしたタワーディフェンスゲーム。

 シナリオは経験値、奈須きのこ、OKSG。きのこはシナリオ原案と総監修も担当している。

 

 サバイバーズギルトにならずに育った素の性格の衛宮士郎が見れるのるがちょっとうれしい。

 あとは「そのキャラクターの究極系(ただしマイナス方面)」というコンセプトで作られたボスキャラとして英霊トーサカや英霊フラガなんかも登場する……が、さすがにこれを信じるのはちょっとどうかという気もする。

 ゲーム中ではなんか夢オチじみたオチがつけられているけど、エイプリルフールでのネタの拾い方見てると普通に実在(?)する世界なんだろう。

 

Capsule material C 2014年11月27日 500円

 Vita版『hollow』の特典。構成・テキストは経験値、テキスト監修は奈須きのこ

 『カプセルさーばんと』のイラスト素材と用語辞典収録。テキスト担当は経験値できのこは監修のみ。

 

 あまり面白い話はないんだけど、唯一G桜の説明にある「第三架空元素機関DDDシステム」は気になる。

 いや、第三架空元素、何もかも初耳なんだけど……。

 まず第三元素って設定見たことないんだけど五大元素の三番目で火属性のことでいいのか? 第三要素(精神)と間違ってない? というか第二要素(魂)と間違ってない? というかどっちにしても仮想なの何? エーテルになら第五架空要素/第五真説要素って真偽があるけど……。

 きのこテキストならよくわからない部分があってもまぁそういうもんなんだろうとそのまま信じられるんだけど、経験値テキストだとちょっと……でもきのこ監修ついてるしな……いやそもそもG桜なんかの設定信じるなよって気も……。

 

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 A+ 2014年12月28日~2019年5月17日 全10巻3500円

 『stay night』と全くの同一世界を舞台に魔術世界のあれこれを書く外伝。作者は三田誠

 正確に言うと「完全に同じ世界。ただし三田誠スパイスにより大気濃度がちょい違う濃密魔術もの」らしいんだけどこれ何度見ても意味がよくわからない。

 「きのこが書けばこうはならないだろうという言動をキャラがするけどそれは作者の作風が違うだけなので間違いなく正史」みたいな受け取り方でいいのか……?

 内容的には冠位魔術師とか虹の魔眼とかアトラス院の七大兵器とか神霊とか、「なんかすごいらしいのはわかるけど具体的にどれくらいすごいの?」って事物を出しまくるシリーズ(虹の魔眼だけ実際には出てこないけど)

 あとは「死徒二十七祖が存在するか(『月姫』世界か『Fate』世界か?)の分岐は一番遅くても西暦300年頃」とかもある。時計塔年表にある朱い月とゼルレッチの戦い(朱い月の消滅)が起点ってことかな。

 

ロード・エルメロイII世の事件簿 「猫と霧と墓守」 D 2020年10月26日 1500円

  『事件簿』文庫第8巻とコミカライズ第6巻の同時購入特典として発表された短編小説。作者は三田誠

 『事件簿』の物語終了から半年後(アドラから一年後)の夏、グレイが霧の中で猫を追いかける話。

 穂群原学園卒業前のタイミングなのに遠坂が時計塔にいるの、『hollow』でも語られてた3年夏休みの短期留学の時期なんだと思うけど、これって『hollow』以外でもウィンチェスター事件は起きてるってことでいいんだろうか……。

 

ロード・エルメロイII世の事件簿 「君主には言えないこと」 E 2020年10月26日 1500円

  『事件簿』文庫第8巻とコミカライズ第6巻の同時購入特典として発表された漫画。シナリオは三田誠

 「猫と霧と墓守」の裏側を描く種明かし編。

 凛vsルヴィア戦で「初戦は1ラウンド13秒KOだった」って話が出てくるあたりやはり『hollow』の凛vsルヴィア戦は正史っぽい。

 

ロード・エルメロイⅡ世の冒険 A+ 2020年12月25日~ 既刊2巻2000円

 『事件簿』の続編。作者は三田誠

 ただし時系列が第五次聖杯戦争以前だったために『stay night』と完全な同一世界と言い切られていた前作と違って、『stay night』から数年後を舞台にしたこちらは聖杯解体編につながる独自ルート後を舞台にしているらしい。

 要は『月姫』とか『EXTELLA』とか、TYPE-MOONのゲーム作品が続編出すときの定番処理をしてるってことだけど。

 内容的には1巻の時点でもう今まで全く出てこなかった思想魔術の組織、螺旋館と山嶺法廷が出てきたり、「仙人は強すぎる」って理由で『Zero』では没にされた仙人が実際に登場したりする充実の内容。

 2巻でも今まで全く出てこなかった「実戦派の法術師」(どうでもいいけどsnでは「実践派の法術師」だったのに表記が変わってるな)が初登場したり、神臓鋳體(神體)みたいな一切聞いたことない概念が出てきたりして楽しい。

 (別にこの作品に限った話じゃないけど)『FGO』とは2020年12月4日公開の地獄界曼荼羅芦屋道満が擬似思想鍵紋を使った後、2020年12月25日発売の『冒険』1巻で本物の思想鍵紋が出てきたりとか明らかに連携プレーをしている。

 

 

ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note- C 2019年7月7日~2019年9月29日 全6巻25000円

 『事件簿』4巻5巻部分をアニメ化したもの。

 話数の半分くらいはアニメオリジナルエピソードで穴埋めされているがこれはまぁわりとどうでもいいな。

 というかこのアニメ版って「『事件簿』は『stay night』と全く同一の世界」って話どうなってるんですかね。同一世界なのは原作だけでアニメやドラマCDは普通にパラレルってことでいいんだよな……。

 

 アニメオリジナル要素で重要そうなのは魔眼蒐集列車に急に生えてきた「オルガマリーはマリスビリーに捨てられていた」発言。明らかに『FGO』への伏線として追加されている。

 捨てられた理由が「聖杯が使い物にならない→カルデアスが完成しない」っぽく見えるので、オルガマリーってカルデアスを云々するための用途に作られたんだろうなって感じになる。

 

 DVD/BDにはブックレットと小太刀右京脚本のドラマCDが付属する。

特製ブックレット D 2019年9月4日~2020年2月5日

 魔術考証:三輪清宗の魔術解説やスタッフインタビューが収録。

 三田誠のインタビューは「『Zero』から『事件簿』の間の10年間はぼんやり考えてあって「ウェイバー世界旅行編(1話のバビロン事件とイタリアマフィア事件、ギリシャ初講師事件)→ヤング・デイズ編などがある」とか。

 魔術解説はあまり面白い話はないんだけど「東洋の方が霊脈が太いがその分地震も多い。西洋はアルプス山脈付近で霊脈が細くなってるけどロンドンとかの大都市には細い霊脈が集まっている」あたりの話は完全に初耳。魔法を起動できる霊地は日本には蒼崎の管理地1つしかないとか言うから日本って霊脈しょぼいイメージだったんだけど。

ドラマCD VOL.1 グレイと日記とガラスの壺 E 2019年9月4日

 DVD/BD完全生産限定版1巻に付属するドラマCD。脚本:小太刀右京、魔術考証協力:三輪清宗

 アトラムの持ち込んだガラスのツボをグレイとII世が解呪しようとする話。

 II世がグレイに魔術についての基本設定を説明するシーンとか出てくるけど、魔術と魔法の違いとか魔術回路についてとか本当に初歩的な内容なのでまぁどうでもいいな。というかこのドラマCDシリーズ基本的に全部どうでもいいんだけど。

ドラマCD VOL.2 オーガニック・ミートと電気ウサギ E 2019年10月2日

 DVD/BD完全生産限定版2巻に付属するドラマCD。脚本:小太刀右京、魔術考証協力:三輪清宗

 フラット、スヴィン、カウレスがアニメ3話に登場した雷獣と戦う話。

 魔術回路が質EX量EXのフラットと質B+量A+のスヴィンと質D量Eのカウレスって才能にものすごい差があると思うんだけど戦闘してる分にはそんな格が違うように見えない。

ドラマCD VOL.3 魔眼殺しと救いの言葉 E 2019年11月6日

 DVD/BD完全生産限定版3巻に付属するドラマCD。脚本:小太刀右京

 II世が風邪で寝込む話。

 書くことが何もない。

ドラマCD VOL.4 三大美女と地球最大の決戦 E 2019年12月4日

 DVD/BD完全生産限定版4巻に付属するドラマCD。脚本:小太刀右京

 全体基礎科の元重鎮の財産分与でライネスとルヴィアと化野が争っているのをII世が調停する話。

 どうでもいいけどこの元重鎮の型月wikiの記事、「時計塔の社交界では知らぬ人がいないくらい賑わっている屋敷だった」ってニュアンスのセリフを「時計塔で名前を知らないものはないレベルの魔術師であった」ってことにしてるのさすがにただの嘘では……(いや重鎮だった以上それなりの実力者だったんだろうとは思うけど)。

ドラマCD VOL.5 カジノと空と懲りないふたり E 2020年1月15日

 DVD/BD完全生産限定版5巻に付属するドラマCD。脚本:小太刀右京、魔術考証協力:三輪清宗。 

 フラットとスヴィンが戦闘機に乗ってテロリストと戦う話。

 一応フラットの一人称のブレについて伏線が張られてたりはするけど、その伏線、このドラマCDのつい5日前に発売された『Fake』6巻で回収されたばっかなんだけど……。

ドラマCD VOL.6 ランキングの秘密とウロボロスの蛇 C 2020年2月5日

 DVD/BD完全生産限定版6巻に付属するドラマCD。脚本:小太刀右京、魔術考証協力:三輪清宗

 時計塔で一番抱かれたい男ランキングについてエルメロイ教室の生徒が調査する話。

 「魔術師の能力って血で決まるのにII世がランキング1位なの変じゃない?」って疑問へのフォローなのか、II世の順位は他のランカーと違って生徒からの信頼の表れだということになった。

 ちなみに原作4巻だとII世の順位が同率4位だったがこちらでは2位のウィルズが死んだことで3位に繰り上げに変わっている。『キャラマテ』を信じるなら最終的には1位になるっぽいが……。

 あとは獅子劫さんが学生時代はクソ真面目だったとかジャンマリオと友人だったとかいう話も出てくる。

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿material A++ 2019年12月28日 2000円

 『事件簿』のマテリアル。テキスト・監修は三田誠奈須きのこ

 でも一番の見所は何よりもまずきのこ提供の裏設定資料の中から現在公開可能な情報のみを抽出したシークレットファイル。

 収録内容は時計塔(十二学科、法政科、カリオンに階位の詳しい説明)、時計塔年表、霊墓アルビオン、ロード・トランベリオ(冠位指定の内容や魔術師としての性能)、ロード・ユリフィス(同上)の5つ。

 特に面白いのは「第一魔法の使い手はAD前夜に誕生」「魔術協会は元々ソロモン王の弟子の1人が真エーテル消滅後に過去を識る学問として残すために作ったもの(エーテルの証明で路線変更)」「300年頃に朱い月とゼルレッチの激突があった……とされる」「ブラックモアは朱い月が死んだ失意の内に消滅した」「霊墓アルビオンは星の内海に通じる物理的な通路」「トランベリオとユリフィスの冠位指定」とか。

 

 「第一魔法の使い手は西暦開始直前生まれ」「第三魔法は紀元前100年にアインツベルンから失われたものを西暦900年にユスティーツァが証明した」って設定見るに第三魔法のナンバリングはユスティーツァが使って魔法が証明されてからつけられたってことか。ここから第二魔法と第四魔法の開発時期もまぁある程度わかる(第二が西暦元年~300年で第四が900年~20世紀あたり)けど第二はまだしも第四は範囲広すぎる。

 あとは「朱い月とゼルレッチの戦いがあやふやな表現なの何?」とか「『月姫』世界じゃ生きてるブラックモアが『Fate』世界じゃ死んでるの、『月姫』世界の朱い月は復活前提の死亡だったけど『Fate』世界の朱い月はマジ死亡ってこと?」とかが気になる。

 朱い月とゼルレッチの戦い、大統領のD4Uみたいな感じで「あらゆる並行世界で一度しか起こってない」(だから『stay night』世界で起こったかどうかあやふや)みたいな感じじゃないかなとも思ったけどそれじゃこの戦いで朱い月死ぬかどうか分岐してるっぽいのがおかしいかな。

 ところでこの時計塔年表、2004年に第三魔法が再現されたって噂が立ってるけどこれ「HF」ルートってことでいいんですかね。『事件簿』世界が「HF」ルートだと聖杯戦争解体編につなげられないような気がするんだけど……。

 

 シークレットファイル以外も各キャラクターのプロフィールが「決戦の日」や魔術系統や魔術回路の質・量・編成が載っている『まほよ』仕様の奴だったり、フェイカーのステータス、三田誠執筆の用語辞典があったり充実の内容。

 特に魔術回路の性能はカウレス、II世くらいの凡人からロード3人にズェピアあたりの「普通のトップクラスの魔術師」まで一気に数が増えてイメージしやすくなった。

 魔術回路・質EXは橙子に愛歌にオルガマリーってちょくちょくいるのに量EXは実質グレイ(終盤)しかいないの、アルトリアの魔術回路(竜の心臓)マジですごいみたいな話してるのかなこれ。

 決戦の日もフラットの「スタンドアローンから見下ろす広大なネットワークの海」、マグダネルの「伝承堆積市場ブリシサン」、オルガマリーの「宙の外」とか露骨に意味ありげ。

 フラットは『Fake』終了後にはマーリンみたいな現世には干渉できない観測者ポジションにでもなってんのかな。ブリシサンは『FGO』の特異点の名前にしか見えないけどなんなのかまったくわからない。宙の外も謎。

 用語辞典は「ロンゴミニアドの十三拘束は円卓がつけたものじゃなくてロンゴミニアド自身が自主的につけたもの」がびっくり。意思とかあるんだ……。

 

「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-」Look back the case-インタビュー&イベント朗読シナリオブック- D 2020年2月8日 3000円

 『ロード・エルメロイII世の事件簿-魔眼蒐集列車Grace note-』スペシャルイベントで販売されたパンフレット。

 三田誠×加藤誠対談の他スタッフ・キャストのコメントやイベントで行われた朗読劇の台本が収録されている。

 『冒険』は『事件簿』から数年後、ロンドン以外が舞台で、5つの事件を扱った『事件簿』とは違い一つのグランドストーリーが展開されていくとか。

朗読劇「お茶会とチョコレート」 E 2020年2月8日

 『事件簿』イベントで行われた朗読劇。脚本は小太刀右京で魔術考証が三輪清宗、監修協力が三田誠

 過労気味のII世をライネスやグレイがなんとか休ませようとする話。

 まぁどうでもいいな……。

 

TYPE-MOONエース D 2015年7月1日~2016年4月19日 2冊600円

 Vol.10(2015年7月1日)の三田誠インタビューでルヴィアの性格についての説明がある。もともとルヴィアの本来のキャラ付けは『事件簿』のもので、それ以前のコメディ寄りのキャラは「レンタルマギカのアディリシアと被ってたから」「出番が少ないから(『hollow』)」「マスターのシナリオはコメディチックにする方針だったから(『アンコ』)」みたいな複雑な経緯があって生まれたものだったらしい。

 Vol.11(2016年4月19日)の三田誠インタビューで「『事件簿』を書くためにきのこと一緒に橙子さん年表を作った。イノライの登場もそこから」、あと特集記事で時計塔の学科の別名一覧があって鉱石科キシュアなんかはここが初出。

 

 

Fate/Grand Order

Fate/Grand Order A++ 2015年7月30日~

 サーヴァント総出演のオールスターもの。

 スタッフは全体構成・総監督が奈須きのこ。メインライターとして奈須きのこ東出祐一郎桜井光、水無瀬葉月、星空めておが執筆する他、ゲストライターとして虚淵玄三田誠も参加している。

 良くも悪くも最近の型月作品は基本的に『FGO』を中心に回ってるのでこれやらないと何もわからなくなる。

 具体的に言うと既存きのこ作品のラスボスや主人公がことごとくビースト設定に組み込まれたりとか。

 最近も「第三魔法があれば人類が宇宙に進出できるって言うけど具体的にどうなるの?」を出してきたし……しかもなんか第三魔法だけじゃなく一緒に第一第二もセットになってそうな感じで、じゃあ第四魔法と第五魔法も?いや「3つ目で終わっていれば良かったのにと誰かが言った」の通りに3つまでで終わった世界がこれとか……?って妄想が捗る。

 

 あとは過去設定のアップデートを(めちゃくちゃ半端なよくわからない形で)やっている節がある。宝具ランクの整理、A++の厳選をやっている(気がする)。

 具体的にはUBWがE〜A++からE〜Aに変更されて、まぁこれは「A++のエクスカリバーは投影不可でA+投影すると1ランクダウンするから最大A」って計算なんだろうと直感的に理解できる(それなら下限も無銘UBWみたいにE-じゃないのと思うが)のでむしろ元設定の最大値A++はどこから来てたんだよとか思わなくもない。

 ランスロットの宝具もアロンダイトとナイト・オブ・オーナーも両方A++からAに設定変更されたように見えるんだけど、剣ランスロットのスキルにあるオーナーはA++のまま(『FGOマテ』だとA+だけどこれは誤植?)なのでいまいちよくわからない。スキルランクでスキル倍率が決まるゲームシステム上の都合で変えられないのかなと思ってるけど。

 まぁどっちにしろアロンダイトはAになってるんだと思うので、多分アロンダイトの神造兵器設定も消えてるんだろうなぁとか。

 これでA++宝具がエクスカリバー、ロンゴミニアド級の宝具専用ランクって感じになった(カリバーと同じ神造兵器で宝具セリフもカリバー似のエルキエヌマ、幕間でロンゴミニアドとやりあってた=テクスチャ貫いてる槍?のマグナ・ウォルイッセ・マグナム、プロト神造兵器でセファールが使うティアドロ他に比べて遮那王流離譚だけなんでここにいるのか全くわからないので多分その内これも下方食らうか新設定公開で格上げられると思う)

 まぁ問題はこのあたりの設定変更に公式アナウンスがまったくないせいで本当に既存設定まで調整されたのかよくわからないことなんだけど……。

 

Fate/Grand Order -First Order- C 2016年12月31日 3000円

 『FGO』序章のアニメ化作品。

 序章は原作にドラマCDに漫画版2つにこれと色んなバージョンがあるけど、一応これがスタンダード……なのかな……よくわからない。

 独自要素はダレイオス(ライダー)とメドゥーサ〔ランサー〕(大)とか。

First Order material C 2017年3月29日

 DVD/BDに付属する特典小冊子。きのことたかしの一問一答やきのこインタビューが収録されている。

 特異点Fやオルガマリー所長のレイシフト適性に意味ありげなコメントがあったり、カルデア版令呪の詳細な説明があったり。

 

Fate/Grand Order -MOONLIGHT/LOSTROOM- D 2017年12月31日 5000円

 『FGO』2部序章の直前を描いたオリジナルアニメ。脚本は奈須きのこ

 正直これ、話がよくわからない。面白いのかつまらないのかすらよくわからない。『FGO』2部への伏線っぽいものがあるのはわかるが……。

MOONLIGHT/LOSTROOM material C 2018年7月28日

 DVD/BDのイベント限定版に付属する特典小冊子。

 いままで『FGO』のゲーム内とかで小出しになってた設定の総ざらいって感じで内容にあまり見所はないというか、正直どれが初出設定なのかよく把握していないんだよな……。

 アニメのストーリーへのちょっとした解説みたいなのもあるけど、「不在の夢」「未明の夢」が同じものなのか違うものなのかよくわからないせいで読むと元から理解してなかったストーリーがもっと理解できなくなる感じがある。

 

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア- Episode 0 Initium Iter B 2019年8月3日

 アニメ絶対魔獣戦線バビロニアの第0話となるアニメオリジナルエピソード。脚本原作は奈須きのこ

 内容的にはバビロニアというか『FGO』全体の第0話となっていて、物語開始以前のマシュやロマニ、レフ、マリスビリー前所長の姿が描かれる。特に前所長のビジュアルはこのアニメが初登場。

 内容的にはマシュの英霊憑依実験とかマシュの先輩定義の詳しい説明とか色々あるけど、一番重要そうなのはマリスビリーの死亡シーンが描かれていること。

 単純に見ればデイビットに殺されたってことになるんだけどまぁミスリードかもしれない。

 

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア- C 2019年10月5日~2020年3月21日 全5巻

 『FGO』1部7章のアニメ化作品。

 途中までは改変はありつつ基本的には原作のシナリオ通りに進んで行く感じだったけどラスト2話だけ急に別物。

 特にティアマトとの最終決戦では「ネガ・ジェネシスに取り込まれるとすべてのサーヴァントは消滅する」とかいう謎の設定が出てくる。さすがにこれ「人鯖と星鯖の宝具に対してバリア」と何もかも違いすぎるのでアニメオリジナル設定として切り捨てていいやつじゃないかな……。

 それ以外だと牛若丸の壇ノ浦・八艘跳になんか分身効果が追加されてたり、ビースト解説シーンで謎の犬のシルエットが出てきたり、マーリンの近接戦が神霊級の11体ラフムを素で倒せるくらいめちゃくちゃ強かったり、“山の翁”がビーストモードしたりとかもある。

 壇ノ浦・八艘跳、今まで気にしてなかったけど改めて『FGOマテ』見るとCランク宝具のくせに「足場が悪くてもジャンプ可能、跳躍能力アップ」って異常にしょぼい効果だったので分身くらい追加されてようやく人並みの宝具になる気もする。

 犬のシルエットはまぁどう見てもプライミッツ・マーダーなんだけど「フォウくんの見た目はプライミッツ・マーダーを可愛くした感じ」って発言があった割にはあんまり似てるようには見えない

 ビーストモードはちょっとマジでよくわからない。

 

 DVD/BDの完全生産限定版には『Babylonia Animation Material』が付属する……んだけど、内容がスタッフ・キャストインタビューくらいしかないっぽいのでまだ買ってない。

  

劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram E 2020年12月5日

 『FGO』1部6章の劇場版アニメ化前編。

 登場人物が一部カットされているくらいで基本的にはまぁ普通のアニメ化。

 アニオリシーンは原作だと「アグラヴェインの"鉄の戒め"」としか言われていなかった鎖が「英霊殺しの宝具」になったりとか、三蔵ちゃんが分身したりとか、アロンダイトが飛ぶ斬撃したりとか。 

Animation Material C 2021年4月21日

 DVD/BDの完全生産限定版に付属する特典小冊子。

 スタッフ・キャストインタビューや「きのことたかしの一問一答」が収録されている。

 見所は粛清騎士と一般兵士の違いとか。あとは「設定作成:桜井光」の三蔵ちゃんを完全に自キャラ扱いしてそうなきのことかもちょっと面白い。

 まぁ「エジプト関係(『蒼銀』鯖)は桜井光の監修つき」とか言いつつ三蔵やトリスタンに一切触れない時点でなんとなく想像はついたが……。

イラスト&テキストカードVol.1「贋作」 E 2020年12月5日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典1周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストは天空すふぃあ

 内容的にはベディヴィエールとマシュを対比させたきのこポエム。

 最初にこれ読んだときはてっきり残りの3つ(+後編特典)も全部ポエムなのかとビビったけどちゃんとSSもあってよかった。

イラスト&テキストカードVol.2「兄と妹」 D 2020年12月12日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典2周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストはワダアルコ。

 内容的には生前のガウェインとガレス、ガヘリスが登場するSS。

 「円卓の騎士の選抜のため槍試合が行われる」「ガウェインはオークニーの領主」「ガヘリスは体格に恵まれている」とか地味だけどなんか初耳な情報がちょくちょくある気がする。 

イラスト&テキストカードVol.3「友」 E 2020年12月19日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典3周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストは森井しづき

 内容的には生前のベディヴィエールとトリスタンが登場するSS。

 妙にトリスタンにあたりが強いタメ口ベディヴィエールとか。 

イラスト&テキストカードVol.4「主従」 E 2020年12月26日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典4周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストは武内崇

 内容的にはアグラヴェインのアルトリアに対する思いを描いたきのこポエム。

 SS回はまだしもポエム回は特に書けることがない。

 

劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編 Paladin; Agateram  C 2020年12月5日

 『FGO』1部6章の劇場版アニメ化後編。

 前編に比べて再構成されている要素が多くて独自描写も「ラムセウム・テンティリスは空中要塞になれる」「ロンゴミニアドは枝をいっぱい出せる」「アグラヴェインは鎖を操って戦う」「アグラヴェインは雑魚を召喚できる」とか色々あるが、このあたりアニメの独自描写なのかアニメ用に書き下ろされた新規設定なのかは区別がつかない。

 三蔵ちゃんが「記別・旃檀功徳」を使うのは原作のファイナル如来掌にもそれらしい描写があるので今回のは答え合わせくらいに思っていい気はするし、さすがに「ベディヴィエールの人間としてのステータスは筋力E耐久D敏捷E魔力F幸運B宝具-」は無から出てくる物じゃない気がするので書き下ろし設定として信じていいやつなんじゃないかと思うけど……。

イラスト&テキストカードVol.1「旅路」 D 2021年6月5日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典1周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストは石田あきら

 内容的には物語開始以前のベディヴィエールと獅子王を対比させたきのこポエム。

 何気にベディヴィエールと獅子王が元いた世界が剪定事象って明言されたのはこれが初めてかもしれない。原作だとまだ剪定事象って概念がフィーチャーされる前で「どこが別の末端世界の、あり得たかもしれない可能性」っていう曖昧な描写しかなかったので。

イラスト&テキストカードVol.2「騎士」 E 2021年6月12日 1000円

 劇場版キャメロット後編、来場者特典2周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストはしまどりる。

 内容的にはガウェインとランスロットの友情を描いたSS。

 生前のランスロットに対する恨みを完全に昇華しているガウェインとか、そもそも生前からして決別前はランスロットの正義を認めていたガウェインとか。

イラスト&テキストカードVol.3「憧憬」 E 2021年6月19日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典3周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストは近衛乙嗣

 内容的にはモードレッドの視点からアルトリアを見たポエム。

イラスト&テキストカードVol.4「守り人」 B 2021年6月26日 1000円

 劇場版キャメロット前編、来場者特典4周目のテキストカード。テキストは奈須きのこ、イラストはタイキ。

 内容的にはマーリンがギャラハッドについて解説するSS。

 どうも『FGO』2部の前振り用に書かれているっぽく、「ギャラハッドは生きている内に『役目を終えた』数少ない人間」「英霊ではあるけど人類に手を貸すことはない」とか色々書かれている。

 「ギャラハッドについての話が『FGO』のハイライトになる」っていう宣言、これは2部6章が物語全体のハイライトになるってことなのか、それとも6章はスルーして2部終章でギャラハッドの話やるってことなのかどっちだろうか。

 

Fate/Grand Order -turas realta- B 2017年8月9日~ 既刊8巻3000円

 『FGO』のコミカライズ。序章1章3章5章7章終章担当。

 話は結構改変されていてコミカライズとして普通に面白いし、監修もガッツリかかっててきのこ命名でマスター礼装スキルの詠唱(「礼装起動(プラグ・セット)」「瞬間強化(ブーステッド)」「緊急回避(バック・ブリンク)」)が出たり、オリオン(アルテミス)の新技「汝・速射の白銀(ラピッドファイア・オルテュギアー)」が出たりする。

 特に最後の奴はこれ読んでおくと『FGO』2部5章でちょっと楽しい感じになる。いや「汝、星を穿つ黄金(シューティングスター・オルテュギュアー)」とは・じゃなくて、とかオルテギュアーじゃなくてオルテュギュアーとか微妙に表記ブレてるけど……。あとこれインタビューの「宝具だと発動遅いからオリジナル技増やしてもらった」って発言とかカルバリン砲と同時使用する描写的に忠義の剣閃みたいな通常攻撃だと思ってたんだけど宝具なのか……?

 作中描写も基本正しいと見ていいと思うのでジークフリートはバーサーク鯖3人(デオン、アタランテ、ヴラド)瞬殺とかできる。

 

Fate/Grand Order -Ordu Beag- D 2020年7月22日 300円

 週刊少年マガジン2020年34号に掲載された読み切り漫画。

 作者表記は「原作/TYPE-MOON 漫画/ナギ晃聡」になっているが実際は「特別書き下ろしシナリオ」をコミカライズしたものらしい。

 よくわからないけど一応TYPE-MOON側の書き下ろしということなら公式作品ということになる……んじゃないか……?

 設定的には特異点での現地マスター徴用可だったのがちょっと面白いかも知れない。まぁ現地人マスター自体はもう1部7章のギルガメッシュがいるけど。

 

マンガで分かる! Fate/Grand Order E 2015年8月13日~ 既刊2巻400円

 『FGO』公式連載漫画。奈須きのこ完全未監修で作者はリヨ。

 単行本2巻にリヨ鯖のステータス収録。まぁ上述のインタビュー見るとリヨ鯖ってマジでノー監修で作られてるらしいので、個人的な感覚だとこの時点では非公式設定、『FGO』実装とかされて監修入った時点ではじめて公式設定化するってイメージでいて、正直このステータスには資料的価値とか全く感じないんだけど……。

 でも監修なんて入ってなくても公式作品として発表された時点で公式設定なんだみたいな感覚の人もいるとは思うのでそういう人なら設定目当てで買ってもいいのでは。

 

教えてFGO! 偉人と神話のぐらんどおーだー C 2016年8月16日~ 既刊2巻1000円

 『FGO』に登場するサーヴァントが自分の逸話を主人公に教える漫画。作者は津留崎優で脚本協力に森瀬繚。監修としてTYPE- MOON、東出祐一郎桜井光がクレジットされている。

 基本的には「後世にはこういう風に伝わっている」みたいな解説なので追加設定みたいなものはあまりない。そこら辺ボカしすぎたせいで逆に「金時は生前の自分に子供がいたかどうか記憶が曖昧」なんて設定が生まれたりもしてるけど。

 一応監修はかかってるはずなんだけど、大アイアスの事をこの漫画ではアイアスって呼んでたのに『FGO』本編ではアイアースって呼んでたりとか割と怪しい部分もある。 

 

 ちょっと面白いのは「アーラシュの宝具がラテン語なのは聖杯が西洋由来なのに気を使ったから」ってネタ。

 これ『stay night』時点では「エクスカリバーみたいな固有名詞宝具」「ゲート・オブ・バビロンみたいな英語宝具」の2種類しかなくて特に問題なかったのが派生作品で非固有名詞非英語宝具が出てきてじゃあ英語宝具なんなのってなった問題へのエクスキューズになってるんじゃないかと思う。

 「我が神はここにありて、神聖たる旗に集いて吼えよ!」が「リュミノジテ・エテルネッル、セイント・ウォーオーダー!」になるのはジルは気を使ったのにジャンヌは気を使わなかった結果、みたいな。

 まぁこれはこれで「他の英霊は気遣いの結果が英語なのに1人だけラテン語使ってるアーラシュ何?」「さすがにギルガメッシュはそういう気の使い方しなくない?」とか思わなくはないけど……。

 

FGOミステリー D 2019年5月23日 全2巻500円

 円居挽のミステリーイベントのノベライズ。作者は円居挽

 「翻る虚月館の告解 虚月館殺人事件」「惑う鳴鳳荘の考察 鳴鳳荘殺人事件」の2巻があって、鳴凰荘の方は正確にはイベントシナリオ自体ではなくその原作(『FGO』ライターチームがイベント用に改変する前のもの)をノベライズしたもの。

 内容的に面白いところはそんなにないんだけど、鳴凰荘でアンデルセンがホームズを怪しむくだりがカットされてる(というかあれはライターチームが追加したシーンだったってことだろう)ので読むと2部のホームズってマジで裏切るんだろうなって感じになる。

 

Fate/Grand Order Waltz in the MOONLIGHT/LOSTROOM D 2020年8月11日

 『FGO』を題材にした音ゲー。シナリオは奈須きのこ。楽曲原案・監修は東出祐一郎桜井光、経験値。

 シナリオ自体は謎のサーヴァント「ミス・クレーン」がいろんな鯖風の衣装を作りながらコメントするくらいで特に言えることはないんだけど、強いて言うならラストのロマニの台詞「ああ――そういう事も、あるんだねぇ」がまんま『未来福音』で観布子の母が言った「ああ――そうかい。そういうことも、あるんだねぇ」なせいでもしかして観布子の母の「聖人レベルの異能」って千里眼だったのか、みたいな感じになる。

 まぁ単純に2人も未来視+過去視持ちだから精神性が似てるみたいな話かもしれないけど。

 

Fate/Grand Order material I B 2016年8月12日 500円

 『FGO』のマテリアル第1弾。初期鯖の剣~術を収録。

 重要設定とかは特に出てこないが、ゲーム中には登場しない第2宝具、ゲーム中には説明テキストが一切存在しなかったスキルの効果とか情報量が多くて嬉しい。

 伏線的なものはエミヤ→イシュタルの「ついに狂ったか……!」、エミヤ→千子村正の「むう。悪くない」と、メディア→エウロペの「最強の守護者」、術ジル→アビゲイルの「深淵の臭い」、アンデルセンアルターエゴの「アレまでくるんじゃないだろうな」とか色々あったんだけどさすがに今はもう多分全部回収されている。

 

 あと別にIに限った話じゃないんだけど、天地乖離す開闢の星A++とか破戒すべき全ての符C+みたいな宝具強化前後のランク取り違えてるとしか思えない設定がちょくちょくあるのなんとかしてほしいっていうかせめて正誤表くらい出して欲しい。

 前述の鯖は原作とランクが違うから間違ってるのがわかるし、II収録の虹霓剣A++とか月女神の愛矢恋矢A++とかもゲーム内マテリアルと違うから間違ってるんだろうと思うんだけど、たとえば壇ノ浦・八艘跳のCとかゲーム内マテリアルに表記ない上に宝具強化後のランクが使われてるせいでこのランクが本当に正しいのかどうかまったく判断がつかない。

 

 ところでいまいちよくわかってないんだけどジークフリートセミラミスの設定、「コンマテ』4では「設定制作:TYPE-MOON」だったのに『FGOマテ』ではジークフリートが「設定作成:東出祐一郎奈須きのこ」でセミラミスが「設定作成:東出祐一郎」になってるの、TYPE-MOON東出祐一郎ってことでいいのか……? いや東出はTYPE-MOONスタッフじゃないと思うんだけど。

 何かの事情で名前を出せない設定担当がいるのを『コンマテ4』ではTYPE-MOONだけ表記、『FGOマテ』では小説版『Apocrypha』や『FGO』での設定調整者だけ表記で表現してるみたいな奴なのか、それとも「色んな人間が寄り集まって設定作ったので特定の担当者はいない」みたいな奴なのか。全然わからない。

 

Fate/Grand Order material II B 2016年8月12日 500円

 『FGO』のマテリアル第2弾。初期鯖の殺~狂に加えて2015年クリスマスイベント配布鯖までのサーヴァントを収録。

 これもまぁ宝具とかスキルとか色々ある。

 それ以外の初出情報だと「玉藻の前と酒呑童子が戦うと世界の終わりの如き大戦争が始まる」とか。酒呑童子が本気を出すと九尾レベルの化け物になる的なニュアンスを感じるんだけどいまだに回収されていない。

 伏線的なものは小次郎→武蔵への言及、「スカサハにはスカディ由来の一段階上の霊基がある」、「ソロモンには自由がなかった」とか。

 スカサハの一段階上の霊基、2部2章のスカサハ=スカディのことじゃなくて『FGOマテ』にあった「女王スカサハ=スカディ」のことだろうからこれはまだ未回収のネタにカウントしてもいいかもしれない。

 あとバサスロの設定作成がきのこになってるの、『ゼロマテ』の対談で明らかに虚淵が設定作ってるの前提で話が進んでたり、TMA7できのこが「サーヴァントを決めるのはライターへのご褒美なので『Zero』のサーヴァントは全部虚淵にお任せ」って言ってたの考えると誤植だと思うんだけど……。

 

Fate/Grand Order material III B 2016年12月29日 500円

 『FGO』のマテリアル第3弾。2015年クリスマスイベントガチャ鯖(実質4章鯖)から2016年GWの『Zero』イベントまでのサーヴァントを収録。

 これもまぁ宝具とかスキルとか色々ある。

 それ以外の初出情報だと「パラケルススは生前の臓硯、ダ・ヴィンチと知り合い」とか。

 伏線的なものはバベッジ→●●●●の「おお、これこそオートマタ。麗しきもの」(ガラテア)、所持スキルの単独顕現に「このスキルを持つものは、即ち――」とある両儀式(終章の「単独顕現はビーストのみが持つ特性」の時点でほとんど言ってるようなもんだけど)、アイリ→ラスプーチンの「とりあえず死んでくださる?」とか。

 

Fate/Grand Order material IV B 2017年12月29日 500円

 『FGO』のマテリアル第4弾。2016年5月の羅生門イベから2016年末1部終章までのサーヴァントを収録。

 これもまぁ宝具とかスキルとか色々。グランド2人とビースト2体入る分なんとなくゴージャス感がある。まぁ内容的にはゲーム内マテリアルとかぶってる部分多いんだけど。

 

 初出情報は「ティアマトのネガ・ジェネシスにある正しい人類史から生まれたサーヴァントは人属性と星属性のこと」「マーリンは本来ならビーストたち同様、人類に敵と認定される高次生命の幼年期」「時間神殿ソロモンの仕組みはユスティーツァの大聖杯と同じもの」「アルス・ノヴァの効果(ソロモンの完全消滅は彼の痕跡が無くなることではない)」とか。

 「正しい人類史から生まれたサーヴァント」、マテリアル読んでない人は異聞帯鯖のこと言ってるって絶対勘違いすると思うんだけど全然違うという。

 マーリンはこれあくまで「本来ならビースト達同様人類に敵と認定される」であって逆に言えば「本来ならビースト」ではないっていうことでいいのかな。

 アルス・ノヴァはゲーム内マテリアルの「ソロモン王の痕跡はこの世界から消滅する」とはっきり矛盾してるんだけど、1.5部以降のシナリオ見ても痕跡が消えてる気配とか一切ないし終章読み直しても痕跡消えるなんて一言も言ってないのでゲーム内マテリアルの方がおかしい。なんでそんなこと書いたの。

 伏線的なものは俵藤太→舌切雀の紅閻魔のコメント、イシュタルの「ギリシャの神性ってあれでしょ? ロボでしょ?」、ケツァル・コアトル→テスカトリポカの「クソ蜘蛛ヤロウ」「近代文明に染まった最低の姿で現れた」、ゲーティアのスキル説明にある「○○○○○による人理編纂」とか。

 

 あと騎金時のゴールデンドライブ・グッドナイトのレンジ900、なんでこんなに広いのかもなんで幅のない900ピンポイントなのかも意味がわからないし絶対誤植だと思うんだけど何と間違ってるのかすらよくわからない。0~90とか……?

 

Fate/Grand Order material V A+ 2018年8月10日 1500円

 『FGO』のマテリアル第5弾。2017年正月の武蔵から2017年10月のパールヴァティーまでを収録。

 めちゃくちゃ長くて10ページもある武蔵ちゃんの設定から始まり、グランドアサシン山の翁やビーストⅢ/Rが収録されている上にビーストⅢ/Lやビースト化ネロの前フリまでしてきてすごいボリューム感がある。

 『FGOマテ』のうち1冊だけ買うならどれがおすすめかって聞かれたら間違いなくこのⅤと答えますね。なんで『FGOマテ』のうち1冊だけ選んで買わなくちゃいけないのかわからないけど……。

 

 初出情報で目を引くのは「エミヤオルタは大河と大河の息子を殺しる(っぽい)」「アーサーのエクスカリバーは通常状態でランクEXの種別対城、六拘束開放でランクEXの種別???で更に先がある」「存在規模では『FGO』キアラ<『CCC』キアラだけどセイヴァーとの相性では『FGO』キアラ>『CCC』キアラ」「キアラ宝具は対冠宝具でグランドクラス特攻」とか。

 回収済みの伏線はメルトリリス→アルテミスの「もっと、無機質で、氷のように冷たくて、無駄のない流線型のボディをしていると感じていた」、BBとパールヴァティーのカーマへのコメント、キアラ→■■■(カーマ)のビーストⅢ/L、メイドオルタ→■■■の■■■の「地獄有数の調理人」(舌切雀の紅閻魔)とか。

 未回収の伏線的な奴は武蔵→■■■■の「魂の双子」「スターシステム」、山の翁→■■■■■■■の「煙る鏡」、メイドオルタ→■■■の「日本最強の家政婦」、水着ネロのスキル「七つの冠」の説明にある「■■は海より来たる」「七つの首」「黄金の杯」ってビーストⅥワード、BB→ネロ&玉藻の「どっちも人類にとって障害になる困ったちゃん」とか。伏せ字の中身、青子とかテスカポリトカはわかりやすいけど日本最強の家政婦だけマジで謎。なんだろうこれ。

 

Fate/Grand Order material VI B 2019年8月9日 1500円

 『FGO』のマテリアル第6弾。2017年10月の1.5部3章から2018年2月の「空の境界コラボ」復刻までを収録。

 初出情報で面白いのは「生前のソロモンとシバの女王は未来と過去を確定しては揺さぶる千里眼バトルしてた」「外なる宇宙の神性は世界像を書き換える」「アビゲイルラウムに作られた架空の人格」とか。

 伏線らしきものはエレシュキガルたちの大元■■■■■・■■■■■■(イシュタル・アシュタレト)と藤乃の友人に似ててビームを撃つ■■■■(どう見ても蒼崎青子)、キルケーの因縁キャラにあるオデュッセウスペーネロペーくらいか。

 『FGOマテ』の因縁キャラ、単純に生前の関係者に触れているだけなのか将来登場する鯖に前振りとしてコメントしているのか区別がつけづらい奴がちょくちょくあって、このオデュッセウスもそんな感じだったけどペーネロペーはどうも実装前提っぽく見える。

 

 どうでもいいけど巴御前の設定、「狂化:E 正常な思考力を保っているが、ステータス上昇の恩恵を受けない」と「アーチャーながら「狂化」スキルを低ランクで有している。理性が消えることはないまでも身体能力が向上し、獰猛な戦い振りを見せる」が両立してるのはさすがにおかしくない……?

 まぁ「ステータスに反映されない程度に身体能力が上がる」「異常とは言えない程度に思考が獰猛になる」くらいに脳内補完すれば別に矛盾ってほどでもないんだけど……。

 

Fate/Grand Order material VII B 2019年12月28日 1500円

 『FGO』のマテリアル第7弾。2018年4月の2部1章から2018年10月のハロウィンイベまでを収録。

 初出情報で目を引くのは「シグルドは数多のサーヴァントでもトップに並ぶだけの実力と神秘を秘めている」「水着BBに人型特攻が効かなくて超巨大特攻が効くのはギガストラクチャだから」「オデュッセウスは木馬宝具持ち」とスルトのステータス全部とか。

 このあたりになるともう第二宝具くらいならゲーム中のマテリアルに書いてあって当然みたいな感じになるのでちょっと地味。別にマテリアル本の情報量が減ってるんじゃなくてゲーム内マテリアルで出す情報量が増えてるだけだから仕方ないんだけど。

 

 伏線らしきものも「クー・フーリン〔キャスター〕に何かを感じるシグルド」と「水着BBが絶句する八百比丘尼」くらいしかない。

 術クーフーリンオーディン説、術クーフーリンのマテリアルに「『Fate/stay night』におけるランサー・クーフーリンと完全な同一人物」ってはっきり書いてある時点でありえないだろと思ってたけど、この意味深な反応見るとあるのかな……。

 ところでスルト出すのがありならビーストIVのステータスも出して欲しいんだけど……あとアーマード・マシュも。というかマシュ、いまだに6章後のロード・キャメロット使えるようになってる版がマテリアルで公開されてない。

 

Fate/Grand Order material VIII B 2020年5月2日 1500円

 『FGO』のマテリアル第8弾。2018年11月の2部3章から2019年6月の2部4章までの実装サーヴァントに加えてクリプター7人と春日局松平信綱の設定が収録。

 初出情報で目を引くのは「デイビットの出身地はアメリカ、ネバダ州」「キングプロテアに組み込まれた女神はティターニア(ティターン)、アイラーヴァタ、ティアマト」「カズラドロップは世界が憎いから周りを弱くするしかないと思っている」「真性悪魔化したキアラを倒せるのはリミットオーバーしたプロテアだけ」「数の勝負ではビーストⅢ/Lがビースト最強」「ビーストⅢ/Lは他のビーストに比べて羽化してから本調子になるまでの時間がとても長い」とか。

 あとこれ、韓信は立ち絵とサテーコメントしか載ってないのに春日局松平信綱は設定テキスト付きなのって「韓信実装あり&春日局松平信綱実装なし」宣言と受け取っていいんですかね。韓信の設定担当してそうな虚淵の都合で設定用意できなかっただけみたいな可能性もあるかな……?

 

 

Fate/Grand Order material IX C 2021年8月13日 1500円

 『FGO』のマテリアル第9弾。2019年7月の経験値イベントから2019年8月の水着イベントまでを収録。

 初出情報で目を引くのは……特にない。隠し宝具とかも特にないしめちゃくちゃ地味。そもそも収録サーヴァントが経験値鯖、低レア鯖、水着鯖で少女ダヴィンチ以外明らかに重要度低いので仕方ない気もするが……。

 その少女ダヴィンチについても重要そうな部分だいたい伏せ字にされてるし……というかこの伏せ字、『FGOマテ』で出せなかったらもう出す場所ない気がするけど公開のアテはあるんだろうか。本編でロリンチちゃん死んだときに竹箒で公開、みたいな?

 先の展開への伏線らしいものも、ホームズがどういう死に方をするかロリンチが察しているらしいことくらいしか……。

 

TYPE-MOONエース Fate/Grand Order D 2015年8月10日 500円

 短編小説『2015年の時計塔』とドラマCD『Fate/Grand Order 序章』が収録。

 まぁ『2015年の時計塔』に関しては紙で読めるのがこの雑誌しかないってだけでpdfファイルはネットで未だに公開されてるのでわざわざこれ買う必要は特にないんだけど……。

 それ以外にも『FGO』記事で金時の怪力C天性の肉体Cやスカサハのルーン魔術Aとかの「スキル名とランクに効果が紐付けされてるゲームシステムの都合でスキルを改変されたサーヴァントの本来の設定」がわかるのはちょっとうれしい。

 『FGOマテ』のマーリンが夢幻のカリスマ:Aじゃなくてカリスマ:B持ってるみたいなやつ。

 あとロマニが体鍛えてて結構筋肉質って話はこれのきのこインタビューでしか見たことない気がする。

Fate/Grand Order ドラマCD 序章 D 2015年8月10日

 『FGO』序章をドラマCD化したもの。脚本:奈須きのこ

 ゲーム上の都合でひたすら切り貼り編集されてわかりづらくなっていた序章のシナリオを正しく配列し直した再編集版。

 完全版みたいなものだと思うんだけど、序章アニメがある今となっては割と微妙な立ち位置に感じるというか、どちらの方が「完全版度」みたいなものが高いのかよくわからない。

 ちなみにこのドラマCD、雑誌にもCD本体に『Fate/Grand Order ドラマCD 序章』としか書かれてないが実際は『Fate/Grand Order First Take』が正式なタイトルらしい。

 

TYPE-MOONエース C 2016年4月19日~2021年3月26日 3冊1600円

 Vol.11(2016年4月19日)に「英霊伝承~ジキル~」「英霊伝承~アステリオス~」と『FGO』きのこインタビューが収録、『Fate/Grand Order Servant Storage』が付属する。

 きのこインタビューの内容だと見所は「1部4章ラストで語られた”人類を滅ぼすものに立ち向かうものとしての英霊"という設定は旧Fateの頃に作った一番初めの設定」「主人公に実は○○みたいな設定はない、主人公=プレイヤー」とか。

 Vol.12(2017年8月30日)には『Fate/Grand Order Servant Storage II』が付属。

 Vol.13(2021年3月26日)には古海鐘一インタビューやamphibianの巻末コラムが収録、『Fate/Grand Order Servant Storage III』が付属する。

 「道満の二つ名『美しき肉食獣』はきのこ発案」「道満を2016年にデザインした時はハイ・サーヴァントやチェルノボーグ、イツパパロトルの設定はなかった」「宝具のコンテはTYPE-MOON作成」「ゴッホは登場鯖選定の段階からamphibianが関わってる」とか色々。あと何気に始皇帝の幕間が虚淵シナリオなのがコミカライズのスタッフ表記で初めて公開された気がする。

Fate/Grand Order 英霊伝承 ~ジキル~ A 2016年4月19日

 生前のジキルが死ぬ前に残した手記の内容を描いた短編。作者は桜井光

 人類悪って概念の初出はほぼこれみたいな部分がある。

 「人類悪」って単語だけなら『超時空トラぶる花札大作戦』や『CCC』でも出てるんだけど、あちらが本当に単語出しただけで終わってるのに比べてこちらは一応「人が人で在るための性質、七つの大罪とは別物」みたいな説明が入っている。

 いやまぁこれの「ハイドはジキルの中の人類悪に形を与えたもの」って設定、ハイドの思想性が薄すぎて全く信じられないんだけど……。

 まぁそれ以外にも生前のホームズやモリアーティ、19世紀のアーシェロット家とか出てくるし結構見どころの多い作品ではある。

Fate/Grand Order 英霊伝承 ~アステリオス~ E 2016年4月19日

 生前のアステリオステセウスと戦って殺されるところを描いた短編。

 まぁ設定的に面白いところとかは特にないんだけど、他の英霊伝承に比べてなんか妙に他作品で引用されてる印象。

 どうでもいいけど型月wikiのテセウスの記事、編集者が『教えてFGO』や『turas realta』のことは知ってるのに何故かこの英霊伝承だけ知らなかったせいでちょっと面白い感じになってる。「もうすぐ君は死ぬけれど。何か言い残すことはあるかな?」も「僕は君を助けたかったよ」も出典は『教えてFGO』でも『turas realta』でもなくてこの短編なんだけど……!?

Fate/Grand Order Servant Storage D 2016年4月19日~2021年3月26日

 『FGO』におけるサーヴァントのゲーム上のデータをまとめたもの。

 公式媒体で天地人の属性が公表されているのっていまだにこれだけなので一応それなりに貴重なデータではある。

 まぁみんなどうせ解析見て知ってるでしょって感じなんだけど……。

 

Fate/Grand Order カルデアエース A 2017年4月15日 300円

 『FGO』第1部完結記念に発売されたファンブック。

 「英霊伝承~荊軻~」「英霊伝承~エレナ~」が掲載、ドラマCD「英霊伝承異聞 ~巌窟王 エドモン・ダンテス~」が付属している。

 この時点でそれなりに買う価値はあるんだけど、きのこ・社長・島﨑信長の座談会も充実の内容。ロムルスは英霊の格という意味では星4相当」「冠位鯖は冠位を捨てた時点では霊基は冠位級のまま。山の翁はティアマトに死を教えるために霊基を消費して通常鯖の霊基になった」「"失ったものがあったとしても最後には必ず収支が合う"が『stay night』のセイバールートから続く『Fate』に通底するテーマ」「ロマンの本当の笑顔は作中2回だけ」とか色々出てくる。

 「ロムルスの格は星4」、正直信じがたいんだけど(ロムルス、グランドランサーっぽくない? 星5じゃないの?)、これ社長が適当言ってるだけなのか、それともきのこインタビューにある「サーヴァントの強さランクを作って管理している」ってやつの話をしてるのか……。

 冠位返上のくだりはわかりづらいだけでシナリオ読み直したら「冠位など我には不要なれど、今この一刀に最強の証を宿さん」とかのセリフでちゃんと説明されているようにも見える。

Fate/Grand Order 英霊伝承 ~荊軻~ D 2017年4月15日

 生前の荊軻始皇帝暗殺に失敗して死ぬまでを描いた短編。作者は東出祐一郎

 始皇帝を肉塊の怪物として出したら中国で炎上したことで有名。

 まぁどうでもいいんだよなこれ……2部3章の虚淵シナリオと何か連携できてるわけでもないし……。

 強いて言うならヒュドラの毒とか出てくる。

Fate/Grand Order英霊伝承 ~エレナ~ C 2017年4月15日

 生前のエレナがヒマラヤ探索中に死ぬ所を描いた短編。作者は桜井光

 これもまぁわりとどうでもいいんだけど、生前のホームズが登場した上に作中にドイルとワトソンの名前が両方出てきてどうも別人っぽい描写があるのはちょっと面白い。

 あと今読み直してヴィイの名前出してたことに初めて気づいた。

Fate/Grand Order 英霊伝承ドラマCD 英霊伝承異聞 ~巌窟王 エドモン・ダンテス~ B 2017年4月15日

 巌窟王エドモン・ダンテスの生前を描いたドラマCD。脚本:桜井光、監修:奈須きのこ

 他の英霊伝承と違ってなんかこれだけ巌窟王が死なないまま終わる。だから異聞なのかな……関係ないか。

 

 『Fate』世界ではロアが巌窟王に魂ごと殺されているというなんかすごい設定が明らかになり物議を醸した作品。

 個人的には「アルクと運命的な出会いをできなかったロアは雑魚」って設定には何の問題も感じてなくて、どちらかといえばそういうエクスキューズが何も提示されずになんとなく死んでる『事件簿』のブラックモアの方が気になってたくらいなんだけど……(さすがに『事件簿マテ』でフォローされた)

 ここでロア死んでいるはずなのにきのこインタビューで「『Fate』世界のシエルは設定が変わっていても戦闘能力はそのまま」って発言があるのはちょっと不思議な気もするけど、まぁロア由来の不死能力はどうせ『月姫』後は消えてロア由来の魔術知識はどうせ普段は使わないと考えればロア居ても居なくても大して変わらないのか?

 あとは灰錠の初登場作品でもある。この時点では「聖書のページから銀色の篭手に変形する武器」が登場するっていうだけで灰錠って名前や黒鍵よりも使いやすい代行者の標準装備みたいな設定が出てくるのはこの後の『事件簿』7巻だけど。

 

Fate/Grand OrderカルデアエースVol.2 E 2018年12月25日 500円

 カルデアエース第2弾。

 公式イラストレーターの書き下ろし絵とかが載ってるけど文芸設定要素は皆無。

 本体は買う意味ないけど、一応付録の宝具かるたは宝具セリフの漢字表記資料として使えるかもしれない。アルジュナの「しんせいりょういきかくだい」は「神聖領域拡大」じゃなくて「神性領域拡大」とか……と思ったけどこれは『EXTELLA LINK』公式サイトにも書いてあった。買う意味なかったわこれ。

 

ファミ通 A+ 2020年7月30日 550円

 2020年8/13号に『FGO』5周年記念の54ページ特集掲載。

 内容はきのこ・武内社長の一問一答、きのこ・武内社長のインタビューをはじめスタッフインタビューとか5年目発表シナリオへのライターコメントとか色々。

 設定的には「冠位鯖の条件は能力と逸話の水準が高くてそのクラスの頂点に立つもの。複数の候補者の中からその次代の"超克対象”次第で選ばれる」「冠位鯖の中でグランドアサシン適性だけ山の翁1人限定だったので現在空席」「固有結界のぶつかり合いは出力下の方が展開不可になる。出力同等の場合は世界が拮抗する」「オリュンポスの神がロボなのは『EXTRA』を作ってる時に各神話大系に特徴をつけようと思ったから」「オリュンポス十二機神以外のギリシャ神に真体はない」「『メルブラ』のブラック・バレルがシンプルなデザインだったのは制作上の都合」「デイビットは自力で人理修復クリア」「キリシュタリアの人理修復では獅子王襲来なし」とか充実の内容。

 個人的にデイビットの冠位鯖=テスカトリポカ=グランドアサシンで「山の翁が煙る鏡に辛辣なコメントしてたのはグランドキャスターの連帯感の逆パターンでグランドアサシンには同族嫌悪があるから」説を唱えてたんだけど、いやぁ……全然違いましたね。

 これ見た感じだと千里眼って魔術師の最高位=キャスターのクラスの頂点になるための条件だからグランドキャスター全員持つことになってるだけで別にそれ自体がグランドキャスターになるための条件ではないって感じなのかな。グランドアーチャーやグランドランサーは千里眼みたいな習得必須の特殊スキル持ってる感じじゃなさそうだし。

 神話大系の特徴、ギリシャのロボと南米の細菌はわかりやすいけど他の神話はちょっと謎。メソポタミア神話とか日本神話とかそれなりに露出してると思うんだけど全然思い当たる節がない。

 あと清少納言イベのライターはこのシナリオが初参加とかなんとか。ゲストライターのそれらしい人間がいないんだけどacpiかOKSG……?

 

Fate/Grand Order Original Soundtrack D 2017年3月1日~ 4枚6500円

 『FGO』のサウンドトラック。

 何気に「『CCC』イベと大奥はメインシナリオ」ってはっきり明言するのIVのライナーノーツで初めて見た。「実質メインシナリオ」とか「ほぼメインシナリオ」とかじゃなくて完全に「実はメインシナリオ」って言い切ってるの。さすがにどっかのインタビューとかでもう誰か言ってそうな気はするけど。

 I収録の「獅子の円卓 ~殲滅すべき神記の剣~」と「Fate/Grand Order」、II収録の「エミヤ ~無元の剣製~」と「運命 ~剣舞~」、IV収録の「Lost Piece」はきのこ命名らしい。IIIは特に何も書いてない。

 同じようなポジションの『stay night』アレンジ曲の内、無元の剣製が千子村正の宝具名だったのでもしかしたら「殲滅すべき神記の剣」の方も獅子王の宝具名だったりするかもしれない。

 メインタイトルを冠した曲、エクスカリバーアレンジ、エミヤアレンジ、last pieceをもじった曲とかに比べて「運命〜剣舞〜」だけなんできのこが名前つけてるのか全然わからない。「ぐだぐだなんちゃらみたいなふざけた曲名つけて今後シリアスシーンでサリエリがうりぼうのテーマ~旅立ち~弾いてるみたいになるのは嫌」的な奴だろうか。

 ライナーノーツで明言されているもの以外にもきのこ命名曲はあるらしい(空想樹シリーズ「In the Air ~TREE BATTLE 1~」「Hypothesis Cosmos ~TREE BATTLE 2~」「Hideous Theory ~TREE BATTLE 2.5~」「Wodime ~TREE BATTLE 3~」とか)んだけど、まぁ当たり前だけど言われなければどれがきのこ命名なのかよくわからない。

 

竹箒日記 B 2014年4月27日~

 竹箒日記 : 2014/07

 『FGO』発表時のPVを尺の都合でカットされていた部分含めたフルサイズ版でテキスト公開。

 竹箒日記 : 2015/12

 4章の解説。

 グランドクラスあたりの設定は「『月姫』時代からちょこちょこ(というか『空の境界』からか)囁いてきた始まりの設定」らしい。

 いや、特に心当たりが無いんだけど……そんなのあったかな……? 強いて言うならプライミッツ・マーダーの「ヒトに対して絶対的な殺害権利を持つ」あたりが怪しい気もするが……。

 あとは没シナリオの同人ゲームイベント導入編とかもある。

 竹箒日記 : 2016/01

 セイバーウォーズについての解説。

 「フリクエに出てくるサーヴァントの名前(アムドゥシアスとか)はサーヴァントユニヴァースでの名称。サーヴァント界の住人はサーヴァントをこの名前で認識している」とか。

 あとは没シナリオ「清姫異聞録#FG」とかもある。

 竹箒日記 : 2016/02

 『FGO』における『EXTRA』鯖についての解説。

 「赤王=『EXTRA』時空のネロ、嫁王=『EXTRA』主人公と出会っていないifのネロ」「アーチャーはアルトリアといる時はエミヤ、『EXTRA』キャラといる時は無銘になる」とか。

 竹箒日記 : 2016/03

 「らっきょコラボ」の解説。

 「メフィストとジキルの出来事は『空の境界』という話の合わせ鏡のようなもの」「ヒロインXのスキルが変わっているのはレッドが作るチャーハンを食べて無敵になり、尊敬するバベジンがいるので見栄を張って死ぬ気のガッツを見せているから」とか。

 竹箒日記 : 2016/04

 ジャンヌ・オルタのフレーバーテキストが「生まれながらに竜属性を持つ」から「生まれながらに竜を従える能力を持つ」に変更された連絡と謝罪。

 竹箒日記 : 2016/05

 『Zero』イベの四元素アイリ没セリフ。

 竹箒日記 : 2016/06

 エレナが根源にコンタクトさせられた時のエピソード(真偽不明)。

 竹箒日記 : 2016/07

 6章裏話。

 物語開始以前を描いた六章/Zeroを筆頭に、『蒼銀』鯖は桜井光監修つきとか、元々「なぜ義手がアガートラムなのか?」の理由がなくて悩んでいた所にレプリカを聞いてシナリオ全部書き換えたとか、決戦術式ソード・キャメロットはロード・キャメロットがモデルとか、呪腕のハサンとサリアの関係とかとにかく色々。

 あとは『FGO』のロードマップ変更とバトルぶったぎって挿入するシナリオ構成の変更についての話とかもある。

 竹箒日記 : 2016/08

 マルタ外伝。

 タラスクは元々世界の裏側に行けるほどの力を持たない幻想種だったとか。

 竹箒日記 : 2016/10

 6章裏話。

 6章では没になったピクト人について。

 あとは『FGO』の制作スケジュールについての話とかも。

 竹箒日記 : 2016/11

 「藤丸立香」っていう名前の名付け意図。男性主人公にも女性主人公にも合うように男性の時は名字、女性の時は名前で呼ばれるとそれっぽくなるように決めたとか。

 竹箒日記 : 2016/12

 7章と終章の解説。

 千里眼持ち同士には連帯感がある」「エレシュキガルは半霊体なので地上で活動する時はイシュタルの体を使っていた」「特異点の人理精算についての解説と1つだけ解決していない特異点があるっていう伏線」「エルキドゥの変容についての解説」「ゲーティア直属の使い魔が魔神柱72体なのに対しティアマト直属の使いの魔は最後に出てくる11体のベル・ラフムで数が少ない分魔神柱よりも強い」「『FGO』のプロットは坂本真綾のスクラップを聞きながら書いた」とか色々。

 あとはきのこ書き下ろしでキングゥと終章終了後の主人公のモノローグとかついてるのも嬉しい。

 ちなみに後者の「さよなら、ドクター・ロマンティック」の元ネタはビジュアル系バンドTRANSTIC NERVEの「SAYONARA DR.ROMANTIC」。ビジュアル系からの引用ネタって昔は結構あったはず(「魔剣リアル・オブ・ザ・ワールド(真世界)」の元ネタがZI:KILLの「真世界〜REAL OF THE WORLD〜」とか)なんだけど、最近だと珍しいのでは。いやこの場合は『DDD』の貫井自体の元ネタがこれって話だと思うので別に最近でもないかな……。

 竹箒日記 : 2017/04

 巌窟王ドラマCDの解説。

 というか『月姫』世界と『Fate』世界の違い、なぜロアが弱体化していたかについての解説。

 「大きく二つの系統に分かれている事は今までちょろちょろ説明してきました」って、そりゃまぁ今まで説明されたことがなかったとは言わないけど、大半の人間は『路地裏ナイトメア』とか『Labyrinth』とかわざわざ読んでないので「みなさんも知っての通り~」くらいのノリで言ってくるの結構面の皮が厚いよな……。

 竹箒日記 : 2017/05

 『CCC』スペシャルイベントの解説。

 ストーリー開始以前の前日譚に加えて「これのために『FGO』を始めたといっても過言ではないって発言は一度終わった物語のサブヒロインの「その後のイフ」を書けるチャンスは『FGO』のような媒体でしかないという意味」とかエミヤオルタが再起動した理由、『FGO』世界でのキアラの素性とか色々。

 竹箒日記 : 2018/11

 2部3章で登場したシオンの解説。

 ズェピアが発狂せず二十七祖にもならないことで生まれている差異とか。

 竹箒日記 : 2019/05

 円居挽イベについての解説。

 竹箒日記 : 2019/08

 2019年水着イベとバビロニア0話、ガウェインのスキル強化についての解説。

 「水着のきのこ担当は全体監修とメルト回」とか。

 竹箒日記 : 2020/04

  2部全体と2部5章オリュンポスについての解説。

 「『異聞帯の世界設定』は章ごとの担当ライターによるもの」「きのこ担当は導入と終わり、章をまたいでいる設定や話の追加(カイニス周りとか)と全体的なリライト」「オリュンポスはクリプター編の終わり」やカイニス、キリシュタリア、主人公の内心、キリシュタリアの没ボイスとか。

 竹箒日記 : 2020/05

 2部5章全体でゴルドルフの呼び方が新所長ではなく所長になっていたミスの訂正。

 竹箒日記 : 2020/08

 8/10に『FGO』5周年記念生放送とファミ通記事の解説(現在は消えている)。

 「2020年水着イベントのきのこ担当はキアラとエミヤまわり」「2020年バレンタインイベントと清少納言のライターはOKSG」「CBCアイアイエーの担当はアトランティスと同じライター(東出?)」とか。

 8/24に2020年水着イベの解説。

 「水着キアラの再臨ボイスはノーマルとハードの2種」「リリィ、大人アンデルセン、水着キアラのそれぞれの状態」とか。

 竹箒日記 : 2021/02

 2021年バレンタインイベントの解説。

 「ライターはきのこ以外でセリフ監修だけしている」「カレンがマイルームボイスでアンリに話しかけないのは仕様」とか。

 竹箒日記 : 2021/05

 劇場版キャメロット後編の解説。

 「獅子王戦はすべて監督のセンス」とか。

 竹箒日記 : 2021/06

  2部6章前編についての解説。

 オベロンは「普通のサーヴァントとは違う存在感。6章のテーマを体現してくれる、童話世界の案内役」とか。

 竹箒日記 : 2021/07

 劇場版ソロモンと2部6章後編についての解説。

 「『甘き夢』『昏い淵』『失意』『罪なきもの』のルビはニューホーム、ホライゾン、ロストウィル、ヘブンリー」とか、ベリルの令呪、ウッドワスの死因についてとか、ネモのバレンタインシナリオはきのこ執筆とか。

 竹箒日記 : 2021/08

 8/1に2部6章後編についての解説。

 「ムリアンの見た目がカズラドロップなのはカズラの元ネタがムリアンだったから」「ベリルはスラックスナークや猟奇固有結界・レッドフードを使う予定だった」「謎のタタリ三部作はスプリガンの記憶から生まれた」「カットされた年表の一部記載」とか

 8/6にレッドラ・ビットを主役にしたSS。

 8/12に崩壊編についての解説。

 「失意の庭の最後に出てくるやつは本人が無意識にそういう指摘をしてくると感じているやつ」「30節でオベロンの成り立ちを語っているのはアルトリア・アヴァロン」「30節の嵐の中の星はアルトリアが守護者になる時のシーン」「カットされた年表の一部記載」とか。

 8/31に劇場版ソロモンの解説。

 「七天礼装のシステム」「カルデア構文は職員としてカルデア入りした時に渡されるテキスト」とか。  

 8/31のもの以外はすでに消えている。

 

Fate/Grand Order」が目指す,スマホ時代の新しい物語とは。 D 2014年10月10日

「Fate/Grand Order」が目指す,スマホ時代の新しい物語とは。奈須きのこ×武内 崇×庄司顕仁の3名に聞く,その狙いと手応え - 4Gamer.net

 4Gamerの『FGO』インタビュー。サービス開始前のもので、2014年末あたりに開始して2015年末に第1部を完結させるという今見ると何もかも信じられない構想が語られている。

 設定的には「Grand Orderには人間として皆が守るべき尊厳という意味がある。過去から現代に至るまでの人類のルールであり、同時に人類にとって一番大きな使命ともなるようなもの」が人理守護指定・グランドオーダーの意味を説明しているようなそうでもないような。

 

Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形 B 2017年3月11日

「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは - 4Gamer.net

 4Gamerの『FGO』インタビュー。1部完結記念に発表されたもの。

 設定的には「星属性の解説(基本的には人類史の中で大きな希望を残した人。単に偉業を達成しただけではなくキラキラと光る星)」「ボツになったビースト設定の復活→ビーストを出すなら神代の終わりの話→神代の終わりと言えばソロモン」「総合的なサーヴァントの強さをきのこがランク付けして強さを決めている」「獅子王ゲーティアの選択の違い、逆行運河/創世光年の解説」「フォウくんのデザインはプライミッツ・マーダーを可愛くした姿」とか色々。

 「神代の終わりといえばソロモン」はそりゃわかるんだけど、「ビーストを出すなら神代の終わりの話」は理由がまったくわからない。

 

【寺田P×奈須きのこ:対談】 D 2017年7月28日~2017年7月31日

【寺田P×奈須きのこ:対談】決戦!『スパロボ』VS『Fate』――と思いきや、奈須きのこのスパロボ愛が炸裂して、寺田Pから濃ゆい制作秘話が聞けちゃった!

【寺田P×奈須きのこ:対談】庵野「シャアをエヴァに乗せて」→スパロボPはなぜ断ったのか!? Pが語る原作とゲームの狭間の葛藤。そしてFGOがスパロボから継承したもの

 スパロボの寺田Pときのこの対談。

 「スパロボの精神コマンドは共通フォーマットのルールだけでそのキャラクターの人間性を表したのが画期的。『Fate』も固有スキルばかりになると1つのフォーマットで語る意味がなくなる」って、ちょうどこのインタビューが発表されたの『FGO』が強化クエストとかで汎用スキル消しまくってた頃なんだけどだけど……!? 今じゃもう汎用スキル全滅しかかってるし全く作品に反映されてない。

 あとは「テーマとボスは表裏一体なので「このボスならこのテーマが書ける」と固まらないと書き始められない」ってきのこ流創作論とかもちょっと面白い。

 

FGO奈須きのこ氏インタビューで迫る過去・現在・未来 C 2019年10月5日

 【FGO】奈須きのこ氏インタビューで迫る過去・現在・未来。第2部完結後の構想は2パターン存在 - ファミ通.com

 ファミ通.comのきのこインタビュー。2019年8月8日発売のファミ通に掲載されていたインタビューの加筆版。

 設定的には「『月姫』キャラは『Fate』世界では設定が変わっている。アルクェイドやシエルは設定が変わっても戦闘能力はそのまま」「メインストーリーで死亡したサーヴァントはメインストーリーに再登場しないのが原則」「クリプターで人理修復できるのはキリシュタリアとデイビット。ただしどちらも2部は無理。カドックは異聞帯アナスタシアがいればいけるけどいないので無理」とか。

 「アルクェイドやシエルは設定が変わっても戦闘能力はそのまま」ってつまり「志貴や秋葉は設定が変わった結果戦闘能力が下がってる」って意味だと思うんだけど、なんでそうなるのかよくわからない。ロアいなくなって『月姫』の物語がなくなるのはわかるけど、直死の魔眼やら檻髪やらはロア何も関係ないのでは……鬼が2種類から3種類に増えたのがどこかで影響とかしてるのかな……。

 運命力が足りない系の設定、巌窟王にやられるロア、トワイスにやられる岸波白野、人理修復できないカドックとなんか最近妙に頻出しててきのこのマイブームみたいな雰囲気を感じなくもない。

 

 

FGO奈須きのこ氏&武内崇氏が語る5年目、そして6年目の『FGO』。 C 2020年12月26日

 【FGO】奈須きのこ氏&武内崇氏が語る5年目、そして6年目の『FGO』。オリュンポス終了までで第2部はまだ半分の進行度 - ファミ通.com

 ファミ通.comのきのこ・社長インタビュー。前述のファミ通特集記事からインタビューのみを抜き出して加筆したもの。

 追加部分の見所は「『FGO』の中でサーヴァントユニヴァースと経験値イベントだけ世界が違う、『FGO』のスピンアウト」「スペース・イシュタルは『stay night』凛じゃなくて『EXTRA』凛」「オリュンポス十二神と始皇帝の設定がかぶってるのは偶然」「ムーンセルは新納一哉のコンセプトを実現するために作った舞台装置なので『EXTRA』世界以外での存在意義は特にない」「オリュンポス十二神は自分たちも宇宙から来てたせいでセファールなめてたらボコボコにされた」「セファールは対異星文明特化型の兵器」「6章7章の舞台になるのはとてもゆるくて、やさしくて、あたたかくて、いい霊長類のいる異聞帯」「武蔵が言う“空”=“零”の概念は根源とは別物」「キリシュタリアのサーヴァントに予言能力持ちがいるって言っていたのはあと2回しか戦えないのをごまかすためのブラフ」とか。

 多いな……。

 

Fate/Grand Order』1.5部楽曲はどのように生まれた? TYPE-MOON・芳賀敬太に聞く E 2018年3月31日 

 『Fate/Grand Order』1.5部楽曲はどのように生まれた? TYPE-MOON・芳賀敬太に聞く - Real Sound|リアルサウンド

  サントラII発売にあわせた芳賀敬太インタビュー。

 内容的には「メインシナリオでの過去曲の使用は基本的にきのこチョイス」とか。

 

Fate/Grand Order Original Soundtrack IV」芳賀敬太&毛蟹インタビュー(聞き手:赤羽根健治) E 2018年7月10日

 「Fate/Grand Order Original Soundtrack IV」芳賀敬太&毛蟹インタビュー|カドック役・赤羽根健治が聞く!「FGO」音楽の作り方 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

 サントラIV発売にあわせた芳賀敬太&毛蟹インタビュー。

 内容的には「サントラの曲名は芳賀敬太が一通りつけてからきのこが添削してきのこに腹案があるものは差し替え」「シナリオに密接に関わる曲(空想樹シリーズとか)はきのこ命名」とか。

 

 

Fate/EXTELLA

Fate/EXTELLA A++ 2016年11月10日 1000円

 『EXTRA』後のムーンセルを舞台にしたアクションゲーム。

 正確に言えば『EXTRA』『CCC』本編とは少しズレたパラレルワールドから続く続編。(主な違いは4回戦でキャス狐を仲間にしたこと、7回戦で女主人公と戦ったことだけど後者はあんまストーリーとは関係ない)

 スタッフは「メインシナリオ:奈須きのこ、シナリオアシスタント:桜井光」……ということになっているけど、書いた分量的にはきのこと桜井光にそこまで差があるように見えないというか下手したら桜井光の方が多いかもしれない。どちらかといえば「原案:奈須きのこ、シナリオ:奈須きのこ桜井光」みたいなイメージで、実際一番最初に発表されたスタッフ表記では「シナリオ:奈須きのこ桜井光」と並列されていた。

 話はなんか結構賛否両論あるんだけど未明篇は文句なく面白いと思う。(いや個人的にはあの否定意見、いまいち意味がわからない部分が多いんだけど。『月姫』にも「シエル先輩や琥珀さんをサブヒロインとして触りだけつまみ食いしつつさっちんは死んでる架空のルートが正史だなんて許せない!」とか思ってたりするのか……?)

 

 設定上の見所は「人理定礎」「編纂事象」「剪定事象」とか。『FGO』の方が人理定礎はもちろん編纂事象と剪定事象も先に登場してる(「Fate/Accel Zero Order」が2016年4月27日開始)んだけど、詳細な説明はこっちのほうが早いはず。というか人理定礎に関しては『FGO』内できちんと説明されたこと一度もないような……あったっけ……? 「人理定礎=剪定事象を伐採するタイミング」って結構重要設定な気がするんだけど……。

 あとは14000年前からいた聖剣使いも見所。というか「地球の内海で今まさに精製された」なので星の聖剣(エクスカリバー)自体が対セファール用に作られたものっぽい。14000年前周りの設定だとなんの説明もなく現れる「第二神代」ってワードとかもちょっと面白い。

 『FGO』でちょくちょく言及されてアトランティスでついにフィーチャーされた「ギリシャ神は宇宙から来たロボ」設定も何気に初出はこれ。この時点では「マルス(の原型)から得た軍神の剣が異星の兵器っぽいビジュアルなのはオリュンポスの十二柱の原型になった神がアレだったから」ってセリフでほのめかす程度だけど。

Fate/EXTELLA material C 2016年11月10日

 『EXTELLA』定版に付属した設定資料集。テキスト・監修は奈須きのこ

 キャラ設定やラフ絵、用語辞典が収録されていてこれもまぁいつものやつという感じ。

 内容的には『EXTRA』世界や『EXTELLA』限定設定の解説メインであんまり他作品にまで波及するような設定はない。

 「(巨神アルテラは)Fate/EX』世界において、英雄アッティラを生み出した要因」とか「(編纂事象と剪定事象は)Fate/EX』シリーズにおける並行世界の運営概念」とか他の世界にも存在してるものをさも『EXTRA』世界限定設定みたいな言い方してくるのに無駄に幻惑されたりもするけど……。

 強いて言うならギルガメッシュの設定にある「自らの手で現界するスキルはクラス○○○○しか持ち得ないもの」は『EXTELLA』の発売から1ヶ月ちょい後の『FGO』1部終章で同じくギルガメッシュのセリフの「単独顕現なぞビーストのみが持つ特性」で回収されたりした。

 

Fate/EXTELLA LINK C 2018年6月7日 2000円

 『EXTELLA』の番外編的なアクションゲーム。

 正確に言えばこれもパラレルで、なんか『EXTELLA』と似たような事件が起きてアルテラのロリ化とかはしつつもアルキメデスが遊星に侵食されなかったりしてる。

 まぁこのあたりはインタビューで「劇場版『EXTELLA』。具体的にこの時期の話という明確な設定はない、あったかもしれない話」とか言われてるので具体的にどういう設定なのかは考えるだけ無駄かもしれない。劇場版ドラゴンボールとか劇場版ワンピースの時系列考えるようなもんだろう。

 

 シナリオは東出祐一郎小太刀右京/チーム・バレルロールで、監修として奈須きのこがクレジットされている。

 話は正直『FGO』のイベントシナリオとどっこいくらいのレベル。定価7980円のゲーム買わせといてこれかよって感じがある。(意見には個人差があります)

 設定的にはシャルルマーニュの「史実とは矛盾した伝説上のサーヴァントだけど剪定事象には実在した」が見所。『FGO』のホームズ体験クエスト(2017年7月31日実装)で「サーヴァントが架空か実在かの話に踏み込むと平行世界や剪定事象の話をしなきゃいけなくなる」とほのめかしてから10ヶ月越しの回収になる。この後続けて「神代の話にも踏み込まなきゃいけなくなる」って言っているのはいまだによくわからないけど……。 


フェイト/エクステラ パーフェクトガイド D 2016年12月10日 300円

 マーベラスのスタッフインタビュー等が収録された『EXTELLA』の攻略本。

 インタビューにTYPE-MOON側の人間が参加していないわりに「マーベラスの『ネロと玉藻以外にもう1人新規でヒロインを出したい』 って要望にきのこがこのキャラはどうかと勧めたのがアルテラ」「最初はギルガメッシュの宝具演出もっとすごかったけどTYPE-MOON側から『ギルガメッシュがインフレしてきてるので一旦『CCC』エヌマを演出の頂点にしたい』って要望が出て抑えめになった」「アルキメデスマーベラスが提案したキャラ」とか結構面白い話が出てくる。


TYPE-MOONエース D 2017年8月30日 300円

 Vol.12の『EXTELLA LINK』のきのこインタビューに「『EXTELLA LINK』には具体的にこの時期の話という明確な設定はない、『あったかもしれない話』『劇場版』」とか。

 

竹箒日記 B 2016年11月9日~2016年11月24日

竹箒日記 : 2016/11

 2016年11月に『EXTELLA』裏話。

 『EXTELLA』世界における『EXTRA』編、『CCC』編がどういったものだったのかを説明する資料「EXTELLA/zero」やその他いろいろ。

Fate/Requiem

Fate/Requiem D 2018年12月29日~ 既刊2巻1500円

 全人類に聖杯と契約サーヴァントが渡された世界を舞台にした作品。作者は星空めてお

 どういう世界線なのかは詳しく説明されていないけど、どうも第五次聖杯戦争の代わり?に起きた世界同時多発聖杯戦争でほぼ滅んだ世界、聖杯戦争から十数年後が舞台らしい。

 これもまぁ『Apocrypha』と同じようなポジションで他の作品にフィードバックされるような設定はあまりなさそうだけど、サーヴァントと人間のハーフが出てきたり、ギャラハッド・オルタとか秋葉の起源(かもしれない)鬼女紅葉とか出てくる登場鯖チョイスはちょっと面白い。

 

月姫リメイク

月姫 -A piece of blue glass moon- 2021年8月26日 A++ 6000円

 『月姫リメイク』前編。シナリオは奈須きのこ

 予告通り設定が色々アップデートされて、今後は同人版の設定は参考程度にしたほうが良さそう。

 同人版から設定の変更点は色々あるけど、一番大きなものは多分「原理血戒(イデアブラッド)」。旧設定における「死徒二十七祖は吸血鬼の冠位(タイトル)」「死徒二十七祖はそれぞれ独自の手段で不老不死を体現する」「死徒二十七祖の大半は固有結界を可能とする」「原液持ち」あたりをまとめた感じの設定で、いまいちよくわからなかった二十七祖の定義が「原理血戒を持ってるやつ」に明確化した。

 追加設定では逆行運河シリーズに「逆行運河/天体受胎」が増えたり、ロアが2001年に第六の儀式っぽいものを起こしてたり、「無(し)とはこの宇宙にいまだないもの。存ると想定することで多くの事象を説明できるけれど、実在してはいけないもの」って無の否定に関係しそうな話をしたりとかいろいろ。

月姫マテリアルI -material of blue glass moon- B 2021年8月26日

 『月姫リメイク』前編の初回限定版に付属した設定資料集。

 キャラ設定やイラスト素材、用語辞典が収録されていて内容的にはいつものマテリアル系って感じだけど用語辞典の内容が異常に薄いのはちょっと残念。

 ただキャラクターのプロフィール設定には「天敵:無限、混沌、完全」とか「天敵:七夜黄理」とか面白い感じのが結構あってあって、特にアルクェイドの「天敵:逆行運河」なんかもしかして以前きのこが言っていた(らしい)「アルクェイドは青子相手に7:3で勝てるが下手に追い詰めるとやってほしくないことをやられる可能性があるので敬遠している」って逆行運河・創世光年のことだったのかなとか。

月姫通信R C 2021年8月26日

 『月姫リメイク』前編の公式通販特典として付属した小冊子。

 きのこがリメイク版のシナリオ執筆前に原作を再プレイした時の所感が記されたプレイメモが掲載されている。

 単純にリメイク前篇の副読本として改変部分に対する作者に思考がわかって面白いけど、設定的には「『まほよ』のリデルは町中を死者で埋めるような能力を持つ」って全然知らない話が出てきたりとか、「屋敷に二十七祖の一人が食客としていたら」とかこれ阿良句博士だろって記述が出てきたりとか。

 

TYPE-MOONエース D 2015年7月1日 300円

 Vol.10のきのこのアニメ版『[UBW]』インタビューによれば「最近の作品で魔術協会の設定を整理したのは『月姫リメイク』で使うから」らしい。実際の前編にはまったく関わってこなかったが……。

 Vol.13のきのこ・武内インタビューで「二十七祖のうち"それなりに凄い系"のメンバーは退場させて転生、メンバーのリストラと新メンバーの加入、既存メンバーのバージョンアップを図った」「『メルブラTL』は本編開始10日ほど前が舞台のif」とか

 

ファミ通 E 2021年8月26日 500円

 きのこ・武内インタビューで「『FGO』と世界観設定の共有は多少あるがTYPE-MOON伝奇としてはつながっている程度のレベル」とか。深澤秀行・芳賀啓太インタビューで「曲名は99%きのこがつけたもの」とか。

 

今甦る真月譚,新生「月姫R」クリエイターインタビュー。奈須きのこ&BLACK両氏が語る世界の裏側,そしてこれから A 2021年9月27日

今甦る真月譚,新生「月姫R」クリエイターインタビュー。奈須きのこ&BLACK両氏が語る世界の裏側,そしてこれから

 4gamerのきのこ&BLACKインタビュー。

 内容的には「青子は20歳から年を取らない」「ホワイトボードは空想具現化製」「ロア戦には多くの伏線が仕込んである」「アルクェイドのルートが一つしかないことについてはいずれまた」「『月姫R』用に2010年に聖堂教会年表を作った。『FGO』『事件簿』で使っている魔術協会年表はそれを元にしたもの」「第七聖典の全容はこれから少しずつ出していく」「シエルはMPの高さだけで言えば型月世界最強」「シエルノーマルにはちょっとした意味がある。シエルエクストラは真エンドではない」「コンクラーベは聖堂教会ギャグ」「祖に会った人間は汚染物質扱いになる」「ヴローヴについてはまた今後」「『Fate』世界と『月姫』世界の違いは根本的には赤い月が現役かどうか」「テクスチャはもともと『月姫R』用の設定」「二十七祖や埋葬機関の設定更新は単に能力が被っていたところを調整して世界観のスケールアップをしただけ」「二十七祖の空き枠に『月姫R』用のキャラを入れた」「二十七祖のうち1/3くらいは『月姫R』中で説明する」「カルヴァリアは神秘の規模としては(用途は違うが)エクスカリバーと同等、魔術的にも頂点の一つ」「後編についてはオリンピックを待つ気持ちで」「裏側はちゃんと4ルートあって一作に収まる」『裏側を足した後は第二期TYPE-MOONの集大成的な作品を作りたい』「きのこは10年単位くらいでテーマを決めていて、『まほよ』以降の10年のテーマは消費文化だった」とか色々。

 ロア戦の伏線は……なんだろう。パンテオン云々とかあからさまに意味ありげなやつはともかく、志貴がロアの下半身殺したのまで伏線扱いなのはよくわからない。

 第七聖典とかヴローヴとか、なんとなく前編の時点でほぼ役割終わったくらいのイメージでいたんだけど全然そんなことはないらしい。

 アルクグッドとシエルトゥルーに関しては……やっぱこれリメイク版3作目あるんじゃないのか?

 

竹箒日記 D 2008年9月15日~2013年9月28日

 竹箒日記 : 2021/08

 OP曲の生命線と旅の終わりについての話とか。

 

 

MELTY BLOODリメイク

MELTY BLOOD : TYPE LUMINA 2021年9月30日 C 10000円

 『月姫R』世界を舞台にして作られた『MELTY BLOOD』。シナリオは奈須きのこ

 プレイアブルキャラクターは遠野志貴アルクェイド遠野秋葉、シエル、翡翠琥珀軋間紅摩有間都古、ノエル、ロア、ヴローヴ、暴走アルクェイド、セイバーの全13人。

 各キャラの個別シナリオの他に都古を主人公にしたボスラッシュモードも収録されている。

 シナリオ的にまぁ良くも悪くもいつものやつって感じなんだけど、明らかに単作でストーリーが一切完結してないのはびっくりする。

 誰が世界の壁を壊してセイバーを召喚したのかとか、琥珀さんが感じていた夢の中にいる感覚はなんだったのかとか、ロアが復活したのは何が理由だったのかとか、全然わからないんだけど……。

 いや限定版買えてないのでもしかしたらメルブラ読本に全部書いてあるのかもしれないが……(絶対書いてない)。

 内容的にはヴローヴのキャラについて掘り下げられたりとか、「ロアの陰謀で総耶の街は腐ってる」「志貴は吸血鬼への怒りの原因を忘れている」ってリメイク版後編への前振りが合ったりとか、「パラノダリア」って謎の人物についてロアが言及したりとか、「エクスカリバーアルクェイドは遠い親戚みたいなもの」とかタタリ編が都古の『運命の日』とか。

 軋間の血が「神の血を騙る」扱いなのとかもちょっと面白い気がする(キャラ説明には鬼との混血って書いてあるのに……)が、単に「赤い鬼神」だからとかだろうか。

 

メルブラらしさ”の分解と再構築から生まれた「MELTY BLOOD: TL」の見どころをなりたのぶや氏、芹沢鴨音氏にインタビュー E 2021年9月27日

“メルブラらしさ”の分解と再構築から生まれた「MELTY BLOOD: TL」の見どころをなりたのぶや氏、芹沢鴨音氏にインタビュー|ゲーム情報サイト Gamer

 フランスパンスタッフへのインタビュー。

 「登場人物の選定基準は月姫の物語のすぐ前後を含めた時間軸で総耶周辺に確かに存在している人物」とか「今は『月姫R』本編を楽しんでほしいタイミングなので本編完結後を舞台にしたタタリ編は展開できなかった」とか。

 旧『メルブラ』にいて総耶周辺にいないから参戦できなかったキャラクター、タタリ編キャラに加えて青子と式あたりのことかなぁと思うけど、これレンは総耶周辺にいないってことにならないか?