マインスターの魔女とユミナと第一魔法について

いやー、Fate/Grand Order第2部6章「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」でついに第一魔法の使い手について明かされましたね。

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 第一成立に関わった魔法使い=ユミナ=植物科の創立者であり、ユミナの直系=マインスターの魔女=久遠寺有珠の母だという。

 まぁ自慢じゃないけど僕はここ読んでる時マジで予想してた通りの内容が出てきたんで、「予想してた通りで逆につまらんな……!」くらいに思ってました。ガハハ!(自慢)

 この辺り、10年単位でチビチビ情報を出してきてる部分で、追っかけきれていない人もいると思うので順を追って解説していきます。 

 


2010年10月29日 Fate/complete material III World material

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 「第一魔法の直系たる人物はかろうじて存命中」の方はもちろんだけど、「内容は一部特権階級の魔術師たちにとっては常識」の方も後になってだんだん意味がわかってくる。

 なんなら「第四魔法の実在は魔法使いしか知らない」の方も第一魔法の使い手が誰かを考えるにあたって後で重要になる。 

 

2012年4月12日 魔法使いの夜 

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  「第一(はじまり)より別たれた」とか「私達は最後の魔法使い」とかかなり露骨な前振り。特に後者の方はこの後「触れてはいけない一線に踏みこんだ」説明だったと話が続くのでだいぶ意味深。

 この時点で「コンマテ3で言ってた第一魔法の使い手の直系、有珠なのかな?」って雰囲気はあるけど確証は特にない。

 

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  ちなみに「マインスター」に関しては有珠母個人を指す名称っぽい時と有珠含めた一族全体の名称っぽい時が両方あっていまいちよくわからない。

 ベリル母の「私の娘は私」を踏まえれば「代々マインスターの娘はマインスターでやってきたけど、禁忌で人間と恋に落ちて作った有珠はマインスター(血統)だけどマインスター(個人)じゃない特殊な存在になった」……みたいな感じかなぁ。

 

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 あとメイ・リデル・アーシェロットは「産業革命の陰でポッと発生した煤の魔女の末裔」らしい。

 これもこの時点では「有珠の友達だから同じ魔女」くらいしかわからなかったけど、今見ると「ああ、植物科初代のユミナが魔女だったから植物科の現ロードのアーシェロットも魔女なんだな」ってスッと理解できるな。

 FGOの説明だと魔女は文明の発展とともに転身していったって話なのに産業革命でポッと発生したの?っていうのはちょっと不思議だけど、格落ち品だからなのか?

 

2012年4月12日 魔法使いの基礎音律

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 久遠寺有珠の魔術系統がユミナ。この時点では完全ノークルー。他のキャラの魔術系統は「数秘術」「近代黒魔術」とかなので、謎の造語を使っている有珠が浮いていることだけはわかる。

 

2015年7月1日 TYPE-MOONエース Vol.10

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 時計塔の科の名前=創立者という設定の初出。この時点ではユミナもブリシサンも名前が出てきてないし、鉱石科がキシュアなのもわかってなかったのでマジでなんの意味もない設定だった。

 

2015年8月14日 ロード・エルメロイII世の事件簿 2 case.双貌塔イゼルマ(上)

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 植物科ユミナの初登場。正直この時点では「有珠、植物科だったんだ……」くらいに思ってた。今考えれば「植物科だからユミナ」ならユミナじゃなくて植物魔術とか書くだろという感じがするが……。

 

2016年8月14日 ロード・エルメロイII世の事件簿 4 case.魔眼蒐集列車(上)

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 植物科のロードがアーシェロットだった。これもまぁこの時点では割とどうでも良い設定(アーシェロットってそんな名家だったんだ、くらいに思ってた)だったんだけど、今思えば「ユミナのロードの家系かつ魔女の末裔のリデルが魔術系統:近代黒魔術なのに有珠が魔術系統:ユミナなのはおかしい……何かあるのでは?」と気づくべきだった(難易度高くない?)。

 

2021年3月31日 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅲ.spring song Animation material

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 答え合わせ。

 言っている内容としては「時計塔にはゼルレッチ以外にもう一人魔法使いがいて名前はユミナ」だけなんだけど、ここまで情報を追っていくと、ちゃんと「植物科の創立者は魔法使いだった」「第二はゼルレッチ、第三はアインツベルン、第五は青子で第四は魔法使い以外正体を知らないらしいからユミナは第一」「有珠の魔術系統がユミナだったのはユミナの直系だったから」と理解できるはず。

 

 ところで、

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 ゲーム版まほよ発売以前の説明だと有珠が普通に魔法使い扱いなんだけど、これ真に受けてもいい奴なのか?

 橙子・切嗣が黒桐・士郎みたいな素人相手に魔法使いを自称してたみたいな奴……?

 個人的には、原作版まほよでは魔術と魔法の違いがラストシーンで初めて明かされるギミックだった(ゲーム版まほよではもうらっきょやFateで魔法の話さんざんした後なのでオミットした)説とかも考えてあるんだけど。

 


余談

 ちなみに第一魔法の使い手については「久遠寺有珠の祖先」以外にももう一つ説を立てていて、それが「第一魔法の使い手=第一の亡霊(スタンティア)=死徒二十七祖11位スタンローブ、カルハイン」説。

 

「第一魔法の使い手はすでに死亡しているが、その痕跡が生きているので存命中とカウントされることもある」

2004年10月22日 月姫読本Plus Period

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「第一の亡霊ことスタンローブ・カルハインはすでに教会によって討たれているが、その怨念が残留して周囲のモノ全てを破壊するだけの力の渦になっている。存在濃度がゼロになるまであと二百年ほどかかる」

2001年5月23日 月姫読本

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2001年8月10日 歌月十夜

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2006年8月10日 PS2MELTY BLOOD Act Cadenza

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 に、似ている……あまりにも……!

 事件簿マテリアルの「AD前夜:第一魔法の使い手誕生」って記述を根拠にネットで囁かれてきた「第一魔法の使い手=イエス・キリスト」説、個人的にはこれを根拠に「イエス死徒二十七祖になって教会に討伐されてるわけなくない?」で採用してなかったんだけど、FGOの記述を見たらアリなような気もしてきた。

 魔法使いと明言されている割に「第一魔法を成立させた」とかじゃなく「第一魔法の成立に関わった」なのは怪しい。魔法を作成したんじゃなくて魔法の作成をバックアップしただけ、くらいの言い方にも見える。魔法使いである以上第一魔法の使い手だとは思うんだけど……。

 魔法の共同製作者がいてそれがイエスだった、みたいな可能性ならあるかもしれない。

 まぁもしも第一魔法の使い手がイエスユミナで二人いるなら「AD前夜:第一魔法の使い手誕生」なんでどっちのこと言ってるのかわからない表現やめてくれないかな、とか思わなくもない。

Fate/Grand Order 2部6章「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」 メモ

“これより語るは一つの未来。
  妖精國と成りはてた、神秘の島のその行く末”
“罪なき者はお帰りを。
 ここは底なし、女王のお城”
“つもる、つもる、雨のように、灰のように。
  きえる、きえる、雪のように、嘘のように”
“ぼくらの望みは棚の上。
  今も女王の手のひらのなか”
“でも、それもあと少しの辛抱だ。
  二千の年を超えた朝、救いの子が現れる”
妖精ぼくら人間かれらを結びつけ、
  世界を救う救世の子”
“はじめは小さな光でも、誰の目に見えなくても、
  光を目指す蛾のように”
“鉄の街、すすの海。
  災いを退けた時、巡礼は迎えられる”
“港は渚に戻るけれど、厄災は遙かな空へ”
“選定の杖に導かれ、異邦の旅人に見守られ、
  救いの子は玉座に届く”
“丸い砦はもえつきる。水の鐘はあらわれる”
玉座につくのはまことの王。
  血染めのかんむりおひとつどうぞ”
“罪を認めた罪人に、落とされるのは首切り刃”
“ならせ、ならせ、いかりのように、なげきのように。
  六つの鐘をならして示せ。まことの王の道を作れ”
“あかい災いが追いつく前に。
  くろい災いが食いつく前に”
“役目を終えた『予言の子』、元いた場所にさようなら”
“仕事はちょっとなまけるけども、
  ぼくらは自由な妖精のすえ
“望みはずっと欠けたまま。
  きらめく明日がほしいのさ”

  そのまま読めば「キャストリアが主人公に導かれながら六つの鐘を鳴らしてモルガンを倒して真の王として戴冠する」みたいなストーリーになるけど、まぁ予言のまんま進行しても面白くないし、マーリンの「それが起きた時にそうだったと符合する」、オベロンの「エインセルはイヤな引っかけを残した」「アルトリアの生死は主題じゃない」とかもあるので何かトリックが仕掛けられていることはわかる。

 

 「二千の年を超えた朝に現れる救いの子」

「妖精と人間を結びつけて世界を救う救世の子」

「選定の杖に導かれて異邦の旅人に見守られて玉座に届く救いの子」

=パーシヴァル?

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 15節で「選定の槍を与えられた日は2011年」、23節で「選定の槍を与えられた日にパーシヴァルは10歳」と分割して「パーシヴァルは2001年生まれの16歳」=「予言の子と同い年」っていう情報を隠しているのがあまりにも怪しすぎる。

 もちろん単にパーシヴァルの精神年齢の幼さを隠すためとか「ある妖精」(オーロラ?)が思いついた人工予言の子育成計画?出身なのを隠すためとかだけに用意されたギミックの可能性もあるけど、予言の文章「妖精と人間を結びつけ」とかかなりパーシヴァルっぽい。

 もっともパーシヴァルとすると「玉座に届く」の意味がいまいち解釈できなくなるという欠点もあるんだが、まぁそこはこれからの展開次第って部分もあるし……。

 

「救いの子を導いて玉座に届かせる選定の杖」=キャストリア? 選定の杖?

 じゃあキャストリアが何かって言ったらこれ? 実は予言の中で全然重要ポジションじゃなかったというオチ。ただここは文字通り選定の杖な可能性もあるかもしれない(今の所選定の杖一切仕事してないけど)。

 

「救いの子を見守って玉座に届かせる異邦の旅人」=キャストリア?
 第三再臨キャストリアが宝具セリフ「異邦の国、時の終わり、なれど剣は彼の手に」で妖精國を異邦扱いしてるっぽく読めるので、楽園の妖精から見れば妖精國はあくまで異邦って話になるのかもしれない。ただここ、「彼」(妖精國を終わらせて神造兵装エクスカリバーを手に入れる主人公?)目線で語ってるだけとも読めるんだが……。

 キャストリアじゃない場合でもここが主人公ってことはないと思う。なぜか登場人物みんな主人公のことを「異邦の旅人」じゃなく「異邦の魔術師」呼びしているので。

 キャストリアでも主人公でもない場合候補がナカムラとロブ、ワグくらいしかなくなるのでやっぱキャストリアでは……?

 

「役目を終えて元いた場所にさようならする『予言の子』」=キャストリア? マシュ?

 モルガンがはっきりキャストリアのことを『予言の子』認定しているのでここはキャストリア? モルガンが予言解釈間違えてる可能性を認めるならマシュもありかもしれない。

 

 

『巫女の予言』?

"自由を愛する妖精たち。愛を守った妖精たち。

  でも、そのかわりに世界を失った仔どもたち"

”幾度滅びを迎えても、

  あなたちのブリテンは栄えるでしょう”

”春の驚き、夏の諍い、秋の歓び、冬の戦い。

  たくさんの死を積み上げて、永遠に、永遠に”

"でも、どうぞ、いつまでも忘れずに。

  どんなに丈夫なお城でも、土台だけは変わらない"

"世界が新しくなるほど根は古び、

  誰も知らないまま、このとおり"

"取るに足りない、

  小さな虫のひとかみで崩れるのです"

  1節冒頭に出てくる奴。巫女の予言の概要が「春夏秋冬の戦争を予言した破滅の予言」でだいたい一致しているので多分これ。

 この予言全然わかんなくて……まずブリテン、別に何度も滅びてなくない? 年表見る限り大厄災で滅びたの妖精暦1年の1回(+詳細不明の妖精暦11000年大厄災?)だけに見えるんだけど。書いてないだけでトネリコが厄災防ぎ始めるまでは毎回1000年ごとに滅びてたのか?

 とりあえず妖精が世界を失った理由=セファールを倒せなかった理由=エクスカリバーを作れなかった理由?が自由を愛したからだったことはわかる。 

 

 

『6つの妖精』

おしまいで海になった。

はじまりに海があった

ながれぼしがすぎたあと、

大地はみんな河になった

これいじょうむかしはないほどの、

それはむかしのお話です。

ろくにんの妖精がそとにでると、

せかいは海になっていました。

土もなければ岩もない。

魚もいないし鳥もいない。

もちろん、ろくにんがだいすきだった

山も森も、もうありません。

ろくにんはとほうにくれて、

もうかえろうかとかなしみました。

"かわいそうなことを"

"こんなせかいになってしまって"

そんなとき、海のなかから おおきなかげが

たちあがりました。

ふわふわ、ふさふさの大きなからだ。

その肩には、いなくなったはずの動物ひとり。

肩にすわった動物は、このふさふさを

けるぬんのす、とよんでいました。

けるぬんのす と 動物 は、

ろくにん と ともだちになりました。

なにもない海はつまらなくて、

すみづらくて、たいへんなものでしたが、

けるぬんのす が 波をせきとめてくれるので、

ろくにんはらくちんです。

ただ、けるぬんのす は かみさま なので。

ささげものがひつようだと 動物はいいました。

ろくにんは けるぬんのす に

よろこびをささげました。

ろくにんは けるぬんのす に

おねがいをささげました。

"波のない海もいいけれど"

"ぼくたちやっぱり 大地が恋しい!"

ねがい は かなえられました。

おまつりは おわりました。

かみさまは つかれて ねむりました。

ろくにんは けるぬんのす を

たいせつにまつりました。

のこったものも たいせつに つかいました。

こうしてブリテンはできたのです。

はじまりのろくにん に すくいあれ。

 今書き起こして初めて気づいたけど、ケルヌンノス登場から急に文字の区切りに読点じゃなくてスペースを使い始めるのがかなり気になる。

 ケルヌンノス登場後すべてスペースになるのかと思えば「なにもない海はつまらなくて、すみづらくて、たいへんなものでしたが、」では読点使われたりするし……。

 何かニュアンスが隠されているとしたらスペース部分は妖精に都合よく改竄された捏造パートとかかなぁ。この昔話、絶対何か裏に隠されてるだろって禍々しさがすごいんだよな。締めの「はじまりのろくにん に すくいあれ」とかかなり怖い。

 妖精國の全人間のコピー元になった1人の人間とかこの巫女っぽいし、じゃあ「のこったものも たいせつにつかいました」ってそのことなんじゃないか、とか。

 その割に妖精がケルヌンノスの壁画見た時に罪の意識とかじゃなくて頼もしさを感じてるのが結構謎なんだけど……。

 

 

その他

 キャストリアが新しく円卓の騎士創設する説。

 主人公、キャストリア、マシュ、ダヴィンチ、トリスタン、オベロン、村正、ハベトロット、ガレス、パーシヴァル、レッドラ、ペペロンチーノ、グリムでちょうどいい感じに味方側13人になる。

 死人のトリスタン、ガレス、ペペロンチーノをノーカンにされるとだいぶ厳しくなるが、バゲ子、ノクナレアと後は展開次第でランスロットかコーラルあたりを入れればなんとか……。

TYPE-MOON展 奈須きのこ本棚にあった資料・種本48冊全部読む

 

 2019年末から2020年8月まで行われた「TYPE-MOONFate/stay night -15年の軌跡-」の展示企画の一つ、奈須きのこの仕事場にあるデスクやパソコン、本棚をイメージ再現した「Kinoko Nasu's WORK SPACE」から漫画と小説以外の本を抜き出して読んだもの。

 1冊目の『価値がわかる宝石図鑑』を読んだのが2021年3月7日、48冊目の『料理と帝国』を読んだのが2021年6月8日なので約3ヶ月かかった。

 本棚の中にはこの記事に載せたもの以外に書籍が漫画9冊と小説が150冊ほど。ゲームが3作と大量の音楽CDがある。

 『TYPE-MOON展図録』に棚の写真が載ってて、それを見れば収録本は大体わかる(一部角度的に背表紙が見えない本もある)のでみんなも買って読もう。

 

 本の並びはどの本がどの作品に使われた(可能性がある)のかわかりやすくするために出版年順。

 各作品の発表年代については 

 こちらの記事を参考にするとわかりやすいかと。

 僕もこの記事を書くにあたってかなり参考にして、「『失われた動物たち』と原作版『まほよ』書かれたのほぼ同時期だな……」とか「『428』と『未来福音』書かれたのほぼ同時期だな……」とかやっていました。(地産地消)。

 

 本棚にある小説と漫画については

 こちらをご参照ください(小説はまだ1/3くらいしか読んでないけど)。

 

 個人的にこの中で1番のオススメは『価値がわかる 宝石図鑑』。読んでいると合成の安物でいいからなんか手元に宝石が欲しくなってくる。元ネタ探し的な意味でも「あっもしかしてベリル・ガットの由来この本!?」ってサプライズ要素があるのも嬉しい。

 ある意味面白かったのは『型の完成にむかって』『決定版 毎日のおかず」『バッティングの正体』あたり。「中要秘刊集」「カニ風味かまぼこ五目」「シンクロステップ」みたいなかなり独特の用語が使われているおかげで読むと一発で『Fate/stay night』の弓道描写と料理描写、『DDD』の野球描写の種本であることがわかり、読み甲斐がある。

 

 

 


Truth In Fantasy 4 幻想世界の住人たちII 1989年5月

 奈須きのこ曰く「我々の心の故郷*1」というTruth In Fantasyシリーズの4冊目。著者は健部伸明と怪兵隊。

 ヨーロッパ・中近東・アジア・南北アメリカ・文学作品に登場する幻想生物と悪魔について解説した本。

 きのこ関係だとティアマトと11の怪物、キングー、マーラ、ソロモン72柱、イシュタル、エレシュキガル、ガルラ、アスタロス、ジャバウォックとバンダースナッチなんかの記載がある。

 この中では多分一番古い本の割に『FGO』で使われたような新しいネタが妙に多い。もしかして今でも現役で種本として使っているんだろうか、Truth In Fantasy……。


Truth In Fantasy 8 武勲の刃 1989年12月

 Truth In Fantasyシリーズの8冊目。著者は市川定春と怪兵隊。

 刀剣の歴史や刀剣の種類ごとの能力値(何それ?)について解説した本。

 きのこ関係だとエクスカリバー棍棒ヘラクレス)、ダーク、ハルパーが記載されている。

 エクスカリバーに関しては片刃説が取りあげられているけど別に『Fate/stay night』には採用されていない。

 この本読んで初めて知ったんだけど、ダーク、中東とか全然関係ないスコットランドの短剣じゃん! なんでハサン・サッバーハが使ってるの……? 名前が闇っぽいからなのか?

 あとこれもこの本読んで初めて知ったんだけど、ハルペー、剣じゃん! 『stay night』の解説文で「女怪殺しの神剣」って書いてあるのその名残だったのか。ランサーメドゥーサ見る限り今は完全に長物扱いっぽいけど。

 エクスカリバーもダークもハルペーも記述ほぼ無視してるし、ヘラクレスについても1~2行しか触れてないので何に使われたのか割と謎の本。

 元ネタを一切無視してるところに目を瞑れば少なくともダークの由来はこの本なんだろうなとは思うが……。


Truth In Fantasy 6 虚空の神々 1990年4月

 Truth In Fantasyシリーズ6冊目。著者は健部伸明と怪兵隊。

 タイトルや表紙からは読み取れないが、ケルト神話北欧神話の神々について説明した本。あくまで神々がメインなのでクー・フーリンやフィン・マックールに対しては断片的に触れる程度の内容。

 ルーの槍「ブリューナク」やヌァザの剣「クラウ・ソラス」の名称を創作したとして割と悪名高い本でもある。一応本文中に「不勉強で原語版に当たれていない資料も多いので間違っていたら訂正してください」とか「自分は学者じゃなくてライターなので独自解釈も書いてます」みたいなエクスキューズが書いてはあるんだけど、そういう問題でもない気はする。

 きのこ作品に関係する内容だと「フラガラッハ」「ブリューナク」「グングニル」「バロールの目」あたり。でもあまり参考にされている気配はない。

 例えば『Fate/stay night』ではブリューナクに「轟く五星」って日本語表記がついているけど、どうもこのブリューナク=5って発想はTruth In Fantasy30『聖剣伝説』が出典らしい(参考)。『聖剣伝説』由来っぽいものは他にも『stay night』の武器解説「ダインスレフはシグルドを殺した一族に伝わるファフニール竜の収集宝具」がある(参考)。

 当たり前だけどこの本棚に入っていない本の内容も作品内に反映されているという。

 こうして悪い影響与えた所だけ並べると『聖剣伝説』どうしようもない本だったように見えるけど、きのこが「マーリンがエクスカリバーより鞘の方が大事だってアーサーに説教した」ってエピソードを知ったのも多分この『聖剣伝説』なんだろうなとは思うので、功罪は両方ありそう。

 いやまぁどっちにしろ(『空の境界』『Fate/stay night』くらいの時にTruth In Fantasyを種本として使ってたのは時代的に仕方ないとしても)今でも読んでるんだとしたらそれはちょっと辞めた方がいいんじゃないかな……と思う気持ちはある。

 

女神転生Ⅱのすべて 1990年5月

 ファミコンRPG『デジタル・デビル物語 女神転生II』の攻略本。ゲームのあらすじ紹介や登場悪魔の解説と設定画、その他攻略情報等が掲載されている。著者は成沢大輔。

 登場悪魔の内きのこキャラを拾うとアサシン、アスタロート、アトラス、ガネーシャクーフーリン、ケツアルカトル、タマモノマエ、ティアマット、ティホン、フェンリル、ペガサス、メデューサ、レヴィアサンとか。きのこ以外も含めればヴァルキリー、ヴリトラ、キヨヒメ、タロス、ミノタウロスメフィストなんかもいる。

 とはいえ悪魔解説の内容自体は文字数が大体100文字くらいしかないのもあってかなり薄くて、さすがにこの本を資料として使って作品が書かれているとも思えない。

 じゃあなんのための本なのかを想像してみると、「私はこの本でクー・フーリンを知りました」アピールとかなんじゃないか? 「『メガテン』の台頭でクー・フーリンを知ってケルト神話に興味を持った*2」って発言もあるし、『旧Fate』書かれたのが1991年あたりなので時期も合う。

 

宇宙の起源 1995年7月

 「知の再発見」双書シリーズ49冊目。著者はチン・ズアン・トゥアン。

 古代エジプトや古代バビロニアから現代(1995年)まで宇宙観が天動説→地動説のようにドンドン移り変わっていく歴史や、宇宙・銀河・地球の成り立ち等について解説する入門書。

 きのこ作品で宇宙の起源に関するネタだと一番最初に思いつくのは根源(「 」)の設定そのものだけど、本棚にはもう一冊宇宙の起源に関する種本『宇宙のはじまりの星はどこにあるのか』があってそちらは2013年刊行。両方同じ時期に買ったと仮定するならもっと新しい設定に関わっている本なのかもしれない。

 というか、多分『月姫 - A piece of blue glass moon-』用の本だろう、この2冊。もともとシナリオが完成したのは2014年頃らしいのでちょうど時期も一致している。

 この本で言うと使われているのは「宇宙が生まれた時の大きさは10-34cm」(実際のリメイク版前編では10-35に訂正されている)、「天文学においてインフレーションと呼ばれる宇宙の始まりを示す現象」「夜が暗いのは宇宙には150億年分の情報しかないから」(実際のリメイク版前編では138億年に訂正されている)あたり。

 『FGO』で言うとソンブレロ銀河やマウナケア天文台の名前もこの本の中に載っているけど、まぁこれはあんまり関係ないか。 


アボリジニー神話 1996年3月

 アボリジニー神話の伝承50エピソードをまとめた本。著者はK・ラングロー・パーカー。

 こういう○○神話系の本って「この神様はこういう性格でこういうエピソードを持ってて~」みたいに解説する感じの内容だと思いこんでたので本当に伝説しか載ってなかったのがちょっとびっくり。オーストラリア版遠野物語みたいな感じだった。

 エミューには何故翼がないのかを説明した「エミューのディンナーワンとシチメンチョウのグーンブルガッボン」、ワライカセミは何故早朝に大声で鳴くのかを説明した「いかに太陽は造られたか」のような素朴な起源神話とかが色々書いてある。

 きのこ作品にアボリジニ神話の要素が出たこと今まで一度もないと思うので、多分これからアボリジニ出典のきのこ鯖がどこかで出るんだろう。バイアーメとかワーランナーとか? 個人的には「カラスのウィーリーヌン、ワーン」が理不尽すぎて好き。

 アボリジニ神話って日本だとほとんど知られていないと思う(少なくとも僕は今回これ読んで初めて知った)ので今のうちに読んでおくと実際に登場した時に「おっこれ『アボリジニー神話』で読んだ奴じゃん!」とか思えて楽しいかもしれない。

 一応きのこ作品に限定しなければ『Fate/Requiem』にアボリジニ風の服装をした少女がもう出てるけど、あっちはこの本に出典がなさそうなので関係ない。

 

Fate/Grand Order』2部7章「黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの」で言峰綺礼ラスプーチン)に混ざってる月のバーリー、「サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!」で水着ノクナレアが名乗っているヤラアーンドゥの種本だったことがわかった。

 両方ともメインキャラでも何でもないちょい役だったので普通に憶えてなくて、全然「おっこれ『アボリジニー神話』で読んだ奴じゃん!」って思えてない! ヤラアーンドゥーに至ってはこれは……キャラなのか? 地名とかじゃない?

 竹箒日記を見るに水着ノクナレアの設定考えたのは早くても2022年5月のようなので、2019年末にきのこ本棚が公開されて以降で初めて明確に種本として使われた例になるのはちょっと面白い。

 いやまあ、「言峰の複合神性は月のバーリー」ぐらいなら2019年時点(というか2017年末に初登場した時点)で既に考えてあってもおかしくないにしても、7章鯖用のマヤ・アステカ本なんかは7章プロット詰めたの2021年って話だし本棚公開後にも読まれているとは思うけど。

 

失われた動物たち―20世紀絶滅動物の記録 1996年12月

 絶滅動物約90種の生態や絶滅経緯について解説する本。

 これはまぁ、なんかもうタイトル見ればわかるわってって感じだけど『魔法使いの夜』のリョコウバトのエピソードの種本。

 『まほよ』で久万梨が語っていた内容、「その国最小の通貨一枚で売買される命」「まだ25万羽もいるじゃないか、千羽や二千羽ぐらいなら独り占めしても構わないだろう」みたいな久万梨個人の感想を除けば基本的に全部ここに書かれている。

 この本の出版日が1996年12月1日、原作版『魔法使いの夜』の表紙に書かれている日付が1996年12月18日なのでギリギリこちらの方が早いけど、久万梨金鹿は原作版にはいなかったキャラクター(参考)って話もあるし、そもそもあまりにギリギリすぎるのでリョコウバト云々ってゲーム版で追加された新規エピソードなんだろうなとは思う。

 ただ、この本は1995年~1996年に放送されたテレビ番組(ウェブ上で無償公開されている)が大本なので、きのこがこちらを先に見ていた可能性はある……というか、「1996年12月に書かれた小説を2012年にリメイクする時に入れた追加エピソードが、偶然にも1996年12月に出版された本から取られている」より「原作版を書いている時テレビで見たエピソードをそのまま使ったので必然的に同時期になった」の方が説得力あるような気もする。

 まぁどちらにしろリョコウバコのエピソードは『月の珊瑚』でも軽く触れられているので少なくともきのこが2010年以前に読んでいたことはわかる。

 

Truth In Fantasy 24 召喚師 1997年4月

 Truth In Fantasyシリーズ24冊目。著者は高平鳴海 他。

 ドルイドやカバリスト、錬金術師、陰陽師、ラビなど様々な召喚師について、特に高名な人物(パラケルスス安倍晴明)の紹介も交えながら紹介していく本。

 きのこ作品に関係する要素だとドルイド(マーリン)、ラビ(ソロモン王)。あとは数秘術やルーンにもちょっと触れられたりしている。

 今読むとめちゃくちゃ怪しい情報がさも確固たる事実かのごとく書かれているせいで読んでて「う、胡散臭ぇーっ!」みたいな気分になる。「魔術分野でのマーリンの功績にインスタント呪文を開発して魔術を万人が使えるようにしたことがある」とか。 

 ソロモン王は魔術師だったにも関わらず聖書にその事実が書いていないのを根拠にして「魔術の力を悪用されないように、ソロモンは死後、歴史の闇に身を隠したのかもしれない」としているのはちょっと型月解釈に近いかもしれない。


アーサー王伝説 1997年10月

「知の再発見」双書シリーズ71冊目。著者はアンヌ・ベルトゥロ。

 アーサー王伝説の成り立ちや発展の仕方を解説した本。

 『Fate』シリーズにおけるアーサー王伝説の種本……なんだとは思うんだけど、どこにこの本の内容が反映されているのかよくわからない。アーサー王のモデルになった人物の話とかもこの本と『Fate/stay night』で全然別のこと書いてあるし……。

 まぁこの本の内容をそのまま使ったらアーサー王って後世のノルマン人が権威付けのために宣伝したプロパガンダ伝説ってことになる上、伝説の存在を認めたとしてもアーサー王って基本的に前線に出たりしない王権の象徴ってことになるので、種本として使いようがないといえばない気もする。じゃあなんで本棚に置いてあるんだろう。

 まぁアーサー王伝説絡みはまだ『FGO』2部6章って大ネタが残ってるのでもしかしたらそこで使われているのかもしれないけど。 


Truth In Fantasy 33 守護聖人 1997年12月

 Truth In Fantasyシリーズの33冊目。著者は真野隆也。

 キリスト教の聖人約60人について解説する本。洗礼者ヨハネや聖ペテロなんかの紹介にはもちろんキリスト本人も登場している。

 マルタやゲオルギウス他色々載っているけど、きのこ関係だとマグダラのマリアと、後はせいぜい聖セバスティアヌスの解説の中でク・フリンに触れているぐらいしかネタがない。

 いまいち何に使われている本なのかよくわからないけど、キリスト教に関してはなんか未発表の設定がだいぶ量ありそうな気配がしてる(聖堂教会年表あったりとか)のでそのあたりに生かされてるのかもしれない。


大塚国際美術館 西洋絵画300選 1998年

 古代壁画から現代絵画までの西洋名画1000点の原寸大陶板を展示した「大塚国際美術館」の図録。2020年販売終了済み。

 構成としては「環境展示」「系統展示」「テーマ展示」の3章に分かれているけど、ページ数としては時代順・様式・流派に分けて系統的に並べた「系統展示」が全体の3/4を占めていて、いわば名画でたどる西洋絵画史とも言える本になっている。

 あくまで美術館の展示をまとめた本なので、単体で読むと絵が小さくて細部が見づらいのがちょっと気になる(「アレクサンドロス大王の戦い」とかもはや何がなんだか全然わからん)。これきのこは美術館行った上で読んだのかこの本だけ読んだのかどっちなんだろうか。

 画家鯖の中ではダ・ヴィンチゴッホの絵が収録されているけど、設定担当が前者は桜井光で後者は多分amphibianなのであまり関係ないのかな?(ロリンチの方はきのこ鯖なんじゃないかとも思うけど……)

 これからきのこ製の画家鯖が登場するのか、もしくは絵のモチーフの方を参考にしているんだろうか。

 前者については後述の『脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界』でタイトルに使われているピカソとモネ(特に1章丸々割かれているモネ)や比較的扱いが大きいモンドリアンとかがちょっと怪しいかもしれない。

 後者については中世西洋絵画の歴史はほぼキリスト教の歴史なので聖書のエピソードや教義についての解説もちょくちょく挿入されているし、他にも「マグダラのマリアは赤い服を着ている」がマグダラの聖骸布に反映されたりしているかもしれない。キリスト教以外なら歴史画でアレクサンドロス大王ギリシャ神話でペルセウスとかもある。 

 

Truth In Fantasy 37 イスラム幻想世界 1998年6月

 Truth In Fantasyシリーズ37冊目。

 イスラム文化圏が形成されるまでの経緯と、その文化圏内の怪物・英雄・魔術を解説した本。

 具体的な使われ方としては多分ハサン・サッバーハイスカンダルの種本。

 「ハサン・サッバーハ」「ザバーニーヤ」「シャイターン」と『stay night』時点での関連名詞が全部1冊の中に出てくる上に訳語も一緒だ。

 本のタイトルからすると結構意外なんだけど「イスカンダル -双角の征服王-」は何気に6ページも割かれている。

 きのこが征服王イスカンダルの名前をアレキサンダーでもアレクサンドロスでもなくイスカンダルにした理由、今までよくわかってなかったけどこの本が元ネタなのでは。というか征服王って二つ名自体がこれ由来だったりするのか?

 他にも「アズラーイール」や「アハリマン」「アヴェスター」「アジダハーカ」が出てくるけどこれはあんまり関係ないか。 

 アジダハーカなんて「苦痛。苦悩。死を表す悪竜」って情報すら書いてない。


最新 文学批評用語辞典 1998年8月

 1900年代後半から急激に複雑化していった文学批評の用語について網羅的かつ簡潔に解説した辞典。

 これは……なんだろうね。全然わからん。「音声中心主義」「自意識的語り手」「ニュー・アメリカニズム」「零度のエクリチュール」とかの文学批評用語に対する解説がどうきのこ作品に使われているのか?

 一応「起源」「テクスチャー」、あとは「投射(投影)」みたいなきのこ用語も項目が立てられてるけど流石に関係ないよなぁ。後はアリストテレスへの言及も多いけどこれもちょっと関係あるとは思えない……。

 この本がきのこ作品にどういう形でフィードバックされているのか、思いついた人がいたら誰か教えて下さい。 

 

心理学辞典 1999年1月

 4000項に渡り心理学の概念・理論・方法・技法・人名を解説した心理学辞典。

 心理学辞典という割に全然関係なさそうなランドルト環(視力検査のやつ)とかも項目が立てられているのがちょっと面白い(なんで……?)

 何気にこの本、明確にきのこ作品の記述を否定している部分があって、具体的に言うと『空の境界』や『月姫』における「記憶とは脳が行なう銘記、保存、再生、再認の四大のシステム」っていう記述が完全に間違っている(正しくは銘記、保存、再生の三段階)。

 なぜきのこがそんな間違いをしたかと言えばこれは明らかで、「島田荘司の『異邦の騎士』にそう書いてあったから」だろう。『異邦の騎士』も本棚に置いてあるし。

 この『心理学辞典』と『空の境界』と『異邦の騎士』を読み比べることで誰でも「小説を書く時の資料には他の小説ではなくちゃんとした物の本を使おう」という教訓が得られるぞ。

  

バッティングの正体 1999年5月

 著者の考える「正しいバッティングフォーム」を科学的に解説する本。著者は手塚一志

 『DDD』2巻「S.vs.S」の種本・バッター編。

 「S.vs.S-2」冒頭の「シンクロステップ、テイクバック。 ムーブ、トップ、インパクト。」って文章、さも一般的な用語かのごとくシンクロステップが使われているけど、実際はどうもこの本が作った独自用語っぽい。

 あとは「バッティング動作は人体に備わっている生物として自然な運動」とかにもこの本の影響を感じる。 

 後述の『野球の最新練習法』『ピッチング革命』と続く野球系種本3冊、なんかめちゃくちゃ露骨にこれらの本で調べた内容が作中に反映されているあたり、きのこマジで野球を一切知らないまま『DDD』2巻を書いたことが窺える。というか2004年の竹箒日記で野球を知らないってはっきり言ってるし…… (それでシンカーvsスラッガーが書けるの、天才じゃん)。

 

図説 大聖堂物語―ゴシックの建築と美術 2000年7月

 ゴシック建設と大聖堂の歴史やキリスト教にとっての位置づけ、ステンドグラスや彫像に描かれた聖書のエピソード読解等について解説する本。著者は佐藤達生、木俣元一

 きのこ作品で大聖堂って言うと聖堂教会とかメレムの四大の悪魔とかが思い浮かぶけど、多分そういうのとはあんまり関係なく『Fate/hollow ataraxia』のステンドグラスの種本。大聖堂の美しいバラ窓がカラー写真で紹介されているので。

 タイトル的にステンドグラスの写真が見たくて手に取る本だとも思えないので、聖堂について知りたくて買ったらノートルダムのバラ窓を気に入って天の逆月のビジュアルに採用……みたいな流れだったんだろうか。

 

脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界 2002年2月

  神経科学者である著者が当時最新の知見を元に脳が美術作品を鑑賞するためのシステムについて解説した本。著者はセミール・ゼキ。

 この「当時最新の知見」というのがクセモノで、原著が1988年刊ともう四半世紀近く前に書かれた本なので、「まだ詳しいことはわかっていないがいくつかの仮説は提唱されている。筆者の考えでは~」みたいな文章が出るたびに「これ、今はどうなってんの?」みたいな疑念が頭をよぎり話に入り込めない。

 きのこがいつ読んだのかはわからないけど、流石に2021年に読む本じゃないかなぁという感じはちょっとあった(いや神経科学のことなんて全く知らないので、もしかしたらこの本の時代から全く進歩なかったりするのかもしれないが……)。

 まぁそのあたりを気にしなければ多分面白い本ではある。読むのにめちゃくちゃ時間かかったけど。10日くらい。

 個人的にはどこに美術的価値があるのか全く理解できなかった抽象画を「脳の傾き選択性細胞だけを刺激する美術」で理解できるようになったのがよかった。

 タイトルこそ「脳は美をいかに感じるか」だけど、内容的には「脳は外界をいかに認識しているか」とかの方が多分近い。

 脳の視覚野は「色」「傾き」「動くもの」「人の顔」とか様々な認識モジュールに分かれていて、それは脳の一部に障害を負った人間が色盲や運動盲、相貌失認を起こすことで証明される……みたいな話がメインで、あまり美術関係の種本という雰囲気はない。

 そのあたりの脳の話って特にきのこ作品でフィーチャーされたことはない気がするけどこれから使われたりするんだろうか。

 強いて言うなら『空の境界 未来福音』の「"視覚で得たすべての情報"を拾うと脳に負担をかけてオーバーフロウしかねない」って記述なんかはこの本の内容に近いかもしれない。


決定版 毎日のおかず 2002年6月

 「新家庭おかず」「和風家庭おかず」「洋風家庭おかず」「中華風家庭おかず」「もう一品の簡単副菜」の5種類に分類されたメニューが掲載されたレシピ本。

 どうも『Fate/stay night』の料理メニューの種本らしくて「青椒牛肉絲」「かに玉」「鮭の照焼き」「いかのエスニック焼き」「チキンのクリーム煮」「えびの包み蒸し」「かに風味かまぼこ入り五目茶わん蒸し」とかこの本由来っぽいメニューはちょくちょく出てくる。

 いや最後の茶碗蒸しぐらい露骨な奴はともかく、かに玉や鮭の照焼きはあまりにも普通のメニューすぎてこの本が元ネタだとは言いづらいが……。

 というかこの茶碗蒸し、料理名をよく見れば分かる通り「かに風味かまぼこ」、要はカニカマ入り茶碗蒸しのことなんだけど、『Fate/stay night』の描写だと「藤ねえカニを買ってきたから茶碗蒸しを作ろう」「じゃあ作るのはカニ風味かまぼこ五目ですね」という流れなので、どう見ても本物のカニが入っている。

 奈須きのこ、もしかして……料理名と写真ぐらいしか見てない……!? 

 この本の出版日2002年6月はだいたい『stay night』の本編執筆開始タイミングと一致している(体験版シナリオ脱稿が2002年5月*3なので)っぽいあたり、直近で出てた家庭料理の本をとりあえず一冊買ってみたみたいな雰囲気を感じるし、「夕食のシーンを書くのは正直面倒くさかった*4」って発言もあるし、奈須きのこ、料理に興味一切なさそう。 

 

ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界 2002年7月

 共感覚者である著者が共感覚の医学的根拠や過去の作家たちが持っていた共感覚、そして自身の共感覚体験などについて語る本。著者はパトリシア・リン・ダフィー。

 『428 〜封鎖された渋谷で〜』ボーナスシナリオ カナン編(『CANAAN』)の主人公カナンが持つ能力・共感覚の種本その1。

 カナンの持つ共感覚、ほとんど超能力じみたアンサートーカー的な力として描かれているので実在の共感覚者を扱うちゃんとした資料にあたって書かれていたこと自体が意外。

 そもそも「カナンが強いのは共感覚のおかげ」っていう設定を考えたのはきのこではなく『428』ディレクターのイシイジロウらしい*5ので、資料の1冊や2冊読まないと書く取っ掛かりすらつかめなかったみたいな奴だろうか。

 内容的にもあまりカナンの設定に反映されているようには見えない……というか、なんなら『未来福音』の「本来、世界というのは五感全てを用いて、すべてが連結した〝統合(ひとつ)〟の象として捉えるのが正しい。(中略)五感をそれぞれ単一の機能として使い始めた」あたりの方に直接的な影響が出ていそう。

 この本の記述だと「乳児の未発達な脳は五感の刺激を区別せず一つの統合されたパターンとして受け止める(ほとんどの人は成長すると感覚分化する。しないと共感覚者になる)」って説明なのでニュアンスはちょっと違う気もするけど、『428』(2008年12月)と『未来福音』(2008年8月)は発表が同時期なので『428』ボーナスシナリオ書くために共感覚について調べて『未来福音』にフィードバック、みたいな流れがあったんだろうなとは思う。

 

野球の最新練習法―筋トレからメントレまで 2002年9月

 野球選手の行うべき筋力トレーニングやメンタルトレーニング、ストレッチについて解説する本。著者は高畑好秀。

 『DDD』2巻「S.vs.S」の種本・トレーニング編。

 いや、霧栖のバッティング描写のために『バッティングの正体』を読むのも、鋳車のピッチング描写のために『ピッチング革命』を読むのも理解できるんだけど、これは読む必要なくない……?

 と思いつつ、作中にはちゃんとシンカーVSスラッガーの「脳は助け合う器官」「左耳で音を聞いて映像を処理する右脳に伝える」とか明らかにこの本の内容が反映されている。

 


英語の感覚と表現―共感覚表現の魅力に迫る 2004年2月

 英文学の共感覚表現を中心に感覚・表現についての研究論文16篇をまとめた専門書。編著者は吉村耕治。

 『ねこは青、子ねこは黄緑』に続く共感覚の種本その2(なのか?)。

 一応はしがきに一般書としての利用も考慮されているとは書かれているが、基本的には専門書の類でそこらへんの県図書館・市図書館には置いてないような本なので「なんでこんなもん読んでんの?」というのが純粋な疑問。本棚の中だとこれと『女神転生2のすべて』が入手難トップ2だと思う(どっちも金額を気にしなければAmazonでプレミア付き7500円で買える)。

 というかこの本、まず根本的に共感覚の研究書でもなんでもなく英文学の研究書だし、タイトルにある「共感覚表現」っていうのも「甘い香り」「黄色い声」みたいな比喩的な表現を扱うのがメインなので、共感覚者の描写に参考になりそうな雰囲気は全くない。

 題材になってる作家もエミリー・ブロンテ、トーマス・ハーディ、D.H.ローレンス、スコット・フィッツジェラルドヘミングウェイ宮沢賢治吉本ばななとかできのこが読んでそうなイメージ一つもないし。

 マジでどういうきっかけでこの本を……。 

 

型の完成にむかって 2005年2月

 女性初の弓道十段(出版当時は八段)である著者が自身の型や射法八節に対する解釈、修練方法などを解説した本。著者は浦上博子。 

 内容的にはあくまで弓道経験者(著者によれば「中級くらいの方」)に向けて書かれた本なのでどう考えても僕みたいなド素人が読む本ではなかった。

 初版が出版されたのは1998年だが本棚に入っているのは2005年に出版された普及版の方……だと思うんだけど、それだと2004年の『Fate/stay night』に間に合わない。イメージ再現と言うことでそこまで細かい部分は再現していなかったのか、もしくは普及版だと思ってるのは僕の勘違いかもしれない。

 『Fate/stay night』以外の作品にこの本の影響は何も感じないけど、『Fate/stay night』には「中貫久」「中要秘刊集」「日に二百以上の矢数をかけよ、その他は弓放しにすぎぬ」「中ると中てる」とか色々あるので。

 特に作中で士郎や藤ねえが当たり前のように言及している中要秘刊集とか、ググっても全然詳細が出てこなくて結構なマイナー資料っぽいのでこれが種本と断じてもよさそう。なんだこれ、日置流の古文書とかなの?

 

ピッチング革命 2005年3月

 「捻り」を重視したピッチングフォームについて解説する本。著者は中村好治。

 『DDD』2巻「S.vs.S」の種本・ピッチャー編。

 シンカーvs有島将吾での「それは美しい連動だった」から始まるフォーム描写なんかはこの本が定義している「正しいピッチングフォーム」を見ながら書いたんじゃないかと思う。美しいフォームがどういうものなのかわからなければ美しいフォームは描写できないってことだろう。

 あと「オーバースロー=本格投法」って書いてあるのに「本格投法」で検索しても用例が全然出てこないとか、「アンダースローは怪我が多い」が割とウソっぽい……とかもこの本読んで書いたんだろうなぁって雰囲気がある。

 

図解雑学 グリム童話 2005年6月

 グリム童話について図解を交えながら解説していく本。著者は鈴木満。

 基本的にはグリム兄弟の人生や周辺人物、グリム童話にしばしば登場するキャラクター類型などグリム童話の包括的な解説がメイン。

 個別の童話に対する分量は少ないけど、KHM120「三人の職人」はあらすじ読んだだけでもう明らかに面白かった。なんで今マイナー童話に収まってるのか全然わからない。

 この本の用途は『魔法使いの夜』8.5章「カーネーギ事件」で有珠がグリム兄弟について解説する(なぜかブラザーグリム呼びする)ところ……なのか?

 「多少は詐欺師めいたところもあった」とか何を指して言っているのかこの本を読んでもよくわからないんだけど……。

 あとは一応アンデルセンの名前も出てくるけど、本当にささやかなないようなのであまり関係あるとは思えない。。

 

なるほど仏教400語 2005年7月

 日常語・日用語になっているような物も含めて主要な仏教用語400語を解説する事典。著者は宮元啓一

 きのこ関係ワードだけでも「阿頼耶識」「阿摩羅識(無垢識)」「五停心観」「四弘誓願衆生無辺誓願度、煩悩無量誓願断)」「神通(神足通、他心通、漏尽通)」「転輪聖王」「貧者の一灯」「末那識」「魔(魔羅)」「唯識」なんかがある。

 きのこ作品の中だと『FGO』1部6章「キャメロット」の三蔵ちゃんのセリフに仏教用語が頻出する(乾闥婆、真如、声聞、隻手の声とかとにかく色々)のでこのあたりも多分全部元ネタこの本。

 400語の解説を通じて仏教の教義を読者に伝える建て付けになっている本なので、そういった個別の項目だけじゃなく本全体で覚者を始めとする仏教鯖描写の元ネタになっている可能性とかもあるかもしれない。

 あとは「愛」の解説の中に人類愛ってワードが含まれてたり、愛の次のページに悪があったりするのもちょっと面白い。

 ただしこの本は2005年出版なので『EXTRA』『FGO』はともかく『空の境界』……というか「阿頼耶識」の項目は多分あまり関係ない(無垢識が出てきたのは2010年の『EXTRA』だし、末那識が出てきたのは2011年の『未来福音』、唯識は2016年の『FGO』が初出のはずなのでこの本の影響を受ける余地はある)。

 一応この本は1987年に出版された『仏教400語おもしろ辞典』の改題新装版らしいので、『空の境界』執筆当時は図書館で借りて済ませていた本の新装版が出たので買った、みたいな可能性もあるかもしれないけど。

 

Truth In Fantasy 69 マヤ・アステカの神々 2005年9月

 Truth In Fantasyシリーズの69冊目。マヤ・アステカの歴史やマヤ神話の神々、アステカ神話の神々がまとめられた本。著者は土方美雄。 

 マヤ・アステカ系サーヴァントの種本その1。  

 マヤ・アステカの種本はもう1冊『古代マヤ・アステカ不可思議大全』があって、マヤ・アステカについての予備知識がないなら向こうの方から先に読むのがおすすめ。あくまで神々の紹介に軸足を置いているこちらの本より、向こうの方が地理や各都市の歴史の紹介が多くてわかりやすいので。

 あえて分類するならこちらが神様系サーヴァントの種本、向こうが人間系サーヴァントの種本とかになるだろうか(濃淡があるだけでこちらも歴史紹介はあるし向こうも神様紹介はあるけど)。

 

 『FGO』2部7章のマヤ・アステカ要素の種本としてククルカン、テスカトリポカ、トラロック(ウィツィロポチトリ)あたりを始めに、テペウ、イシュキック、ワク・チャン・カウィール、テノチティトランとかまぁ色々使われていそうだけど、具体的にこの本が元ネタになっていそうなのは「イスカリは成長という意味」「一般的な表記はモクテスマだけど敢えてモテクソマを使う」あたり。

 イスカリは英語版Wikipediaを見たら成長じゃなくてRebirthになっていたので結構独創的な解釈だったりするのかもしれない? もしくはWikipediaの方が適当書いてるだけかもしれない。

 

 『マヤ・アステカの神々』でも『古代マヤ・アステカ不可思議大全』でもアステカ人がエルナン・コルテスケツァルコアトルの再来と勘違いして戦意がくじけたエピソードが「これ後世の捏造じゃないの?」くらいの扱いされてるので『FGO』に採用されてるのは結構不思議。 

 まぁ一般に普及してるけど真偽が怪しい説を伝奇ものの設定に採用するのが悪いことだとは全く思わないけど……でも1部7章でケツァル・コアトルを「南米の女神」扱いしていたのはいくらなんでも純粋にミスだと思う。2部7章だとさすがに中南米に改められていた。

 

南山堂医学大辞典 第19版 2006年3月

 40000語が収録された分厚い医学用語辞典。最新版は2016年に出た20版なのでその一つ前のバージョンになる。

 まぁさすがに全部読む気はないにしても、一応パラパラ読むくらいはしてみたんだけど、何に使われてるんだろこれ……。

 2006年以降に登場した病気キャラ、殺生院キアラとあとはせいぜいアムネジアシンドロームくらいしか思いつかない。怪我なら『DDD』の鋳車、あとは『まほよ』で青子や有珠や草十郎が作中で結構派手に傷ついてたりとか。

 そういう描写を書く時にこの本が役に立っている……のか? 2006年以降に限定しなければ藤乃の無痛症とかあるけど。

 

紅茶の事典 2007年1月

 紅茶の歴史や茶葉についての基礎知識、美味しい淹れ方等紅茶の知識をまとめた入門書。

 同じ出版社から出た同系列の書籍に『紅茶の事典』(1995年)、『おいしい紅茶の時点』(2002年)、『紅茶の大事典』(2013年)等があるが本棚に入っているのはこのバージョン。

 きのこ作品で紅茶淹れる描写は一応『stay night』や『hollow ataraxia』にもあるけど、この本は2007年発刊なのでそれ以降、つまり『魔法使いの夜』……というか有珠用に買った本っぽい。まぁ有珠の紅茶好き設定がストーリー内に組み込まれているのに比べると凛の紅茶好きなんかはせいぜいフレーバー程度の扱いなので当たり前といえば当たり前か。

 『まほよ』での具体的な用途としては「イギリス人の紅茶は1日7回」とか「イギリス人も最初はグリーンティーが主流だった」みたいな紅茶豆知識、あとは茶葉のブランドでフォートナム&メイソンやフォションの名前が出てきたりとかもする。 

 『月姫リメイク』前編でも「マリアージュはフランスの店で創業1850年頃」「ダージリンのファーストフラッシュとセカンドフラッシュ」みたいな紅茶ネタはあるのでこれもこの本が元ネタかもしれない(マリアージュの日本上陸は15年前とかはこの本には多分載ってない情報だけど)。


図説 武器術 2007年3月

 タイトルの通り、日本と中国の様々な武器を使用した武術の技を図に示しながら解説する本。著者は小佐野淳。

 槍・刀・薙刀のようなメジャー武器術から鎖鎌・独鈷・鉄扇のようなマイナー武器術まで(というか9割くらいイロモノ、名前すら知らない武器もちょくちょくある)色々解説しているけど、きのこ作品にそんな武芸百般をウリにした本部以蔵みたいなキャラいないと思うので何に使われているのかよくわからない。

 一応普通の刀使った剣術とかも載っているし、宮本武蔵の二刀流についても軽く触れているとはいえ、そういうのが知りたいならもっと専門の本でいい感じの奴があるんじゃないかと思うが……。

 無理やり想像するなら、馬鞭術とか斬馬刀術とか個別の武術のことが知りたかったわけじゃなくて、実在の武器術を学ぶことで戦闘描写の説得力を上げたかっただけ……とかそういう感じの奴だろうか。『FGO』や『EXTRA』シリーズだとゲームパートに代替されて文章による戦闘描写がほとんどないので、2007年以降にきのこが書いた戦闘シーンのテキストってかなり限られているような気がするんだけど。


生物と無生物のあいだ 2007年5月

 分子生物学の歴史や過去の偉大な生物学者たち、著者の個人的なエピソード等を交えながら生物の細胞が持つシステムについて解説する本。著者は福岡伸一

 単純に著者の文章が上手いので読んでいて楽しい。本筋には一切関係ないニューヨークの通奏低音の話とか。

 あと今読むとめちゃくちゃ耳馴染みのあるPCRとか相補性とかについても詳しく解説されているのがタイムリーな感じでちょっと面白い(いやエヴァの言う相補性が量子力学の奴なのか分子生物学の奴なのか、僕はいまいちよくわかってないんだけど)。

 きのこ作品への具体的な使われ方としては、『月の珊瑚』の「DNAは対構造になっていて片方が失われてももう片方が複製(ほけん)を担う」あたり。

 「『月の珊瑚』は遺伝子と恋の話」「遺伝子の紐はそれぞれ上下が逆で片方が登り片方が落ちる」って発言もある*6あたり、どうもこの本で得た知識が『月の珊瑚』全体のモチーフになっているっぽい。

 あとはもしかしたら『FGO』6章のビーストII・ティアマトが持つ能力「塩基契約(アミノギアス)」「細胞強制(アミノギアス)」とか、第五魔法の消費/消滅の理が云々って設定にエントロピー増大の法則に関する話(生物がエントロピー増大の法則に反する方法はパーツが壊れる前に分解再構成を繰り返すこと)が使われてたりとかも……?


魔獣大百科 2007年5月

 魔獣について解説した本。 

 いやこれを種本として使うの、流石にどうかと思うんだけど……。

 構成としては各魔獣を文章1ページ・イラスト1ページで紹介した前半パートと、「聖書の中の魔獣」「北欧神話」「インド神話」など体系ごとに魔獣の原典を解説する後半パートに分かれている。

 タイトルこそ『魔獣大百科』だけど、実際読んでみると後半の各神話大系解説の方が明らかに文章量が多くて存在感が強い。

 前半にイラスト付きで紹介されているものできのこキャラだとせいぜいリヴァイアサンとキュウビコくらいしかない。あとはフェンリルとか……。

 キュウビコの解説にある「この狐はインドでダーキニーと同一視され、日本では荼吉尼天と呼ばれて稲荷信仰と集合した」なんかは玉藻の前の設定の元ネタになっているかもしれない(『EXTRA』設定では荼吉尼天から更に天照までつながっていくけど)。

 非きのこキャラを含めればアキレウスヴリトラ、アルゴノーツ、パラケルスス、ヒッポグリフ、ミノタウロスとかまぁ色々出てくるし、モブ敵も含めればドラゴン、ワーウルフ、キマイラ、ケルベロス、ラミア、ケルピーなんかもか。

 

プログレッシブ・ロック入門 2007年8月

 プログレ5大バンド(ピンク・フロイドエマーソン・レイク&パーマー、イエスキング・クリムゾンジェネシス)の紹介を中心として、プログレッシブ・ロックとは何か、プログレッシブ・ロックはどう楽しむものかを伝える入門書。

 きのこ作品でロックというと「貴方、ロックスターみたい」が一番最初に出てくるけど、『hollow』より後に出た本なので特に関係はないらしい(そもそもプログレにロックスターっぽいイメージがない)。

 他だと青子(きのこキャラ以外含めればカドック)なんかもロック聞いてるけど、別にプログレの話はしてないのでなんのための本なのかよくわからない。

 一応『まほよ』の番外編「誰も寝たりしてはいいけど笑ってはならぬ」で「橙子はプログレ好きと他人には偽っているが実際は演歌が好き」ってシーンがあるけど、あんなギャグのためだけに読むのか? これ? というかその場合読まなきゃいけないのはプログレの入門書じゃなくて演歌の入門書では……!?

 

居合道名人伝 2007年10月~2009年3月

 1990年から1993年にかけて『剣道日本』で連載された記事(+書き下ろし1つ)、昭和の居合道名人17人の列伝と2人のインタビューをまとめた本。著者は池田清代。

 内容的にはあくまで元から居合道知識のある人間に向けて書かれた本って感じで、ぜんぜん知らない居合道名人の老人たちの名前がガンガン出てくるので読むのが結構辛い。

 全員活躍した時代が同じなので「中山博道に師事した」「敗戦で剣道教師の仕事をなくして苦労した」「全日本居合道連盟結成に関わった」「制定居合作成に関わった」とか似たようなエピソードが毎回のように出てくる。『型の完成にむかって』でも思ったけど、こういうのちゃんと読めてる奈須きのこ勉強家やね。

 きのこ作品で居合キャラといえば舌切雀の紅閻魔だけど、「閻雀裁縫(抜刀)術」なんて冗談みたいな設定のためにわざわざこの本読まなくない……? 『まほよ』の文柄詠梨のために読んだ本とでも言われたほうがまだしも納得できるんだけど(いや文柄詠梨のバトルスタイルが居合なのかどうかすら知らないが……)。

 まぁこの本を読んだ感じ、居合道って抜刀術そのものがどうとかよりも「竹刀を使う剣道と違って刀を使う武道」って側面の方が強そうなので、そういう意味では居合キャラに限定せず刀キャラ全般の種本と呼べるかもしれない。

 あとは二天一流八代宗家・青木規矩男の話とかもあるけど、特に二天一流の術理が解説されたりするわけでもなく武蔵ちゃん描写の参考になっているかどうか。


イギリスのティーハウス 2008年10月

 著者が訪れたことのあるイングランドティーハウスを紹介した本。著者は小関由美。

 これも多分『紅茶の辞典』と同じで有珠の種本なんだと思うけど、『まほよ』にティーハウスなんて出てこないのでなんでこの本を買ったのかよくわからない。

 紅茶を好きな人がいっぱい出てくる本を読んで紅茶が好きな人の気持を学ぼう、みたいな話だろうか……。

 

萌え萌え妖怪事典 零 2009年8月

 妖怪について解説した本。

 いやこれを種本として使うの、流石にどうかと思うんだけど……(その2)。

 北海道から九州まで各地の妖怪を(美少女化して)解説する妖怪事典で、妖怪伝説の作成経緯や有名な妖怪ハンター、中国妖怪などについての解説も付属している。

 型月作品に出てくるものは丑御前、鬼女紅葉、鈴鹿御前、鞍馬天狗清姫刑部姫と色々あるが、この内きのこ鯖なのは丑御前だけ(正確には丑御前(源頼光)が「設定作成:桜井光奈須きのこ」、鞍馬天狗(鬼一法眼)が設定担当未公開)。

 ただ『FGO』初出鯖の鬼一法眼、清姫刑部姫に関しては実際の設定作成以前、登場サーヴァント選定の段階できのこがこの本使っていた可能性はあるかもしれない。刑部姫はきのこ鯖武蔵ちゃんとの絡みもあるし、鬼一法眼は弟子の牛若丸が「設定作成:東出祐一郎奈須きのこ」だし。 

 あと項は立てられていないけど大百足の関連で俵藤太、妖狐の関連で玉藻の前(白面金毛九尾)にも触れられている(俵藤太は「設定作成:奈須きのこ東出祐一郎」)

 俵藤太の解説は大百足の方がメインなこともあって一般的なことしか書いてないけど、源頼光のほうは結構分量が多くて頼光四天王とかにも触れてるし、「源頼光の弟、または妹」「正体は武将説とスサノオ説があり、スサノオの場合は神仏習合で=牛頭大王になる」とかこの辺りの記述をこねくり回して丑御前の設定作ったのかなぁって見える部分がある。

 源頼光の女体化はきのこにしても相当無茶振りだったらしい(参考)ので、こういう萌え萌え本にネタ出しを頼りたくなる気持ちもわからなくはない(そうかな?)。

 

古代マヤ・アステカ不可思議大全 2010年5月

 マヤ・アステカの他、オルメカやテオティワカンなどメソアメリカに存在していた文明の歴史や文化を紹介する本。著者は芝崎みゆき。

 マヤ・アステカ系サーヴァントの種本その2。

 読み始めるとまず文字が全部手書きでイラストも頻繁に挿入される構成にちょっと面食らうけど慣れると意外と普通に読める。

 だいたい『マヤ・アステカの神々』の方でまとめて説明してしまったのであんまり言うこともないけど、『マヤ・アステカの神々』に書いていなくてこちらに書いてある要素だと「フラカンがハリケーンの語源になった」「クアウテモクの意味は急降下するワシ」「テスカトリポカには黒・白・赤・青の4種類いる」とか。

 

てにをは辞典 2010年8月

 文章で説明するより実際に中身を見たほうがわかりやすい、わりと最近Twitterでバズっていた本。

 これはまぁ、具体的にどこというわけでもなく作品全般の中で語彙を増やすために使われている本……なんだと思うんだけど、めちゃくちゃ取り出しづらそうな所に置いてあるのでちゃんと使っているのかは謎。

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 まぁあくまでイメージ再現ってことだし本の並びまで実際のきのこ室内を再現しているとは限らないので、本当はもっと取り出しやすいところに置いてあるんだろう、多分……。 

 

from everywhere. 2011年2月

 『空の境界』の両儀式や『428』(『CANAAN』)のアルファルド役、『FGO』の主題歌など様々にきのこ作品へ関わっている坂本真綾のヨーロッパ旅行記

 きのこが自作の主題歌に使って気に入った歌手枠の本・その1(多分)。

 両方とも坂本真綾が書いている以上当たり前といえば当たり前なんだけど、文章の中にサラッと坂本真綾作詞っぽいフレーズが入るのがちょっと面白い。

 将来水没すると言われるベネチアについて書いた「いつか消えてしまう運命と知っているからこそ、あんなにはしゃいでいるのだろうか」とかめちゃくちゃ『色彩』の「いつかは失うと知ってるから あたりまえの日々は何より美しい」の原型っぽい。 

 

ゲームシナリオのためのSF事典 2011年4月

 「科学技術」「巨大構造物」「生命」「世界・環境」「宇宙」「テーマ」の6章に別れた110項目のSF用語を解説する辞典。著者は森瀬繚 他。

 きのこ作品に関係するものだと「タイムトラベル」「AI」「電脳空間」「パラレルワールド」とかがあるけど、全項目2ページしか使われていないのもあってかなり初歩的な内容しか書いてないし、何に使われている本なのかよくわからない。

 ライターに森瀬繚桜井光東出祐一郎小太刀右京が関わっているのでその流れで置いてあるだけとかかもしれない。

 強いて言うならスターシードの項目にある宇宙から隕石に乗ってきたウイルスが人類を進化させたかも説がケツァル・コアトルと言うか型月世界のアステカ神設定に影響を与えていたりするかも。

 あとはダイソン球の項目とかもあるので、もしかしたら天球型時空要塞カオスの元ネタになっていたりするかも(カオスの設定作ったのが担当ライターじゃなくてきのこなら)。

 一応オールトの雲についても1行くらい触れているけどこれはまぁ関係ないだろう。もしもこの本できのこがオールトの雲の存在を初めて知ったなら、『Character material』(2006年)時点で「水星(?)のアルテミット・ワン」とか書いてたの一体何を想定してたんだって感じになる。

 というかきのこがオールトの雲を知ったの、『星界の紋章』なんじゃないかと思うんだよな。ちょうど本棚に置いてあるし。少なくとも2002年時点でもう読んでることがわかってる*7し。 

 

Kalafina Record 2011年9月

 『劇場版 空の境界』や『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のエンディングテーマを担当した音楽ユニット「Kalafina」の足跡を辿る本。

 メンバー3人とプロデューサー梶浦由記のインタビューや梶浦由記による全曲解説が収録されている。

 きのこが自作の主題歌に使って気に入った歌手枠の本・その2。

 前述の坂本真綾の本に比べてもマジで書くことがない。一応奈須きのこ本人への言及もあるけど、それも「『fairytale』の歌詞に忘却録音序文の引用を快諾してくれた」「『snow falling』の歌詞に終章のラスト(雪の日を唄いながら)の引用を快諾してくれた」くらいだし……。

 

メフィスト 2012 VOL.1 2012年4月

 講談社から発行されている文芸誌。

 その文芸誌の中でこの号だけが本棚に入っている理由は、多分掲載されている小説ではなく「講談社ノベルス創刊30周年記念企画 My Precious 講談社ノベルス」によるもの。

 作家44人がそれぞれ「自分が初めて○○した講談社ノベルス」というテーマでコラムを書いていて、その内の一人が奈須きのこ

 コラム自体はまぁ普通のきのこポエムという感じなので、多分好きな作家(綾辻行人とか殊能将之とか?)と名前が並んでて嬉しかった記念で本棚に置いてある奴では。

 ちなみにそのコラムはメフィスト公式サイトでも読める(内容は雑誌のものと微妙に違うけど、雑誌版はページに収める都合でカットされてるだけでWeb版の方が正式版に見える)のでこれ買った意味は特になかった。 


ゲームの流儀 ゲームクリエイターロングインタビュー集 2012年6月

 2001年6月から2007年12月までゲーム雑誌『コンティニュー』に掲載されたゲームクリエイターインタビュー16個をまとめた本。『ファイナルファンタジー』の坂口博信、『MOTHER』の糸井重里などの他、奈須きのこ本人のインタビューも収録されている。

 これもまぁ多分上述のメフィストと同じで、好きなゲームの製作者と同じ本に同じゲームクリエイターとして載れて嬉しかった記念の本とかなのでは。具体的にはギルガメッシュの金鎧の元ネタ『ドルアーガの塔』の製作者とか?

 ちなみにきのこインタビューは雑誌掲載時と内容が微妙に変わってて、きのこのTRPG時代が「18~22歳ぐらいのころ」から「16~24歳ぐらいのころ」に訂正されている。いやまぁ後者のほうが正しいんだろうとは思うけど、かなりどうでもいい変更では……(逆にわざわざここが訂正されているってことは他の部分には記憶違いとか誤記とかないと思っていいのか?)


宇宙のはじまりの星はどこにあるのか 2013年4月

 観測天文学者である著者が自身の研究テーマ「宇宙のはじまりの星」について解説する本。著者は谷口義明

 前述の『宇宙の起源』に続く宇宙系種本その2。

 帯にも引用されている「宇宙の膨張速度が光速を超えてしまった遠い未来では、たとえ新たに人類以外の知的生命体が生まれたとしてもその生命体が宇宙の全貌を知ることは不可能だ。我々はまだ宇宙の全貌を知ることができる立場にあるのだからそれを行うのは知的生命体としての使命だ」っていう理屈が好き。

 内容的には天文学者の宇宙観が技術の発展でどんどんアップデートされていく歴史や恒星・銀河の成り立ち、深宇宙の観測方法などについて書かれているんだけど、「10-34cm」「インフレーション」「夜が暗いのはなぜか」とか『宇宙の起源』とはかなり重複している。

 ただ赤方偏移についてふれているのはこちらだけのはず。まぁ『月姫リメイク』前編の「何よりも未しい、何よりも移ざかる、真紅の宙が放出される」が本当に赤方偏移のことを言っているのか、僕はいまいち自信がないんだけど……(■■■■■■って何?)。

 

怪物の本 普及版 2013年9月

 世界の民話館シリーズ第5巻。怪物をテーマにヨーロッパやアフリカなど世界各地から集められた民話12篇が収録されている。著者はルース・マニング=サンダーズ。

 元々は1981年に出版された本が2004年に復刊ドットコムから再出版されたもので、本棚にあるのはそこから更に2013年に再販された普及版(多分)。

 「人間と怪物の交友は、奈須きのこにとって常に魅力的なテーマ」とのことなのでその関係で置かれた本……なのか?

 交友という意味では怪物と擬似親子になる「銅のひたいを持つ怪物」、怪物と友人になる「金の谷」とかもあるけど、怪物と恋愛するのは「歌う木の葉」一作しかない。

 そしてこの「歌う木の葉」はディズニー版アニメ映画でも有名な『美女と野獣』の原作……の別地域(チロル)に伝わってる版民話。

 どうも地域差を抜きにしてもディズニー版ではいろいろアレンジが加わっているらしいけど、それでもディズニー映画版を見たことない僕ですら読んだ後「あっこれ『美女と野獣』の元ネタかな?」と思うくらいにはわかりやすく『美女と野獣』している。

 ここからはかなり大胆な想像になるけど、もし「歌う木の葉」が理由でこの本が本棚に入っているなら、きのこはこの本を読んだ時『美女と野獣』のことを全く知らなかった、つまりディズニー版『美女と野獣』公開(1991年)の前にこの本読んでいたことになるんじゃないか?

 もしかしてこの本、奈須きのこの怪物好きのオリジンだったりするのでは。

 きのこは1973年生まれらしいので、1981年版が出た当時8歳。小学生ぐらいの時に図書館・図書室でこの本を借りて読んだってのはちょうどありそうな年代ではある。 

 『月姫リメイク』前編に出てくる「志貴が幼年期に読んだ童話」(巨人の庭園において、迷い込んだ人間は例外なく無力であり、見つかったが最後、鼠のように潰されるだけ)もこの本かもしれない。

 そのものズバリって感じの童話はないけど(基本的に全部ハッピーエンドなので怪物は倒すなり和解するなりする)、一応「三人の若い羊飼いの話」「ペンタリーナ」あたりは人間が怪物に殺されるだけの弱者として描かれていてちょっと近いかも。


古代ギリシャのリアル 2015年1月

 後世の西洋人によって漂白された古代ギリシャ像ではなく、本来の「古代ギリシャのリアル」について解説する本。内容的にはオリュンポス十二神13体+ハデス・ペルセポネの紹介が大半を占めている。著者は藤村シンジ。

 『FGO』2部5章の種本……ではない。竹箒日記に「1~5章までの『異聞帯の世界設定』は担当ライターさんにお願いしたもの」(参考)って書いてあるので。

 ギリシャ系のきのこ鯖は『stay night』『hollow』からいるものを除くと疑似鯖カレンくらいしかいない(一応2部5章鯖はまだ設定担当不明……というかカレンもまだ不明だけど)し、この本にエロースの出番は少ないのでそっち方面で使われている感じでもない。

 ファミ通インタビューでは「2部全体の構想を考える時にギリシャについて調べた」(参考)とも書いているので、2部5章やサーヴァントの設定で使われた本ではなくて、各章の異聞帯をどこに置くか決める時に使われた本って感じだろうか。

 カオスの記述は「混沌と訳したのは古代ローマ以降、本来の意味はすきま(空隙)」くらいしかないけど、オリュンポスでの描写が「宇宙に於ける時空の空隙と一体となった超常の神」「空隙の果てに垣間見える巨瞳」で空隙を推している感じなので元ネタっぽくはある。

  

価値がわかる宝石図鑑 2016年1月

 163の宝石と82の鉱物種・有機物について、写真を掲載しながら品質の判断の仕方や一般的な価格帯を解説する宝石図鑑。著者は諏訪恭一。

 僕は宝石とか一切興味ないので本棚に入ってなかったら絶対に読まなかった本だけど、そんなド素人でもわかるように丁寧に説明してくれるし筆者の宝石に対する愛がガンガン読者にぶつけられてくるので結構楽しい。

 『FGO』のベリル・ガットの名前の元ネタは多分この本。

 「2部6章はモルガン・ル・フェをメインにしよう」→「そういえば宝石にモルガナイトってあったな」→「モルガナイトの鉱物名はベリルだからクリプターの名前はベリルにしよう」って流れじゃないかと。

 いやモルガナイトの名前の由来がモルガン・ル・フェでもなんでもなく銀行家ジョン・モルガンなのはもちろんこの本の中にも書いてあるんだけど……。

 どうでもいいけどこの本、内容的に宝石魔術の種本として読んだ奴(2016年11月初登場のイシュタルに備えてとか?)じゃないかと思うんだけど、この中の宝石知識が作品に反映されてる気配が特にない。そのうち回収されたりするんだろうか。 


料理と帝国――食文化の世界史 紀元前2万年から現代まで 2016年5月

 紀元前2万年の穀物料理から現代のハンバーガーまで、世界各地の食文化の歴史を包括的に描いた本。著者はレイチェル・ローダン。

 『ギルガメシュ叙事詩』や『イーリアス』みたいな文学作品から書かれた当時の食文化を読み取ったり、アレキサンダー大王や玄奘三蔵みたいな世界各国を渡った歴史上の人物から食文化の伝播を見たりするので『Fate』シリーズと関連する部分もあるといえばある。

 世界各地の各時代での食事の内容が書かれているので、種本としては特異点や異聞帯で現地人と食事する時、サーヴァントの過去回想で食事する時とか色々使えそうな本だけど、具体的に使われてるシーンあったかな?  2016年5月以降のきのこシナリオだから候補は『FGO』の1部6章キャメロット、7章バビロニアくらいだけど。

 強いて言うなら食文化と全然関係ない「ウルクには貨幣がなかった」とかはもしかしたらこの本由来かもしれない。この本だと「大麦が貨幣代わりだった」って書き方なので「緊急事態なので貨幣制度を導入した」ってバビロニアの描写とはニュアンス違う気もするけど。

 あとはヨーロッパへのジャガイモ食文化の導入とかも説明されているのでガウェインのマッシュポテトネタが完全否定されているのとかもちょっと面白い。まぁ一応あれ、明言されているのは「鯖ガウェインはポテト他をマッシュしただけの料理を作った」「生前ガウェインは野菜をマッシュしただけの料理を作ってた」だけで「生前ガウェインはポテトをマッシュした」とはギリギリ言われてなかったと思うけど……。

 

あとは多分『FGO』2部7章で、植物の持つ毒素を分解して栄養を確保する人間の消化機能をテペウがべた褒めするシーンの元ネタ……のような気はするんだけど、この本に書かれているのは「人間は料理のおかげで色々な植物を食べられるようになった」なので全然消化機能の話はしていない。

*1:Fate/Prototype Tribute Phantasm

*2:Fate/complete material II Character material

*3:Fate/side side materiale

*4:TYPE-MOONFate/stay night-15年の軌跡- 図録

*5:428 -封鎖された渋谷で- オフィシャルガイドブック

*6:GENESIS OF TYPE-MOON

*7:COCO 2002 SUMMER

TYPE-MOON展 奈須きのこ本棚レビュー 漫画編

 月姫リメイク発売に向けて最近異常に奈須きのこモチベーションが高まっているので、TYPE-MOON展で公開されたきのこ本棚の小説や漫画、資料本を読んで過ごしています。

 まぁこれ、残り200冊とかあるので多分全部読み切る前にどこかで飽きてやめると思うんだけど、とりあえず漫画だけは全部読んだ(はず)。

 きのこ自作品のコミカライズ系は割愛。具体的に言うと真月譚 月姫空の境界、月の珊瑚が置いてあるので、この3つはきのこも認めたコミカライズトップ3とでも言えるかもしれない。

 

 漫画以外の本については

 

 こちらの記事をご参照ください(小説はまだ1/3くらいしか読んでないけど)。

 

THE WORLD 第1巻~第4巻 獸木野生

 白い神ホワイトワイルド、黒い神ブラクワイルドの2匹の視点から人間たちを描くファンタジー漫画。

 バラバラの時代を舞台にして登場人物に緩い繋がりがあったりなかったりする中短編の連作形式になっていて、全9話の構想があるらしい。 

 個人的に一番好きなのは第3話「花の贈りもの」。戦争やっている中編(2話4話5話)よりも短編(1話3話6話)のほうが好き。

 2004年に第5巻(第6話)が出たきり未完の作品だけど、1巻がホワイトワイルドとブラックワイルドが別行動を始める所で終わって、5巻がホワイトワイルドとブラックワイルドが合流する所で終わるので、なんとなくこれでまとまっている感は出ている。

 既刊は5巻までなのになぜかきのこ本棚には4巻までしか置いてない。4巻と5巻同時刊行だし内容も直接つながってるしでマジで意味がわからないんだけど……。

 これはさすがになにかの間違いとしか思えない(靴ずれ戦線もEXTRA4コマも月の珊瑚も1巻足りてないし……)んだけど、無理やり理由を想像するなら4巻に好きなシーンが有るとか? 「作者の思うほど読み解かれた本はまだ存在しない」とか……。

 

2021/8/14追記

 『Fate/Grand Order』の光のコヤンスカヤの設定に出てくる「自然界の報復機構が擬神化したもの」「自然の因果応報のサイクル(本来はゆるやかな、数百年かけて行われるもの)を瞬間的に行使」あたりの元ネタ、多分この漫画に出てくる「報復能」の概念。

 作中では詳しい説明がないのでよくわからないが、「最も弱いものが常に勝るという宇宙の法則」のことらしい。

 

靴ずれ戦線 ペレストロイカ 第1巻 速水螺旋人

 2010年~2013年に連載された漫画『靴ずれ戦線 -魔女ワーシェンカの戦争-』の新装版。

 ルサールカ、キキーモラみたいな名前くらいは聞いたことある奴からチョールト、ポルードニツァみたいなマジで知らない奴まで色々出てくるロシアン妖怪漫画。

 全2巻だけどこれもきのこ本棚に置いてあるのはなぜか上記リンクの1巻目だけ。

 アナスタシアのヴィイとか、ニキチッチのズメイ・ゴルイニチとか、ロシア鯖に関連する名前は出てくるけど両方ともきのこ鯖ではない。

 どちらかといえば『MELTY BLOOD TYPE LUMINA』でヴローヴが2回くらい話題に出すジェド・マロースの種本だったりするのかもしれない。その話1巻に収録されてるし。

 

スペクトラルウィザード 全2巻 模造クリスタル

 Web漫画『金魚王国の崩壊』で有名な模造クリスタルの同人誌を単行本化したもの。

  知識探求の果てに世界を滅ぼせるようになった魔術師たちとそれに対抗する人間社会のイザコザみたいな話……か? なんか違うような気もする。

 きのこ本棚、わりと「奈須きのこ作品元ネタ披露コーナー」みたいな側面のある企画だと思うんだけど(「価値がわかる宝石図鑑」を読んで「ベリル・ガットの元ネタこれか!?」ってなったりとか)、これは純粋に「奈須きのこ最近読んだ好きな漫画コーナー」って感じ。

 というか、これの2巻目とかになると出たのが2019年10月なので(TYPE-MOON展の開始が2019年12月)そもそもきのこ作品の元ネタになれる余地がほとんどない。きのこが同人誌版から追っかけてたとしてもそっちも2019年5月完結だから大して変わらないし……。

 世界観とかは一応奈須きのこに通ずるものがあるような気もするけど。特に前団長の主張とかFateシリーズのラスボスが言ってそう。

 

 まぁそれはそうとしてきのこ本棚に置いてある小説・漫画を読んだ中では今の所これが一番おもしろかった。オススメです。

 

マジキュー4コマ Fate/EXTRA 第1巻~第2巻

 Fate/EXTRAのアンソロジー4コマ漫画。

 全3巻なのに2巻までしか置いてないが、これに関してはそもそもなんで本棚に置いてあるのかからしてよくわからない。

 もしかしてめちゃくちゃ面白い隠れた名作でも収録されてるんじゃないかと一応読んでみたけど、別にそんなことはなかったし……。

 無理やり理由をでっちあげるなら「Fate/EXTRAリメイクを書くにあたってEXTRA発売当時の気分に戻りたかった」とかか……?

 あとは単に「表紙のワダアルコ絵がたまたま好きだった」とかかもしれない

TYPE-MOON作品 世界線&時系列年表

TYPE-MOON作品 世界線&時系列表

 

 解説

 まず一番デカい分岐点っぽい「ガイアが出現する」「死徒二十七祖が存在する」「赤い月が現役」の月姫』世界と「アラヤが安定する」「英霊召喚が存在する」「赤い月が現役じゃない」のFate』世界の分岐から。

 具体的に言及はされていないけど、『事件簿』のズェピアの台詞「ブラックモアと同胞になる可能性は、私が生まれるより以前――いくつかありえた枝の最後でも、いまから千七百年近くも前に摘まれているがね」、事件簿material年表の「300年頃 夜の森の都、千年城の戦い。朱い月と魔道元帥ゼルレッチの激突があった……とされる」から朱い月とゼルレッチの戦い(で朱い月が完全敗北したこと?)がトリガーになっているっぽい。「いくつかある枝の最後」っていい方からすると一番遅い分岐タイミングがそこなだけでそれより以前に分岐する可能性もあったように見えるけど、ここでは一応300年分岐にしておく。

 『月姫R』では二十七祖システムの歴史が3000年弱とされているので、やはり分岐点は300年よりも前らしい。具体的にいつFate世界と分岐したかはよくわからない。

 『魔法使いの夜』は竹箒日記で『2015年の時計塔』が「月姫・まほよ寄りの世界」とされているので月姫世界側にあるらしい。でも「三咲町の丘の上にある洋館が久遠寺邸か遠野邸か」って違いがあるので同一世界ではない。

 『空の境界』は『月姫』と同一世界じゃないことが明言されてる程度でどのあたりの位置付けなのかよくわからないのでとりあえず真ん中においておく……というか、作中に死徒もサーヴァントも出て来る余地がない以上どこでも特に関係がない。

月姫』シリーズ(同人版)

 『Tale』は朱い月の地球侵略開始から始まり志貴と青子の出会いで終わる前日譚。後者の『月姫』から8年前(1991年)はともかく前者がいつ頃の話なのかはよくわからない。

 MELTY BLOOD Act Cadenza』は「月姫0.5にしてMELTY BLOOD1.5」ということで『月姫』前日譚っぽい話と『メルブラ』後日談っぽい話が両方あり、前日談パートでは志貴に殺される前のアルクェイドなんかが描かれているが本編とは普通に矛盾している(本編開始前に吸血鬼化してるさつきとか)。

 月姫本編の舞台が何年かはゲーム内では明言されていないはずだけど、ここでは『シエルさん、インドです。』の1999年説を取る(曜日も一致するし)。

 『げっちゃ』は「アルクグッドを基本にしつつ遠野家ルートも核心部分以外は経由したルート」の後日談という体裁。『月姫』の後日談は多分ほぼ全てがこの架空のルートを通っている(はず)。架空のルートの続編という概念は型月作品ではわりと頻出する。 

 『幻視同盟』は『月姫』本編から2ヶ月後の12月後半を舞台にした後日談。特にルートとかは明言されいないけど、志貴がホテルでネロに襲われているのでまぁアルクグッドかげっちゃルートだろう。

 歌月十夜は『月姫』から1年後の夏を舞台にした後日談。何ルート後なのかは多分明言されていないと思うけど、ネロ・ロアを倒した上で紅赤朱とか遠野槙久の話とかも出てくるので多分げっちゃルート。ついでに言うと『幻視同盟』も通過している。

 MELTY BLOODは没になった『月姫』さつきノーマルエンドの後日談。なのでこれだけ明確にげっちゃルートを通っていないし、舞台が1年後の夏でかぶっているので『歌月十夜』とは両立しない。

 talkは『月姫』から1年後を舞台にした後日談……ということに初出時はなっていたが、Character materialの解説では数年後が舞台ということになっている。多分1年後だと『歌月十夜』『メルブラ』とつながらなくなるからだろう。何ルート後かは明言されていないけど、アルクェイドの吸血衝動を抑えるために志貴が頑張ってる以上アルクグッド(げっちゃ)。

 MELTY BLOOD Re・ACTは『MELTY BLOOD』の後日談……と見せかけて実際は『月姫』でさつきが生き残ったifルートの可能性や『歌月十夜』も包括されたお祭りシナリオ。

 MELTY BLOOD Act Cadenza』の後日談パートも『Re・ACT』と同じ感じ。白レンがいるあたり『Re・ACT』の続編っぽくはなっている。

 MELTY BLOOD Actress Again』は『MELTY BLOOD』から1年後を舞台にした続編。でもこれにももちろんレンやさつきは出てくるので、別に『メルブラ』本編から直接つながっているわけではない。

 『路地裏ピラミッドナイト』『Ladies in the water』『路地裏ナイトメア』はリーズが路地裏同盟にいるので『メルブラAA』後なのはいいとしてそれ以外のことはまったくわからない。

 Prelude』は『月姫2』の前日談的な何か。『月姫』何ルート後の何年後なのかとかの説明は特にない。アルクグッド(げっちゃ)後なのは確かだろうけど『メルブラ』でタタリ倒したり『メルブラAA』でオシリスの砂倒したりもしてるんだろうか……。

 月蝕』は『月姫』のラストエピソードかつ『月姫2』本編終了翌日を舞台にしたエピローグ。 

月姫』シリーズ(リメイク版)

 月姫 - A piece of blue glass moon-』の舞台年は作中で直接明言されていないけど、2001年から13年後なので2014年になる。

 MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』は各キャラの個別シナリオに関しては本編が始まる10日ほど前を舞台にしたifストーリー、ボスラッシュモードに関しては「月姫Rの幸せなアフター」。

Fate』シリーズ

 『Fate』シリーズは『Fate/stay night』を起点に色々なルートへ分岐していく。

 Fate/stay nightの作中年代は昔は諸説あったが今は2004年で決着している(多分)。 

 Fate/Apocryphaは第三次聖杯戦争でアインツベルンがアヴェンジャーではなくルーラーを召喚したことで分岐した世界。詳しい年代設定は明かされていないと思うけど「大聖杯持ち去りがなければ10年前に第四次聖杯戦争が起こっていた」という記述はあるのでまぁ『stay night』と同年代で2004年と思っていいだろう。 

 お願い!アインツベルン相談室』は時系列的には第三次聖杯戦争直後だが、「大聖杯の中において時間軸はすべて等価」のため『Fate/Zero』で敗北した第四次聖杯戦争のサーヴァントが登場する。

 Fate/EXTRAシリーズは1970年代に「ある儀式」が起こったことで分岐した世界……ということになっているけど、実際は明らかに46億年前にムーンセルが設置されたかどうかでそれ以前に分岐している。『Fate』シリーズの中でこの作品だけ作中で英霊召喚が使われてないので、実はこれだけ『月姫世界線とかの可能性もまぁあるかもしれないけど、ここでは1970年代分岐とかブロッサム先生の「『月姫』における人類史とは地続きではない」って説明をとりあえず信じる。

 Fate/Zeroは「条件は同じだけど微妙に違う世界」を舞台に描かれた第四次聖杯戦争。具体的に何が違う扱いになってるのかはよくわからない。

 氷室の天地 Fate/school life』は第四次聖杯戦争後に言峰が行った遠坂家遺産処理で資産を処分しすぎたことで分岐した世界……ということになっているけど、実際は多分『Fate/Prototype』時空とつながるかどうかでそれ以前に分岐している。

 ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』は『Fate/stay night』と全くの同一世界。

 Fate/unlimited codesは第五次聖杯戦争のifストーリー。

 Fate/hollow ataraxiaは『Fate/stay night』の半年後を舞台にした後日談。「どのルート後かという設定はあるがプレイヤーの解釈に任せて明言はしない」というスタンスで作られているが、まぁ普通に読めばセイバールート後。

 某月某日。幸せな空の上で。』の時系列はよくわからないが、バゼットとカレンが居るので『hollow』後、かつライダーに魔眼殺しを作っているので桜ルート後か。

 ラストエピソード」はかなり時系列が曖昧だけど、士郎晩年の回想が含まれているので一応『stay night』本編から数十年後とか……のはず……?

 ロード・エルメロイⅡ世の冒険』も『事件簿』と同じく『Fate/stay night』と同一世界だけど、原作の特定のルートではなく「解体戦争につながる架空のルート」の3年強後が舞台。

 Fate/strange Fakeは「同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界」が舞台。この説明だけだとよくわからないが「月姫世界でもFate世界でもない『どっちもアリ』世界」でもあるらしい。あと『氷室の天地』と何か関係があるらしい。年代は第五次聖杯戦争が数年前、第四次聖杯戦争が15年近く前なのでだいたい2009年。

 Fate/Grand Orderは「月姫世界かFate世界かどっちとも言えない世界」らしい。分岐点はよくわからない。2004年に最初の聖杯戦争が起きたという記述はあるので少なくとも200年前(300年前?)には分岐しているらしくはある。

 Fate/Requiem』TYPE-MOON BOOKS materialによれば第五次聖杯戦争から分岐しているらしい。年代は明言されていないけど、「アームストロングの月面着陸から56年後」というセリフがあるので月面着陸の年を現実と同じ1969年で計算すると2025年になる。 

 Fate:Lost Einherjar 極光のアスラウグは聖杯大戦から10年後が舞台。文中では「西暦二○一✕年」としか書かれていないけど、作中描写(現実世界で2014年9月にリリースされた曲を2月に聞いている)からすると2015年2月あたりか。『Fate/Apocrypha』と完全に同一世界かどうかはよくわからない。

 Fate/Samurai Remnantの舞台は慶安四年なので1651年。一応Fate世界に置いておくけど、現実世界の1651年では小倉藩で家老やってて年齢も39歳のはずの宮本伊織が浪人の青年になっているあたり、ifの世界が舞台になっている気はする。

 

Fate/EXTRA』シリーズ

 Fate/EXTRA聖杯戦争開始年は諸説あるというか、『月姫』『Fate/stay night』が「作中で何年か明言されていない」なのと違って、こっちは「明言されている年が2030年と2032年両方ある」タイプ。ここではマテリアル等での2030年説を取る。

 Fate/EXTRA Last Encore』は2030年の聖杯戦争で岸浪白野がトワイスに敗北した世界の3020年が舞台……なんだけど、実際はそれ以前、一つ前の聖杯戦争に凛やラニのような原作マスターが参加するかどうかで明らかに世界線が既に違っていて、そちらに誤参加していた場合は岸浪白野の成長が足りずトワイスに敗北するという感じの流れになっている。

 Fate/EXTRA CCCは基本的には『EXTRA』の5回戦終了直後から(正確に言えば予選で主人公が桜を助けた所から)分岐したifストーリーだけど、『EXTRA』ではゲーム中に描写がなかっただけで実は裏で『CCC』の事件が起きていたことにできる余地はある曖昧なポジション。

 『Fate/EXTRA CCC FoxTail』は『CCC』の開始前、BBがアルターエゴを作る際にメルトリリス・パッションリップの2体にするかヴァイオレット・キングプロテア・カズラドロップを含めた5体にするかで『CCC』から分岐しているらしい。

 Fate/EXTELLAは2030年の聖杯戦争に女主人公&無銘やアトラム&玉藻の前が参戦しているifルート「EXTELLA/zero」の続編。

 『Fate/EXTELLA LINK』は『EXTELLA』とほぼ同内容の事件が起きている(アルテラがラーヴァ化していたりとか)ようだけど経緯は全然違う(主人公とアルキメデスが出会っていなかったりとか)らしい架空のルートの続編。

その他作品

 月の珊瑚』は「月姫3000」というコンセプトで作られたイフストーリー。「月姫の起きなかった世界」「どちらかといえば鋼の大地に近い」とされているがよくわからないのでとりあえずその他に置いておく。

 空の境界はまぁ見たまま。

 魔法使いの夜の舞台年は諸説あるというか多分「実際の歴史(ベルリンの壁崩壊とか)とリンクさせたくないので1980年代後半としか設定しない」が正確な表現なんだけど、ここでは「1986年から2年後」という描写を元に1988年説を取る。

 2015年の時計塔』は「月姫・まほよ寄りの世界」なので月姫世界側の2014年。この言い方的からすると別に『まほよ』から直接つながっている感じでもないらしい。

 鋼の大地』は分岐点も具体的な時代もよくわからないがORTの設定に「西暦より以前に南米に落ちた」「一足先(五千年ぐらい)に地球に到着」とあるので最大で見積もっても西暦5000年までには起きるらしい。 

 花札』『タイころ』『カプさば』『アーネンエルベ』あたりのクロスオーバーものとかはスルー。一応『花札』・『タイころ』が2004年頃、『カプさば』が2004年の7年前(1997年頃)、『アーネンエルベの一日』(のウェイバー視点)は『Fate/Zero』(1994年)から数年後ではある。

 まほうつかいの箱』は同じくクロスオーバーものなのでともかくスターリット・マーマレードは作品単体で成立しているので入れたかったが年代が全くわからなかった。

 衛宮さんちの今日のごはん』は……何だろうこれ……。

 Fate/Prototype』『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』はどこから分岐とかいうかそもそも完全に別宇宙……のはず。ただし『FGO』には異世界からの来訪者として普通にやってくる。 

 Fate/Labyrinthはちょっと複雑で、『蒼銀のフラグメンツ』終盤(1991年2月某日)の沙条愛歌が意識だけFate世界(というかApocrypha世界)に移動する物語。後者の時系列はTYPE-MOON BOOKS materialによれば2000年代前半らしい。

 プリズマ☆イリヤは「プリヤはあくまでスピンオフ!別の設定で成り立ってるの!」と明言されているので割愛。

 帝都聖杯奇譚』は「基本的に全部でたらめなので本気にしないよう」「「帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline」における設定は、既存のどのFate作品ともリンクしない帝都聖杯奇譚独自の設定」と明言されているので割愛。

チキチキ月姫リメイク死徒二十七祖リストラ予想猛レース

「リメイクの影響でリストラされたヤツもいるらしいよ」(TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm)

「例えば死徒二十七祖の設定や序列なども一新されています。当時は新しいと思ったんだけど、今となってはやり尽くされていてつまらないなと判断したものを削除して、代わりに今新しいと思えるものを入れてみたり。以前に比べて重要性が増したものにはさらに手を加えてみたり」(TYPE-MOONエースVol10)

   あたりの発言を参考にしながら、前者のリストラ発言が出た2012年以降、特に「Fate世界には二十七祖がいない」設定が表に出た2016年あたりから先に出てきた情報をチェックしてリストラ予想していく。

 つまり例えば2006年に書かれたCharacter materialにORT、アルトルージュ、アインナッシュ、ネロ、ヴァン=フェム、グランスルグ、トラフィム、エンハウンス、メレムとかの名前が出てくるからってだけでは生存判定はしないということ。

 

 

1/プライミッツ・マーダー

  • 二つ名:霊長の殺人者。白い獣。アルトルージュの魔犬(ガイアの怪物)。
  • 設定更改後の言及:FGO(「違う世界では霊長の殺人者(プライミッツ・マーダー)、とも呼ばれたね」) 
  • 生存度:9

 安泰ライン。超重要キャラだし「違う世界」「霊長の殺人者(プライミッツ・マーダー)」が明らかにFate世界と月姫世界の違いを念頭に置いたネタの振り方なのでさすがにここリストラされたらびっくりする。

 強いてマイナス要素をあげるとしたら「そもそも死徒でもなんでもない」とかか。

 

2/the dark six

  • 二つ名:最初の死徒。最初のシステム。闇色の六王権。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:4

 具体的な言及ではないけど、FGOの「夏への扉/dark mix」で微妙に目配せされている……かもしれない。サクラメイキュウ black mixとかもあるので何も関係ないかもしれない。

 死徒二十七祖って基本的に捨てキャラがいなくて、ある程度設定が明かされてるキャラはだいたい「おっこいつ面白そうだな」って感じの雰囲気があるので、誰ならリストラ出来るか考えると逆にここらへんのマジで何がなんだかよくわからない謎キャラ(そもそもキャラなのかこれ。最初のシステムとか書いてあるけど)が怪しいようにも見えてくる。

 

3/朱い月のブリュンスタッド 

  • 二つ名:アルティミット・ワン。
  • 設定更改後の言及:事件簿マテリアル年表
  • 生存度:4

 死徒二十七祖を作った朱い月が死徒二十七祖の3位にいるの、いつ見ても意味がわからない。せめて1位でしょ!

 もちろんそういう意味のわからなさで「えっつまりどういうこと?」ってフック作るのがこの設定の面白さなんだけど、そのあたりリメイクで整理される可能性はゼロではないような気もする。

 

4/ゼルレッチ

  • 二つ名:道元帥。宝石のゼルレッチ。万華鏡(カレイドスコープ)。
  • 設定更改後の言及:Fake、劇場版HF、事件簿マテリアル年表 等
  • 生存度:7

 今でもちょくちょく出てくる割に何気に死徒化が明言されたこと一度もない気がする。あったっけ?

 まぁ多分死徒なんだろうと思うけど、「こいつ死徒とか以前に魔法使いじゃん!」でリストラされてる可能性もある……か……?

 

5/ORT(オルト)

  • 二つ名:水星(?)のアルテミット・ワン。夕イプ・マアキュリー。
  • 設定更改後の言及:FGO(「オールトの雲より飛来した、極限の単独種(アルテミット・ワン)」)
  • 生存度:7

 FGO出演予定だしリストラされてるとは思えない(「U1な上に月姫世界では二十七祖5位のORTFGOに登場!」ならいいけど「U1な上に月姫では二十七祖だったけど月姫リメイクではリストラされたORTFGOに登場!」って言われたらちょっと反応に困る)んだけど、若干怪しいのはそもそもこいつが死徒二十七祖に入ってる理由が「遊び心で入れた」でしかないところ。

 設定整理でリストラされてる可能性もある……か……?

 

6/リィゾ=バール・シュトラウト

  • 二つ名:黒騎士シュトラウト。真性悪魔ニアダーク。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:

  FGOやFake、事件簿で言及されてる祖のほうがもう多数派なので、完全言及なしの祖はそれだけでだいぶリストラ候補として怪しく見えてくる。(「リメイクで存在消されたから出てない」じゃなくてFate世界では存在してないキャラだからFate関連作品には出てない」な可能性も全然ありえるけど)

 一応月姫2で殺人貴のライバルになるらしいけど、そもそも月姫2作る気あるのかって問題もあるからな……僕はFGO人魚姫2の「悪い。色々あって書けなかった」は月姫2のこと言ってると思ってるんだけど……。

 真性悪魔ニアダーク(魔剣ニアダーク)は「以前に比べて重要性が増したもの」候補として一番それっぽいような気もする。他だと魔法使いのゼルレッチ(とスタンローブ?)、薔薇の予言者っぽいロズィーアンとか?

 

7/アインナッシュ

 これもORTと同じような感じで、もしリストラされてたら「えっ!?事件簿に仔がゲスト出演したのってアレ月姫死徒二十七祖がサプライズ登場!』じゃなくて月姫では二十七祖だったけど月姫リメイクではただの上級死徒に格下げされた死徒がサプライズ登場!』だったの!?」ってめちゃくちゃびっくりする。

 まぁリストラされる可能性はほとんどゼロだろうけど、序列は7から下がってる気はする。初代アインナッシュって催眠固有結界を破られたあと普通にアルクェイドにやられて死んでるせいで2代目や下位のネロ、ワラキアに比べて特に強そうに見えないんだけどなんでこんな序列高かったんだろう。

 

8/フィナ=ヴラド・スヴェルテン

  • 二つ名:白騎士ヴラド。吸血伯爵。ストラトバリスの悪魔。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:4

 黒騎士と一蓮托生で、基本的には黒騎士消えるならこっちも消える、黒騎士残るならこっちも残るって感じの印象なんだけど、怪しいのがなんか「幽霊船団のキャプテン」って設定がFateの船召喚鯖とダダかぶりしてもう全然新規性がなくなってそうなところ。ドレイクの黄金鹿と嵐の夜とか「亡霊の群れ」って言われてるし……。

 もしかしたら黒騎士生存で白騎士リストラとかもあるかもしれない。

 もしも両方残ってた場合、黒騎士が真性悪魔ニアダーク絡みでだいぶ設定盛られると思うので多分こっちも一気に盛られる。

 

9/アルトルージュ・ブリュンスタッド

  • 二つ名:吸血姫。黒。血と契約の支配者。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:8

 月姫2の攻略ヒロインらしいし、未登場二十七祖の中では多分一番人気がある(外見年齢14歳で姉のお姫様って設定がかわいすぎるから……)のでリストラされないと思いたいけど、アルトルージュ派3人(+1匹)いて3人全員未言及で今まで来ていることに若干訝しさを感じないこともない。

 一応FGOの「デミ・サーヴァントなぞ、本来なら不可能な技術だ。吸血鬼たちに混血(ダンピール)が生まれないようにな」って台詞はアルトルージュのことほのめかしてるように見えるんだけど、これ読もうと思えば「本来不可能なデミ鯖が生まれたように本来不可能なアルトルージュも生まれる」とも「アルトルージュは本来生まれない、月姫世界だけの特殊な存在」とも「アルトルージュは没になりました」とも読めるんだよな……。

 

10/ネロ・カオス

 Fakeで言及済みとか、きのこ提供の教会年表に載ってるらしいとか以前に、月姫の中ボスが月姫リメイクでリストラされてたらめちゃくちゃびっくりする(いやリメイクでそういう意表の付き方してきそうなイメージはあるけど)。

 どうでもいいけどネロ・カオスって名前、Fateにネロもカオスも本物が出てきた今見るとわりとアレだよな……もしかしたらリストラされなくても名前変わったり増えたりはするかもしれない。

 白騎士ヴラドとかメレム・ソロモンも似たようなもんだけど、ヴラドは英語表記がなんかblood(ヴなのに?)だし、メレムは誰からもソロモン呼びされてないのでまぁ。

  

11/スタンローブ、カルハイン

  • 二つ名:捕食公爵。亡霊。街食うモノ。第一の亡霊(スタンティア)。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:6

 ここらへんのマジで何がなんだかわからない系の死徒、リストラされるかどうかとか予想のつけようがないんだけど、個人的にスタンローブのことは「第一魔法の使い手=久遠寺有珠の先祖」って設定のまほよ用キャラ(2015年の時計塔が「月姫、まほよ寄りの世界」って言われてるあたりまほよ世界にも二十七祖はありそう)なんじゃないかと考えてるので、リストラされないんじゃないかな(願望)。

 

13/?????

  • 二つ名:タタリ。ワラキアの夜。 
  • 設定更改後の言及:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、竹箒日記(二十七祖
  • 生存度:10

 竹箒日記にはっきり二十七祖と書いてあるし、事件簿でもズェピア本人がブラックモアと同胞になっていた可能性の話をしているので当確。

 全然関係ないんだけど、設定で触れられたことが一度もない死徒二十七祖第12位、他の封印中組が19位以下の下位陣しかいない中で一人だけそこそこ上位なのに封印されてるのが結構好きなので新設定でも残しておいて欲しい。

 

14/ヴァン=フェム

 「三十人弱ほど指定されている特殊な上級死徒」、これはさすがにもう死徒二十七祖って言っているようなもの。

 どうでもいいけど「Fake2巻で二十七祖って単語使用する」→「Fake4巻あたりの時期に設定変更でFate世界には二十七祖いないことになる」→「Fake世界は月姫世界とFate世界の中間だから二十七祖使ってもOKってフォロー入る」って流れだったのにここでは二十七祖って言葉使わないのなんでやねん感がある。

 多分「上級死徒」=「死徒二十七祖」じゃなくて「死徒」<「上級死徒」<「特殊な上級死徒」=「死徒二十七祖」だって説明なんだと思うけど……。

 

 15/リタ・ロズィーアン

  • 二つ名:自称、芸術家のお嬢様。 
  • 設定更改後の言及:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿(上級死徒
  • 生存度:9

 これもまぁアインナッシュと同じでリストラされてる可能性ほぼゼロ枠。

 

16/グランスルグ・ブラックモア

  • 二つ名:鹏。黒翼公。月飲み
  • 設定更改後の言及:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿(ズェピアと同胞になっていたかもしれない死徒
  • 生存度:9

 ズェピアの同胞なのでどっからどう見ても二十七祖なんだけど、穿った見方をすれば「同胞になる可能性があった」は「月姫世界で同胞だった」という意味で「月姫リメイク世界で同胞だった」とは言ってない……とか解釈できないこともないかもしれない(いや無理でしょ)。

 どうでもいいけどこいつの「朱い月存命時は二十七祖じゃなかったけど"二十七の一つ"と認められていた」って設定、いつ見てもよくわからない。じゃあ二十八では……?

 

17/トラフィム・オーテンロッゼ

  • 二つ名:白翼公。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:5

 言及なしとはいえ月姫2の舞台設定のトリガーになってる感じのキャラだし、(形式上)死徒の王とか、黒翼公と白翼公で対になってる二つ名とか生存できそうな要素も多いんだけど、死徒二十七祖ってだいたいみんな月姫2登場予定とか他のキャラとの因縁とか持ってるのでそんなこと言ってるとマジで誰もリストラできなくなってしまう。

 

18/エンハウンス

  • 二つ名:復讐騎。エンハンス・ソード(片刃)。
  • 設定更改後の言及:特になし 
  • 生存度:6

 これも月姫2の主人公なのでさすがに消えない……と思うんだけど、「当時は新しいと思ったんだけど、今となってはやり尽くされているもの」に一番当てはまる二十七祖ってエンハンスのような気がする。

 片手に魔剣、片手に聖葬砲典持って、魔剣を使うと人間部分に、聖葬砲典使うと死徒部分にダメージ受けるっていう光と闇が両方そなわり最強に見えるスタイルとか……というか、それ以前にダンテだし……。

 

20/メレム・ソロモン

  • 二つ名:フォーデーモン・ザ・グレートビースト。 王冠。
  • 設定更改後の言及:漫画版Fate/strange Fake 
  • 生存度:9

 個人的に漫画版Fakeでの右脚の出演描写、コミカライズ担当の勇み足なのではという疑念を持ってるんだけど、まぁさすがに監修ついてると信じるしかない。

 

21/スミレ

  • 二つ名:水魔スミレ。ウォーター・ボトル。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:4

 死徒だけど流水対応、死徒だけど空想具現化可能とかいうよくわからないキャラ。

 月姫2登場予定ありでリタ・ロズィーアンのライバルって設定持ち、かつリタが生存確定みたいな感じなので、スミレも……と思いつつ白翼公と同じ理由でリストラ候補に入れておく。

 

24/エル・ナハト

  • 二つ名:胃界教典。
  • 設定更改後の言及:特になし
  • 生存度:3

 未登場キャラというか未登場武器って感じの祖。

 「ドッペル心中アタックする吸血鬼を召喚できる胃」って設定はさすがに使い古されてはいないと思うけど、歌月十夜デイリーメッセージに収録忘れられるあたりに存在感の薄さを感じないこともない。

 あと条件を「設定変更後に未言及」「月姫2に登場予定なし」に絞るとリストラ候補がスタンローブとエル・ナハトだけになる(この条件に絞らなきゃいけない根拠は特にないが……)。

 埋葬機関の一位と二位が胃界教典装備すると「うわ、それ無敵じゃん!」になるっていうきのこコメントがあるので、もしもこれリストラされてたら埋葬機関のパワーバランス結構変わりそう。「胃界教典なくなって弱体化」じゃなくて「二十七祖の力借りなくてもよくなるくらい超強化」かもしれないけど。

 

27/コーバック・アル力トラス

Fate/strange Fakeに登場してゼルレッチと絡む……とか以前の問題で、ケータイさん今でも普通にコンプティークの4コマに登場してる現役キャラだよ。 

 

ex/ミハイル・ロア・バルダムヨォン

  • 二つ名:アカシャの蛇。転生無限者。
  • 設定更改後の言及:竹箒日記(「教会において二十七祖の一人と数えられたもの」「祖のひとり」) 
  • 生存度:10

 はっきり二十七祖と書いてあるのでまぁ当確。 

 番外位が「今となってはやり尽くされ」判定で正式ナンバリングに変わってる可能性とかも考えたけど、わざわざ「教会において」って前置きつけて二十七祖カウントするくらいだし番外のままか。

 

まとめ

二十七祖の枠に収まらなさそうな祖:プライミッツ・マーダーthe dark six、朱い月、ゼルレッチ、ORT

設定変更前含めて資料集以外で一度も言及されていない祖:the dark six、黒騎士シュトラウト、白騎士ヴラド、エル・ナハト

設定変更後に言及なしの祖:the dark six、黒騎士シュトラウト、白騎士ヴラド、アルトルージュ、スタンローブ、白翼公、エンハウンス、水魔スミレ、エル・ナハト

設定変更後に言及なしかつ月姫2登場予定なしの祖:スタンローブ、エル・ナハト 

奈須きのこ TYPE-MOON作品年表

奈須きのこ作品を発表順に並べた年表。

監修のみ作品にもセリフを書き加えたりしてるもの(FakeのゼルレッチとかFGOのきのこ鯖とか)がちょくちょくあるはずだけど大半は区別がつかないのでスルー。

逆にFGOのシナリオは他ライターから監修されているもの(キャメロット桜井光鯖とか)も多いはずだけどそれもスルー。

発表年月日 ジャンル 作品名
1987年頃*1 小説 ザ・スクリーマー
1987年~ 1992年頃 小説 百鬼夜行
1991年8月~
1992年春頃
小説 フェイト・スキッパー(旧Fate
1993年~
1995年頃
TRPG 鉄の紋章
1996年12月18日 小説 魔法使いの夜
1997年11月2日 小説 氷の花
1998年10月 小説 空の境界式 第1章 俯瞰風景
1998年11月 小説 空の境界式 第2章 殺人考察(前)
1998年12月 小説 空の境界式 第3章 痛覚残留
1998年12月 小説 空の境界式 第4章 伽藍の洞
1999年3月 小説 空の境界式 第5章 矛盾螺旋
1999年5月 小説 Notes.
1999年8月 小説 空の境界
2000年8月11日 ゲーム 月姫 半月版
2000年12月29日 ゲーム

月姫

追加シナリオ(秋葉・翡翠琥珀・月蝕)

2001年1月21日 ゲーム 幻視同盟
2001年1月21日 ゲーム げっちゃ
2001年4月 ゲーム きのこ名作実験場
2001年8月10日 ゲーム 歌月十夜
原案・シナリオ*2
2001年8月12日 小説 Talk.
2002年1月 小説 痛快短編小説 茸堂の憂鬱
2002年12月28日 ゲーム MELTY BLOOD
2003年4月29日 ゲーム げっちゃ2
2003年9月26日 小説 tale
2004年1月30日 ゲーム Fate/stay night
2004年1月30日 小説 茸堂の憂鬱
2004年2月 小説 残層電管三十六景
2004年5月30日 ゲーム MELTY BLOOD Re・ACT
2004年7月12日 小説 DDD JtheE.
2005年3月25日 ゲーム MELTY BLOOD Act Cadenza
2005年10月28日 ゲーム Fate/hollow ataraxia
原案・構成・メインシナリオ・シナリオ(共同)*3
2005年10月28日 作詞 アタラクシア
2005年10月28日 ゲーム トラぶる花札道中記
シナリオ(共同)*4
2005年10月28日 小説 茸堂の憂鬱 第三回
2005年11月29日 小説 DDD HandS.(R)
2005年12月23日 小説 DDD HandS.(L)
2006年8月10日 ゲーム PS2MELTY BLOOD Act Cadenza
追加シナリオ(ネコアルク・カオス)
2006年8月11日 小説 Prelude
2006年8月11日 ゲーム トラぶる花札道中記EX
追加シナリオ(臓硯、カレン、バゼットチーム
2006年12月23日 ゲーム MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B
追加シナリオ(白レン)
2007年1月10日 小説 DDD 第1巻
書き下ろし(formal hunt.)
2007年4月19日 ゲーム Fate/stay night [Réalta Nua]
追加シナリオ(ラストエピソード)
2007年4月19日 小説 きのこ堂の憂鬱 ~最終回~
2007年4月19日 ゲーム とびだせ!トラぶる花札道中記
追加シナリオ(穂群原にゃーにゃーズ)
2007年7月27日 ゲーム

PC版 MELTY BLOOD Act Cadenza Ver.B

追加シナリオ(ネコアルク・カオスB

2007年8月10日 小説 DDD 第2巻
2007年8月17日 ドラマCD ALL AROUND TYPE-MOON 〜アーネンエルベの一日〜
2007年9月13日 ゲーム フェイト/タイガーころしあむ
シナリオ監修、一部シナリオ(藤村大河*5
2008年6月11日 ゲーム Fate/unlimited codes
2008年8月16日 小説 空の境界 未来福音
2008年8月28日 ゲーム フェイト/タイガーころしあむ アッパー
シナリオ監修、一部シナリオ(マジカルカレン)*6 
2008年9月19日 ゲーム MELTY BLOOD Actress Again
2008年12月4日 ゲーム 428 〜封鎖された渋谷で〜
ボーナスシナリオ カナン編
2008年12月18日 ゲーム PS2Fate/unlimited codes
追加シナリオ(バゼット、セイバーオルタ、リーゼリット
2009年7月4日 アニメ CANAAN 放送開始
原案*7
2009年8月20日 ゲーム PS2MELTY BLOOD Actress Again
追加シナリオ(両儀式、制服秋葉、ネコアルクB、ネコアルク・カオス、ボスラッシュ)
2009年8月21日 小説 茸堂の復活
2009年9月26日 アニメ CANAAN 放送終了
2010年4月1日 Twitter Tmitter
中の人(共同)*8
2010年7月13日 小説 宙の外
2010年7月13日 小説 MAGNITUNING
ノベライズ*9
2010年7月22日 ゲーム Fate/EXTRA
シナリオ*10
2010年12月21日 小説 月の珊瑚
2010年12月24日 アニメ おしえて!! ブロッサム先生
2011年5月18日 ゲーム MELTY BLOOD Actress Again Current Code Ver.1.05
追加シナリオ(完全武装シエル)
2011年6月25日 小説 茸堂の復活/リバイブ
2011年8月12日 オーコメ 教えて!知得留先生
2011年10月14日 ゲーム MELTY BLOOD Actress Again Current Code Ver.1.07
追加シナリオ(真祖アルクェイド、リーズバイフェB、ネコ&メカヒスイ、琥珀&メカヒスイ)
2011年10月28日 脚本集 「教えて!知得留先生」脚本 完全版
2011年12月31日 アニメ Fate/Prototype
2011年12月31日 脚本集 Prototype/material
2012年1月31日 TRPG RPF レッドドラゴン 連載開始
プレイヤー*11
2012年3月7日 アニメ お願い!アインツベルン相談室 その1~その3
2012年4月12日 ゲーム 魔法使いの夜
2012年4月12日 小説 はちみつを巡る冒険
2012年9月19日 アニメ お願い!アインツベルン相談室 その4~その6
2012年11月29日 ゲーム とびたて!超時空トラぶる花札大作戦
一部シナリオ(バーサーカー陣営、EXTRA、プロト)*12
2013年3月28日 ゲーム Fate/EXTRA CCC
メインシナリオ・サブシナリオ*13
2013年4月1日 ゲーム 路地裏さつき ヒロイン十二宮編
シリーズ構成、監修、戦闘パート、一部脚本(6話、7話、13話)*14
2013年9月28日 小説 終末録音/the Garden of oblivion
2014年1月24日 ドラマCD Fate/EXTRA CCC ルナティックステーション2013
シナリオ(共同)*15
2014年4月28日 小説 2015年の時計塔
2014年5月29日 TRPG RPF レッドドラゴン 連載終了
2014年11月27日 ゲーム カプセルさーばんと
シナリオ原案・総監修・シナリオ(共同)*16
2015年3月25日 小説 Garden of Avalon
2015年4月1日 Twitter Tmitter2015
中の人(共同)*17
2015年7月30日 ゲーム Fate/Grand Order
全体構成・シナリオ(共同)・総監督*18
2015年7月30日 ゲーム Fate/Grand Order
第1部序章 炎上汚染都市冬木
2015年7月30日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第1章 邪竜百年戦争 オルレアン

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2015年7月30日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第2章 永続狂気帝国 セプテム

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2015年8月10日 ドラマCD Fate/Grand Order ドラマCD 序章
2015年9月25日 ゲーム Fate/Grand Order
月の女神はお団子の夢を見るか?
2015年10月7日 脚本集 Animation Elements
2015年11月5日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第3章 封鎖終局四海 オケアノス

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2015年12月16日 ゲーム Fate/Grand Order
ほぼ週間 サンタオルタさん
2015年12月28日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第4章 死界魔霧都市 ロンドン

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2016年1月20日 ゲーム Fate/Grand Order
セイバー ウォーズ ~リリィのコスモ武者修行~
2016年2月25日 ゲーム

Fate/Grand Order
空の境界/the Garden of Order

シナリオ*19

2016年3月30日 ゲーム

Fate/Grand Order

第1部第5章  北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2016年7月25日 ゲーム Fate/Grand Order
第1部第6章 神聖円卓領域キャメロット
2016年11月11日 ゲーム Fate/EXTELLA
メインシナリオ*20
2016年12月7日 ゲーム Fate/Grand Order
第1部第7章 絶対魔獣戦線バビロニア
2016年12月22日 ゲーム

Fate/Grand Order
第1部終章 冠位時間神殿ソロモン

シナリオ(1~2節、7節~15節)*21

2017年1月1日 ゲーム Fate/Grand Order
宮本武蔵体験クエス
2017年4月1日 ゲーム Fate/Grand Order Gutentag Omen
2017年5月1日 ゲーム Fate/Grand Order
第1.5部 深海電脳楽土 SE.RA.PH
2017年12月15日 ゲーム Fate/Grand Order
冥界のメリークリスマス
2017年12月26日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部 序/2017年
2017年12月31日 アニメ Fate/Grand Order -MOONLIGHT/LOSTROOM-
2018年1月28日 アニメ Fate/EXTRA Last Encore 放送開始
シリーズ構成・脚本(共同)*22
2018年4月4日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第1章 永久凍土帝国 アナスタシア

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2018年7月18日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第2章 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2018年7月29日 アニメ Fate/EXTRA Last Encore 放送終了
シリーズ構成・脚本
2018年8月1日 ドラマCD Fate/EXTRA Last Encore ドラマCD あまり者の聖杯戦争
脚本(共同)*23
2018年8月9日 ゲーム

Fate/Grand Order
サーヴァント・サマー・フェスティバル!

一部シナリオ

2018年8月10日 脚本集 Fate/EXTRA Last Encore
原案シナリオ集「Last Encore Your Score」
2018年11月23日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第3章 Lostbelt No.3 - intro -
2018年11月27日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第3章 人智統合真国 シン

一部シナリオ(終了部)*24

2018年12月12日 ドラマCD Fate/EXTRA Last Encore ドラマCD 狐の語るおはなし
脚本(共同)*25
2019年1月1日 ゲーム Fate/Grand Order
雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~
2019年2月20日 ゲーム

Fate/Grand Order
堕天の檻

2019年3月15日 ゲーム

Fate/Grand Order
旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ

一部シナリオ(最終節 グッドナイト☆トーク

2019年4月1日 ゲーム

Fate/Grand Order Quest

2019年6月15日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第4章 創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ

一部シナリオ(イントロ)

2019年8月3日 アニメ

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-
Episode 0 Initium Iter

脚本原作*26

2019年8月14日 ゲーム

Fate/Grand Order
見参! ラスベガス御前試合 水着剣豪七色勝負!

一部シナリオ

2019年10月30日 ゲーム Fate/Grand Order
セイバーウォーズ2 ~始まりの宇宙へ~
2019年12月18日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第5章 神代巨神海洋 アトランティス

一部シナリオ(イントロ等)

2019年12月20日 脚本集 Fate/unpublished material
2020年4月1日 ゲーム

Fate/Grand Order MyCraft Lostbelt

2020年4月9日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第5章 星間都市山脈 オリュンポス

一部シナリオ(アウトロ等)

2020年8月11日 ゲーム Fate/Grand Order Waltz in the MOONLIGHT/LOSTROOM
2020年8月17日 ゲーム

Fate/Grand Order
サーヴァント・サマーキャンプ!~カルデア・スリラーナイト~

一部シナリオ

2020年12月4日 ゲーム

Fate/Grand Order
第2部第5.5章 地獄界曼荼羅 平安京 轟雷一閃

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2020年12月5日 小説

イラスト&テキストカードVol.1「贋作」

2020年12月12日 小説

イラスト&テキストカードVol.2「兄と妹」

2020年12月19日 小説

イラスト&テキストカードVol.3「友」

2020年12月26日 小説

イラスト&テキストカードVol.4「主従」

2021年2月10日 小説

Fate/Grand Order

バレンタインミニシナリオ(ネモ他)

2021年6月5日 小説

イラスト&テキストカードVol.1「旅路」

2021年6月11日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第6章 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻 前編
2021年6月12日 小説

イラスト&テキストカードVol.2「騎士」

2021年6月19日 小説

イラスト&テキストカードVol.3「憧憬」

2021年6月26日 小説

イラスト&テキストカードVol.4「守り人」

2021年7月14日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第6章 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻 後編
2021年7月30日 アニメ Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-
脚本原作
2021年8月4日 ゲーム Fate/Grand Order
第2部第6章 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻 崩壊編
2021年8月26日 ゲーム 月姫 -A piece of blue glass moon-
2021年9月30日 ゲーム MELTY BLOOD: TYPE LUMINA
2021年12月22日 ゲーム

Fate/Grand Order

非霊長生存圏 ツングースカサンクチュアリ

一部シナリオ(イントロ)

2021年12月31日 ゲーム

Fate/Grand Orde

非霊長生存圏 ツングースカサンクチュアリ エピローグ

2022年1月13日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第1弾

追加シナリオ死徒ノエル、蒼崎青子

2022年1月19日 脚本集

Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-

ART BOOK & ORIGINAL SCREENPLAY

2022年2月9日 ゲーム

Fate/Grand Order

バレンタインミニシナリオ(モルガン、バーヴァン・シー、メリュジーヌ、バーゲスト、ハベトロット、光のコヤンスカヤ、闇のコヤンスカヤ、オベロン)

2022年4月14日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第2弾

追加シナリオ(マーリオゥ、完全武装シエル)

2022年6月15日 ゲーム

Fate/Grand Order

聖杯戦線 ~ムーンサルト・オペレーション~

2022年6月15日 ゲーム

Fate/Grand Order

第2部第6.5章 死想顕現界域 トラオム 或る幻想の生と死

一部シナリオ(イントロ、アウトロ)

2022年8月14日 プロット

Avalon le Fae Synopsys

2022年8月19日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第3弾

追加シナリオ(ネコアルク、マシュ、マシュB、ボスラッシュ2)

2022年12月15日 ゲーム

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA DLC 第4弾

追加シナリオ(牛若丸、巌窟王、ボスラッシュ3、ボスラッシュ4)

2022年12月25日 ゲーム

Fate/Grand Order

第2部第7章 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの 前編

2023年1月31日 ゲーム

Fate/Grand Order

第2部第7章 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの 後編

2023年8月11日 ゲーム

Fate/Grand Order

サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!

2023年12月20日 ゲーム

Fate/Grand Order

雪原のメリー・クリスマス2023 ~7days / 8years Snow Carol~

*1:きのこ中学2年生時

*2:原案・シナリオ:奈須きのこ
夢十夜シナリオ:amane、剣士"、マルキン
スペシャルシナリオ:健速

*3:原案・構成・メインシナリオ:奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこ・阿羅本景・森崎亮人(・星空めてお

*4:トラぶるモードシナリオ:奈須きのこ
のーまるモードシナリオ:奈須きのこ・森崎亮人

*5:シナリオ監修:奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこ磨伸映一郎・タスクオーナ・春野友矢・ハラオ・北側寒囲・佐野晋一郎

*6:シナリオ監修:奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこつくりものじ磨伸映一郎・タスクオーナ・春野友矢・ハラオ・ホネ・武梨えり(協力:一迅社

*7:原案:奈須きのこ
シリーズ構成・脚本:岡田麿里

*8:奈須きのこ:「士郎」(中盤除く)「バゼット」「琥珀」「アーチャー」「凛」担当
「セイバー」担当
「薪寺」担当
「慎二」担当
「シオン」「ライダー」担当

*9:原作:榎本俊二

*10:シナリオ:奈須きのこ・藤田基樹・田中国光

*11:フィクションマスター:三田誠
プレイヤー:虚淵玄奈須きのこ紅玉いづき・しまどりる・成田良悟

*12:シナリオ:奈須きのこ虚淵玄東出祐一郎ひろやまひろし

*13:メインシナリオ:奈須きのこ
サブシナリオ:奈須きのこ・石川夏子・熊衣べる・赤羽良保(・星空めてお

*14:シリーズ構成:監修:奈須きのこ
脚本:磨伸映一郎(1話2話10話)・経験値(3話12話)・ACPI(4話7話8話)・奈須きのこ(6話7話13話)・星空めてお(9話)・東出祐一郎(11話)
戦闘パート:奈須きのこ

*15:シナリオ:奈須きのこ・経験値

*16:シナリオ原案・総監修:奈須きのこ
シナリオ:経験値・OKSG・奈須きのこ

*17:奈須きのこTYPE-MOONスタッフ、東出祐一郎桜井光成田良悟三田誠虚淵玄、経験値

*18:全体構成・シナリオ・総監督:奈須きのこ
シナリオ:東出祐一郎桜井光水瀬葉月星空めてお
ゲストライター:虚淵玄・acpi・OKSG・経験値・小太刀右京三田誠橘公司成田良悟ひろやまひろし円居挽・リヨ

*19:ゲストシナリオ

六階 一号室:東出祐一郎

八階 一号室:経験値

*20:メインシナリオ:奈須きのこ
シナリオアシスタント:桜井光

*21:1~2節、7節~15節:奈須きのこ
3節5節:桜井光
4節6節:東出祐一郎

*22:シリーズ構成:奈須きのこ
脚本:奈須きのこ桜井光

*23:脚本:奈須きのこ桜井光

*24:シナリオ:虚淵玄

*25:脚本:奈須きのこ桜井光

*26:脚本原作:奈須きのこ
脚本:武井風太