TYPE-MOON展 奈須きのこ本棚レビュー 漫画編

 月姫リメイク発売に向けて最近異常に奈須きのこモチベーションが高まっているので、TYPE-MOON展で公開されたきのこ本棚の小説や漫画、資料本を読んで過ごしています。

 まぁこれ、残り200冊とかあるので多分全部読み切る前にどこかで飽きてやめると思うんだけど、とりあえず漫画だけは全部読んだ(はず)。

 きのこ自作品のコミカライズ系は割愛。具体的に言うと真月譚 月姫空の境界、月の珊瑚が置いてあるので、この3つはきのこも認めたコミカライズトップ3とでも言えるかもしれない。

 

THE WORLD 第1巻~第4巻 獸木野生

 白い神ホワイトワイルド、黒い神ブラクワイルドの2匹の視点から人間たちを描くファンタジー漫画。

 バラバラの時代を舞台にして登場人物に緩い繋がりがあったりなかったりする中短編の連作形式になっていて、全9話の構想があるらしい。 

 個人的に一番好きなのは第3話「花の贈りもの」。戦争やっている中編(2話4話5話)よりも短編(1話3話6話)のほうが好き。

 2004年に第5巻(第6話)が出たきり未完の作品だけど、1巻がホワイトワイルドとブラックワイルドが別行動を始める所で終わって、5巻がホワイトワイルドとブラックワイルドが合流する所で終わるので、なんとなくこれでまとまっている感は出ている。

 既刊は5巻までなのになぜかきのこ本棚には4巻までしか置いてない。4巻と5巻同時刊行だし内容も直接つながってるしでマジで意味がわからないんだけど……。

 これはさすがになにかの間違いとしか思えない(靴ずれ戦線もEXTRA4コマも月の珊瑚も1巻足りてないし……)んだけど、無理やり理由を想像するなら4巻に好きなシーンが有るとか? 「作者の思うほど読み解かれた本はまだ存在しない」とか……。

 

2021/8/14追記

 FGOの光のコヤンスカヤの設定に出てくる「自然界の報復機構が擬神化したもの」「自然の因果応報のサイクル(本来はゆるやかな、数百年かけて行われるもの)を瞬間的に行使」あたりの元ネタ、多分この漫画に出てくる「報復能」の概念。

 作中では詳しい説明がないのでよくわからないが、「最も弱いものが常に勝るという宇宙の法則」のことらしい。

 

靴ずれ戦線 ペレストロイカ 第1巻 速水螺旋人

 2010年~2013年に連載された漫画『靴ずれ戦線 -魔女ワーシェンカの戦争-』の新装版。

 ルサールカ、キキーモラみたいな名前くらいは聞いたことある奴からチョールト、ポルードニツァみたいなマジで知らない奴まで色々出てくるロシアン妖怪漫画。

 全2巻だけどこれもきのこ本棚に置いてあるのはなぜか上記リンクの1巻目だけ。

 なんでそうなってるのかよくわからないけど、無理やり理由を想像するなら新装版1巻の追加エピソード(正確には同人誌の再録)にヴィイが出てくることだろうか……。

 この同人誌は2017年の冬コミ3日目、つまり2017年12月31日に発表されたもので、アナスタシアも初登場はFGO2部「序/2017年12月31日」なので全く同時に2つのヴィイが登場したことになる。

 この縁の面白さで本棚に入れてあるのかもしれない。

 単純になにかの間違いとかかもしれない。

 

スペクトラルウィザード 全2巻 模造クリスタル

 Web漫画『金魚王国の崩壊』で有名な模造クリスタルの同人誌を単行本化したもの。

  知識探求の果てに世界を滅ぼせるようになった魔術師たちとそれに対抗する人間社会のイザコザみたいな話……か? なんか違うような気もする。

 きのこ本棚、わりと「奈須きのこ作品元ネタ披露コーナー」みたいな側面のある企画だと思うんだけど(「価値がわかる宝石図鑑」を読んで「ベリル・ガットの元ネタこれか!?」ってなったりとか)、これは純粋に「奈須きのこ最近読んだ好きな漫画コーナー」って感じ。

 というか、これの2巻目とかになると出たのが2019年10月なので(TYPE-MOON展の開始が2019年12月)そもそもきのこ作品の元ネタになれる余地がほとんどない。きのこが同人誌版から追っかけてたとしてもそっちも2019年5月完結だから大して変わらないし……。

 世界観とかは一応奈須きのこに通ずるものがあるような気もするけど。特に前団長の主張とかFateシリーズのラスボスが言ってそう。

 

 まぁそれはそうとしてきのこ本棚に置いてある小説・漫画を読んだ中では今の所これが一番おもしろかった。オススメです。

 

マジキュー4コマ Fate/EXTRA 第1巻~第2巻

 Fate/EXTRAのアンソロジー4コマ漫画。

 全3巻なのに2巻までしか置いてないが、これに関してはそもそもなんで本棚に置いてあるのかからしてよくわからない。

 もしかしてめちゃくちゃ面白い隠れた名作でも収録されてるんじゃないかと一応読んでみたけど、別にそんなことはなかったし……。

 無理やり理由をでっちあげるなら「Fate/EXTRAリメイクを書くにあたってEXTRA発売当時の気分に戻りたかった」とかか……?

 あとは単に「表紙のワダアルコ絵がたまたま好きだった」とかかもしれない

 ファミコンRPG『デジタル・デビル物語 女神転生II』の攻略本。ゲームのあらすじ紹介や登場悪魔の解説と設定画、その他攻略情報等が掲載されている。著者は成沢大輔。

 登場悪魔の内きのこキャラを拾うとアサシン、アスタロート、アトラス、ガネーシャクーフーリン、ケツアルカトル、タマモノマエ、ティアマット、ティホン、フェンリル、ペガサス、メデューサ、レヴィアサンとか。きのこ以外も含めればヴァルキリー、ヴリトラ、キヨヒメ、タロス、ミノタウロスメフィストなんかもいる。

 とはいえ悪魔解説の内容自体は文字数の都合(大体100文字)もあって薄くて、さすがにこの本を資料として使って作品が書かれているとも思えない。

 じゃあなんのための本なのかを想像してみると、「私はこの本でクー・フーリンを知りました」アピールとかなんじゃないか? 「『メガテン』の台頭でクー・フーリンを知ってケルト神話に興味を持った*1」って発言もあるし、『旧Fate』書かれたのが1991年あたりなので時期も合う。

*1:Fate/complete material II Character material