“これより語るは一つの未来。
妖精國と成りはてた、神秘の島のその行く末”
“罪なき者はお帰りを。
ここは底なし、女王のお城”
“つもる、つもる、雨のように、灰のように。
きえる、きえる、雪のように、嘘のように”
“ぼくらの望みは棚の上。
今も女王の手のひらのなか”
“でも、それもあと少しの辛抱だ。
二千の年を超えた朝、救いの子が現れる”
“妖精 と人間 を結びつけ、
世界を救う救世の子”
“はじめは小さな光でも、誰の目に見えなくても、
光を目指す蛾のように”
“鉄の街、煤 の海。
災いを退けた時、巡礼は迎えられる”
“港は渚に戻るけれど、厄災は遙かな空へ”
“選定の杖に導かれ、異邦の旅人に見守られ、
救いの子は玉座に届く”
“丸い砦はもえつきる。水の鐘はあらわれる”
“玉座につくのは真 の王。
血染めの冠 おひとつどうぞ”
“罪を認めた罪人に、落とされるのは首切り刃”
“ならせ、ならせ、雷 のように、火 のように。
六つの鐘をならして示せ。真 の王の道を作れ”
“あかい災いが追いつく前に。
くろい災いが食いつく前に”
“役目を終えた『予言の子』、元いた場所にさようなら”
“仕事はちょっとなまけるけども、
ぼくらは自由な妖精の裔 ”
“望みはずっと欠けたまま。
きらめく明日がほしいのさ”
そのまま読めば「キャストリアが主人公に導かれながら六つの鐘を鳴らしてモルガンを倒して真の王として戴冠する」みたいなストーリーになるけど、まぁ予言のまんま進行しても面白くないし、マーリンの「それが起きた時にそうだったと符合する」、オベロンの「エインセルはイヤな引っかけを残した」「アルトリアの生死は主題じゃない」とかもあるので何かトリックが仕掛けられていることはわかる。
「二千の年を超えた朝に現れる救いの子」
=「妖精と人間を結びつけて世界を救う救世の子」
=「選定の杖に導かれて異邦の旅人に見守られて玉座に届く救いの子」
=パーシヴァル?
15節で「選定の槍を与えられた日は2011年」、23節で「選定の槍を与えられた日にパーシヴァルは10歳」と分割して「パーシヴァルは2001年生まれの16歳」=「予言の子と同い年」っていう情報を隠しているのがあまりにも怪しすぎる。
もちろん単にパーシヴァルの精神年齢の幼さを隠すためとか「ある妖精」(オーロラ?)が思いついた人工予言の子育成計画?出身なのを隠すためとかだけに用意されたギミックの可能性もあるけど、予言の文章「妖精と人間を結びつけ」とかかなりパーシヴァルっぽい。
もっともパーシヴァルとすると「玉座に届く」の意味がいまいち解釈できなくなるという欠点もあるんだが、まぁそこはこれからの展開次第って部分もあるし……。
「救いの子を導いて玉座に届かせる選定の杖」=キャストリア? 選定の杖?
じゃあキャストリアが何かって言ったらこれ? 実は予言の中で全然重要ポジションじゃなかったというオチ。ただここは文字通り選定の杖な可能性もあるかもしれない(今の所選定の杖一切仕事してないけど)。
「救いの子を見守って玉座に届かせる異邦の旅人」=キャストリア?
第三再臨キャストリアが宝具セリフ「異邦の国、時の終わり、なれど剣は彼の手に」で妖精國を異邦扱いしてるっぽく読めるので、楽園の妖精から見れば妖精國はあくまで異邦って話になるのかもしれない。ただここ、「彼」(妖精國を終わらせて神造兵装エクスカリバーを手に入れる主人公?)目線で語ってるだけとも読めるんだが……。
キャストリアじゃない場合でもここが主人公ってことはないと思う。なぜか登場人物みんな主人公のことを「異邦の旅人」じゃなく「異邦の魔術師」呼びしているので。
キャストリアでも主人公でもない場合候補がナカムラとロブ、ワグくらいしかなくなるのでやっぱキャストリアでは……?
「役目を終えて元いた場所にさようならする『予言の子』」=キャストリア? マシュ?
モルガンがはっきりキャストリアのことを『予言の子』認定しているのでここはキャストリア? モルガンが予言解釈間違えてる可能性を認めるならマシュもありかもしれない。
『巫女の予言』?
"自由を愛する妖精たち。愛を守った妖精たち。
でも、そのかわりに世界を失った仔どもたち"
”幾度滅びを迎えても、
あなたちのブリテンは栄えるでしょう”
”春の驚き、夏の諍い、秋の歓び、冬の戦い。
たくさんの死を積み上げて、永遠に、永遠に”
"でも、どうぞ、いつまでも忘れずに。
どんなに丈夫なお城でも、土台だけは変わらない"
"世界が新しくなるほど根は古び、
誰も知らないまま、このとおり"
"取るに足りない、
小さな虫のひとかみで崩れるのです"
1節冒頭に出てくる奴。巫女の予言の概要が「春夏秋冬の戦争を予言した破滅の予言」でだいたい一致しているので多分これ。
この予言全然わかんなくて……まずブリテン、別に何度も滅びてなくない? 年表見る限り大厄災で滅びたの妖精暦1年の1回(+詳細不明の妖精暦11000年大厄災?)だけに見えるんだけど。書いてないだけでトネリコが厄災防ぎ始めるまでは毎回1000年ごとに滅びてたのか?
とりあえず妖精が世界を失った理由=セファールを倒せなかった理由=エクスカリバーを作れなかった理由?が自由を愛したからだったことはわかる。
『6つの妖精』
おしまいで海になった。
はじまりに海があった
ながれぼしがすぎたあと、
大地はみんな河になった
これいじょうむかしはないほどの、
それはむかしのお話です。
ろくにんの妖精がそとにでると、
せかいは海になっていました。
土もなければ岩もない。
魚もいないし鳥もいない。
もちろん、ろくにんがだいすきだった
山も森も、もうありません。
ろくにんはとほうにくれて、
もうかえろうかとかなしみました。
"かわいそうなことを"
"こんなせかいになってしまって"
そんなとき、海のなかから おおきなかげが
たちあがりました。
ふわふわ、ふさふさの大きなからだ。
その肩には、いなくなったはずの動物ひとり。
肩にすわった動物は、このふさふさを
けるぬんのす、とよんでいました。
けるぬんのす と 動物 は、
ろくにん と ともだちになりました。
なにもない海はつまらなくて、
すみづらくて、たいへんなものでしたが、
けるぬんのす が 波をせきとめてくれるので、
ろくにんはらくちんです。
ただ、けるぬんのす は かみさま なので。
ささげものがひつようだと 動物はいいました。
ろくにんは けるぬんのす に
よろこびをささげました。
ろくにんは けるぬんのす に
おねがいをささげました。
"波のない海もいいけれど"
"ぼくたちやっぱり 大地が恋しい!"
ねがい は かなえられました。
おまつりは おわりました。
かみさまは つかれて ねむりました。
ろくにんは けるぬんのす を
たいせつにまつりました。
のこったものも たいせつに つかいました。
こうしてブリテンはできたのです。
はじまりのろくにん に すくいあれ。
今書き起こして初めて気づいたけど、ケルヌンノス登場から急に文字の区切りに読点じゃなくてスペースを使い始めるのがかなり気になる。
ケルヌンノス登場後すべてスペースになるのかと思えば「なにもない海はつまらなくて、すみづらくて、たいへんなものでしたが、」では読点使われたりするし……。
何かニュアンスが隠されているとしたらスペース部分は妖精に都合よく改竄された捏造パートとかかなぁ。この昔話、絶対何か裏に隠されてるだろって禍々しさがすごいんだよな。締めの「はじまりのろくにん に すくいあれ」とかかなり怖い。
妖精國の全人間のコピー元になった1人の人間とかこの巫女っぽいし、じゃあ「のこったものも たいせつにつかいました」ってそのことなんじゃないか、とか。
その割に妖精がケルヌンノスの壁画見た時に罪の意識とかじゃなくて頼もしさを感じてるのが結構謎なんだけど……。
その他
キャストリアが新しく円卓の騎士創設する説。
主人公、キャストリア、マシュ、ダヴィンチ、トリスタン、オベロン、村正、ハベトロット、ガレス、パーシヴァル、レッドラ、ペペロンチーノ、グリムでちょうどいい感じに味方側13人になる。
死人のトリスタン、ガレス、ペペロンチーノをノーカンにされるとだいぶ厳しくなるが、バゲ子、ノクナレアと後は展開次第でランスロットかコーラルあたりを入れればなんとか……。