奈須きのこ作品の音楽系元ネタとサブスクリプション

 

『Notes.』

GODO

 まずは本文を見てください。

 限界を突破していた脳髄が、焼き切れる。

 眠りに落ちる一瞬の間隙、

 意識が白く塗り潰される前のわずかな間。

 たしかに、自分が、消えゆくまえに敵の姿を視認した。

 なんて、

 美しい。

 

――――――雲の切れ間に、天使が見える。

 

 次に劇場版『リング』主題歌『feels like “HEAVEN”』の歌詞を見てください。

Oooh きっと来る きっと来る 季節は白く

Oooh 限りない 輝きをあなたに贈る

Oooh Feels Like Heaven Feels Like Heaven 雲の切れ間に

Oooh Feels Like Heaven Feels Like Heaven 天使が見える

 

 ……まんまじゃねーか!

 今年の2月に読み返してるときに偶然気がついてめちゃくちゃびっくりした。

 『Notes.』が同人誌以外で再録されなかった理由、もしかしてこれじゃなかろうかと思わなくもない。

 なんなら「Heaven's Feel」もここから来ていたりするのか?

Original Sin

 ROUAGEの1stアルバム『BIBLE』の収録曲「Original sin」。

 歌詞は全然関係ない。

 この記事の曲、だいたいサブスクに入っていると思うけど、ROUAGEは1曲もないのでCDを買ってください。

Public Garden

 Dragon Ashのミニアルバム『Public Garden』の表題曲。

 サブスクで聞ける。

 この記事の曲のうち、他のビジュアル系バンドやCoccoNav Katze遊佐未森なんかはきのこがインタビューで名前を出したり、TYPE-MOON展でCD置かれてたりしてたのでそれなりの確信を持って元ネタだと言えるんだけど、きのこがDragon Ashの名前を出しているところは一度も見た覚えがないのでちょっと自信がない。

 他の歌に比べても歌詞がかなりそれっぽいので多分これが元ネタだと思うんだけど……。

 「星の歌聞こえたならばその祈り空を撃ち抜いて」とか。あと「その場所で動かないでいて」「その場所で眠り続けて」「強い風にのせて花の種を空へ」とか。

Roman

 SOFT BALLETの6thアルバム『FORM』の収録曲「ROMAN」。

 サブスクで聞ける。歌詞は全然関係ない。

After Images

 SOFT BALLETの2ndアルバム『DOCUMENT』の収録曲「AFTER IMAGES」。

 サブスクで聞ける。歌詞は全然関係ない。

How A Star Is Born

 Coccoの1stアルバム『ブーゲンビリア』の収録曲「星の生まれる日。」の英題。

 サブスクで聞ける。歌詞は……ギリギリ関係あるか……?

 『Fate/Grand Order』第2部6章のサブタイトルが「星の生まれる刻」なのもこれが元ネタのような気はするが、なぜか日から刻に変わってるのが日→英→日で再翻訳した感あってちょっと面白い。

Glitter Love

 Nav Katzeの7thアルバム『うわのそら』の収録曲。

 サブスクで聞ける。歌詞は全然関係ない。

リアル・オブ・ザ・ワールド(真世界)

 タイプ・ムーンが持っているという魔剣の名前。

 ZI:KILLの1stアルバム『真世界〜REAL OF THE WORLD〜』。サブスクはない。

 これ、いくらなんでも名前がそのまますぎるし、2002年のインタビューで1回名前出たっきり完全放置されてるしで、わりと設定としてなかったことになっていそうな気もする。

月姫』サブタイトル編

クリーム

 アルクェイドルート11日目、アルクェイドのことを忘れて日常に戻るバッドエンドのサブタイトル。

 Plastic Treeのインディーズアルバム『Strange fruits -奇妙な果実-』収録曲。

 サブスクだと再録版を2ndアルバム『Puppet Show』で聞くことができる。歌詞は全然関係ない。

月世界

 アルクェイドルート12日目、ロアとのラストバトルのサブタイトル。

 Plastic Treeの4thシングル『トレモロ』のカップリング曲「月世界」。

 もしくはBUCK-TICKの15thシングル『月世界』の表題曲。

 一見どちらが元ネタか区別がつかないと見せかけて、前者の歌詞が(…キスして。)*1で締められているので多分Plastic Tree。 

 サブスクだとベストアルバム『Single Collection』で聞くことができる。

月姫

 アルクェイドルートのトゥルーエンディング。というかタイトルそのもの。

 遊佐未森の1stアルバム『瞳水晶』の収録曲……なのか? サブスクで聞ける。

 歌詞が全然関係ないのはもちろんとして、仮にこれが元ネタだったとしてもそれ『月姫』の元ネタなんじゃなくてそれ以前からきのこの持ちキャラとして存在したらしい月姫蒼香の元ネタじゃないの? っていう気もする。

 歌詞で「青い髪」とか言ってるし……。

空の弓

 シエルルート6日目と7日目のサブタイトル。

 L'Arc~en~Ciel。ラルクアンシエル事件。

 サブスクでは色々聞けるけど、TYPE-MOON展のCD棚にあったのは『Tiera』『DUNE』の2枚らしいのでとりあえずここを聞いておけばいい気がする。

空蝉

 シエルルート9日目、シエル先輩と仲直りしてロアを倒すあたりのサブタイトル。

 ROUAGEの3rdアルバム『CHILDREN』の収録曲。

 歌詞も志貴にロアが転移した感じを表現しているように見えなくもない。

蜃気楼

 シエルルート11日目、ロアに転移された志貴が琥珀さんを襲いかけたりシエル先輩に襲われたりするあたりのサブタイトル。

 ROUAGEの4thシングル『月の素顔』のカップリング曲。

 歌詞は……もしかしたら関係あるかも……。

不眠症

 シエルルート11日目、シエル先輩の好感度が足りないときに行く、琥珀さんを襲ってバッドエンドへ直行するルートのサブタイトル。

 ROUAGEの2ndアルバム『MIND』の収録曲「不眠症 -insomnia-」。

 歌詞は全然関係ない。

静夢

 秋葉ルート6日目、秋葉が転校してくるあたりのサブタイトル。7日目のサブタイトルも同じノリで沈夢。

 D≒SIREの1stアルバム『終末の情景』収録曲。このバンドもサブスクにはないのでCD買ってください。

 歌詞はあんま関係ない。

 リメイク版前編でも残されていた「月世界」「蜃気楼」なんかがしょせんよくある一般名詞でしかないのと違って、こいつはどう頑張っても「ビジュアル系の楽曲から引用したタイトル」としか解釈できないので、後編で生き残っているかどうかはかなり怪しい気がする。

望遠鏡

 秋葉ルート11日目、秋葉とくっつくあたりのサブタイトル。

 ROUAGEの3rdアルバム『CHILDREN』の収録曲。

 歌詞は……ギリギリ関係あるかな……。

まひるの月

 翡翠ルートのトゥルーエンド。

 Plastic Treeの1stアルバム『Hide and Seek』の収録曲。

 サブスクで聞ける。歌詞は全然関係ない。

七つ夜。

 琥珀ルート11日目のサブタイトル。

 Nav Katzeの1stアルバム『OyZaC』に「御七夜の夢」、3rdアルバム『新月』に「七つの夜,七つの夢」って曲があるのでもしかしたらこれが七夜の元ネタかも……? ぜんぜん違うかも。

月蝕

 エピローグ。

 ROUAGEの2ndアルバム『MIND』に「月蝕…」という曲があるが、これは流石に単純に名前がかぶっただけだろという気がする。

 インスト曲なので歌詞はない。

プラネタリウム

 さつきルート4日目と8日目のサブタイトル。

 Plastic Treeの9thシングル『プラネタリウム』の表題曲。

 もしくはROUAGEの3rdアルバム『CHIRDREN』の収録曲。

 サブスクだと前者はベストアルバム『Single Collection』で聞ける。

人でなしの恋

 さつきルート9日目のサブタイトル。

 江戸川乱歩の短編小説……なのか? なんでこれだけ急に江戸川乱歩に?

星に願いを。

 さつきルート12日目のサブタイトル。

 ピノキオのやつ。

 

 

月姫』イメージソング編

アルクェイド

 Nav Katzeの5thアルバム『OUT』収録曲「CRAZY DREAM」。

 サブスクで聞ける。

 アルクェイド曰く「女の子ユニットの、吸血鬼がテーマの可愛い歌」「シナリオ担当に言わせるとほんっとーに月姫アルクェイド)のイメージソングらしい」。

 逆に言うとアルクェイド以外のイメージソングはウソって話になる気もするが……。

 今聞くと原作アルクェイドよりもむしろリメイク版アルクェイドっぽい気もする。一番アルクェイド感あるのはは「何もかもほしい 愛だけじゃ 全然足りない」あたりだろうか。 

シエル

 BUCK-TICKの6thアルバム『狂った太陽』収録曲「地下室のメロディー」・

 サブスクで聞ける。

 シエル曰く「ココハドコダ、ソシテコノオレハダレダ、とか、そういった歌詞が羅列されてるだけの歌」。学生時代のきのこは廃墟みたいな病院の待合室でこのアルバムの歌詞カードを見てしまい、恐くて半年CDケースを開けなかったらしい。

 これはまぁロア時代のシエル(エレイシア)をイメージしているのがわかりやすい。シエル先輩個人だけではなくロアに転移された後の志貴をイメージしているともとれる。

翡翠

 SOFT BALLETの5thアルバム『INCUBATE』収録曲「PARADE」。

 サブスクで聞ける。

 翡翠はこの曲を目覚ましソングとして使っているらしい。

 どう聞けば翡翠のイメージソングになるのかよくわからないが、多分夜に家を抜け出して朝までに返ってくる主人公を志貴に見立ててる……んだよな?

琥珀

 Coccoの1stアルバム『ブーゲンビリア』収録曲「やわらかな傷跡」。

 サブスクで聞ける。

 琥珀トゥルーの最後のCGで琥珀さんが両手を広げてるの、「小さなわたし 乾いた道を 汗ばむ背中 陽射しに揺れ 若い夏草のよう。 細い坂を登れば 両手ひろげて 流れる雲に 愛を夢見た。」って歌詞がモチーフだったりするんだろうか。

秋葉

 Swinging Popsicleの2ndアルバム『Fennec!』収録曲「サテツの塔」。

 これもCD買って聞いてください。

 この間はじめて『スマガ』のOP「(a)SLOW STAR」歌ってるのと同じバンドだったことに気がついてめちゃくちゃびっくりした。

 歌詞的には「どんなに君を縛り付けても 魂は抜け落ちた」とか。

さつき

 さつき曰く「文学といふコト、で使われてた原田知世さんの歌」。

 この言葉を文字通りに受け取ると「T’EN VA PAS」なんだけど、これだとフランス語歌詞になって秋葉の「ただし邦楽限定。洋楽とかアマゾンの部族の歌とかゴスペルとか禁止です」って注意にあんま意味がなくなる上、そもそも歌詞が「ママと別れないでほしいって娘がパパに伝える歌」であまりにもさっちんと関係なさすぎる。

 多分日本語訳版の「彼と彼女のソネット」のことを言っているんだと思うが、『文學ト云フ事』の「彼と彼女のソネット」を歌っているのは原田知世じゃなくて大貫妙子らしい。

 大貫妙子版でいいのならサブスクで聞ける。

 

Fate/stay night

オルター・エゴ

 セイバールート・桜ルート3日目、教会での言峰との初遭遇。

 SOFT BALLETのリミックスアルバム『ALTER EGO』か。

 言峰のデザイン自体元ネタが「ソロ(ends)になってからの遠藤遼一」*2らしいのでそういう意味でも関係はある。

 サブスクでは聞けない。

少女狂想

 セイバールート・桜ルート3日目、バーサーカーにやられてイリヤに人形にされるバッドエンド。

 Plastic Treeの3rdアルバム『Parade』収録曲。

 サブスクで聞ける。歌詞は全然関係ない。

 ちなみにこれだけコンシューマ版でサブタイトルが「金糸雀の篭」に変更されている。まぁ少女狂想は流石に偶然ではかぶらないだろうからな……。

Utopia

 セイバールート15日目(最終日)全体のサブタイトル。

 黒夢の2ndアルバム『迷える百合達〜Romance of Scarlet〜』の収録曲「utopia」。

 歌詞は全然関係ない。

After image

 凛ルート15日目全体のサブタイトル。アンサーから最終決戦前の準備あたり。

 『Notes』4章と同じでSOFT BALLETの2ndアルバム『DOCUMENT』の収録曲「AFTER IMAGES」……なのか?

 ネタかぶりしてるのと末尾のsが消えてるのが合わさってただの偶然な気もしなくはない。

EDEN

 凛ルート16日目(最終日)全体のサブタイトル。 

 LUNA SEAの3rdアルバム『EDEN』。サブスクで聞ける。

Omen

 桜ルート5日目全体のサブタイトル。小次郎の中からハサンが出てきたりキャスターが葛木を殺したりするあたり。

 FC版『女神転生II』のBGM「Omen」……なのか?

 正直自分で言ってて全然信じられないんだけど、この曲が収録された『女神転生Ⅰ・Ⅱ 召喚盤・合体盤』ってCDがTYPE-MOON展のCD棚に置いてあるので一応紹介しておく。

beautiful

 桜ルート6日目と11日目のサブタイトル。

 SOPHIAの6thアルバム『マテリアル』収録曲「beautiful」。

 これもあまりにも普通の単語すぎるが、このCDもやっぱりTYPE-MOON展にあったらしいのであるいは……?

 サブスクでは聞けない。歌詞はもちろん全然関係ない。

FINAL

 桜ルート16日目(最終日)全体のサブタイトル。

 SOFT BALLETの3rsアルバム『愛と平和』の収録曲。

 サブスクで聞ける。歌詞は全然関係ない。

 「Utopia」「EDEN」「FINAL」、かなり普通の単語なので単体だと元ネタと言い張るのはそこそこ厳しい気もするが、「『迷える百合たち』と『EDEN』はTYPE-MOON展でCD棚に置かれている」「SOFT BALLETはきのこがファンなのを公言してる」「最終日のサブタイが全部音楽ネタになって統一感が出る」あたりを総合すればまぁ行けるんじゃないか? どうかな?

 

Fate/Grand Order

レプリカ

 竹箒日記 : 2016/07

 坂本真綾の9thアルバム『FOLLOW ME UP』の収録曲。

 サブスクで聞ける。

 『ベディヴィエールの義手はなぜアガートラムなのか?』という理由がまったくわからず悩んでいたきのこがれを聞いて答えをひらめいたという曲。

スクラップ~別れの詩~

 竹箒日記 : 2016/12

 坂本真綾の4thアルバム『少年アリス』収録曲。

 サブスクで聞ける。

 きのこ曰く、『FGO』のプロットはこの曲を聞きながら書いたもので、ロマンが10年間に得た答えと雰囲気がめちゃくちゃ近いらしい。

サンタクロース

 竹箒日記 : 2017/12

 ELLLEGARDENの1stアルバム『DON'T TRUST ANYONE BUT US』収録曲。

 サブスクで聞ける。 

 きのこ曰く『ぜったいにありえない話だけど、ホロウから10年ぐらい経ったクリスマスの夜の話、彼が世界から消え去る最後の日にしたかった事』をイメージしたらしい。

 

ツイスト・オブ・ラブ

 ペペロンチーノのスキルその1。

 SOFT BALLETの2ndシングル『TWIST OF LOVE』表題曲。

 オリジナルアルバムにはアコースティックヴァージョンしか収録されていないけど、ベストアルバム『SINGLE COLLECTION '89-'91』に入っているのでサブスクでも聞ける。

 

 

ホログラムローズ

 ペペロンチーノのスキルその2。

 SOFT BALLETの1stアルバム『EARTH BORON』収録曲。

 歌詞はペペロンチーノ曲の中だと一番ペペロンチーノ感ある気がする(妙蓮寺家にとっての鴉郎みたいな)。サブスクで聞ける。

 

イグジスト

 ペペロンチーノのスキルその3。漏尽通。

 SOFT BALLETのミニアルバム『3 (drai)』収録曲

 サブスクで聞ける。

 

少女狂想

 Plastic Treeの3rdアルバム『Parade』収録曲。

 サブスクで聞ける。

 妖精騎士トリスタン(呪いの厄災)のBGMをオーダーする際、きのこは「少女狂想。血まみれの舞踏会。ダンスミュージック、キラキラ舞踏会、本人は地獄、みたいな。CCCのエゴバトル風味」と伝えたらしい。その回の竹箒日記はもう消えているが……。

 『Fate/stay night』のバッドエンドで使われた時は本当に名前の雰囲気だけって感じだったけど、こちらは「なぜ なぜ 手がとれるの? なぜ なぜ 足がないの? なぜ なぜ 笑ってるの? なぜ なぜ あたし……いるの?」あたりの雰囲気がバーヴァンシー感ある。

*1:と歌詞カードには書いてあるっぽいけど実際に歌ってるのはKiss me連呼

*2:Fate/stay nightプレミアムファンブック