- 『おさとうあまあま Hの法則!』
- 『出会って4光年で合体』
- 太陽に溶ける海。永遠。(13ページ)
- キモ記憶力(21ページ)
- どちらのAが先かで派閥がある。(22ページ)
- しかし三度会うと人生が終わる、と伝えられとるけ(25ページ)
- ぐるぐるぐるぐる(27ページ)
- 戻れ 戻れ 戻れ 戻れ(41ページ)
- 「"エッチな催眠アプリ"も、"セックスしないと出られない部屋"も何もかもがそこでは可能だ」(59ページ)
- 48ページと73ページ
- すすす…(75ページ)
- 「ところで君は……彼女とかおるん?」(84ページ)
- 「あ、えっと……避妊具に……」「そ……想像なのに?」(86ページ)
- いわゆるチンポルターガイスト(143ページ)
- 手作りスケボーパークを楽しむ長曽我部真男(145ページ)
- それを言葉では説明はしないんだ。スマートに誘導する。百人中九十九人はわかるようになってる。(147ページ)
- 原初の海、命のはじまりとは、尻穴なき世界にたゆたうアナルビーズのようなものだった。(156ページ)
- 人間の性欲をお手軽に消す薬(156ページ)
- メガネをかけてたら真男と認識されるという例も何度か報告されておりザルです(160ページ)
- いつか喧嘩をしたとき、きちんと仲直りセックスとやらができるのか? 両親のように(167ページ)
- いや、今日はちょっと特別かも。なんか知らない先生だし。(176ページ)
- ……まぁ勘弁してよ光蔵の孫(178ページ)
- 隣の人間より価値のない自分が隣の人間と同じことをできただけで、自分の何も許してあげられないのが辛かった。(220ページ)
- そういえば、いつ皮がムケたんだ?(224ページ)
- 橘はやとにはどうしても直せない習性があった それは台風の日に外に出てしまうこと。(230ページ)
- そのせいで。(234ページ)
- 6年も経つと目が悪くなってきた。(237ページ)
- 僕はベッドの下からアナルビーズを取り出し――――(247ページ)
- 私は業を煮やした!(276ページ)
- 網野淡泊(293ページ)
- いわゆるリーマンショック(297ページ)
- ええ、もちろん!(305ページ)
- え? そりゃもちろん眼鏡をかけてる方が(311ページ)
- 367ページ
- 君たちもいつかこう呼ぶだろう。セックスしないと出られなかった星。(372~373ページ)
『おさとうあまあま Hの法則!』
太ったおばさん作品、別に全部読んでるわけでもないのでかなり放言になるけど、『出会って4光年で合体』に一番テーマが近い(あと面白さも近い)作品、多分これでしょ。
掴みのギャグ「タマキン・図解ウォーカー」から始まり、長藤の尿道口と甘夏の子宮口の距離をHで表現するアイディア、そのH値が何のために存在したのかを一発で理解されられるH=0.01のエロシーン、「宝くじで30万円当たったせいです」で締めるラストと、序盤・中盤・終盤隙がない傑作。
『出会って4光年で合体』と対比した時に面白いのは避妊の扱いで、最初は生で種付けするつもりだった長藤文一が避妊を選ぶ物語が『おさとうあまあま Hの法則!』、頑なに避妊していた橘はやとが中出しする物語が『出会って4光年で合体』と言っても間違いない。
『出会って4光年で合体』
まず最初に言っておくと、僕が作中で一番好きな場面は380ページ。賽銭箱からCが1000円札を取り出すラストシーン。
いやまぁ正確に言うなら、ここ自体は天狗の隠れ蓑が手に入った本当の理由を明かしているだけの場面であって、実際に好きなのは98ページの"隣の人が好きです。だから、隣の人がちゃんと幸せになれますように。"という祈りのような気もするけども……。
たった2回会っただけ、たった100ページ経っただけの時点で祈りが一言一句一致していたらご都合主義としか思われないので、一度読者を騙して「ああ、くえんがこっそりゴソゴソ婚々の御札を入れたんだなぁ」と納得させておいて、最後の最後、全382ページ中380ページ目、はやととくえんが子作りまでした後に真実を明かすことで「ああ、祈りが一言一句一致したのって本当に奇跡だったんだなぁ」と納得させる。流石だよ。
とにかく一番好きなシーンがラスト3ページにあるのめちゃくちゃ満足度が高い。
今この感想記事をブログで書いている理由、ほぼこのシーン好きって話をしたいのが全て(フォロワーにたった1人でも『出会って4光年で合体』未読者がいる限りここのネタバレをTwitterでするわけにはいかないため)なので、残りの話はわりとどうでもいいんだけど……あとはページ順で好きなシーンとか気になる話とか。
太陽に溶ける海。永遠。(13ページ)
ランボー。これ僕アマガミSS全話レビューで知った詩なんだけど、そんなノー説明で引用できるくらい超メジャーな奴だったんだ、これ……。(僕が他に知ってる詩、有栖川有栖の『孤島パズル』に出てきた中原中也の奴ぐらいしかない)
キモ記憶力(21ページ)
真男が語るくえんの細かいエピソード、"くえんと偽天狐の歌”"くえんと天狗の隠れ蓑""くえんと暗黒物質""くえんとαケンタウリ"って4/8が意味のあるエピソードなので、残りの"くえんと飲んだくれ三郎"だの"くえんと漁師の弥助の話"だのにも何かある気がしてくる。"くえんと王様"は256ページでCが言ってる王様にされたくえんの話とか?
どちらのAが先かで派閥がある。(22ページ)
実際は九尾の姉妹の順番で序列がはっきり決まってるっぽいので、A逆だと思ってた派は完全にピエロになってるのなんか微妙にかわいそう。アップライト先、アグロハロー後派が正しい方なのかな。
しかし三度会うと人生が終わる、と伝えられとるけ(25ページ)
この「三度会う」、1度目と2度目はまぁそのまま登山として、ストーリーの流れ的に3度目ってくえんが山から降りてきた大師祭りの日じゃなくてαケンタウリでの3度目の登山のことでいいのかな。まぁ実際は三度会うと人生が終わるというか、人生が終わってから三度会ったわけですが。
ぐるぐるぐるぐる(27ページ)
1000年ぶりに自然人形態になったC。
これ、Cが何しに来たのかよくわかんないんだけど……。この時点でのはやとってまだ1000年ぶりに会いに来なきゃいけないような重要人物じゃない気がするが、たまたま出会っただけ?
未来予知的な奴ではやととくえんが番になることを知ったCが顔見せしに来た的な奴かなぁとも思うが、別にCに未来予知できるような描写はない。でもくえん文書にαケンタウリの座標仕込んだりしてるあたりで示唆されてるような気もする……。
戻れ 戻れ 戻れ 戻れ(41ページ)
大久絵山のロケーション、単純に絵がハイパワー。将来アニメ映画化された時の最大の見せ場の1つは間違いなくここやろね。
「"エッチな催眠アプリ"も、"セックスしないと出られない部屋"も何もかもがそこでは可能だ」(59ページ)
別に夢の中じゃなくても両方とも可能なんだよなぁこれ……。
48ページと73ページ
はやとがくえんを好きになったシーンと、くえんがはやとを好きになったシーン(多分)。
「ヒロインが主人公を好きになった理由」はないと読者を説得できないのではっきり描くけど、「主人公がヒロインを好きになった理由」はわざわざ説得しなくても読者にとってヒロインがかわいければ勝手に納得してくれるのでスキップ可っていう恋愛ものメソッドがある気がしてて……それはこの作品にもはっきり出てるよね。
すすす…(75ページ)
このコマなんか好き。くえん何やってんの?
「ところで君は……彼女とかおるん?」(84ページ)
かわいいですね。
「あ、えっと……避妊具に……」「そ……想像なのに?」(86ページ)
初読時はめっちゃサラっと読み流してた超重要シーン。いつか初見で「あっこれ自分が捨て子だから!?」って気付けるような読解力の男になりたい。
いわゆるチンポルターガイスト(143ページ)
いわゆるチンポルターガイスト。
手作りスケボーパークを楽しむ長曽我部真男(145ページ)
このコマの中ですげぇ目立つ位置に置かれてるメガネ、後から見直すと「メガネがすげぇ目立つ位置に置かれてる!」ってなって伏線だった事がわかるんだけど、初見で伏線だと思うわけがなさすぎる絶妙なコマ。
それを言葉では説明はしないんだ。スマートに誘導する。百人中九十九人はわかるようになってる。(147ページ)
この漫画自体とにかく説明をしない作品で、ひたすら要素を放り投げてはその要素同士を組み合わせて意味を見出すのは(スマートな誘導の上で)読者の脳みそに任せてくるタイプなので、ちょっと自己言及的に見えなくもない。
原初の海、命のはじまりとは、尻穴なき世界にたゆたうアナルビーズのようなものだった。(156ページ)
こいつ……世界の真理を見てる……(231ページ)、
人間の性欲をお手軽に消す薬(156ページ)
くえんを見た人間は男なら勃起、女なら腰を抜かしてしまう……が、それは性欲由来のものなので性欲消す薬飲めば問題解決。
言われてみればわかるけど、あまりにも自然に渡辺麦の異常性欲エピソードに混ぜ込まれているせいで後から使われるネタだと全く思わない。
あと開発した御國バイオニクスはこれ「合法小学生はかな!」の御国さんのところの会社ですね。漢字違うけど。
メガネをかけてたら真男と認識されるという例も何度か報告されておりザルです(160ページ)
このセリフと145ページのメガネを組み合わせれば種明かし前から真実に気づけるぞ!
いつか喧嘩をしたとき、きちんと仲直りセックスとやらができるのか? 両親のように(167ページ)
多分出来てる(288ページ)
いや、今日はちょっと特別かも。なんか知らない先生だし。(176ページ)
今読んでて初めて気づいたけど、こいつ土神じゃねーか。
……まぁ勘弁してよ光蔵の孫(178ページ)
真男と光蔵の関係がいまいちよくわからない(明言されてるのは「葛の葉が産んだ子を光蔵の所に残していった」(296ページ))んだけど、これ真男と光蔵は血繋がってないけど本人たちの意志を汲んで孫って呼んでるんでいいのかな。
単純に光蔵の息子と葛の葉の子供が真男って話だと、なんで光蔵の息子じゃなくて光蔵に真男を残してるのかよくわかんないし……。
隣の人間より価値のない自分が隣の人間と同じことをできただけで、自分の何も許してあげられないのが辛かった。(220ページ)
ここ泣いてしまう。
そういえば、いつ皮がムケたんだ?(224ページ)
はやとが自分の皮がいつムケたのかわからないように、読者もはやとの皮がいつムケたのかはよくわからない。188ページの時点ではまだムケていないようなので、その後口淫を繰り返している内にムケたのであろう。
橘はやとにはどうしても直せない習性があった それは台風の日に外に出てしまうこと。(230ページ)
ここも泣ける。
因数分解のやり方を忘れていないように、台風の日に1人きりで怖い思いをしている人間がいることを忘れていない橘はやと。
そのせいで。(234ページ)
そのせいで、何!? はっきり言ってくれ!
勘で言うと「そのせいで同じものは一つもなくなってしまった」=「すべて異形(いなり)になってしまった」とかなんだけど。
6年も経つと目が悪くなってきた。(237ページ)
284ページだと犬が逃げてから台風まで4年なので、ちょっとどっちやねんとなる。
僕はベッドの下からアナルビーズを取り出し――――(247ページ)
これ単体でも「クリトリス爆撃機先生の趣味で急にアナルビーズが出てくるギャグ」として成立してるといえばしているが、この後それどころの話ではなくなる。
私は業を煮やした!(276ページ)
好き。
網野淡泊(293ページ)
網野さん1人だけギャグ漫画の登場人物みたいな名前してるのちょっと面白い。
いわゆるリーマンショック(297ページ)
……何これ!? 意味が分からなすぎてめちゃくちゃ面白いんだけど……マジで何これ!? なんでリーマンショックって単語に「リーマンブラザーズがきっかけで起きた金融危機」以外の意味付けを!?
ええ、もちろん!(305ページ)
クリトリス爆撃機先生、こいつ、こいつよーっ!マジかよこいつ!
え? そりゃもちろん眼鏡をかけてる方が(311ページ)
『出会って4光年で合体』、基本説明を省くスタイルなのにここだけ菊川が超伝導おばあちゃんのセリフの何をどう勘違いしたかめっちゃ長台詞で説明してるの、わりと不思議。
367ページ
精液ミルキーウェイ!!!
冒頭でもちょっと触れたけど、この「ついに中出しした!!!!」っていうカタルシス、『おさとうあまあま Hの法則!』での「中出ししなかった!!!!」っていうカタルシスとの対比が美しいぜ。
君たちもいつかこう呼ぶだろう。セックスしないと出られなかった星。(372~373ページ)
絶対呼ばない。