こちらの本『るりひめ』で奈須きのこが自分の能力値として挙げていたゲーム6作(自分の能力値として挙げていたゲームって何ですか?)をコンプしたのでその感想。
プレイしている最中に「もしかして奈須きのこ、自作でこのゲーム6本をオマージュしようとしているのでは……?」と思いついてしまったのでまとめておく。
『DARK SOULS』
2011年9月22日にPlayStation3で発売されたアクションRPG。ダークソウルシリーズの第1作目かつ、いわゆるソウルシリーズの第2作目。
前作的なポジションの『Demon's Souls』、今回のリストをコンプするだけなら別に必要なかったんだけど、一応やりました。奈須きのこが「『FGO』のアイデアの源流」「平成最高の1本」って言っていたから……。
『DARK SOULS』自体のきのこ感想は竹箒日記 : 2011/10とかぐらいかな? ここで褒めている呪いは簡単には解除できない思想、なんとなく『魔法使いの夜』の没設定を思わせなくもない。
僕がプレイしたのは2018年5月24日に発売された『DARK SOULS REMASTERED』で、PS4版を2024年8月あたりにクリア。
完全オフでプレイしたので奈須きのこが感じた面白さについては確実に全然触れられてないんだけど、まずこれ、単純にアクションゲームとして面白い。
デモンズソウルは最初PS3版をver1.0でプレイしてたせいで嵐の祭祀場のソウル傾向黒くなって完全に積んだから最初からやり直す羽目になったんだけど、全然苦にならなかったし。
ダークソウルは火継ぎの祭祀場の火防女の魂を普通にエスト瓶強化に使っちゃったせいで最初からやり直す羽目になったんだけど、全然苦にならなかったし。
流石に1ジャンル築くだけあるわ。そして僕はやらかしすぎだわ。
本編ボスは結構「これ、強い武器握ってるかどうかで難易度変わりすぎない?」みたいな感じがある(オンスモとかもまともな武器が雷のスピアぐらいしかない1回目では超苦労したのに黒騎士の剣使ってた2回目では一瞬で終わった)(それはそれで飛竜の剣とって無双したりするのも楽しいけど)ので、武器は最終強化済み前提って感じのDLCボスが終わってみれば一番好きだったな。アルトリウス、カラミット、マヌス……。
きのこオマージュ的には、『Fate/Grand Order』2部6章アヴァロン・ル・フェがきのこ版ダークソウル。
まず「不死の使命を果たして目覚めの鐘を鳴らすのが目的の巡礼」と「楽園の妖精の使命を果たして巡礼の鐘を鳴らす巡礼の旅」で「使命」「鐘」「巡礼」あたりのワードがめちゃくちゃ被ってるし。
その巡礼の旅の最終目的地も「最初の火の炉」と「宙の炉」だし。
あと使命だの巡礼だの御大層なこと言っても結局アルトリア・キャスターは聖剣になるだけだしダクソ主人公は薪になるだけでただの生贄やんけ、というところも似ているといえば似ている。
『ベヨネッタ』
2009年10月29日にXbox 360とPlayStation3で発売されたアクションゲーム。ベヨネッタシリーズの第1作目。
きのこ感想は「面白すぎた」と、あと前述の「平成最高の1本」の候補に入っていたりとか。ちなみに2の方の長文感想竹箒日記 : 2014/09には1のクライマックスの奈須きのこノベライズが含まれているのでこちらも読むのがオススメ。
僕がプレイしたのは2017年4月11日に発売したSteam版で、2020年7月あたりにクリア。
これはゲーム部分が全然合わなかったな……難易度ノーマルでも難しすぎるし。QTE要らなすぎるし。あとステージクリアする毎にランク評価されるアクションゲームが全く好きじゃないし。
いやまぁムービーのトンチクアクションシーンとか眺めているだけでも普通に楽しかったのでそんな悪いゲームだとも思ってないけど。
でも奈須きのこのつけてる点数を100とすると多分僕のつけてる点数20とか30とかになるんじゃないかな……。
きのこオマージュ的には……『Fate/EXTRA CCC』がきのこ版ベヨネッタということになる……のか?
いや全然ベヨネッタ要素は感じてないんだけど、なんか本人がはっきり「おりしもベヨネッタをクリアしてハイテンションだったシナリオ担当が、「なんか俺もすごいビッチが書きたい。超エロい宇宙規模のビッチ。つーか新ジャンル・ゴッドビッチ」と欲望を丸出しに」とか書いているので、まぁ……。
なんなら『カプセルさーばんと』の方がまだしもベヨネッタ性を感じる。
英霊トーサカがまんまベヨネッタなだけならただのパロディとしても、ちゃんとそこに「少女時代の自分自身(リン)と出会う英霊トーサカ」っていう「少女時代の自分自身(セレッサ)と出会うベヨネッタ」オマージュが入っているから……。
『オーディンスフィア』
2007年5月17日にPlayStation2で発売されたアクションRPG。
きのこの長文感想は竹箒日記 : 2007/07で、更に竹箒日記 : 2016/01もある。
僕がプレイしたのは2016年1月14日に発売したリメイク版『オーディンスフィア レイヴスラシル』で、PS4版を2022年8月あたりにクリア。
ヴァニラウェア(神谷盛治)のゲーム、これと『朧村正』『十三機兵防衛圏』で今のところ三作プレイしているけど、その中だとこれが一番好き。
主人公が2人しかいない朧村正、主人公が13人もいる十三機兵防衛圏に比べて主人公が5人のオーディンスフィアのちょうど良さ。
シナリオが2つしかないからどっちを先にプレイしてもあんまり変わらない朧村正、シナリオ13個の選択順が完全フリーだからプレイヤーの選択次第で情報が出てくる順番が全く変わる十三機兵防衛圏に比べて、シナリオ5つで順番固定だから制作者の想定通りの順番で情報を出してもらえるオーディンスフィアのちょうど良さ、みたいな。
そのうち『プリンセスクラウン』『グリムグリモア』あたりもやりたいもんですね。
きのこオマージュ的には、『Fate/Grand Order』2部6章アヴァロン・ル・フェがきのこ版オーディンスフィア。
物語の最後に始まるボスラッシュが「終焉の予言にある五つの災い(獣、死の王、炎、大釜、竜)」「エインセルの予言にある二つの厄災(獣の厄災、炎の厄災)」なの、二つ丸々被ってる!
まぁアヴァロン・ル・フェのボスラッシュにはここから呪いの厄災と奈落の虫が追加されるし、なんならベリル・ガットもいるので最終的には2/5しか被ってないけど、そもそも偶然で被らないだろ二つは。
あとは竹箒日記で書いている「終章の「終末に向けてまっしぐら」感」とか崩壊編の存在そのものって感じもなくはない。
『ニーア レプリカント』
2010年4月22日にPlayStation3で発売されたアクションRPG。
きのこ感想は「総合力よりセンスが全て。この作風が肌に合う人間にはたまんない二十時間」とか。
僕がプレイしたのは2021年4月22日に発売された『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』で、PS4版を2023年3月あたりにクリア。
これはなー、結構いろいろ思うところがあって……。
まずサブエピソードが面白くて(ピーちゃん、狼、カイネ祖母、巨大樹、人魚姫とか)、メインストーリー(魔王)は表に出てくる設定だけだとまぁ普通ぐらいで、裏設定(ヨナは全然助かってなくてあの後普通に死ぬし人類は全滅する)を含めると「いや……この話なんだったんだよ!」みたいな感じになる。
「一人のために、全てを滅ぼす」ってキャッチコピーの「全て」の中に「一人」が含まれてることあるんだ。世界が100人の村だったとして、1人を助けるために99人を死なせてしまう話だと思っていたら、1人を助けようと思ったら100人を死なせてしまった話になる、みたいな……。
あとはほぼ同じ内容で3周(原作版。ver.1.22474487139...だとシナリオが1章分増えた上で3.5周)させられるのが流石にかったるすぎるとか、(これはゲーム自体は何も悪くないけど)最後の大ネタ・セーブデータ削除があまりにも有名すぎて普通にプレイ前から知ってたので「あーなるほどこれね」で終わっちゃったりとかもあった。
続編の『ニーア オートマタ』、ちゃんとエンディングに未来への希望があるし、1周目と2周目に多少重複はありつつきっちり味変されてるし、最後の大ネタについては何も知らずにプレイできた(たまたまでは?)しで、ベクトルはそのままに今作で引っかかっていたポイントがめちゃくちゃ改善されてるのでそりゃあ人気出るわ。セーブデータの消し方もめちゃくちゃパワーアップしてるし……。
きのこオマージュ的には、『Fate/Samurai Remnant』がきのこ版ニーアレプリカント。
いやあれをきのこ作品としてカウントするのもどうかと思うけど……プロットはきのこらしいのでサムレムのニーア感はきのこ由来でしょ多分。
2周目をプレイすることで1周目にはなかったシーンが(ささやかに)追加されて物語の裏側が見えてくるアクションゲーム、みたいな。
その裏側の見え方がニーアの「敵側の事情」から捻ってあって「主人公の事情」に逆転しているのがちょっと面白い。
あとニーアと違ってサムレムは周回が2周で済むのは気が利いている。
『パンドラの塔 君のもとへ帰るまで』
きのこ長文感想は竹箒日記 : 2011/07。
他のゲームがPS4とかSwitchでプレイできるのに比べて、これはWiiでしかプレイできない(正確に言うとWiiUでも出たけどダウンロード販売が既に終わってる)のでプレイ環境が残っている人あんまりいなさそう。僕は2023年10月あたりにクリア。
ノベルゲームならともかく、アクションゲームとかって物語を目当てにプレイするにはめちゃくちゃタイパが悪い(シナリオ読むだけなら3時間ぐらいで終わる話に総プレイ時間50時間かかったりとか普通にする)ので、ゲームで物語を描くならゲームでしかできない要素が大なり小なり欲しいと僕は思ってるんだけど、この作品にはそれが2つある。
1つは一番最悪のDエンドで獣化から戻れなくなったセレスを主人公が射殺する時にプレイヤーが鎖発射ボタンを押させられるシーン。
もう1つは一番最良のSエンドで塔から投げ出されたセレスを助けるために鎖を操作して発射するシーン。
これだよこれ、敵を倒すために何度もやってきた「リモコンで狙いをつけてBボタンで鎖を射出」が最後の最後にヒロインを助けるために使われるのも、その操作をめちゃくちゃ自然にできる自分自身もいい。
きのこオマージュ的には、『Fate/EXTELLA』の未明篇がきのこ版パンドラの塔。
戦闘と戦闘の合間にCV能登麻美子の化け物系ヒロインとマイホームで交流するアクションゲーム、さすがに他にないでしょ……ないかな? あるかも……。
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』
2010年11月25日にPlayStation Portableで発売されたハイスピード推理アクション。ダンガンロンパシリーズの第1作目。
きのこ感想は「『デスゲーム』をこれ以上ないほどの完成度で見せた」とか?
2に長文感想竹箒日記 : 2012/08があるのに比べて1のことをどう評価しているのかはあんまりわからない。
僕がプレイしたのは2016年2月18日に発売されたSteam版で、2020年5月あたりにクリア。
プレイ当時に書いた感想がこれ。
まとめると「ネタバレ知ってたせいで終盤はわりと消化試合になってしまった」「1章が一番面白い」「霧切さんが好き」とか。
きのこオマージュ的には……何も無い。
奈須きのこ、デスゲームものなんて書いてないし……ジャンル的には『MAGNITUNING』『Fate/EXTRA』あたり結構近いような気もするけど、両方ダンロン以前だし。
希望と絶望についてなら『FGO』1部終章の「憎悪と絶望の物語」「愛と希望の物語」とかあるけど、あれは坂本真綾の「スクラップ~別れの詩」らしいし。
こじつけられる要素を1つも思いつかなかった。
まぁオーディンスフィア→アヴァロン・ル・フェも14年くらいかかってるので、まだまだ焦る時間じゃない。






