いやー、Fate/Grand Order第2部6章「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」でついに第一魔法の使い手について明かされましたね。
第一成立に関わった魔法使い=ユミナ=植物科の創立者であり、ユミナの直系=マインスターの魔女=久遠寺有珠の母だという。
まぁ自慢じゃないけど僕はここ読んでる時マジで予想してた通りの内容が出てきたんで、「予想してた通りで逆につまらんな……!」くらいに思ってました。ガハハ!(自慢)
この辺り、10年単位でチビチビ情報を出してきてる部分で、追っかけきれていない人もいると思うので順を追って解説していきます。
2010年10月29日 Fate/complete material III World material
「第一魔法の直系たる人物はかろうじて存命中」の方はもちろんだけど、「内容は一部特権階級の魔術師たちにとっては常識」の方も後になってだんだん意味がわかってくる。
なんなら「第四魔法の実在は魔法使いしか知らない」の方も第一魔法の使い手が誰かを考えるにあたって後で重要になる。
2012年4月12日 魔法使いの夜
「第一(はじまり)より別たれた」とか「私達は最後の魔法使い」とかかなり露骨な前振り。特に後者の方はこの後「触れてはいけない一線に踏みこんだ」説明だったと話が続くのでだいぶ意味深。
この時点で「コンマテ3で言ってた第一魔法の使い手の直系、有珠なのかな?」って雰囲気はあるけど確証は特にない。
ちなみに「マインスター」に関しては有珠母個人を指す名称っぽい時と有珠含めた一族全体の名称っぽい時が両方あっていまいちよくわからない。
ベリル母の「私の娘は私」を踏まえれば「代々マインスターの娘はマインスターでやってきたけど、禁忌で人間と恋に落ちて作った有珠はマインスター(血統)だけどマインスター(個人)じゃない特殊な存在になった」……みたいな感じかなぁ。
あとメイ・リデル・アーシェロットは「産業革命の陰でポッと発生した煤の魔女の末裔」らしい。
これもこの時点では「有珠の友達だから同じ魔女」くらいしかわからなかったけど、今見ると「ああ、植物科初代のユミナが魔女だったから植物科の現ロードのアーシェロットも魔女なんだな」ってスッと理解できるな。
FGOの説明だと魔女は文明の発展とともに転身していったって話なのに産業革命でポッと発生したの?っていうのはちょっと不思議だけど、格落ち品だからなのか?
2012年4月12日 魔法使いの基礎音律
久遠寺有珠の魔術系統がユミナ。この時点では完全ノークルー。他のキャラの魔術系統は「数秘術」「近代黒魔術」とかなので、謎の造語を使っている有珠が浮いていることだけはわかる。
2015年7月1日 TYPE-MOONエース Vol.10
時計塔の科の名前=創立者という設定の初出。この時点ではユミナもブリシサンも名前が出てきてないし、鉱石科がキシュアなのもわかってなかったのでマジでなんの意味もない設定だった。
2015年8月14日 ロード・エルメロイII世の事件簿 2 case.双貌塔イゼルマ(上)
植物科ユミナの初登場。正直この時点では「有珠、植物科だったんだ……」くらいに思ってた。今考えれば「植物科だからユミナ」ならユミナじゃなくて植物魔術とか書くだろという感じがするが……。
2016年8月14日 ロード・エルメロイII世の事件簿 4 case.魔眼蒐集列車(上)
植物科のロードがアーシェロットだった。これもまぁこの時点では割とどうでも良い設定(アーシェロットってそんな名家だったんだ、くらいに思ってた)だったんだけど、今思えば「ユミナのロードの家系かつ魔女の末裔のリデルが魔術系統:近代黒魔術なのに有珠が魔術系統:ユミナなのはおかしい……何かあるのでは?」と気づくべきだった(難易度高くない?)。
2021年3月31日 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅲ.spring song Animation material
答え合わせ。
言っている内容としては「時計塔にはゼルレッチ以外にもう一人魔法使いがいて名前はユミナ」だけなんだけど、ここまで情報を追っていくと、ちゃんと「植物科の創立者は魔法使いだった」「第二はゼルレッチ、第三はアインツベルン、第五は青子で第四は魔法使い以外正体を知らないらしいからユミナは第一」「有珠の魔術系統がユミナだったのはユミナの直系だったから」と理解できるはず。
ところで、
ゲーム版まほよ発売以前の説明だと有珠が普通に魔法使い扱いなんだけど、これ真に受けてもいい奴なのか?
橙子・切嗣が黒桐・士郎みたいな素人相手に魔法使いを自称してたみたいな奴……?
個人的には、原作版まほよでは魔術と魔法の違いがラストシーンで初めて明かされるギミックだった(ゲーム版まほよではもうらっきょやFateで魔法の話さんざんした後なのでオミットした)説とかも考えてあるんだけど。
余談
ちなみに第一魔法の使い手については「久遠寺有珠の祖先」以外にももう一つ説を立てていて、それが「第一魔法の使い手=第一の亡霊(スタンティア)=死徒二十七祖11位スタンローブ、カルハイン」説。
「第一魔法の使い手はすでに死亡しているが、その痕跡が生きているので存命中とカウントされることもある」
2004年10月22日 月姫読本Plus Period
「第一の亡霊ことスタンローブ・カルハインはすでに教会によって討たれているが、その怨念が残留して周囲のモノ全てを破壊するだけの力の渦になっている。存在濃度がゼロになるまであと二百年ほどかかる」
2001年5月23日 月姫読本
2001年8月10日 歌月十夜
2006年8月10日 PS2版MELTY BLOOD Act Cadenza
に、似ている……あまりにも……!
事件簿マテリアルの「AD前夜:第一魔法の使い手誕生」って記述を根拠にネットで囁かれてきた「第一魔法の使い手=イエス・キリスト」説、個人的にはこれを根拠に「イエスが死徒二十七祖になって教会に討伐されてるわけなくない?」で採用してなかったんだけど、FGOの記述を見たらアリなような気もしてきた。
魔法使いと明言されている割に「第一魔法を成立させた」とかじゃなく「第一魔法の成立に関わった」なのは怪しい。魔法を作成したんじゃなくて魔法の作成をバックアップしただけ、くらいの言い方にも見える。魔法使いである以上第一魔法の使い手だとは思うんだけど……。
魔法の共同製作者がいてそれがイエスだった、みたいな可能性ならあるかもしれない。
まぁもしも第一魔法の使い手がイエスとユミナで二人いるなら「AD前夜:第一魔法の使い手誕生」なんでどっちのこと言ってるのかわからない表現やめてくれないかな、とか思わなくもない。